玉葉妃と里樹妃との会食が終わった頃、猫猫は壬氏に呼び出され、急遽柘榴宮へと潜入することとなりました。
柘榴宮の侍女頭・風明の指示の元、柘榴宮の大掃除はつつがなく進んでいくなか、宮中では溺死した柘榴宮の侍女は阿多妃が新しい妃との交代を避けるため、園遊会で里樹妃に毒を盛ろうとした犯人だったという噂が広がっていきます。
風明の腕には火傷の跡、会食の席で里樹妃が出されたお茶に表情を濁らせた理由、そして、後宮で起こった過去の出来事が、猫猫を一つの真実に導きます。
また、壬氏の変態プレイが猫猫を襲う!彼女の運命やいかに!
目次
アニメ『薬屋のひとりごと』第9話のあらすじと振り返り
生真面目な武官・浩然が酒の飲み過ぎで亡くなると、その訃報はすぐに壬氏の元へとやってきました。酒豪ではあったものの、彼の死を受け入れられない壬氏は、猫猫の元を訪れ、「本当に酒の飲み過ぎで死んだのだろうか」と問いかけます。
浩然が飲んでいた酒瓶に大量の塩が付着していたこと、そして辛党だった浩然が今では甘党になったという点から、彼は味覚障害で辛味が分からなくなり、塩が入っていても気づかず酒を飲み続けたのだろうと考えます。真面目ゆえに、気に喰わないと思うものもいたことでしょう。いたずらのつもりで塩に気づくまで入れられたのでしょうと、猫猫は自身の見解を告げました。
間もなくして、今度は下女の水死体があがってきて後宮は大騒ぎに。死体に触れれば薬として扱いかねない猫猫は彼女に触れませんが、塀に登ろうとした形跡を発見すると、誤って落ちたか誰かに突き落とされたのだろうという見解を述べました。
自殺か他殺かわからないまま、彼女の遺書が見つかったことで、事件は自殺ということで収束。死とはいつ訪れるか分からないからこそ、自分はどんな風に死ぬのだろうかと、猫猫は思いを馳せます。そんな彼女は壬氏に対し、自分が処罰をされることになった場合は毒殺にしてほしいと言い出します。そんなことを言われた壬氏は、悲しい表情を浮かべるのでした。
腕にやけどをしたものの捜索から数ヶ月が経った今、ようやく高順が該当する人物を発見。彼らがずっと探していたそれは、風明という阿多妃の侍女頭だったのです。
【ネタバレあり】アニメ『薬屋のひとりごと』第10話あらすじと感想
綺麗な花もいつかは朽ちてしまい、その先は…
いつものように小蘭にお茶会のあまりのお菓子を持ってきた猫猫は、溺死した女は柘榴宮の下女で里樹妃に毒を盛ろうとした犯人だという噂が宮中で広がっていることを知ります。
子がいない状態で齢35の阿多妃を今、若い別の妃と入れ替えようという動きが後宮で起こっているため、他の妃の席を空けさせるためにやったことだろうと聞かされます。
KAMUI
東宮が死んでしまい、現状子がいない。その上年齢的にも望めないのであれば新しい妃を迎えるしかない。後宮の仕組みとしては仕方がないものですが、綺麗な花はいつまでも寵愛を受けられるわけではないのだと思い知らされます。梨花妃もこのまま子を成さなければ、女の子を生んだ玉葉妃もいつまで寵愛を受けられるかどうか…美しい花もいつかわしおれる。後宮の花は実を結ばなければ意味がないと、猫猫は改めて思い知らされるのでした。
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お茶会という名の探り合い。そしてやっぱりいじめはあった。
小蘭がもらったお茶会のお菓子とは、翡翠宮に里樹妃が来た際に振る舞われたものでした。表向きには楽しそうなものに見えますが、実際は腹の探り合い。後宮の縮図がそこに広がっているのです。
和やかな会話の中で情報を引き出し、玉葉妃は交易の中継地点にある実家に報告しているようです。
