夜な夜な東の門の上で踊る姫の幽霊の噂が広がるも、猫猫は興味を抱きません。しかし、壬氏から幽霊騒動を引き起こしている姫が夢遊病を患い、これを解決することを依頼されたことで、猫猫は動き出します。
実際に幽霊を目の当たりにした猫は、「月下の芙蓉」とひとりごとをこぼし、色々な情報を手にし、彼女なりの推測が…。
3話一挙放送の最終話。第１話、2話の伏線を綺麗に回収し、作品の面白さが前面に出てくる1話となってます。
目次
アニメ『薬屋のひとりごと』第2話のあらすじと振り返り
数少ない玉葉妃の侍女に昇進した猫猫は、中でも毒見役に抜擢。普通は嫌がる仕事ですが、自身の体を毒の実験体としてきた猫猫にはうってつけの仕事でした。しかし、それ以外は暇な日々。毒蛇でも飼って実験をしたいと思うその時、壬氏は異国に遠征している兵が毒を盛られた話を聞き、これを解決。さらには媚薬を作ってほしいと言われます。
調薬が出来ると聞き、心躍る猫猫。様々な薬草がおさめられている医官の執務室へと足を運べば、小躍りせずにはいられません。
カカオを手に入れてチョコレートなる媚薬を作った猫猫は、余った材料で自分用のチョコレートを作ったのですが、薬草取りに夢中になっている間に侍女たちが食べてしまったために、侍女頭の紅娘に怒られてしまいます。
チョコレートの媚薬効果の強さをひとしきり説明すると、壬氏は猫猫の背後に立ち、囁くように礼を言って去っていくのでした。
そして宮中では、夜な夜な幽霊が踊っているという騒ぎが…。
【ネタバレあり】アニメ『薬屋のひとりごと』第3話あらすじと感想
幽霊騒動の噂を聞くも、猫猫は興味なし
白い女の幽霊が出ているという噂を侍女から聞いた猫猫は、小蘭に詳しい噂を聞きだします。
幽霊が出始めたのは半月ほど前から、東門の城壁に上がり、踊っているという噂は宮中で広く噂をされ、小蘭自身も怯え出します。
毒や薬によるものではないと考える猫猫はさして興味を抱くことはなく、ただの幽霊話だと言って深く調べようとする気はおきません。
KAMUI
暇人・壬氏からの依頼
猫猫が調薬できると分かるなり、警戒心むき出しであった医官は彼女に友好的になっていました。医官の元を訪ねれば、猫猫が好みそうなお菓子が出てきたことにより彼女は大喜び。しかし、壬氏が自分の分も欲しいと言ったり、医官にお使いを頼んだりするため、ことごとく妨害されてしまいます。
宮中をいつもフラフラと歩いて暇なのかと苛立つ猫猫。宮官長より偉い人なのかと考えた末、壬氏は帝のお手付きなのではないかと、猫猫は失礼な予想をします。
KAMUI
幽霊騒動に興味を抱かなった猫猫ですが、壬氏の口から「夢遊病」の言葉が出てきたことで心が動きます。壬氏は困ったふりをし、この問題を解決してほしいと粘着質に猫猫に依頼。断り切れない猫猫は「努力します」と言って、これを受け入れるのでした。
その日の晩、幽霊が出ると言われる場所へと足を運ぶ猫猫。壬氏のお目付け役の武官・高順から、毛虫を見るような目を向けないでほしいと言われてしまいます。猫猫としては隠しているつもりでした。しかし、壬氏が執務室に戻るなり「毛虫でも見るような目をされた」と悦に報告されたと高順から聞き、猫猫はさらなる被害が出ないよう気を付けようと思うのでした。
KAMUI
幽霊の正体は芙蓉の花
東門の城壁の上で美しく踊る女を見た猫猫は「月下の芙蓉」と言葉をこぼします。
その名の通り、彼女の名前は芙蓉妃。中級妃の彼女は、来月功労として武官に下賜されることが決まっている女性でした。元々は小さな属国の姫だったのですが、気が小さいため、お目通りで舞いを失敗してしまった過去を持ちます。それから2年もの間、帝からのお手付きがなく、この度下賜されることになったと、高順や医官は離します。
もう少し情報が知りたいと考える猫猫は、芙蓉の元へと向かったのですが、外から見た彼女の姿は夜の姿とは異なって大人しく、その姿を見た猫猫は、昼と夜とで雰囲気が違う芙蓉の花のようだと比喩しました。
猫猫がたどり着いた芙蓉妃の心
東門に登って踊る芙蓉妃ですが、元々は北側に出ていたと小蘭から聞いた猫猫は、推測ではあるものの1つの答えに辿り着きました。
