『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』あらすじ・ネタバレ感想!美女ともっさり男の風刺ラブコメ!

映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』あらすじ・感想!バリキャリ美女ともっさり男の風刺ラブコメ!

出典:公式Facebook

強く美しい女性の代名詞とも言えるオスカー女優シャーリーズ・セロンが才気あふれる政治家を熱演。

お相手の無職のフリージャーナリストを演じるのは一癖も二癖もあるセス・ローゲン。

美貌のヒロインともっさりした冴えない男のロマンティックなラブコメディかと思いきやまさかの下ネタが満載。

小ネタもたっぷり社会風刺もピリリと効いた大いに笑えるラブコメディ!

ポイント
  • とにかく美しいシャーリーズ・セロンの様々な表情が見られるので眼福以外の何物でもない映画。
  • 下ネタ満載でありながら現代社会への問題提起もしているという意外と奥深い一面も。
  • 小気味良いテンポで進みラストはスカっとさせる現代ラブコメの秀作。

それでは映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』についてネタバレありでレビューしていきます。

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『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』作品情報

作品名 ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋
公開日 2020年1月3日
上映時間 125分
監督 ジョナサン・レヴィン
脚本 ダン・スターリング
リズ・ハナー
出演者 シャーリーズ・セロン
セス・ローゲン
オシェア・ジャクソン・Jr
アンディ・サーキス
アレクサンダー・スカルスガルド
ジューン・ダイアン・ラファエル
ランドール・パーク
ラヴィ・パテル
ナタリー・ティボー
ボーイズIIメン
音楽 マルコ・ベルトラミ
マイルズ・ハンキンズ

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』あらすじ


アメリカ合衆国の国務長官・シャーロットはゆっくり眠ることも出来ないほど超多忙な日々を送っています。

無能な大統領の支持を取りつけ、次期大統領候補に名乗りを上げようとするシャーロット。

しかし、さらなる人気の底上げのため「ユーモア」を必要とすることに。

一方、体当たりの取材をするちょっと過激なジャーナリスト・フレッドは、自らが働く出版社が大手メディアに買収されたことに腹を立て、その場で会社を辞めてしまいます。

社会的に成功している大学時代からの友人ランスに元気を出せと連れて行かれたセレブの集まるパーティーで、フレッドはシャーロットと「再会」します。

住む世界がまるで違う二人は実は子供時代の知り合いだったのです。

そして、シャーロットはなんとフレッドにとって初恋の相手。

シャーロットはフレッドの書いた記事を読み、探していたスピーチ原稿のライターにフレッドを起用します。

シャーロットの公務に同行し共に過ごす時間が増える二人の距離は次第に近づいて行き、ある事件をきっかけについに秘密の恋人同士に。

しかし、現代版・身分違いの恋をする二人には様々な障害が待ち構えていて…。

【ネタバレ】『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』の感想

シャーリーズ・セロンはじめ魅力的なキャラクターたち

激しいアクションも自らこなす、コメディからヒューマンドラマ何でもこいのかっこよすぎるシャーリーズ・セロン

オスカー受賞歴もあり演技力も折り紙つき。

輝く美貌に溢れる知性、辛い過去を語れる強さ、見習いたい行動力の持ち主。

くりす

もう大好きですけど何か?というくらいファンです。姐さんとお呼びしたい!

そんなシャーリーズ・セロンが主役の新作映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』はロマンティック?ラブコメディです。

これまで、女スパイから、殺人鬼、訴訟を起こす労働者、女戦士、冷酷な女王、サイバーテロリストなどなど様々なキャラクターを演じて来たシャーリーズ・セロン。

今作では「美しい・可愛い・かっこいい」の三拍子が揃っている国務長官というラブコメヒロインを演じています。


そんなゴージャスな政治家のお相手役は、とにかくよくしゃべる役がお似合いなセス・ローゲン


すらっとした長身美女のセロンがカナダ首相役のアレクサンダー・スカルスガルドと並んでいると、確かに絵になります。

くりす

ですがセス・ローゲンとのシーンの方がしっくりくるのは脚本の上手さなのか二人の相性の良さなのか。

見た目は現代版『美女と野獣』とも言えるセロンとセス。

しかし、この二人ならではのケミストリーでただの下ネタが多いだけの作品ではなく、笑いながらもほっこりできるラブコメに仕上がっています。

また、脇を固める個性的なキャラクターも魅力的です。

理解ありすぎあなたの下で働きたいと思わせるフレッドの親友ランス。


映画界に進出する気満々の、おそらく無能な大統領。


無駄にイケメンなカナダ首相。


いやらしさ全開のメディア王。


ものすごく仕事ができそうな、しかしシャーロットとセスの恋を快く思っていないシャーロットの秘書。


なぜか存在感があるシャーロットの男性秘書。


良い人すぎるシャーロットのシークレットサービス・エージェントM。

あまり出演シーンがなくても印象深いキャラクターばかりなので、人間ドラマの部分も楽しめますよ。

政治や社会への皮肉も散りばめられたシニカルな一面も。

シャーリーズ・セロン演じるシャーロットは、おそらくは外見の美しさでの人気が高い政治家です。

大統領候補として支持率をさらに上げようと戦略を練る時政策を語ってもいいけれど、大衆はさほど興味ないという内容の意見をさらりと言われてしまうシーンがあります。

くりす

国民が興味あるのはイケメンのカナダ首相とのロマンスの行方と。

政治家ならば政策で勝負をと思いますが、実際選挙は「人気投票」の側面が大きいのも確かなこと。

シャーロットが一瞬浮かべる表情で現状に対する諦めやもどかしさがうかがえます。

何せパーティーでも串料理にかぶりつく姿はイメージが良くないと、こそこそしゃがみ込んで隠れてお肉を飲み込まなければいけない始末。

くりす

「外見」は確かに重要な要素ではありますが、料理を食べる姿や恋愛のお相手までまず「支持率」を考えないといけないとは。シャーロットが置かれた状況は「政治」というよりは「政治について深く考えない大衆」への皮肉とも取れますね。

