『恐竜が教えてくれたこと』あらすじ・ネタバレ感想!名作児童文学原作!とびきりの幸福感と夢のような夏の景観

『恐竜が教えてくれたこと』あらすじ・ネタバレ感想!名作児童文学原作!とびきりの幸福感と夢のような夏の景観

出典:『恐竜が教えてくれたこと』公式ページ

恐竜が教えてくれたこと』は2019年にオランダで公開された映画です。

アンナ・ウォルツの児童文学「ぼくとテスの秘密の七日間」を原作として、本作が長編デビュー作となるステフェン・ワウテルロウト監督が映画化しました。

ポイント
  • 夢のように美しいテルスヘリング島の景観
  • ハートウォーミングなひと夏の成長物語

恐竜が教えてくれたこと』をネタバレありでレビューします。

『恐竜が教えてくれたこと』作品情報

『恐竜が教えてくれること』

(C)2019 BIND & Willink B.V. / Ostlicht Filmproduktion GmbH

作品名 恐竜が教えてくれたこと
公開日 2020年3月20日
上映時間 84分
監督 ステフェン・ワウテルロウト
脚本 ラウラ・ファンダイク
原作 アンナ・ウォルツ
出演者 ソンニ・ファンウッテレン
ヨセフィーン・アレンセン
ティーボ・ヘリッツマン
ジェニファー・ホフマン
ユリアン・ラス
音楽 フランツィスカ・ヘンケ

【ネタバレ】『恐竜が教えてくれたこと』あらすじ・感想


夢のように美しい景観

主人公の少年サム(ソンニ・ファンウッテレン)がサマーバケーションのため家族とともに訪れる場所が、物語の舞台となるオランダ北部のテルスヘリング島です。

ねおねお

映画冒頭からため息が出るほど美しい浜辺や可愛らしい家々に心奪われたため、鑑賞後にテルスヘリング島について調べてみました。

テルスヘリング島は、オランダの北海沿岸に連なる西フリーラント諸島の一つです。

オランダではバカンスの場所として大人気。

島を囲むワッデン海は世界遺産にも登録されており、自然豊かで穏やかなかつてのヨーロッパの姿が残された土地です。

『恐竜が教えてくれたこと』

(C)2019 BIND & Willink B.V. / Ostlicht Filmproduktion GmbH

全シーンが可愛い絵ハガキにできそうな、素晴らしい舞台で物語は進みます。

多感な思春期に入りかけているサムは、この世の生き物はいつか必ず死ぬことから「地球最後の恐竜は自分が最後だと知っていたのかな?」という少年らしく哲学的な疑問を持ち、“死”や“孤独”について思い悩んでいました。

サムがビーチで物思いに耽るために掘った穴に、兄のヨーレ(ユリアン・ラス)が落ちて足を骨折してしまいます。

そして、町の診療所で手当てをしてもらっている間にサムは地元の美少女テス(ヨセフィーン・アレンセン)と出会います。

『恐竜が教えてくれたこと』

(C)2019 BIND & Willink B.V. / Ostlicht Filmproduktion GmbH

テスの“ある作戦”に巻き込まれたサムは彼女に島中を連れ回されます。

ちょっぴり謎めいていて眩しくて活発なテスに初めての恋心を抱いたサムの心象を映したかのようなテルスヘリング島の美しい景観は、誰もが一度は夢に見る憧れの夏そのもの。

2人でピクニックした海辺の原っぱ、こっそり訪れた貸別荘、“秘密”を教えてもらったテスの部屋、すべてがキラキラと輝く魔法のような夏の景観です。

ねおねお

いつまでも浸っていたい“夢の夏”を疑似体験できるというだけでもう100点満点、全力でおすすめしたい作品だと思いました。

少年の成長物語としても満点

“地球最後の恐竜”のことが気になって仕方がないサムは「末っ子である自分も家族の中では最後に死ぬことになる」と考えて、孤独に慣れるための訓練として家族と離れて1人で過ごす時間を設けます。

ある日の訓練中、干潟に足を取られて沖に取り残されそうになったサムは、海辺の小屋に1人で住んでいる老人に助けられます。

妻に先立たれて1人ひっそりと暮らしている老人は、サムが思い描いていた“孤独”の象徴のような存在でした。

『恐竜が教えてくれたこと』

出典:IMDB

老人から「孤独との向き合い方」=「思い出をたくさん作っておくこと」を教わったサムが固い決意とともに動き出す終盤の展開、“最後の恐竜”たる老人が“教えてくれたこと”に導かれるという見事な『恐竜が教えてくれたこと』というタイトルの回収に驚きました。

ねおねお

まぁ原題『Mijn bijzonder rare week met Tess』の直訳で『僕のテスとの普通じゃない夏』でも良かったのでは、という気持ちもありますが。

思春期らしい悩みから初めての恋、複雑な家庭環境の存在を知ることなどを経て人生の素晴らしさに気づいていく一連の流れは、心温まるサムの成長物語としてあまりにも完璧です。

中盤で明かされるテスの“秘密”とは“複雑な家庭環境”のことでした。

テスの父親はすでに死亡していると知らされてずっと母親と2人暮らしでしたが、母親のアルバムから父親の名前を発見→今も娘の存在を知らずに生きていることを知ったテスは、こっそり父親を島に招待していました。

テスは自分1人で父親に面と向かって真実を打ち明けることが心細くて、誰かに隣にいてほしくて、サムに協力を依頼しました。

一方、温かい4人家族で育ったサムには父親が不在で子どもの存在すら知らないという事情が想像もつかず複雑な心境。

ねおねお

でも一緒に過ごすほど、どんどんテスのことを好きになっていく、シリアスな心境と恋の幸福感の板挟みのようなサムの視点が終始丁寧に描かれていてとても微笑ましかったです。

最終的にはサムの勇気ある行動によってすべてが上手く収まるのですが、ちょっと上手くいきすぎて現実離れしているなとは思うものの、この夢のような夏の島ではとびきり幸せな、ファンタジーな結末こそふさわしいと思いました。

ちなみに、冒頭で足を骨折してしまった兄のヨーレはせっかくのバカンスが台無しだとすっかり不機嫌に。

もちろんサムも責任を感じているので、お互い喧嘩をするでもなく沈んだ空気が兄弟間を漂います。

ねおねお

しかし、2人で買い出しに出かけながら徐々に仲直りしていき元の仲良し兄弟に戻る過程も丁寧に描かれていて、もう兄弟愛!最高だな!って感じで胸が温まりました。

どこをとっても最高にハートウォーミングな映画です。

ねおねお

劇場を出る時には愛おしさで胸がいっぱいになること間違いなしの本作『恐竜が教えてくれたこと』、ぜひチェックしてみてください。

『恐竜が教えてくれたこと』まとめ


以上、ここまで『恐竜が教えてくれたこと』についてレビューしてきました。

要点まとめ
  • “憧れの夏”が詰まった美しい映像
  • とびきりの幸せと愛おしさに包まれるバカンスムービー