宮藤官九郎脚本ドラマおすすめランキングTOP10!朝ドラ、大河、数々の作品を手掛けた天才クドカンの代表作まとめ!

宮藤官九郎脚本ドラマおすすめランキングTOP10!朝ドラ、大河、数々の作品を手掛けた天才クドカンの代表作を総まとめ!

出典:U-NEXT

今まで数々の名作を世に送り出してきた脚本家・宮藤官九郎。

“クドカン”の愛称で知られる彼がが手掛ける作品は魅力的名キャラクターと独特のユーモアセンスが光り、常に話題になっています。

劇団「大人計画」に演出助手として所属し、バラエティ番組の構成作家となり、大人計画の部分公演の作・演出を務めるようになりました。

2000年に放送された『池袋ウエストゲートパーク』で脚本を担当し出世作となり、続く『木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』で、人気脚本家の一員となります。

2013年『あまちゃん』で輝かしい数々の賞を受賞、2017年『ゆとりですがなにか』の脚本成果が認められ、スピンオフドラマでインターネットドラマの脚本をはじめて手がけました。

最新では2019年NHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の脚本を担当しています。

作品の書籍化にあたっては頑なに拒んでおり、自分のプロとしての仕事はシナリオのみであ完成した作品のキャストやスタッフの努力による成果が自分の手柄とみられるのはよくないという宮藤の考えからであります。

色々な顔をもつクドカン、筋の通った頑固さのあるクドカン、彼のテレビドラマの数々を改めて振り返ってみましょう。

宮藤官九郎脚本ドラマおすすめランキングTOP10

10位:『流星の絆』

『流星の絆』は2008年10月期TBS金曜ドラマ枠で放送された人気作品です。

東野圭吾原作のミステリーながら、宮藤官九郎によって絶妙のコミカルさと特有の寸劇が加わり、今まで見たことないようなミステリードラマになっています。

第59回ザテレビジョンドラマアカデミー賞脚本賞を受賞しています。

ドラマの中では3人の兄妹が小さい頃、家を抜け出して流星群を見に行っている間に何者かに両親を惨殺されてしまいます。

その後身寄りがなく養護施設で過ごした後、この悲劇を復讐する為に詐欺などを行って生きていきます。

この復讐は何年も続き犯人の時効になってしまう間近の14年後に追い詰めることができるのです。

しかし視聴者ももどかしい禁じられた愛が展開されます。

親を殺された3人の復讐や絆が描かれています。

ミルトモ 編集部

シリアスドラマになりますが、原作と違い、お笑いの要素があったり、登場人物の性格が異なったりしています。最大の見どころは両親を殺した犯人をどのようにして追い詰めていくのかです。また、3人兄妹の掛け合いも見どころの一つになっています。

ドラマ版はミステリー部分よりも3人の若者と、それを見守る刑事の日常から垣間見えるセンチメンタルな部分を前面に出しました。

突然両親を失い「遺族」になってしまった3人の若者が、不幸な過去を背負いながら、それでも精一杯明るく生きようとする物語で「遺族だって笑うんだ」という当り前のことを丁寧に描きました。

ミルトモ 編集部

実際、長男の巧一はしっかり者で物静か。でも時々ピントがずれていて二宮和也のとぼけた味がうまく生かされていました。次男の泰輔(錦戸亮)は軽くて頼りないけど愛すべきヤツで、妹・静奈(戸田恵梨香)はいじけると可愛い末っ子でした。

実は兄2人と妹は血が繋がっていないのでした。

どんなことがあっても妹だけは守ってやりたい兄たちですが、それ以上の思いも抱いています。

髪を結う妹の仕草に見とれてしまったり、毛布にくるまってスエットに着替える姿にドギマギしたり。

親の仇と目される男の息子(要潤)に恋をしていると知り、慌てふためいたり、それぞれの切ない気持ちが伝わってきます。

絶妙なボケと突っ込み、冷えピタや雑誌などの小道具の使い方、さらには「フセン男」「二時間ドラマみたいな女」「おサルの日」「おはぎさん」といったネーミングやキャッチフレーズが秀逸です。

