2005年公開の映画『カンフーハッスル』は、『少林サッカー』のチャウ・シンチー監督・脚本・主演による超ド級のカンフーアクション!
これまでのカンフー映画の良さを取り入れつつ、前作『少林サッカー』のようなワイヤーアクションやCGなどを多く取り入れた試みが話題になり、2005年には英国アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされるなど快挙を成し遂げました。
ユン・チウやユン・ワーなど1970年代に活躍した香港映画スタントマンたちや、作品へのオマージュも盛りだくさん。
そして公開から16年経った今、映画ファンの間で再び『カンフーハッスル』が話題になっています。
マルコヤマモト
目次
映画『カンフーハッスル』作品情報
作品名 | 『カンフーハッスル』 |
配信開始日 | 2005年1月1日 |
上映時間 | 103分 |
監督 | チャウ・シンチー |
脚本 | チャウ・シンチー
ツァン・カンチョン ローラ・フオ チャン・マンキョン |
出演 | チャウ・シンチー
ラム・ジーチョン ユン・ワー ユン・チウ ドン・ジーホワ チウ・チーリン シン・ユー チャン・クォックワン ブルース・リャン |
音楽 | レイモンド・ウォン |
映画『カンフーハッスル』あらすじ
悪に憧れるチンピラが正義のカンフーヒーローへ変身!
舞台は1930年代の上海。
悪が蔓延る不安定な時代、通称・サム(チャン・クォックワン)が率いる斧頭会(ふとうかい)と呼ばれる暴力組織が街を牛耳っていました。
一方、悪党に憧れるチンピラのシン(チャウ・シンチー)は、太っちょの相棒(ラム・ジーチョン)とともに斧頭会のメンバーを騙って地元の人々を脅しては金品を奪う生活を続けていました。
ある日、生活費を稼ぐために通称「豚小屋砦」と呼ばれるアパートに乗り込んだ2人は、舐めてかかった住人たちにボコボコにされてしまいます。
住人たちに追い詰められたシンは苦し紛れ爆竹を投げますが、それが斧頭会の幹部に当たり負傷。
このことに怒った斧頭会によってアパートの住人たちはピンチに陥りますが、住人の中に隠れていた五郎八卦棍・洪家鐵線拳・十二路譚腿の3人の中国武術の達人たちがその本領を発揮し、斧頭会を一網打尽にしたのです!
その場はことなきを得ましたが、暴力組織との騒ぎを起こした3人の達人たちは平穏を望む豚小屋砦の大家夫妻(ユン・ワー/ユン・チウ)によって退去を言い渡されてしまいます。
しかし、その夜に斧頭会が差し向けた古琴波動拳の使い手である刺客たちによって3人の達人たちは致命傷を負わされることに。
平穏を望むあまり自分たちが太極拳の使い手・楊過と獅咆哮の使い手・小龍女であることを隠していた大家夫妻は、彼らの死を機に立ち上がり、斧頭会への復讐を決意。
子供の頃に謎の男から如来神掌の奥義書を受け取っていたシンですが、耳の聞こえない少女を助けられなかったことにより絶望し、それから悪の道へ進むことを決めていました。
そんなシンに目をつけた斧頭会の首領・サムは彼を組織に引き入れ、とある施設から最強の殺し屋である火雲邪神(ブルース・リャン)を連れ出し、豚小屋砦の大家夫妻への復讐を命じます。
斧頭会が経営するカジノに現れた大家夫妻と火雲邪神との死闘を目の当たりにして何かを感じ取ったシンは、大家夫妻のピンチに火雲邪神の頭を殴ったことから瀕死の重傷を負わされてしまいました。
カジノからシンを連れ出し彼に手当てを施した大家夫妻は、シンが異常な回復力の持ち主であることに気づきます。
包帯にぐるぐる巻きにされたシンですが、その中からまるで蛹が蝶に孵るように何か生まれようとしていました。
シンと大家夫妻の居所を突き止めた火雲邪神と数百人の斧頭会。
瀕死の重傷を負ったことで全身の功が開いたシンは如来神掌の使い手として生まれ変わり、今まさに世紀のカンフー大決戦が始まろうとしていました。
マルコヤマモト
映画『カンフーハッスル』感想【ネタバレあり】
ありえねー!けどありえる!厨二病をくすぐるカンフー映画!
ブルース・リーから始まりジャッキー・チェン、ジェット・リーなど数々のスターを生み出してきたカンフー映画の中で、一際異彩を放ったのがチャウ・シンチーが手がけた『少林サッカー』。
少林寺拳法×サッカーという異種格闘技をCGやワイヤーアクションを駆使して見事にアクションコメディとして昇華させた、中国アクション界にとって革命的な作品になりました。
マルコヤマモト
そしてチャウ・シンチー監督・脚本・主演2作目として公開されたのが『カンフーハッスル』。
タイトルの通り、棒術や腕輪、咆哮や太極拳などさまざまなカンフーの使い手が登場したり、CGによって漫画のような演出が施される今作は、観る人の心の中にある厨二病の部分をくすぐること間違いなし!
