『クレイマー、クレイマー』は、1979年に公開されてから40年近くたった今もなお色あせない不朽の名作映画です。(日本公開は1980年)
親権を争う夫婦役として共演したダスティン・ホフマンとメイル・ストリープは、同年のアカデミー賞でともにオスカーを手にしました。
ストーリーとしては、妻に出ていかれた仕事人間の夫が息子と衝突しながらも絆を深めていくハートフルな作品となっています。
- 次第に心を通わせていく父と息子の姿に心が温まる。
- ダスティン・ホフマン演じる主人公キッドの父親としての成長に注目です。
- 映画史に残る名シーン、最後のフレンチトースト作りは涙なくしては観られない!
この作品の背景には、当時アメリカで大きな社会問題にもなっていた離婚率の高さがあります。
夫婦とは、親子とは、そして家族とはなにか。深く考えさせられる名作です。
それではさっそく『クレイマー、クレイマー』の作品情報・あらすじ・ネタバレ感想を書いていきたいと思います。
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目次
『クレイマー、クレイマー』作品情報
作品名 | クレイマー、クレイマー |
公開日 | 1980年4月5日 |
上映時間 | 105分 |
監督 | ロバート・ベントン |
脚本 | ロバート・ベントン |
原作 | エイヴリー・コーマン |
出演者 | ダスティン・ホフマン メリル・ストリープ ジャスティン・ヘンリー ジェーン・アレクサンダー ジョベス・ウィリアムズ |
音楽 | ヘンリー・パーセル アントニオ・ヴィヴァルディ |
【ネタバレ】『クレイマー、クレイマー』あらすじ・感想
仕事をとるか、家族をとるか、葛藤しながらも息子を愛し抜いた父親テッド(ダスティン・ホフマン)に感動
『クレイマー、クレイマー』の大きな魅力のひとつが、父親テッド(ダスティン・ホフマン)と息子ビリー(ジャスティン・ヘンリー)の仲睦まじい親子愛です。
妻が出ていってしまった最初の頃は、ろくに朝ごはんも作れなかったテッドが、息子と二人で過ごす日々の中で時に衝突し、時に教えられ、二人で成長しながら絆を深めていく姿は観ていてとても優しい気持ちになりました。
一方で、テッドは会社の重役になる千載一遇のチャンスがありましたが、息子との生活を優先したことで棒に振ってしまいます。
それどころか、母親がいないことで仕事にまで支障が出ている、という言い分で会社をリストラされてしまうのです。
この演出に対して厳しいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私個人としてはリアリティがあって非常に好感が持てました。
すべてがうまくいく人生とは程遠いテッドの人生ですが、だからこそ共感し、感情移入できる人も多いのかなと感じます。
そして、テッドが出世のチャンスを蹴ってまで得たかけがえのない息子との愛情は本当に美しかったですし、彼にとっては何物にも代えがたいものだったんだなぁと、より一層の感動を覚えることができるのです。
妻ジョアンナを熱演したメリル・ストリープの表現力が見事
また、妻のジョアンナを演じたメリル・ストリープも、夫に振り回される苦しみと息子に対する愛情の狭間でもがき苦しむ様子を見事に表現しています。
メリル・ストリープといえば、『プラダを着た悪魔』や『マンマ・ミーア!』で有名な、今もなお活躍を続けるハリウッドの大女優です。
強い女を演じることが多いメリルですが、若かりし頃の彼女が『クレイマー、クレイマー』で演じた役は、情緒不安定でヒステリックな一面を持つ繊細な女性でした。
現在から見えるメリルのイメージとは違う役柄でしたが、弱さをむき出しにする表現力は見事でしたし、演技の幅には驚かされました。
テッドの妻であるジョアンヌは、子育てや夫の世話に明け暮れ本当の自分がわからなくなるという悩みを抱えていて、ついには7歳の息子を置いて家を飛び出してしまうのです。
全国の夫や子供を持つお母さんたちには、ジョアンヌの悩みがよく理解できるのはないでしょうか。
子供は愛しているのに夫への愛は冷めている方や、家事に明け暮れて自分の本当にやりたいことができずに苦しんでいる方は、ジョアンヌの行動に多少なりとも共感できると思います。
このように、子供を愛する妻の視点でも物語が描かれている本作は、観る人によって正義と悪が180度変わってくる作品だと思います。
私は男性なので、どうしても父親のテッドに肩入れしてしまう場面が多かったです。
そういう意味では、あまり男女で一緒に観ることは推奨できないのかもしれません。
涙なくしては観られない感動のラストシーンに胸が熱くなる
本作における最大の見どころは、ラストシーンであると自信をもって断言できます。
テッドは務めていた会社こそ辞めることになりましたが、息子のビリーとは強い親子の絆を結ぶことができました。
そんな彼の元に愛息子のビリーを取り戻しに来た元妻・ジョアンナが訪れます。
そんな彼女をテッドは厳しい態度で追い返しますが、親権を巡った裁判を執り行うことになり、評議の結果ジョアンナが親権を手に入れることになってしまうのです。
母親と生活することになったと告げられた息子ビリーの泣き顔が痛々しくて非常に印象に残っています。
そんな息子を想って、テッドは最後に好物のフレンチトーストを作ってあげるのですが、このシーンが本当に最高でした。
実は妻のジョアンナが出ていった次の日、初めてテッドが作った手料理がフレンチトーストだったのです。
その時の出来栄えは散々で、とても食べられるものではありませんでした。
それから長い月日を共にしてきた二人の最後のフレンチトースト作りは、まさに阿吽の呼吸で手際よく調理を進めていく姿に親子の成長と深く強い絆が表現されているのです。
調理の最中に交わされる言葉はほとんどありませんでしたが、時折見つめあい昔を懐かしむように微笑む二人に思わず涙がこぼれてしまいました。
つらい別れを前にしても、最後まで涙を見せずかっこいい親父を貫いたキッドは本当に最高の父親だったと思います。
『クレイマー、クレイマー』まとめ
年末年始のためにビデオのHDDを開けようと断捨離していたが、録画してたクレイマークレイマーに見入ってしまう📽
いつ観ても泣けるなあ…💧
週末、久しぶりにフレンチトースト作ろ… pic.twitter.com/FgTuEoT13c— きゅーたろー (@9taronotawagoto) 2017年12月18日
最後のフレンチトーストのシーンは、今でもなお映画ファンの中では印象に残るワンシーンとして鮮明に記憶されているんですよね。
ぜひ、そんな映画史に残るほど温かいワンシーンを観てボロ泣きしてください。
以上、『クレイマー、クレイマー』について感想を述べました。
- ちぐはぐだった親子の成長と絆の物語は必見です。
- アカデミー賞助演女優賞に輝いたメリル・ストリープの熱演にも注目してください。
- 心に残る感動のラストシーンを体感せよ。
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