ミルトモ 編集部

錦戸を「タレ目の濡れ煎餅」と名付けたのはどんぴしゃで笑っちゃいました。ストーリーに即した普通のシーンでも、会話だけで面白くしてしまうクドカンの手腕は並大抵ではありません。

3人はひょんなことから詐欺を働くようになりますが、このメンツで変装し詐欺師を演じてもリアリティに欠けるので思いっきりマンガタッチになっていて、特に戸田のゴスロリ変装は秀逸でした。

9位:『池袋ウエストゲートパーク』

『池袋ウエストゲートパーク』

出典:IMDB

『池袋ウエストゲートパーク』は2000年4月期TBSで放送された宮藤官九郎脚本のドラマで、若い世代を中心にとても人気がありました。

第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞した石田衣良の同名小説シリーズをドラマ化していますが、キャラクター設定が大きく変更されています

リアルタイムでテレビ放送をしていた時はさほど高い視聴率ではなかったのですが、深夜に再放送が繰り返される様になって主に10代・20代を中心に徐々に人気となっていきました。

第25回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞を受賞しています。

主人公である池袋西口公園近くにある果物屋の息子・真島誠は池袋西口公園で生活の大半を過ごしていました。

『池袋ウエストゲートパーク』

出典:IMDB

池袋では有名な不良で名の知れた存在である誠は依頼されるトラブルを解決していました。そんな中、誠の高校時代の同級生や友人などがある事件に巻き込まれてしまいます。

誠は池袋の住民の幸せを守るため依頼された様々な難事件を解決していきます。

池袋を舞台に、カラーギャングの抗争を描いた内容ということもできます。

ミルトモ 編集部

当時のカラーギャングをテーマにするという発想は面白く、さすがクドカンという感じでした。コミカルな部分もありますが、事件を絡めたストーリーの本筋がとても作りこまれています。さらに社会問題も含まれていて、よくできた内容だと感心します。

主人公“まこっちゃん”を演じる長瀬智也の演技、当時の風潮をよく捉えていて評価が高いです。

また、“キング”を演じる窪塚洋介の魅力が溢れています。

『池袋ウエストゲートパーク』

出典:IMDB

他にも数々の名物キャラが登場し、少し悪くてヤンチャなかっこよさに憧れを抱いた人も多かったようです。

池袋という限定した場所を題材として、ケンカのシーンもありつつ、主人公の人柄の良さも感じられ、誰かのために何かをするって素敵、思わせてくれます。

ミルトモ 編集部

不良なのにフルーツ屋で働いているところが面白かったりもします。群れに属さない感じがすごくカッコいいです。
『池袋ウエストゲートパーク』

出典:IMDB

ミルトモ 編集部

クドカンが作ったこの作品に出演している他の俳優は山下智久、妻夫木聡、坂口憲二、小雪、佐藤隆太、阿部サダヲ等で放送後はすごく人気が出ました。今となっては超大物俳優ばかりで、クドカンはキャスティング力もすごいということですね!

