悪魔級ドS男子・黒崎くんと、学園中の女子が憧れる天使・白河くん。
二人の間で振り回されながら揺れ動くヒロイン・赤羽由宇が最後に選ぶのはどっち?
- 原作はマキノによる別冊フレンドで連載中の少女マンガ
- 監督は『君の膵臓をたべたい』『センセイ君主』の月川翔
- 脚本は『ごくせん』『兄に愛されすぎて困ってます』の松田裕子
それではさっそく映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』をネタバレありでレビューしたいと思います。
目次
『黒崎くんの言いなりになんてならない』作品情報
作品名 | 黒崎くんの言いなりになんてならない |
公開日 | 2016年02月27日 |
上映時間 | 93分 |
監督 | 月川翔 |
脚本 | 松田裕子 成島出 |
出演者 | 中島健人 小松菜奈 千葉雄大 高月彩良 岸優太 |
【ネタバレ】『黒崎くんの言いなりになんてならない』あらすじと感想
黒王子と白王子
地味で根暗でブス、クラスで罵られ冴えない中学時代を過ごしていた赤羽由宇(小松菜奈)は心機一転変わろうと決意して寮のある高校に転校、晴れて高校デビューを果たしました。
しかし、副寮長の黒崎晴人(中島健人)に歯向かったことがきっかけで楽しい毎日は一転、奴隷のようにこき使われ、挙げ句に「言いなりになるしか選択肢なんてない」とまで言われて朝から登校中にキスされたりもする始末。
黒崎くんはいつも不機嫌で愛想も悪いけれど“黒王子”として女子たちからの人気者でもありました。
ドSの黒崎くんから酷い扱いを受ける由宇の心の支え、且つ癒やしとなっているのは、寮長の白河タクミ(千葉雄大)でした。
由宇を含めて女子たちから憧れの美少年、優しく甘い顔立ちの白河くんは“白王子”と称されています。
恋愛スキル不足の由宇に「疑似彼氏になるのはどう?」と提案して恋愛経験を積ませてくれる白河くんは、黒崎くんと違って由宇に優しく、疑似恋愛なのに一瞬本気かと思ってしまうような言動で接してきたりもします。
学園の白王子と黒王子に振り回されているうちに、由宇は“冴えない自分”からいつの間にか変われていました。
二人が自分の相手をしてくれているのは気まぐれだとわかっていながら、もっと二人を知りたいと思ってしまっている由宇でした。
悪魔級ドS黒崎くん(中島健人)の素顔
由宇の本当の気持ちなど知らない二人の王子は、その裏で本気の勝負をしていました。
登校中の強引なキスを見ていた白河くんは、直後に自分が由宇にキスしたことを“上書き”と言い、黒崎くんはそれが面白くありませんでした。
期末テストの日程をクラスの生徒たちに知らせる担任の話をよそに、着席した由宇の後ろの席から黒崎くんは髪の毛を引っ張ります。
そして今朝のことを面白く思っていない様子で「誰にでも尻尾振ってんじゃねーよ」と囁き耳を噛んできました。
その日の昼、白河くんは由宇を中庭に連れ出して「僕、由宇ちゃんのこと好きだよ。ゲームじゃなくてリアルで」と言いました。
真に受けてしまわないように冗談だと自分に言い聞かせる由宇に「本気だよ」と追い打ちをかけ、転びそうになると抱きしめるように助けてくれる白河くんにときめきが止まらない由宇でした。
由宇がうつつを抜かしていると、黒崎くんは寮の下駄箱やお風呂場の掃除を命じてきます。
そして“白王子”も“黒王子”も独り占めしている様子が気に食わない女子たちからも目を付けられてしまいます。
寮の女湯が壊れたから夜8時までは男湯を女子が使うことになっていると嘘をつかれ、信じてしまった由宇は素直に男湯に入りました。
誰もいなかったそこに入ってきたのは黒崎くんです。