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猫猫がいた花街でも夢遊病を患って徘徊するようになった妓女がいたと話します。その妓女は身請け話が嫌だったため、話がなくなれば途端に徘徊することはなくなったことから、芙蓉妃も同じではないかと推察したのです。
それから芙蓉妃は外出禁止の命がだされ、宦官の見張りがつくようになります。そしてこの状況になったことで猫猫はこうつぶやきます
「うまくいくといいけど」
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本当の推測
夢遊病を患った妓女の話をした際、猫猫は何か隠していると悟った壬氏。何かあるのではと問い詰めるも、彼女は何もないの一点張りでした。玉葉妃も、それからの猫猫の様子を見て何かあるのではと思って気にします。
そして、芙蓉妃が下賜に出る当日、玉葉妃は再び猫猫から話を聞くことになるのでした。
身請け話が破談になった妓女は、新たな身請け話が持ち上がると、病を持っているという理由で前の半分の量の銀で手打ちとなりました。実は、この一連の出来事は詐欺だったのだと、猫猫は続けます。
身請けを申し出た2人の男は知人同士で、2人目の男が本命。しかし、銀が足りないことと女の年季が1年あったことで、1人目の身請け話の時にわざと病を患ったことにしたのです。
功績をあげた武官は、芙蓉妃と同じ故郷で過ごした幼馴染。武官は異民族討伐で村人を救ったことにより武勲を上げ、褒章として芙蓉妃を娶りたいと申告。そしてそれが叶ったのです。そして芙蓉妃も、幼馴染の彼と添い遂げたい気持ちを捨てきれず、わざと帝の前で舞を失敗し、手つきにならないようにしていたと、猫猫は考えます。その結果、2年もの間夜伽はなく身綺麗なママ過ごしてきました。
中級妃と言えど、武官のものになる妃に帝が今更手を付けないとも限りません。そこで彼女は夢遊病のふりをし、幽霊騒動を起こして帝を遠ざける行動に出たのではないかと、猫猫は考えるのでした。異民族討伐の地は東北。だから彼女は東の門に登り、無事の帰還を願って踊っていたと考えます。
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芙蓉妃を羨ましく思うはひどい？考える玉葉妃の元に新たな尋ね人が…
後宮の扉が開き、武官は芙蓉妃の前にひざまずきます。彼女と共に馬車に乗るなり、武官は彼女を強く抱き寄せ、妃も涙を流します。
「芙蓉妃が羨ましいなんて言ったら、私はひどい女かしら」と、玉葉妃に問いかけられるも、猫猫はこれを否定。そして猫猫は1人「恋が女を美しくするのであれば、どんな薬になるだろう」と呟くのでした。
夕暮れ時、帝は玉葉妃の元を訪れ「噂の薬師殿に頼みたいことがある」というのでした。
KAMUI
アニメ『薬屋のひとりごと』の次回に期待するもの
本来下賜と聞かされれば誰もが嫌がるもの。身分階級があるからこそ、それが色濃く出ますね。しかし、幽霊と言われて踊る彼女が女官の前でニヤリと笑っていることから、猫猫の推測は正しいそうですね。
ホラー話になるかと思いきや、身分などのしがらみから解放された非常に美しい話…涙が出そうです。
そしてこの3話に辿り着かせるための一挙放送と思うと本当にすごいです。
功績をあげた武官とは、2話で猫猫が説いた石楠花の枝の毒に関わっていたのです。パッと見、誰もが村人が兵に毒を盛ったと考え、村人を斬首にしようとしたものの、この武官が制したのです。そして、猫猫の推理がったため、無実の村が一つ救われた…これこそが芙蓉妃を娶る功績にに繋がったというわけです。毎週毎週待つのではなく、すぐに回収し、しかもいきなりの挿入歌まで入れてくれました。グッと来ずにはいられません。
3話までで残っている話とすれば、御子を亡くした梨花妃の容態。これは次週には回収されそうですね。
そして何度か作品を見返して気づきましたが、作中の大事な言葉は猫猫の独り言になっていることが多いようです。タイトルの由来はまさにここから来ていると言っていいでしょう。
他の登場人物も掘り下げれば掘り下げるほど面白そうです！続きがまだまだこれからも楽しみです！