8位:『タイガー&ドラゴン』

『タイガー&ドラゴン』

出典:IMDB

『タイガー&ドラゴン』は2005年1月9日TBS で2時間スペシャルとして放送され、後に連続ドラマとして2005年4月期金曜に放送されました。

宮藤官九郎脚本で彼と相性の良いTOKIOの長瀬智也とV6の岡田准一が、落語家という今までに演じたことがない役に挑戦しています。

他には西田敏行、阿部サダヲが共演しています。

主題歌はクレイジーケンバンドが歌う楽曲「タイガー&ドラゴン」です。

落語をベースにした変わったドラマで話題となり、第45回ザテレビジョンドラマアカデミー賞脚本賞、第42回ギャラクシー賞のテレビ部門大賞を受賞しています。

クドカンが作ったこのドラマは落語をモチーフに描かれているドラマであり人情や家族愛を取り入れられて、クドカン得意のコメディ要素も含まれた作品となっています。

主人公は幼い頃に借金が理由で両親が自殺してしまい、それ以来笑うことを忘れてしまったのですが、ある時に浅草で落語の高座を聞き心を打たれるのです。

この落語の高座をしていた師匠に必死に弟子入りを申し立てて落語家として活躍して行くストーリーになっています。

主人公の長瀬智也演じるヤクザの山崎虎児は浅草で落語家である林屋亭どん兵衛の高座をたまたま聞き、感動して弟子入りを志願します。

そして虎児がいいアイデアを思いつき、林屋亭どん兵衛と奇妙な契約をすることになります。

ヤクザと落語家、二束のわらじを履きながら、岡田准一演じる谷中竜二とともに一流の落語家を目指していきます。

ミルトモ 編集部

長瀬がとにかくかっこいいです。男くさいのですが、それでいてファニーで、現実にはありえないような構図と内容をおもしろおかしく演じています。決めゼリフの様な寅児の「タイガータイガーじれっタイガー」はしばらくの間耳に残りました。

普段かかわりのない落語に興味が持てます。

落語の奥深さ、そして歴史を感じられます。

今まで落語にあまり関心がなかった人にもわかりやすくドラマの世界に入り込みやすくなっています。

ミルトモ 編集部

ヤクザと落語という、普通結びつかないところを結びつけて、傑作にしてしまうクドカンはすごいです。

7位:『木更津キャッツアイ』

『木更津キャッツアイ』

出典:IMDB

『木更津キャッツアイ』は2002年期TBSで放送されました。

宮藤官九郎脚本の野球チーム・木更津キャッツアイをテーマにし、木更津市で暮す若者たちを主人公にしたコメディテイストの青春ドラマです。

哀川翔や氣志團など実名で出演したことで当時話題になりました。

第32回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞、平成15年度芸術選奨新人賞放送部門を受賞しています。

このドラマは千葉県木更津市を舞台に繰り広げられます。

高校卒業後、実家の理髪店「バーバータブチ」を手伝いながら毎日ブラブラしているぶっさん(岡田准一)、1人だけ東京の大学に通う童貞のバンビ(櫻井翔)、プロ野球選手を目指す弟と比較されコンプレックスを感じている実家暮らしで無職のアニ(塚本高史)、学校の先輩と結婚して居酒屋「野球狂の詩」を切り盛りする子持ちのマスター(佐藤隆太)、神出鬼没で何を考えているかわからないうっちー(岡田義徳)。

彼ら5人は元高校の野球部、高校を卒業しても地元に残り、仲間たちと戯れる日々を送っていました。

ずっと続くかと思われた彼らの日常でしたが、ある日ぶっさんが余命半年の癌(悪性リンパ腫)だと判明します。

残された人生をどう生きようかと考えた結果、普通に生きることを選択したぶっさん。

高校時代の仲間とともに、野球や悪さをしながら最後まで楽しく過ごします。

ミルトモ 編集部

クドカンの得意分野であるコメディ要素満載、ドタバタコメディが展開され、最後まで笑わされます!

一話が野球のゲームになぞらえて表と裏の二部構成になっており、主軸のストーリーとその裏で進むストーリーとの両方を見ることができるという斬新な手法が話題になりました。