またジャーナリストのフレッドはユダヤ人で冒頭では白人至上主義者の集会に潜入しています。

差別されている側という立ち位置にしたのかなと思いきや、実は中盤であることが明らかになります。

フレッドの友人であるランスが「黒人なのに共和党員でキリスト教徒」だったのです。

フレッドは親友が共和党員であると二十年越しに知らされて怒りますが、その上教会に足繁く通う信者だと知り「信じられない」と言います。

ランスが親友に黙っていたのはまさに「そうやって差別されるから」という理由でした。

ユダヤ人のジャーナリストであるフレッドが無意識に親友に抱いていた差別感情。

くりす

決して蔑んでいるものではなく決めつけ思い込みからくるものと思いましたが、しかし、それも立派な差別なのです。

実際フレッドは反体制側とも言える人間で、大手メディアを嫌い、シャーロットが妥協や駆け引きをすることにも反発してしまう面もあります。良い人間です。

まっすぐで一生懸命仕事に誇りも持っている。

そんなフレッドですら親友を何年も型にはめて見ていたという事実。

くりす

はっと考えさせられる一幕でした。無意識にしている差別が誰にでもあるかもという。

実際黒人の共和党支持者は増えているというデータがありますが、正直ハリウッドでこのネタを扱うとは軽い驚きがありました。

ハリウッドは基本民主党支持者が圧倒的に多いですからね。

くりす

しかし、差別感情の描き方も押しつけがましかったりわざとらしすぎず、さらりと描いてあるのも脚本の上手さを感じます。

キャリアある女性黒人への差別や偏見だけでなく、信念を曲げずにいることの生きづらさや、だからこそ理解してくれる人へ惹かれる描写もコメディだと言うのにしっかり描かれているので、恋愛だけでないドラマ映画としての見応えはばっちりです。

タイトル「ロング・ショット」の意味。

さて、アメリカ合衆国の国務長官といえば、大統領権限は4位とは言え、外相より強力な権限を持ち政府の首席閣僚であるため実質行政府のナンバー2とも言える立場。

今まで3人の女性が指名されていますがそれはすべて1990年代以降のことです。

国務長官は弁護士出身が一番多く、上院や下院議員の経験があり知事経験者財界出身者学位を持っている人物軍の大将経験者も。

長官出身の大統領は現在までに6人。

3人は副大統領を務め19人が大統領選挙に出馬しているというデータがあります。

くりす

それだけ注目を集めるポストで当然ですが有能な人材が多いわけですね。

実際最年少で指名されたコンドリー・ライス(しかも女性で白人以外の人種でした)でも50歳になってからでしたから、シャーリーズ・セロン演じるシャーロットは若すぎるくらい若い上に女性の国務長官ということになります。

ラストでは、なんと女性初の合衆国大統領に就任するので、さすがにそこは現実の社会情勢を見ると「ちょっと盛り過ぎ」と思ってしまいますがそこは映画ですからね。

くりす

気絶するように風呂場でもしくは立ったまま寝るほど激務なシャーロットが夢をつかんだ姿には素直に良かったと思えます。

映画のタイトルである「ロング・ショット」とは映画では被写体とカメラの距離が遠いことを意味します。

しかし、この『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』では「勝ち目のない大穴」「大胆で望みの薄い企て」の意味で使われています。

映画の広告だけでは冴えない男が才色兼備な男をモノにすることという取り方ができてしまいますが、鑑賞するとその考えが違っていたことに気付きます。

有能な女性と優秀だけれど世渡り下手な男性が、時に意見の違いで対立したり、失望や怒りを覚えたり、大きな壁が立ち塞がっても互いへの信頼と思いやりで協力し合ってゴールに辿り着く話なのです。

つまりロング・ショット(大胆な企て)というのは「シャーロットが初の女性大統領の座を射止めること」という解釈ができるのです。

くりす

クライマックスでのシャーロットの決断もある意味ロング・ショットですし。

そして日本のサブタイトルは「僕と彼女のありえない恋」となっています。

集客・宣伝を考えれば正しいのですが、内容的にはちょっとズレがあると感じます。

「僕と彼女」だと男性視点のイメージが強くなってしまいますから。

くりす

決して男性視点で描かれていないのが『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』の大きな魅力なんですからね。

王道だけれど新しい下品だけれどピュア。

ガンガン攻めてくるけれど、押しつけがましさのないシニカルなラブコメディ。

何より愛に溢れたそんな素敵な映画です。

くりす

ただし、本当にかなり下ネタ満載なので、特に付き合いたてのカップルで鑑賞する際はお相手の下ネタ許容範囲を知っておかないと辛いかも。要注意です!

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』まとめ

ここまで映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』についてネタバレありでレビューしてきました。

要点まとめ
  • 下ネタが大丈夫なら大いに笑ってほっこり出来る大人のハートフル・ラブコメディです。
  • アンディ・サーキスの特殊メイクが無駄にすごすぎます。本人とわからないレベル。ボーイズⅡメンご本人たち登場はさすがにビックリ。
  • シャーリーズ・セロンがとにかく美しくて可愛くて思わず彼女に恋をしてしまう映画です。

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