言わずと知れたディズニーアニメ不朽の名作を、現代の技術を駆使し、実写を超えた超実写化が実現。
ストーリーに変なテコ入れも入らず原作を忠実に再現しているので、アニメ版のファンも納得できる内容になっていました。
キャラクターの個性や可愛さもそのままなので、アニメ版をよく知らないという方でも『ライオン・キング』の魅力をイチから知ることができる作品です。
- 動物たちの毛一本まで細かく描かれていてまるでBBCの映像でも見ているかのようなリアルさ
- 生きることの大変さと素晴らしさを教えてくれる、もはや教育ビデオと言ってもいい壮大な世界観
- 「ライオン・キング?名前は知ってる」という人にこそ見てほしい魅力が詰まった内容
それではさっそく映画『ライオン・キング』についてレビューしたいと思います。
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目次
『ライオン・キング』作品情報
作品名 | ライオン・キング |
公開日 | 2019年8月9日 |
上映時間 | 119分 |
監督 | ジョン・ファヴロー |
出演者 | |
声優(日本語吹替) | ドナルド・グローヴァー(賀来賢人) ビヨンセ・ノウルズ=カーター(門山葉子) ジェームズ・アール・ジョーンズ(大和田伸也) キウェテル・イジョフォー(江口洋介) ビリー・アイクナー(亜生/ミキ) セス・ローゲン(佐藤二朗) |
音楽 | ハンス・ジマー |
【ネタバレ】『ライオン・キング』あらすじ・感想
『ライオン・キング』は王の座をめぐる誇り高き戦いの物語
『ライオン・キング』の舞台となるのは、様々な動物が共存しているプライド・ランドというジャングルもあれば荒れ果てた岩場もある、高台から望めばその端が見えないほど広大な土地です。
その土地を統べるのが、動物たちから信頼を寄せられているライオンのムファサです。
物語はムファサとその妻サラビの間にシンバという名の子供ライオンが生まれるところから始まります。
シンバはいずれムファサの後継者となってプライド・ランドの王になる者としてみんなから大切にされていました。
有名なシーンとしてよく取り上げられることのある、子ライオンが天に掲げられる場面は、シンバが生まれてプライド・ランドに住むみんなにその姿をお披露目するシーンです。
この時、シンバを抱いている猿はラフィキといって、物語が進むにつれてシンバをたくましい王へとその生き方を導く重要なキャラクターとなります。
シンバは天真爛漫で好奇心旺盛な子ライオンとなり、みんなから慕われながら自由に過ごしていました。
もしこれが本当にBBCやナショナル・ジオグラフィックの映像であれば、このままシンバの日常を流して終わりでしょう。
しかし、これはディズニー作品です。当然、物語には大きな展開があります。
プライド・ランドにはムファサが王として君臨し続けていることを良しとしない動物もいます。
特に、ゾウの墓場と呼ばれている荒れ果てた土地に暮らしていたハイエナたちは、無暗な殺生を許さないムファサのやり方に強く反発していました。
しかし、ムファサは信頼だけでなく力も圧倒的に持っているので、反乱を起こすことはありません。
そんなハイエナたちの元にムファサの弟であるスカーが現れます。
兄ムファサの王の座を狙うスカーはハイエナたちに入れ知恵をし、結託して実の兄であるムファサを殺そうとしていたのです。
王が変わった時、国も変わる
スカーはムファサを殺すためにシンバを利用します。
スカーはシンバにとって叔父にあたるため、シンバも慕っていました。
ムファサに子供扱いをされてモヤモヤしていたシンバに対し、スカーは立派なライオンになるための叫び方を学ぶ谷へ連れて行き、しばらく一人で特訓するよう言い渡します。
スカーの言うことを鵜呑みにしたシンバは一人で叫び方を練習していましたが、ある瞬間地響きがして、ヌーの大群がシンバの方向に向かって押し寄せてきます。
そのままでは巻き込まれてひとたまりもないため、シンバは必死になって逃げながら、途中にあった木にしがみつきます。
様子を見に戻ったスカーはシンバの状況をムファサに知らせ、助けに行かせます。
シンバの元に行きつき、なんとかシンバを安全な場所に移動させながら自分も崖を上るムファサがもうすぐで崖を登りきろうとした時、崖の上にはスカーが待っていました。
自分を引き上げるよう助けを求めるムファサを、スカーはなんと崖の下まで落としてしまいます。
そう、全てはムファサを殺すためにスカーが仕組んだことだったのです。
ムファサを殺すというひとつの目的を達成したスカーは、王の後継者であるシンバに対して「ムファサが死んだのはお前のせいだ」と言い捨て、どうしたらいいか助言を求めてきたにも関わらず「ここから立ち去って二度と戻ってくるな」と追い打ちをかけ、シンバをプライド・ランドから追放します。
こうし、て王も後継者も失ったプライド・ランドの新しい王として、弟だったスカーが君臨することになります。
スカーはハイエナたちに手を貸させる条件としてムファサの時のような狩りに関する制限をなくし、自由にさせることを約束していました。
スカーとハイエナたちの独裁的な土地になってしまったプライド・ランドはかつての見る影もなく、どんどんと荒れ果ててしまうのでした。
シンバはプライド・ランドから自由の地へ
スカーの策略にハマり、自分のせいで父であり王であるムファサが死んだと思い込んでしまったシンバは、生きる気力すら無くした状態で歩き続け、砂漠の真ん中で倒れ込んでしまいます。
そこに通りかかったのがイボイノシシのプンバァとミーアキャットのティモンでした。