一癖も二癖もあるような個性的過ぎるキャラクターが作品を盛り上げ、その世界観にはまった人が続出しました。

ミルトモ 編集部

ニャー!という掛け声、今となっては意味不明ですが、すごい印象深いです。男子って馬鹿だなーと思いながら面白く見ていました。

「地元」と「普通」を主題にしています。

若者が次々と上京し、商店街も不況で活気を失いつつありました。

そんな状況を逆手にとったのがドラマ『木更津キャッツアイ』です。

宮藤官九郎によると千葉・西船橋や埼玉・春日部も舞台の候補地でしたが「青春時代の切なさの出る町だった」ということで、木更津市が選ばれました。

2016年、連続ドラマ化と映画化を経て同市の知名度に貢献したと言うことで木更津市民栄誉賞を受賞しています。

6位:『うぬぼれ刑事』

『うぬぼれ刑事』は2010年7月期TBS金曜ドラマ枠で放送された人気刑事ドラマです。

宮藤官九郎が長瀬智也と前作から5年ぶりにタッグを組みました。

第66回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞、第29回向田邦子賞を受賞しています。

主演の長瀬智也演じるうぬぼれは警視庁世田谷通りの警察署に所属する刑事です。

うぬぼれが強く、それでいて恋愛体質です。

一目惚れした女性が犯した犯罪の真相を追求していくという面白い要素を取り入れています。

うぬぼれは犯罪を犯した女性に惚れ、最終的に、逮捕状と婚姻届を差し出し、逮捕か結婚の2者選択を迫るのです。

ミルトモ 編集部

実際にはありえない面白いアイデアで人気のドラマになりました。

長瀬智也がユーモアや面白い仕草などを取り入れた役を演じていて、見れば見るほど面白い度が増していきます。

刑事ドラマながらも、笑いの要素がたくさん盛り込まれています。

ミルトモ 編集部

人を好きになる素直な性格のうぬぼれに可愛さも感じられ、見ていて楽しい気持ちになります。犯罪者をどんどん好きなっていくという設定自体が、ぶっとんでいますがみていて笑えます。くだらないけれど、はっちゃけていてさすがクドカン!という作品です。

自分は彼女が欲しくて結婚したくてやっていることが、図らずも出世につながっていて事件を解決してしまうというのがクドカンの発想らしいです。

放送前の出演者との対談ではクドカンらしい脚本家としての在り方が伺えました。

冷静に客観的な分析をしなきゃいけないのに、自分のことだけは全く分かっていない刑事っていうのが面白いかなという発想で作り始めたのが『うぬぼれ刑事』だそうです。

ミルトモ 編集部

『タイガー&ドラゴン』は実際の親子じゃないのに、実際の親子よりも心が通い合っている関係だったのを『うぬぼれ刑事』は逆に実際の親子なんだけど、気持ちがずれている関係にしたそうです。

お父さんに結婚相手に相応しいかを見て欲しくて連れてくるのに、「 あいつはクロだ。犯人だ 」 って言われてケンカになるっていうのをやりたいと思ったそうです。

“うぬぼれ”はみんなに 「 うぬぼれ 」「 うぬぼれ 」って呼ばれてちょっとバカにされているけれど、でも実は犯人たちも本当はうぬぼれのことが好きで獄中で 「 あの刑事さんのことが忘れられない 」みたいな感じにしたかったようです。

役者が、宮藤が思い描いていることを100パーセントできているのかということは意外と考えていないようです。

ミルトモ 編集部

目の前で見て面白かったら「 俺が考えてたの何だっけ?」 みたいになっちゃうけれど、多少セリフを噛んでもセリフがかぶってよくて2回できないようなことが好きなのがクドカンです。

5位:『ゆとりですがなにか』

『ゆとりですがなにか』

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『ゆとりですがなにか』は2016年4月期日本テレビで放送されました。その後、2017年7月にスペシャルドラマが放送されました。

社会経験がない宮藤官九郎が45歳で初めて挑んだ社会派ドラマです。

ゆとり世代と言われた1987年生まれの坂間正和・山路一豊・道上まりぶ等、男性3人が主人公の物語になります。

ゆとり教育の元で育った若者たちの姿をリアルに描いています。キャストは岡田将生・松坂桃李・柳楽優弥・安藤サクラなど個性派が揃いました。

クドカンの脚本力が認められ、以下の賞を受賞しています。

  • 第89回(2016年)ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞
  • 2016年度第4回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 脚本賞
  • 平成28年度(第67回)芸術選奨文部科学大臣賞 脚本作品

岡田・松坂・柳楽のゆとり世代で育った3人の男性たちがどのように社会に出て、やっていくのかが最大の見どころになります。

30代手前の3人は周りから何かにつけて「ゆとり世代」と言われてしまいます。

ゆとり、ゆとりと言われて大人に振り回されて苦しんでいる中、彼らなりに恋愛・仕事・家族と向き合って必死に生きている姿が描かれています。

ミルトモ 編集部

ゆとりの男3人組最高です。こういうリアルな社会の荒波みにもまれてる世界を見せてもらえると、なるほどと思ってしまいます。逆にゆとり世代で会社で働いている人にとっては何か共感することや教えられるものがあるのかもしれません。