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お茶会で蜜柑の皮を蜂蜜に溶かしたお茶が振る舞われると、里樹妃が怯えた表情を見せます。これに気づいた猫猫は、毒見をしたのち玉葉妃に対して首を横に振ります。まだ煮詰まっていないといって、生姜湯はどうかと里樹妃に進める玉葉妃。すると里樹妃の表情はパッと明るくなりました。
里樹妃の毒見役が猫猫を見て青ざめる傍ら、他の侍女たちは主の好き嫌いに小声で苦言。ここで改めて猫猫は、里樹妃は侍女たちからイジメを受けていると確認するのでした。
KAMUI
「柘榴宮へ行ってくれないか?」
急に里樹妃を呼んでお茶会をするよう仕組んだのは、他の誰でもない、壬氏でした。お茶会が終わった頃に猫猫の元へとやって来た壬氏は、下女は本当に自殺だったかと問います。
それを決めるのは自分ではない、下女が里樹妃の皿に毒を盛る理由も分からないと答えれば、猫猫は壬氏からこんなことを言われます。
「では明日から、柘榴宮に手伝いに行ってくれないか?」
質問形式に言われるも、選択権などない猫猫は、これに従って翌日柘榴宮へ大掃除の手伝いに行くのでした。
壬氏に何をしろとも言われていない猫猫は、とりあえず働こうと動き出すのでした。
淑妃・阿多妃が住む柘榴宮
無駄がなく品が合って実用的な柘榴宮。そこに住まう淑妃・阿多妃は、華やかさや豊満さはないが、中世的な凛々しさがあった美しく、35とは思えないお姿。そんな彼女に憧れのまなざしを向けるものも少なくはありませんが、このとき猫猫は誰かに似ているなと思うのでした。
KAMUI
侍女頭・風明の指示に従って掃除を進めていく侍女たちは、誰もがテキパキとこなしています。どこかの侍女たちに見せてやりたいと心の中で呟きながら猫猫は水晶宮の侍女たちを思い浮かべます。
KAMUI
また、猫猫がテキパキと仕事をこなせば、風明は人当たりが良く他人をよく見て褒めます。侍女頭として、人を扱うことに長けている人だと、猫猫は彼女を評価するのでした。
その日は柘榴宮で休み、翌日も働きながら、ここに毒殺騒ぎの黒幕がいるのだろうかと、1人考えててしまいます。
KAMUI
彼女の部屋には甘い香りが漂っていると思えば、風明の実家は養蜂場。高級な蜂蜜がたくさんあることに猫猫は驚かされるのでした。
壬氏様の変態プレイに震え上がる猫猫。この窮地を救ってくれたのは…
猫猫は柘榴宮でのことを壬氏に報告。最近、自分に対しての態度が悪い壬氏から、特別な方法で外との連絡が取れる人物がいるとすれば誰かと問われ、猫猫は迷わず風明だと答えます。
彼女の左の手首に包帯で撒かれていたことにすでに気づいていた猫猫は、木簡をくるんだ焦げた袖布は彼女のものだろうとすぐに予測がついていたのでした。そして、炎色反応を使った暗号で、外部になにかしらのサインを送っていたのではないかと猫猫は考えます。
あの穏やかな侍女頭が何かをやっているようには見えないものの、それは表向きだけの評価。本心まではわからない上、柘榴宮に黒幕がいるとすれば、同士て狙ったのは他の妃ではなく里樹妃だったのだろうという疑問が、猫猫の中に残り続けるます。
猫猫の見解を聞き、及第点だという壬氏は立ち上がり、猫猫にご褒美をやろうとします。蜂蜜を指に纏わせて近づいてく壬氏の姿に鳥肌が止まらない猫猫。付き人高順に助けを求めますが、彼は窓の外を見てみてみないフリ。いつか下剤を持ってやると猫猫は心の中で叫びます。
甘いものは好きじゃないが食べられないわけではない、いっそ股間を蹴って逃げようかとも考えますが、ないものを蹴っても仕方がありません。指示と受け入れるか、尊厳を守るために逃げようか、選択を迫られる猫猫は、せめてトリカブトの蜜ならば…!