シンバが倒れているのを見て、ライオンだ!と最初はビクビクしているティモンでしたが、ペットにする!とひょうきんに言ってのけるプンバァの言葉からペットにすれば自分たちが敵の動物から襲われずに済むようになると考えます。
そんな話をしているうちにシンバは目を覚ましますが、彼の姿はプンバァとティモンの知っているようなライオンとは違って全く覇気がありません。
そんなシンバに、2人は「ハクナ・マタタ」という言葉を教えます。これは「くよくよするな」という意味で、2人が生活する上で大切にしている言葉でもありました。
実際、プンバァとティモンは悩みなどなく、日々の生活を自由に楽しんでいるキャラクターです。
そんな2人と話しているうちにシンバも少しずつ元気を取り戻していき、やがて3匹はいつも一緒にいるかけがえのない親友となるのでした。
時間が過ぎ、子供だったシンバもすっかり体が大きくなり、たてがみも立派に生えたライオンに成長していました。
相変わらずプンバァとティモンと一緒に行動して、ジャングルの中を歌って歩いて食事は肉ではなく虫をみんなで探して食べるという生活を送っていたシンバですが、そこにシンバの幼馴染のメスライオンのナラがやってきます。
ナラはスカーを倒すために力を貸してくれる仲間を見つけるため、プライド・ランドを飛び出していたのです。
シンバも死んだとスカーがプライド・ランドの民に伝えていたため、偶然シンバに再会したナラは驚きを隠せません。
そんな中でシンバに助けを求めますが、その話になるとシンバは過去のことを思い出し、自分にはプライド・ランドに戻る資格はないと拒否します。
シンバの心の弱さに愛想を尽かしたナラはシンバたちのいたジャングルを離れていきます。
しかしその夜、かつて子供だったシンバを天に掲げたラフィキがシンバの前に現れます。
ラフィキは少し前に、風に乗って、そしてさまざまな動物の生活を介して自分の元に飛んできたシンバの毛から彼が生きていることを知っていたのです。
未だにムファサが自分のせいで死んだと思い込んでいるシンバに、ラフィキはムファサが生きていると伝えます。
そんなことあるはずがないと思いつつ、ラフィキの後を追った先にあったのは湖。
水面を見ろと言われて覗き込むと、そこに映ったシンバの姿がムファサの顔に変わります。
そしてシンバは父の面影を残す自分と向き合い、プライド・ランドに戻る決意をしてナラの後を追います。
新しき王シンバの誕生
プライド・ランドに戻ったシンバは、スカーと対面します。
スカーも一瞬シンバにムファサの面影を見てたじろぎますが、すぐに父殺しの罪を武器にしてシンバを責め立てます。
しかし、それまでスカーやハイエナたちの力に抑え込まれていたメスライオンたちも、戻ってきたシンバと彼を連れ戻してきたナラの勇気に後押しされて立ち上がり、ハイエナたちと対決をすることになります。
プライド・ランドの未来をかけた戦いの中、まだ完全に立ち直れていないシンバの心をつつく様にスカーが詰め寄ります。
そして、シンバに対してスカーは「ムファサは俺が殺した」と真実を耳打ちします。
それに激怒したシンバはスカーに襲い掛かります。
その圧倒的な力にひるんだスカーは一気に形勢逆転され、スカーは崖から足を踏み外して前足でかろうじて体を支えている状態に。
その姿はまさにムファサが崖から落とされる寸前の姿。
スカーはシンバに対して「本当の敵はハイエナだ」と言って助けを求めます。
しかし、スカーに騙されていたことでその言葉に耳を貸そうとはしません。
スカーに対してシンバは、プライド・ランドを立ち去り二度と戻ってこないよう言い渡します。
そう、スカーがシンバに対して突き付けた言葉をそのまま返したのです。
スカーはそのまま言う通り立ち去るように見せかけてふいを突こうとシンバに再び襲い掛かりますがそれも失敗に終わり、スカーは崖から落ちていきます。
地面が低い場所にあったことで一命をとりとめたスカーですが、そこをハイエナに囲まれます。
そしてハイエナたちには「友よ」と都合の良い言葉を投げかけますが、ハイエナたちはスカーとシンバのやり取りを聞いていました。
自分たちに罪をなすりつけようとしたスカーを、当然ハイエナたちは許さず襲い掛かります。
そうしてスカーの支配は終わり、プライド・ランドは真の王を取り戻したのです。
その後シンバはナラとの間に子供を授かり、その子供もラフィキに抱きかかえられて天に掲げられ、命が紡がれていくのでした。
サークル・オブ・ライフを忠実に実写化した見事な作品
サークル・オブ・ライフ=生命の環。
これは劇中でも台詞に出てきたり、作品を代表する曲のタイトルにもなっていたりするほど重要なポイントになっています。
『ライオン・キング』という作品自体が、主人公は設定されつつも命の大切さを主軸に置いた作品です。
そのため、弱肉強食というただの言葉では表現できない部分も映像でリアルに表現しています。
また、先述したシンバの毛がラフィキの元に届くシーンも、ただ風に乗って届くのではなく、その合間に動物の口に入り、糞に混ざり、その糞をフンコロガシが運んでいくなど、生態系の流れが輪になり繋がっているのを自然に映し出しています。
こうした描写もCGによって、アニメ以上に直感的で分かりやすく伝わる作品に仕上がっていました。
『ライオン・キング』まとめ
以上、ここまで映画『ライオン・キング』について紹介させていただきました。
- アニメの実写化としてこれほど忠実に作品の持つメッセージをダイレクトに伝えてくれる作品
- 冒頭からCGであることを忘れさせられるほどリアルな質感と世界の奥行が凄すぎる
- 劇中で歌われる曲は誰もが耳にしたことあるものばかりで、改めて『ライオン・キング』の偉大さを知らされます。
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