ゆとりでも違う種類の3人のキャラがたっています。

チンピラで自由人、控えめでいつも振り回される男、真面目で恋愛下手な童貞男の3人のキャラクターの個性が強くてめちゃくちゃ面白いです。

スペシャル前のインタビューでクドカンは「世代を応援する人だと思われちゃっているみたい」と言っています。

ミルトモ 編集部

また、岡田のあたふたしている時の表現が好きで、スペシャルでも、正和にあたふたしていてほしいと思って書いたそうです。

社会経験のない宮藤が「よく考えたら、学校の先生って大学卒業後、また学校に通うわけで、実社会に出ていないとも言える。子どもの担任が30歳手前の若者だったりすると、複雑な気持ちになりますよね。そんな矛盾を正和に言ってほしかった」「2人が狭い場所でケンカすると面白いと思った。正和っていい意味で深みがない、だから重い言葉も重くならないのがいい」とも言っています。

ミルトモ 編集部

監督と話していてできたセリフもあり、色々なことを想像しひらめき、脚本はでき上がるのですね。正直にわかりやすく話してくれるクドカンのインタビューが好きです。

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4位:『監獄のお姫さま』

『監獄のお姫様』

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『監獄のお姫さま』は2017年10月期TBS系「火曜ドラマ」枠で放送されました。

女子刑務所の中という過酷な状況でたくましく生きる女たちの群像劇です。

罪を犯してしまった人間たちの切なさを笑えて泣ける物語として描くとともに、「人はなぜ生きるのか?」「幸せってなんだろう?」 という真面目なテーマを問いかけています。

第95回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞を受賞しています。

罪を犯した5人の女たちと罪を憎む1人の女刑務官のある男への復讐という、“おばさん犯罪エンターテインメント”でもあります。

小泉今日子×満島ひかり×菅野美穂、夏帆×坂井真紀×森下愛子という豪華女優陣が夢の共演、復讐のターゲットは伊勢谷友介です。

ミルトモ 編集部

ほぼ宮藤官九郎のオファーのようです。

このドラマの企画はクドカンが酒の席で、大好きな女優の名前を立て続けに挙げ、「この人たちがもし揃ったら俺、ずっと書いてられますよ!」と宣言したことから始まったそうです。

『監獄のお姫様』

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宮藤は色々なドラマを手掛けてきましたが、おばちゃんのお喋りを書いている時が一番楽しいという結論に至り、大好きな女優と大好きな芝居を観たいという宮藤の思いがこのドラマの核心です。

彼女たちのお喋りをエンドレスで聞ける場所として女子刑務所が舞台に設定されました。

ドラマは第2話から過去に戻り女子刑務所内でのエピソードが一つずつ明かされていきますが、時間は2017年12月24日のままで、クリスマス・イヴの一晩の出来事を1話から10話までかけて描かれています。

宮藤はこのドラマを「これをイケメン社長の視点で説明すると『なんか知らないおばちゃんに監禁されて、刑務所での話を延々聞かされる悪夢のような一夜』のお話」と説明しています。

男性プロデューサーによるとこのドラマは家庭や職場で現状維持、できたらもうちょっと上を求めて賢明・堅実に、時には打算的な選択をして上手く生きていきたいができなかった、したいのにできない女性たちの物語とも言えるそうです。

『監獄のお姫様』

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6人の実力派女優がそれぞれ個性的なキャラクターで、1人1人にそれぞれの人生があります。

ミルトモ 編集部

6人でいる時の行動と会話がとても面白いです。展開も早く、そこかしこに仕掛けもあって、見ていてハラハラワクワクさせてもらえます。クドカンお気に入りのキャストがイキイキしています。

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3位:『いだてん〜東京オリムピック噺〜』

『いだてん~東京オリムピック噺~ 』

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『いだてん〜東京オリムピック噺〜』は2019年放送のNHK大河ドラマです。