経緯を説明するまでもなく、人の気配がして白河くんも入ってきてしまいます。
由宇はお湯に身を沈めて隠れ、黒崎くんはそれを隠してくれていました。
結果、のぼせてしまった由宇は黒崎くんにお姫様抱っこされて出てくる羽目になってしまいました。
由宇は落ち着いたところで一息つきながら、黒崎信者でありクラスメイトの梶くん(岸優太)に黒崎くんのことを愚痴りました。
梶くんは中学生の頃にいじめられていました。
でも黒崎くんが味方になってくれたことがきっかけで、信者と言われるほど憧れ、尊敬するようになったのです。
そんな梶くんは「黒崎くんは優しい」と言いました。
そして、黒崎くんは伝えたい想いがあるときにピアノを弾くとも言いました。
親友の好きな人
ある日、同じクラスの芽衣子(高月彩良)が寮へ遊びにやってきます。
梶くんに誘われてバスケで対決する二人を、由宇は眺めていました。
ほどなくしてバスケットコートにやってきた黒崎くんと白河くんが対決することになります。
10点先取のゲームで何を賭けるか、みんなからは聞こえないところで話し合う二人が出した答えは由宇でした。
自分が賭けの対象になっていることも知らない由宇が二人の戦いを見ているうちに、黒崎くんがシュートを決めるたび芽衣子が喜んでいることに気づきます。
一年前の夏、芽衣子がプールの授業中に足がつって溺れそうになっていたときに助けてくれたのが黒崎くんでした。
それまで苦手だったのに、いつの間にか気持ちが止められなくなって、付き合っていた彼氏と別れてしまうほど好きになってしまっていたのでした。
芽衣子の気持ちを知った由宇は、親友として恋を応援すると言ってしまいます。
バスケ対決で10点先取したのは黒崎くんでした。
由宇を賭けようと言い出したのは白河くんでしたが「対決には負けたけどやっぱり引けない」と言いました。
突然の服従生活終了
由宇と芽衣子と黒崎くんと白河くんと梶くんで“観覧車のてっぺんでキスしたカップルは結ばれる”というジンクスのある遊園地に遊びに行くことになります。
芽衣子の気持ちを応援する由宇は、せっかくだから黒崎くんを観覧車に誘ってみたらどうかと背中を押しました。
その間、由宇は白河くんと園内を歩いて回り、靴擦れで痛む足に絆創膏を貼ってもらったり優しくされたりしているうちに“好きなはずなのに”というモヤモヤした気持ちに気づきます。
そして辺りが暗くなったころ、由宇は強引に黒崎くんに観覧車に連れて行かれ“強引”にキスされました。
嫌だったはずなのに拒めなかったことにまたモヤモヤして、自分の気持ちがわからなくなっていきます。
その夜、白河くんは黒崎くんに「黒が由宇ちゃんとくっついたら、もう黒とは駄目かもしれない」と打ち明けます。
小さいころから幼馴染としてずっと一緒にいた二人が仲良しではいられなくなってしまうほど、由宇との関係は大きなことでした。
みんなで遊園地に行った後日、黒崎くんは由宇に「これで終わりにする」と言いました。
絶対服従の期限が切れた、ということでした。
突然の終了宣言の理由を聞けば「飽きたから」だと返されて、由宇は解放されて嬉しいはずなのに涙が止まりませんでした。
その一件からずっとぼんやりしてしまって、小テストにも身が入らず、学校の廊下で白河くんから声をかけられても一瞬気が付けないほどでした。
そして、由宇は黒崎くんが好きだということを自覚します。
同じ人を好きになってしまったことを芽衣子に打ち明けて謝ったら「正直なところ、いい気分はしないしムカつく」と前置きしたものの、それとこれとは別だとして友情関係が壊れることはありませんでした。
黒崎くん(中島健人)の言いなりになんてならない!!
