『ライブリポート』は、映画『ダークナイト』のトゥーフェイス役や、『エンド・オブ・キングダム』のアッシャー大統領役で知られるアーロン・エッカート主演のアクション映画です。
離婚した白人中年、過去の事件でトラウマ持ち、というアメリカ映画ではテンプレ的な昔ながらの警察官ペニーが、ひょんなことから配信ニュースのレポーターであるエイヴァと行動を共にすることになり、誘拐された少女を救おうと奮闘する姿を描いています。
捜査モノの定番のバディ・ムービーではありますが、主人公とコンビを組むのが若い女性、しかもネット配信のリポーターというところに目新しさがある本作です。
また物語の中で、少女を助け出すタイムリミット64分が実際の上映時間の中での64分とリンクしているので、まるでドラマ『24 -TWENTY FOUR-』を観ていた時のような緊迫感を感じることができます。
- スピード感満載で、テンポの良いサスペンス・アクション。
- アーロン・エッカートがいかにもな警官役にピッタリ。泥臭いアクションを、体当たりで演じています。
- 予告編は忘れるべし。本作は基本「脳筋映画」です!
それでは『ライブリポート』をネタバレありでレビューしていきます。
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目次
『ライブリポート』作品情報
作品名 | ライブリポート |
公開日 | 2020年6月12日 |
上映時間 | 99分 |
監督 | スティーブン・C・ミラー |
脚本 | ジェレミー・ドライスデール |
出演者 | アーロン・エッカート コートニー・イートン ジェシカ・ルー ベン・マッケンジー ディナ・メイヤー ジャンカルロ・エスポジート |
音楽 | ザ・ニュートン・ブラザーズ |
『ライブリポート』あらすじ【ネタバレなし】
その日の朝、いつもと同じように目覚めた警察官のペニー(アーロン・エッカート)は、結婚指輪を外して出勤。
いつものように馴染みの黒人少年とバスケの話しで盛り上がっている頃、誘拐事件の身代金受け渡しが、近くの公園で行われていました。
しかし警察の存在に気付かれ、犯人が逃亡。
無線を聞いたペニーは指示を無視して犯人を追跡、路地に追い詰めますが、やむなく犯人を射殺してしまうことに。
そこに現れたのが、ペニーの元相棒で、警察署長(ジャンカルロ・エスポジート)。
実は誘拐されたのは彼の娘クラウディアだったのです。
泣き叫ぶ少女の映像を見せられ、タイムリミットは後64分だと知ったペニーは協力を申し出ますが、バッジを取り上げられてしまいます。
停職処分を受けたペニーに近付いて来たのは、配信サイトでレポーターをしているエイヴァ(コートニー・イートン)でした。
ペニーは少女を救いたい、エイヴァは事件捜査の模様をライブ配信したい。
互いの利害関係が一致したことから、2人は捜査を開始。
ライブ配信されるエイヴァの映像を見る視聴者は増え続け、大手メディアも注目するものの、少女の居場所はまったくわからぬまま。
そんな中、射殺した犯人の兄弟であるディーン・ケラー(ベン・マッケンジー)が配信映像を見て、兄弟の復讐のため街中でペニーを襲撃。
ペニーは激しい銃撃戦と肉弾戦を、ディーンと繰り広げることに。
何とか難を逃れたペニーとエイヴァですが、少女の捜索は難航します。
やがてペニーの過去や抱えるトラウマ、犯人の目的も明らかになっていく中、少女の命のタイムリミットは刻々と迫ってきていて…。
【ネタバレ】『ライブリポート』感想
本作はまさかの脳筋アクション映画です
予告を観た限り、てっきり生配信の視聴者から寄せられる情報を元に、警察官とリポーターが推理して、犯人を追う物語かと思っていた『ライブリポート』。
しかし、いざ蓋を開けたらそんなミステリー的要素はほとんどなく、アメリカの昔からよくある刑事モノ、いわゆる「脳筋映画」でした。
くりす
でも予告を観た人の大体が、「うん?あれ?何か違う…となるよね。」という映画なんです。
さて、脳筋映画の楽しみ方は「細かいことはいいんだよ」に尽きます。
「誘拐した娘の水責め映像、どうやって撮ったの?大変じゃない?」
「犯人の逃走用の車に、偽造パスポート用の写真が入った住所付き封筒が置いてあるだと!?」
「素人がそんな簡単に、一般人の相続した情報とかわかる?」
「そもそも犯人、動機的に身代金を何で要求したの?」
くりす
華麗なカーチェイスやガンアクション、冴え渡る推理力などありません。
その代わり『ライブリポート』には、勢いとスピード感はバッチリあります。
ちょーっと強引な展開でぐいぐい進んでいくので、飽きる暇がないのです。
また、どろくさーい肉弾戦アクションも見どころの一つ!