日本が初めて夏季オリンピックに参加した1912年のストックホルムオリンピックから、1964年の東京オリンピック開催までの52年間、戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇、歴史に動かされた人と町の変遷をじっくり描いています。

史実を元に手がけた宮藤官九郎チャレンジのオリジナル脚本です。

最終話にクドカンがタクシー運転手役で登場しています。

物語は大きく二部に分かれており、第一部はまだ「スポーツ」の言葉もない時代、1912年に日本人としてオリンピックに初参加した金栗四三(中村勘九郎)という人物が、そして第二部は1964年の東京オリンピックの開催に向けて尽力した田畑政治(阿部サダヲ)という人物がそれぞれ主人公になります。

ただしその人の生涯にスポットを当てるのではなく、まさしく“時代”そのものを主人公としてそこに生きる人々の群像劇を描き出されています。

『いだてん~東京おりむぴっく噺~』

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さまざまなトピックが、クドカンらしい実に痛快なタッチで散りばめられています。

物語は五代目古今亭志ん生(ビートたけし)が語る架空の落語『オリムピック噺』の語りにのせて進行するという形式で、随所に志ん生自身の人生も挿入され、その視点で見た明治から昭和にかけての東京の変遷も描かれています。

大河ドラマで近代を扱うのは異例なことです。

しかも戦前から戦後を描くとなると、戦争をどう表現するかに注目が行きます。

ミルトモ 編集部

そしてそれがドラマとして成立し視聴者の共感を得ることができるかが難しいです。

脚本を手掛けた宮藤は「歴史の資料を元にドラマを描くのは、僕にとってチャレンジでした。

残されている膨大な資料はたくさんのヒントが得られたと同時に、足かせにもなった」と苦戦を明かしています。

一方で記録に残っていない部分に関しては独自のアレンジを加えています。

『いだてん~東京おりむぴっく噺~』

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「資料はドラマを描く時のヒントであり、材料みたいなものを与えてくれるもの。これとこれを組み合わせたらどうなるだろう?って、自分で考えていく感じです。その中に架空の人もいて、絶対に交わらないはずの金栗さんと志ん生が間接的につながるという。それは架空の人物を配置したからこそのおもしろさですよね」と言っています。

そして、「年を取ったらここまで情報処理ができなかったと思うし、逆に若かったらもっと自分を出したくなって、実在の人物よりも自分の頭で考えたことを優先したくなっちゃったかもしれません。そう考えると、この年齢で、この体力で『いだてん』と出会えて良かったなと思います」と語っています。

ミルトモ 編集部

実際、視聴者は大河ドラマというと堅苦しくて見なかったけれど、クドカンだからみてみたら朝ドラみたいですごく見やすかく、クドカンらしいコミカルな感じがよかったという意見も多いです。実によく仕組まれたドラマだと思います。

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2位:『あまちゃん』

『あまちゃん』

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『あまちゃん』は2013年上半期のNHK連続テレビ小説として放送されました。

平均視聴率20%以上を超えた人気作品として知られています。

脚本を手掛けた宮藤官九郎は、このドラマで多くの賞を受賞しています。

東北地方・岩手県三陸海岸沿いの町を舞台に、挫折を経験しながらも夢を負い続ける主人公や、その周囲の人たちの奮闘を時にコミカルに、時にハートフルに描いた作品です。

『あまちゃん』

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ミルトモ 編集部

このドラマは朝ドラファンだけでなく、朝ドラをあまり見ない方でもタイトル名だけは知っているなど、知名度が高いドラマであり面白いドラマです!以下の輝かしい賞を受賞しています。
  • 第78回(2013年)ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞
  • 東京ドラマアウォード2013 脚本賞
  • 2013年度ユーキャン新語・流行語大賞(「じぇじぇじぇ」)
  • 2013年度第16回みうらじゅん賞

主人公の能年玲奈をはじめ、橋本愛・小泉今日子・小池徹平・宮本信子など魅力的な役者が数多く出演し、それらのキャストがより魅力的に見える演出が絶妙です!