その時、猫猫は蜂蜜に関する様々なことを思い出します。お茶会の席で里樹妃が蜂蜜のお茶を嫌がったことや、青魚を食べた時に出来た発疹、風明の実家から届いたと言われる蜂蜜、そして、柘榴宮の外をヒソヒソと歩く里樹妃とその毒見役の姿など…。
こうして猫猫が思いを巡らせていると、壬氏もその異変に気づきます。ふと時が止まったその時です。やって来た玉葉妃は、誰の許可を経て自分の侍女にこんなことをしているのかと言って壬氏を問い詰めます。怒られると思った壬氏はすぐさま退散。本のいたずら心だから許してほしいと高順は願い出ますが、「では次は高順様が舐ればいい」と猫猫に言われ、恐ろしい創造をしてしまいます。これで懲りたと思う猫猫は、これ以上追及することはせず、里樹妃に合わせてほしいと願い出るのでした。
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里樹妃に会うため金剛宮へ。壬氏への仕返し
里樹妃が住まう金剛宮にやって来た猫猫。彼女が目元だけを残して顔を隠した時、里樹妃は目の前に現れた侍女が園遊会で自分のアレルギーに気づいた毒見役であると理解します。
自分があの時の毒見役だと理解してもらったところで、猫猫は里樹妃に対し、蜂蜜は嫌いかと尋ねます。聞けば幼い頃、命が危うくなるほど体調を崩し、乳母から食べないようにと言われていることを告白してくれました。
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このように質問をしていると、後ろについている彼女の侍女たちが声を上げ始めました。里樹妃にズケズケと聞くのは失礼だ!早く追い返してしまいましょうと。
園遊会で全く助けもしなかった侍女たちのくせにと心の中で思いながらも、こうやって彼女達は里樹妃に進言し、自分たち以外の言葉に聞く耳を持たせないようにしていたのかと、猫猫は理解をしました。そして、自分は命じられてここに来たにすぎないから、文句があるなら壬氏に言えと猫猫は言います。頬を染めた侍女たちの姿を見た猫猫は、侍女たちを黙らせつつ、変態宦官にどんな口実で彼女たちが近づくだろうと、彼への嫌がらせを行うのでした。
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後宮の過去を調べることで出てきた真実
蜂蜜が嫌いかという質問に加え、猫猫はもう一つ里樹妃にこんな問いかけをしました。
「柘榴宮の侍女頭・風明様と面識はありますか?」
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金剛宮からの帰り道、猫猫は後宮の昔の出来事を調べるすべはないかと、高順に問います。すると彼は彼女を書庫に案内します。
高順に手渡された一冊の書物には17年前の出来事が記されていました。今の帝がまだ東宮だったころのことで、阿多妃との間に男児を設けた時のことです。
先帝と皇太后の子供と同じ日に生まれるも、すでにこの世にはいない。当時妃は阿多妃だけだったことに驚きます。
そして16年前にその子供は死亡。取り上げた医官の欄には「羅門」の名前があったのです。
KAMUI
親父が後宮に関与していたことを猫猫はなんとなく察していました。後宮に生えている薬草が、自分が小さい頃から使っていたものばかりだったことから、誰かが移植したのだろうと思っていた点、花街の薬師にしておくにはもったいないほどの医術を持っていること。
猫猫の親父・羅門は膝の骨を抜かれた元宦官だったのです。
「なにやってんだよ、親父」と、猫猫は心の中でひとりごとを呟くのでした。
アニメ『薬屋のひとりごと』の次回に期待するもの
猫猫が里帰りしたあの時、「後宮とは縁だね」みたいに羅門がつぶやいていたのですが、それがここに繋がってきましたね。
しかも、阿多妃と帝の過去に思いっきり関わっていると考えると、後宮と言えど、世界が狭いと感じてしまいますわ。
個々に何か里樹妃毒殺の原因が隠されているのではと考える猫猫がまたすごいなと思わされました。
そして今回は何といっても壬氏様の変態プレイ!猫猫が舐めるわけないと思うんですけど…。あれは里帰りの件の嫌がらせかしら?と思いもしましたが、それにしてはあまりにも。玉葉妃も激怒するのは当然でしょう。
そしてこういうタイミングで助け舟を出してくれない高順様にも驚きましたね。主のやることを止めろよと思うも…あのパワハラを見て見ぬふりするなんて。しかし、悪いことをするとしっぺ返しが来るということで。壬氏と猫猫のやり取りが今後もまた楽しみになりました。
実はまだ解決しきっていない園遊会の毒殺騒ぎ、下女の溺死、炎色反応。そこに蜂蜜が加わったことによって、次回はどのような展開が待っているのか気になって仕方がありません!
次が楽しみです。