ここ最近のアクション映画の傾向として、最強な主人公や華麗なアクションに見慣れ過ぎていたからか、くるっと回って普通なアクションがいっそ新鮮なんですよね。
不死身なくらい元気に追って来る、ベン・マッケンジー演じる悪役ディーンが、主人公たちの前に現れるシーンはかなりイケてます。
くりす
真面目な問題も組み込まれていますが、基本は気軽にアクション映画を楽しむのにもってこいの映画です。
笑える部分もきっちりありますしね。
それでもラストは、思わず感動してしまったりする何とも憎い演出のある作品だったりします。
くりす
アーロン・エッカートのファンなら見て損なし!
犯人を追って街を全力疾走、車でも疾走、ヘリにも飛び乗る。
少女を救うために街を走り回る警官ペニーをもう50代になったアーロン・エッカートが、身体を張って演じているわけですが。
文字通り体当たりのアクションシーンや、走り回って汗だくなのではと思うアーロン・エッカートが、最後までずっと何故かキラキラしているので、ファンには大変美味しい映画です。
走り回りながらも、ところどころ銃撃戦があったり、肉弾戦があったり、爆弾解除を試みようとしてみたり、と主人公は大忙し。
これぞまさに「昔ながらのアメリカ刑事もの」な展開で、ぼんやりする暇もありません。
偽造パスポートを作っていた巨漢との戦いは、手に汗握るより強烈すぎるキャラクターに笑いをこらえるのが大変ですが。
ジェラルド・バトラー主演の『エンド・オブ~』シリーズの第3弾『エンド・オブ・ステイツ』では大統領役を降板してしまっていたアーロン・エッカート。
くりす
主人公の無茶っぷり、どん引き一歩手前の発言、何より不死身さ。
ジェラルド・バトラー扮する最強シークレットサービスを、何となく思い出してしまうキャラクターをアーロン・エッカートが演じているのです。
朝起きて筋トレ、シャワー、いかにもな朝食を用意して、古いテレビでニュースを見ながら食事、そしてその朝、離婚後もつけていた結婚指輪を外す。
そんな冒頭部分は主人公にこの日、間違いなく今までにない災難が降りかかることを予測させるのでそれだけでもワクワクします。
こういうの好きだろ?と製作陣言われている気がしますが、事実その通り。
昔ながらのポリス・アクション好きには本作は楽しめるはず。
そんな定番の主人公・ペニーの相棒となるリポーターのエイヴァは、コートニー・イートンが熱演。
真実を伝えたいという強い信念を持つ、若さゆえの無鉄砲さが見られるキャラクターです。
可愛い、美人、スタイルいいなと思って観ていたら『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の花嫁の一人だったようで…。
納得の存在感です。
くりす
悪役のベン・マッケンジーも良いのですが、惜しむらくは警察署長役のジャンカルロ・エスポジートの出番が少ないこと。
くりす
ライトな作りとは言え、現代社会の抱える問題にも目を向けられる作品
SNSが急速に拡がった現代社会。
地球の裏側の事件や事故もリアルタイムで共有できて、世界の報道機関のみならず一般人の生の声も見られるという大きなメリットがあります。
反対にいじめの温床になったり、SNS依存症に陥ったりとデメリットも少なくはありません。
くりす
現実では、とにかく動画を撮りまくったり、どこまでも追いかけて来たりして、捜査の邪魔になる一般人が現れ問題も起きるでしょうね。
それでも、ラストシーンはライブ配信を見ていた人たちがいたからこそ起きた奇跡。
ペニーとエイヴァだけなら間に合わなかったことでしょうから。
くりす
そして、身体を張ってリポートするエイヴァの映像を使用しニュース番組を盛り上げる大手マスメディア。
本作では実際にリアルタイムでニュースに触れる人が多いことを示し、情報が遅い、バイアスのかかった報道のある既存テレビ局などを皮肉っている面もあり改めて報道のあり方を考えさせられることに。
くりす
『ライブリポート』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
くりす
- 車があんなことになったのに、ドーナツで許してあげるエイヴァがいい子。
- アーロン・エッカートのファンは必見!
- 細かいところは一切気にせず、楽しんだ者勝ちのアクション映画。『エンド・オブ~』シリーズ好きにおすすめしたい。