主人公・シンが覚醒するまでの前置きが長いですが、カンフーの達人同士による超絶バトルや大家夫人とシンの超絶追いかけっこなど(このシーン必要だった!?いや絶対にに必要!笑)「カッコイイ!」と「面白い!」がとにかく交互にやってきて見応えあり。
シンが覚醒してからはその佇まいの変化に驚きますが、超絶強いしかっこいいから無問題!
斧頭会の下っ端たちが空中へ舞うスロー映像には、美しさすら感じて涙を流してしまいました。
シンの変化にひれ伏す火雲邪神に対しとどめを刺すことなく、耳の聞こえない少女との再会を描いたラストにも心温まります。
マルコヤマモト
なぜ今『カンフーハッスル』?あのマーベルヒーローも今作のファンだった!?
2005年公開の映画『カンフーハッスル』が、公開16年目にしてなぜ再び注目を集めているのでしょうか!?
その答えは、世界的ヒットシリーズであるマーベル・シネマティック・ユニバースの最新作『シャン・チー / テン・リングスの伝説』にありました。
なんと、主人公であるシャン・チーの部屋の壁には『カンフーハッスル』のポスターが貼ってあったのです…!
さらには物語の鍵となるアイテム「テン・リングス」は原作では指輪という設定ですが、映画では腕輪に変更されています。
『カンフーハッスル』を観た方はわかると思いますが、洪家鐵線拳の使い手である仕立て屋の主人の姿が!
マルコヤマモト
さらに『シャン・チー/テン・リングスの伝説』には、太極拳の使い手であり豚小屋砦の大家を演じたユン・ワーが伝説の地・ターローに住む弓矢の名手役で出演しています。
ユン・ワーはサモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウと同じ中国戯劇学院で成績が優秀な七小福のメンバーとして選ばれ、『ドラゴン 怒りの鉄拳』や『燃えよドラゴン』でブルース・リーのスタントを務めている知る人ぞ知るアクションスターなのです!
映画『シャン・チー/テン・リングス』の鑑賞後に『カンフーハッスル』を観ると、オマージュ元をたくさん発見できるかもしれません。
マルコヤマモト
SNSでのみんなの感想・評判
ミシェル・ヨーのインスタに投稿されてる『シャンチー』のオフショット画像見てたら急に思い出した…あの方は『カンフーハッスル』の大家さんの旦那役のユン・ワーだ‼️なんで映画観たとき気が付かなかったのか…2回目行かなきゃ…😭それにしてもテンリングス影響受けすぎ(笑) pic.twitter.com/idlc4p8qBT
— 🇺🇸ぶらっく大佐❄️ (@black06011) September 13, 2021
シャン・チーはカンフーハッスルの影響受けてるって噂に聞いてたけど、これのことか!って即理解した。確かにこれはリングの先駆者 pic.twitter.com/zyRuOhA7JH
— 有機(ユウキ)@🎥 (@dieg0_y) September 16, 2021
「カンフーハッスル」コケ‼️
バカバカしい絵ズラとギャグを挟みつつ、終盤はきっちり盛り上げ、ラストはちょっと泣かせる良質な喜劇映画であるコケ。
如来神掌の教本のエピソードが胸に
突き刺さるコケ。
何故なら僕もチビッ子自分、カンフー本を読めば強くなれると信じていたからだコケ‼️ pic.twitter.com/9kzpSyKprm— チキン君 (@chikin5518) September 12, 2021
「カンフーハッスル」観た。マジで最高。空前絶後超絶怒濤のカンフーバトル!猛烈にハチャメチャで突き抜けて凄いバカだけど、気合の入ったぶっ飛び映画は間違いなく最高だ。「おれのかんがえたさいきょうのえいが」がそのまま映像になりました。最後のバトルはあまりのかっこよさに涙流してしまった。 pic.twitter.com/7OurewaNGd
— 有機(ユウキ)@🎥 (@dieg0_y) September 16, 2021
カンフーに強い憧れを抱いていた人ほど心にブッ刺さる映画『カンフーハッスル』!
おばかで痛快でありえないけど、最後はちょっぴり心温まる王道展開。
観終わった後にはなぜか自分が強くなった気がするような、気合を入れたい時に観たい1作です。
マルコヤマモト
映画『カンフーハッスル』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
マルコヤマモト
- ありえねー!度…★★★★★
- アクション…★★★★★
- 物語…★★★☆☆
物語中盤から終盤にかけての怒涛の展開が無茶苦茶すぎて最高!
信じられないくらい強いキャラクターや気持ちの良いワイヤーアクションがこれでもかというほどに登場する、まさに「ありえねー!」展開が気持ち良いカンフー映画の革命的作品です。
マルコヤマモト