今や人気者の有村架純もここから出てきました。

『あまちゃん』

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名ゼリフ「じぇじぇじぇ」は一躍社会現象にもなり、ドラマのロケ地に足を運ぶ人も後を絶たず、地域の復興につながったようです。

東京から故郷の北三陸に帰ってきた能年玲奈演じる天野アキは、そのまま海女さんになるために住み始めます。

『あまちゃん』

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めでたく海女になったのち、母の憧れだったアイドルを目指し始めます。

その後、故郷にまた戻り海女とアイドル、両方の活動をし、地域を復興させるために奮闘するという物語です。

ミルトモ 編集部

とにかく前向きで純粋な主人公を演じる能年玲奈がめちゃくちゃ可愛いです。田舎からアイドルを目指す中で、友情や恋愛に悩む姿などが面白い視点で描かれていて涙あり、笑いありで楽しめます。

海女になる、アイドルになる…と目指すところは大きく変わりますが、最後には地域復興のためにと頑張る主人公という故郷の大切さを感じられるドラマです。

『あまちゃん』

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このドラマの中には数多くの見どころがあります。

中でも、薬師丸ひろ子演じる鈴鹿ひろ美に初めて天野アキが会った時の「ジェジェジェジェ、ジェジェジェジェジェー」というシーンは、あまりにも有名です。

ミルトモ 編集部

震災を取り上げていたにもかかわらず、変に暗くならず良いドラマでした。『あまちゃん』をみるととても元気になれます。クドカンの魅力がお茶の間に爆発した記念すべきドラマです。

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1位:『11人もいる! 』

『11人もいる!』

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『11人もいる!』は2011年10月テレビ朝日系の「金曜ナイトドラマ」枠で放送されました。

宮藤官九郎脚本の大家族をテーマにコメディ要素も含ませたドラマとなっています。

8人の子どもを育てる夫婦のもとに突然死んだはずの先妻の幽霊が現れ、11人家族となります。

戸惑いながらも家族同士協力し合いながら奮闘する、心温まるホームドラマです。

父親(田辺誠一)は無職の金なしカメラマンで、母親(光浦靖子)はめったにお客が入らないカフェを経営しています。

高校3年生である長男の一男(神木隆之介)が、この大家族の唯一の収入源です。

朝は新聞配達、夕方はガソリンスタンドのバイトをこなし、なんとか家計を支えています。

ドラマは回が進むごとにこの長男に対して試練が訪れるのですが、それが面白いところでもあります。

タイトルの『11人もいる!』というのは、父親の前の妻(広末涼子)が、幽霊として家の中にいることからきています。

『11人もいる!』

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父親と今の母親の子どもであるサイゴ(加藤清史郎)にだけこの元お母さんの姿が見えるのです。

そして、家族会議をする時にサイゴが人数を数えると1人多いのです。

ミルトモ 編集部

ハチャメチャな設定とストーリーですが、観ているうちにだんだん中毒性を増してきます。これは脚本の力なのでしょう。面白くて笑わされるだけでなく、「家族」の大切さをふと考えさせてくれます。

そして、見逃せないのが「キャスティングのコンセプト」です。

それは「みんながこの人って、実際はこういう人なんだろうなー、と思っている通りにキャスティングする」というものです。

たとえば、パパ役の田辺誠一は、モデル出身の繊細で中性的なかっこよさのある役者というイメージがありましたが、twitterを始めてから天然のセンスのある人というイメージに代わりました。

ドラマ内では見事にそんな「天然のセンス」が炸裂するパパ役を演じています。

ミルトモ 編集部

だから見ていると「田辺誠一、結構素じゃないのか」と思ってしまいます。

亡くなったママ役を演じる広末涼子は、清純派の国民的アイドルというイメージから、奔放な恋多き女というふうに思われていますが、ドラマ内では「恋愛体質」で「酒好き」の「元ストリッパー」で「大家族のママ」なのです。

「実際はこうなんだろうなー」という気持ちに見事に応えるキャスティングです。

『11人もいる!』

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長男役の神木隆之介は、中性的で女の子みたいな少年で「このコ、ゲイなんだろうか?」なんて思った人もいるでしょう。

