今まで羅漢から逃げ続けてきた猫猫は、ついに彼と向き合い、直接対決に至ります。
象棋と毒を仕込んだ酒を使った簡単なゲーム。
勝てば緑青館の妓女を身請けするようにという猫猫は、負ければ自分が羅漢に身請けされることに!
ハラハラする壬氏が見守る中、ついに勝負の幕が上がります。
人の顔の見分けがつかないという羅漢の秘密がまた一つ明らかに…そこには一人の妓女の姿が。
目次
アニメ『薬屋のひとりごと』第22話のあらすじと振り返り
青い薔薇を園遊会で愛でたいという無理難題を羅漢に言われ、またも頭を悩ませる壬氏に協力することを決めた猫猫。水晶宮の蒸気風呂を使い、下女の小蘭に手伝ってもらいながら、猫猫は何とかして季節外れの薔薇を咲かせ、白い薔薇に色水を吸わせ、なんとか青い薔薇を完成させました。
園遊会で壬氏がこれを堂々と持ってきたことに残念がる羅漢。そして女性たちの爪に紅が塗られているのが目に入るようになります。人の顔の見分けがつかず、すべてが碁石に見えてしまう羅漢。そんな彼の目の前には猫猫の姿がはっきりと…
【ネタバレあり】アニメ『薬屋のひとりごと』第23話あらすじと感想
負ければ猫猫は羅漢の子に。猫猫が仕掛ける真剣勝負
今まで羅漢を避け続けてきた猫猫は、真正面から彼に象棋の5局勝負を持ち掛けます。ハンデはなし。しかし猫猫はもう一つ条件を加えます。負ければ5つの湯飲みに入った蒸留酒を一つ飲まなくてはいけない。ただし、5つの内3つには微量の薬が入っており、3つ飲めば猛毒になるというもの。先に3勝すれば勝ちだが、決着がつくまえに試合を放棄すれば負けという条件を彼女は羅漢に突き付け、彼もこれを快諾しました。
娘からの申し出を受けいれないわけがない羅漢はこれを快諾。羅漢が勝てば猫猫は彼の正式な娘となり、猫猫が勝てば緑青館の妓女を1人身請けするという約束の元、勝負は始まります。
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決着はあっさりと
象棋で負けなしの羅漢。そんな彼に対し、猫猫は2敗し、彼女は2杯の酒を飲みます。毒が入っているかどうか、飲んだ彼女の表情から読み取ることは出来ずに悩む壬氏は、次に負けて毒を飲んでしまったらと不安が募ります。
来る3局目。羅漢が手を抜いたことで猫猫が勝利。娘に毒を進めるわけにはいかないと言って、羅漢は酒を選んで飲みます。選んだ酒は嫌な味。羅漢が毒入りの酒を飲んだのだと理解した壬氏は、羅漢がこれ以上負ける必要がないということに気づいてしまうのでした。
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しかし、この一杯を飲み終えた羅漢は、急に真っ青になって気絶。一回の毒で猫猫が羅漢を殺してしまったかと思う壬氏ですが、そもそも羅漢は下戸。猫猫が飲ませたという毒はアルコールで、より酒の周りを良くしただけでした。
結果、この勝負は猫猫が勝利。さっさと緑青館に彼を運び、妓女を選ばせようと、行動を起こすのでした。
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妓女・鳳仙
生まれた時から人の顔の見分けがつかなかったという羅漢は、乳母と母を間違えるどころか男女の区別が尽きません。名家の長男ではあるものの、父は羅漢に幻滅し、母に縋られながらも他の女の元に行くようになってしまいました。人の顔が分からない彼を理解してくれたのは叔父・羅門だけ。そしてなんとなく覚えた象棋と碁にのめり込んで奔放に生きていた彼は、いつしか人の顔が象棋に見えるようになり、逸材を見分けることもできるようになって昇進。そして付き合いで行った妓楼で、羅漢は1人の女性と出会い、碁で完敗。この時羅漢は初めて、人の顔を知ることができたのです。碁で羅漢を任した妓女の名前は鳳仙。鳳仙花のみのように触れたら弾けそうな人を寄せ付けない目をする彼女に、羅漢はのめり込んでいきました。
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それから何年もの間、羅漢は緑青館を訪れ、彼女と碁と象棋を楽しむようになっていましたが、身売りをしない彼女の値はどんどん上がり、3ヶ月に一度しか会うことができなくなってしまいました。
鳳仙の値はどんどん吊り上がるなか、彼女を身請けするほどの稼ぎがない羅漢はある日彼女と碁で賭けをし、一夜を共にしました。
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3年の遊学から帰って来たときに送られてきていた土塊の意味は
医官となった叔父が後宮から追い出されたことにより、羅漢の父は激怒。彼と親交が深かったとされる羅漢は、父から遊学を命じられました。鳳仙の身請け話がなくなったと聞かされていた羅漢は、またすぐに会えるだろうと思っていたのですが、遊学から帰って来たのは3年後。その間彼の元には鳳仙から手紙と一緒に土くれが2つ届いていました。
間もなくしてこれが妓女の中で流行っていると言われる指切り、彼女の指だと気づいた羅漢は、雨の中急いで緑青館へ。身請け話がなくなった理由は、鳳仙が羅漢の子供を身籠ったため。そして、妓女としての価値を落としたものは夜鷹のように客を取って身を亡ぼすのだと気づいてしまったのです。
緑青館で鳳仙はどうこかと声を上げる羅漢。やり手婆は彼を見るなり、鳳仙はもういない、今さら何しに来たのかといって、何度も何度も彼をほうきで叩きました。
何もかも短絡的だった自分が招いた結果。時が戻ることもなくすべてを悔やむ羅漢は、そこで泣き崩れるのでした。
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枯れた青い薔薇
猫猫との勝負に敗れた羅漢が次に目覚めた時、彼の目の前には梅梅がいました。苦い飲み物を手渡されて叫ぶ羅漢。しかしそれは猫猫が作ったものだと聞いてニヤニヤし始めます。
苦い薬とともに、猫猫は羅漢に一つの贈り物を残していきました。それは枯れた青い薔薇。
たとえ枯れたとしても形を保つことができるのですねと梅梅に言われる中、羅漢はその意味を考えるのでした。
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アニメ『薬屋のひとりごと』の次回に期待するもの
妓女を1人身請けするため、緑青館に運ばれた羅漢。彼が選ぶのは梅梅?しかし、猫猫は本当にそれを望んでこの勝負を持ち掛けたのでしょうかね?
そして、なかなかアニメの中でも気づきにくかったのですが、小さな土くれは子供の指。つまり幼い頃の猫猫の指なんですよね。
時々小指を見つめるシーンがあったわけですが、それがここに繋がってきているということ。とんでもなく長い匂わせだったように思います。おかげで悪人にしか見えなかった羅漢の印象が一気に変わることにもなったんですが…。
枯れても美しくそこにある青い薔薇。羅漢はそれをどう受け取るのでしょう。