黒崎くんが由宇を解放したのは、白河くんに譲るためでした。
子供の頃から、白河くんが好きになった人はみんな黒崎くんを好きになってしまう。
でも、そのたびに黒崎くんは白河くんに譲ってきました。
由宇のことも同じように、そうしたのです。
白河くんは、ずっとライバルとしてさえ見てもらえていなかったことが悔しかったと打ち明けました。
二人は改めてバスケで一対一の真剣勝負をします。
勝負の後、白河くんは由宇に“リセットボタン”として唇を押させて、黒崎くんのところへ行くように背中を押しました。
負けてしまったことで気持ちに踏ん切りがついて、二人を応援する立場になる決意ができたのです。
黒崎くんを探してあちこち走り回っている由宇のところに「公園へ来い、5分だけ待ってやる」と電話がかかってきます。
公園に着くと、絶対服従の期限を無期限に変更すると宣言した黒崎くんが「赤羽由宇、お前は俺の女だ」と言いました。
何も言わない由宇に返事を要求すると、由宇は「嫌だ」と返します。
そして“黒崎くんの言いなりになんてならない”と言って「でも、好きです」と告白しました。
『黒崎くんの言いなりになんてならない』ざっくりとした感想など
このところ個人的主観によればシリアス系ばかり見ていて、レビュー記事を書くにあたって見直したりしていたのもそっち系ばっかりで心がしんどくなっていたので、何も考えずに見られる胸キュンラブストーリーみたいなのを探して『黒崎くん』に辿りつきました。
“何も考えずに”っていうのは、見ながら考察したりとか深読みしたりっていうのが必要ないっていうところなので良い意味で、です。
結果として正解だったなぁと思います。
vito
この時点で見ていて目が楽しいし、由宇が黒と白どっちとくっつくのかさえワクワクしたし!
vito
手を繋いだり抱き締めたり、そういう場面でいちいちスローになるのとか「これこれ~!」って感じで見ていて楽しい作品です。
vito
イケメン二人に奪い合われて女友達と同じ人を好きになっても友情が壊れない、紆余曲折あって結局最後は好きな人と結ばれる少女マンガ原作のこういうところが好きです。
ラストで胸糞オチとかないし、がっかりすることもなく安心して見られる。
監督と脚本も手掛けてきた作品を見るに安心の布陣だなという印象なので、主要人物のファンでなくともキュンキュンしたいときに見たら楽しめると思います。
vito
白王子と黒王子、どっち派?
vito
周りにキラキラエフェクトが飛んじゃうほど王子様~な感じで尚且つ優しい白王子か、俺様何様黒崎様のくせに実は優しい黒王子か。
vito
私も黒王子にお姫様抱っこされたいんだが?
演じる中島健人はCMでもお姫様抱っこを披露しているので得意なんでしょうね。
凄いな。おじさんまで抱っこしてたもんな。
vito
黒王子の魅力は力持ちなところだけではなくて、自分を優先させられない不器用なところにもあると思うんです。
子供のころから一緒にいて“大切な幼馴染”である白王子に譲ってしまうところとか。
由宇のことを一旦は譲ってしまおうとしたのも、白王子との仲が壊れてしまうくらいなら…みたいな気持ちからだったのかなぁなんて思ったりして。
vito
女慣れしてる風を装ってはいるけど恋愛スキルはたぶんそこまで高くなくて、だから初めてではないかもしれないけどやっと好きな人とくっつくことができた黒王子は、由宇の尻に敷かれて欲しいです。
ラストシーンで割とそれが示唆されているような感じなんですけど、二人のやりとりが可愛くて好きです。
由宇の「帰るぞ!ついてこい!」みたいな感じが頼もしくて可愛い。
『黒崎くんの言いなりになんてならない』まとめ
以上、ここまで映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』についてネタバレありで紹介させていただきました。
- 単純明快にキュンキュンしたい人におすすめ!
- 登場人物と同世代でなくても、大人でも楽しめる作品だと思います
- 公開当時ジャニースJrだった岸優太の演技にも注目して見て欲しいです