ドラマでは第1話から、神木演じる長男がいきなり「ゲイバー」で働いたりするのです。

末っ子役の加藤清史郎は、かわいらしい「こども店長」で一気に人気者になりましたが、「実は生意気なんじゃないの?」と思っている人も多いはずです。

ミルトモ 編集部

ドラマの中では、「ヒロスエのおっぱいを揉みたがる、生意気な末っ子」というキャスティングになっていて、見ている方はおかしくて仕方ありません。

ほかにも光浦靖子がまんま地味で器用な新しいママを演じたり、湘南乃風のRED RICEがモロにヤンキーを演じたり、実際のイメージと役柄の関係が、見ていてものすごく面白いのです。

クドカンのねらいは、「実際この役者さんって、こんな感じだよね」というのが、「実際家族って、こんな感じだよね」というドラマのテーマとパラレルにすることなのです。

ミルトモ 編集部

ドラマ内に挿入される相田みつをパロディ風の「家族なんです」の歌をとってもそうです。つい、「たしかに、助け合ったり、励まし合ったり、しないよね〜w」と思ってしまいます。

この「実際家族って、こんな感じだよね〜」というテーマはドラマのメタドラマ的構造にも表れています。

ドラマのなかで「ダイナマイトパパ」という「大家族モノ」の番組を見てるいるのですが、これは「痛快!ビッグダディ」のパロディになっています。

「ビッグダディ」の裏側を露骨に描いていて「やっぱり、家族がそんなわけないよな〜」と思う仕掛けになっています。

ミルトモ 編集部

「ビッグダディ」とちがって「助け合ったり励まし合ったりしなくていい、それが家族なんです」ということに本当に共感してしまうのです。

「まずは家族の絆を大事にしよう」と考えている人が増えている中、この「絆」という言葉から想像されやすい「助け合う」「励まし合う」といった家族のあり方を巧みに牽制して、みんなが「こうだよね」と何となく思っている「理想の家族像」を楽しく描写しているドラマが、『11人もいる!』です。

『11人もいる!』

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「家族っていいよね、でも肩肘はらずにゆるくいこうよ」、そんなメッセージになっています。

『11人もいる!』とい萩尾望都さんの名作をパロったタイトルも、こういうテーマをよく表しています。

毎回ドラマのなかで「家族会議」が開かれるのですが、家族以外の人間が平気で参加し、家族の人数である「10人」よりもいつも多くなります。

そういう家族としての境界のゆるさ、オープンさも、「楽しいサバイバル」のあり方を超明快に示しています。

ミルトモ 編集部

やっぱクドカンはすごいです!

もう一つ、星野源の存在が大きかったです。

有村架純もチョイ役で出ていましたが、同じくチョイ役であった星野源の方が大目立ちしていて、彼の演技には何度も笑わされました。

ひろゆきおじさんといえば、あの星野源の顔がすぐに脳裏をよぎるほど圧倒的な存在感を残しました。

ミルトモ 編集部

また、星野源の歌声には癒されました。劇中の演技とは大違いでそれもまた面白かったです。クドカン作品では、これくらいの規模のものに色々散りばめられた彼らしさ溢れるこのドラマが一番好きです!

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宮藤官九郎脚本ドラマおすすめランキングTOP10:まとめ

  1. 『11人もいる!』
  2. 『あまちゃん』
  3. 『いだてん〜東京オリムピック噺〜』
  4. 『監獄のお姫さま』
  5. 『ゆとりですがなにか』
  6. 『うぬぼれ刑事』
  7. 『木更津キャッツアイ』
  8. 『タイガー&ドラゴン』
  9. 『池袋ウエストゲートパーク』
  10. 『流星の絆』

以上、ここまで宮藤官九郎脚本のおすすめドラマをまとめてきました!

気になる今後の宮藤官九郎の脚本新作ですが2020年6月時点では未定です。

しかし大人計画で宮藤官九郎が1996年からやってきた公演シリーズ「ウーマンリブ」が2020年6月30日から3か月連続でWOWOWで9作品放映されます。

コロナウイルスの影響で舞台はなかなか見られないと思うのでこの機会にWOWOWに加入してご覧になってみてはいかがでしょうか。