飛燕宮の見習い宦官・衣斯哈が烏妃・寿雪の元を訪ねると、青燕の羽を持った幽鬼の話を彼女にします。幽鬼は何者なのかを探っていくと、衣斯哈が先輩の宦官たちに棒で叩かれているところを目撃し、寿雪は彼を匿います。宮中でこんなことが許されているのかと高峻に問いただす寿雪。そして、幽鬼の素性も明らかに…
目次
アニメ『後宮の烏』第7話のあらすじと振り返り
九九に憑りついてまで欒冰月が烏妃に頼みたかったこと、それは柳の下に立つ幽鬼・明珠公主を救うことでした。死してなお、公主を探していた冰月は、彼女を見つけることが叶うも呼びかけに応えてもらえず苦しんでいました。柳の下は彼女が命を絶った場所でもあり、冰月と結婚の約束をし、髪飾りを渡した場所でした。これを聞いた寿雪は、彼女が禁軍に捉えられる前に櫛をここに埋めて隠したのだろうと察し、土の中から髪飾りを見つけました。髪飾りを公主の手の中に戻すと、彼女は生前の美しい姿に戻り、冰月と共に楽土を渡っていくのでした。
高峻の寝所の周りで獣の匂いを察した寿雪は、夜な夜な夜明宮を抜け出し、彼の元へと走ります。蓮を矢に変え、幽鬼となった2人の前に向けますが、彼女はその扉の向こうの魔物を追い払いました。高峻の母と丁藍の幽鬼は襲いに来たのではなく、斬首した皇太后の呪いから高峻を守るため、扉の向こうに立っていただけだったのです。高峻の無事が分かった途端、2人は笑顔で楽土へと渡っていくのでした。
烏妃の本当の歴史を知った高峻は、改めて夜明宮を訪れると、寿雪と約束を交わします。国にはすでに欒一族をとらえて殺す法律などない、だから怯えなくていいと言った高峻は、彼女と共になることを望みます。そして、2人の時には寿雪を妃ではなく、「冬の王」として敬意を表すると、高峻は宣言するのでした。
アニメ『後宮の烏』第8話のあらすじと感想
2つの依頼
夜な夜な夜明宮を訪ねてきた一人の女性は布で顔を隠し、烏妃にある人を生き返らせてほしいと懇願します。しかし、寿雪は楽土から魂を一度呼び寄せることはできてもよみがえらせることはできません。そういって断ると彼女は泣きながら、顔を隠す想夫香の香りが漂う布を置き去りにして去っていってしまいました。
これは今後の伏線でしょう。彼女は一体誰だったのか。
翌日、衣斯哈(いしは)という幼き宦官が夜明宮を訪れました。哈彈族(はたんぞく)の出身で飛燕宮の見習いの彼は、九九と知った仲。そんな彼は、飛燕宮に幽鬼が出たので調べてほしいと、寿雪に頼みごとをするのでした。
幽鬼を調べているうちに見えてきた現実
青い羽根を持った幽鬼を見たという衣斯哈は足を痛めている模様。衣をめくってみると、叩かれた跡が多数ありました。そして後日、幽鬼がでたという飛燕宮へと足を運び幽鬼の姿を確認した寿雪は、宮中で衣斯哈が先輩の宦官たちに押さえつけられ、棒で打たれているのを見つけます。寿雪は仲裁に入り、彼の指導係に飛燕宮で死んだ宦官のことを訪ねます。指導係の康覧(こうらん)は、最初こそはぐらかそうとしましたが、寿雪の目の中に化け物を見つけて震え上がると、宦官は妃に懸想し、その末に処刑されたと言います。飛燕宮の妃・昌黄英は幽鬼の類が苦手なため、衣斯哈が騒ぐことで彼女の耳にも入ってしまうと思い折檻をしたと、康覧は証言しますが、寿雪はそれでも彼を許そうとはしませんでした。
寿雪は夜に高峻を呼び出し、幽鬼のことを話します。飛燕宮で死んだ宦官について調べてもらうと共に、宦官の指導は棒で他叩くのが当然なのかと、彼女は帝である高峻に尋ねます。宦官・衛青の前では酷なものですが、彼は気になどしません。そして高峻は、妃の1人が伏せっているため、早々に夜明宮を去っていきます。いちいち説明しなくてもいいと思う寿雪ですが、これは高峻なりの友への礼儀。そして友である寿雪を喜ばせたいがため、懐から菓子を一つ取り出しました。寿雪がこれに喜ぶと、高峻がなにに喜ぶのか疑問を抱き始めます。考えた末、鳥が好きなのではと思うと、高峻も納得。一つ教えてもらったと言い、彼は去っていきました。
KAMUI
青燕の羽を持った幽鬼の罪
飛燕宮で過去に亡くなった宦官は、兪衣薩(ゆいさ)という哈彈族の若い宦官でした。彼のことを良く知る史顕(しかん)に詳しく話を聞くため文を出すと、彼は青い羽根を手に寿雪の前に現れました。
兪衣薩は綺麗な鳥の羽を見つけると、当時の燕夫人にこれを献上し、喜ばせていました。それから彼は何度も何度も羽を拾っては渡していたのですが、だんだんと喜ばれなくなってしまったのです。そこで兪衣薩は鳥を捕まえてはその羽をむしるようになり、史顕も密かに協力していたのです。しかし、ある日捕まえた青燕を殺してしまったことで事件が起きます。鳥殺しは大罪。埋めてなかったことにしようと史顕は考えましたが、兪衣薩は死んだ鳥を燕夫人に見せてしまい、斬首されることとなったのです。衣斯哈が耳にした「ごめんなさい」という言葉は、鳥に対しての者だろうと考えた寿雪は、史顕が持ってきた鳥の羽に念を込め、幽鬼の元へと飛ばします。そして、青燕となった鳥の羽は、兪衣薩と共に楽土へと昇っていくのでした。
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衣斯哈の行く末と新月の夜
幽鬼のことに加え、烏妃に目を付けられたことにより、衣斯哈は指導係に見放されてしまいました。他の指導係を付けることもできますが、待遇は良いとは言えません。そこで寿雪は衛青に言い、一次的に側に置いてもらうよう言いました。衣斯哈が利口だとわかれば、寿雪は衛青の元に置いておけないかと相談をしますが、すべてを見ていた温螢は寿雪の宦官にしてはもらえないかと言い出します。
かつては芸人であった温螢は、理不尽な理由で懲罰を受け、宦官になりました。罰を受けた時に「むごたらしい」と言ってくれるものがいなかった温螢としては、寿雪のように優しい人がいてほしかったと考えます。だからこそ、衣斯哈をそばにおいてはもらえないかと彼は言いますが、寿雪は何も返しませんでした。
KAMUI
先代の烏妃が寿雪に愛を持って読み書きを教えたように、衣斯哈をそばに置いて良いのではと高峻も言いますが、それでも寿雪はこれを受け入れません。そして、新月の日であるその夜、寿雪は高峻にこう言いました。
「明日は来るな」
疲れているからと彼女は言いますが、その夜寿雪は1人床の間に横たわり苦しみだすのでした。
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アニメ『後宮の烏』第8話まとめ
九九たちも元の場所でヒドイ扱いを受けていたところ、寿雪が関わったことで居場所が変わった者達。それと同じように、衣斯哈も宦官として側に仕えさせては?みたいになるのかなと思いもしますが…どうなっていくのでしょう。
また、最初に死んだ人を蘇らせてほしいと懇願してきた女性は何者だったのでしょう。もしかして燕夫人?幽鬼の類が苦手だという話しくらいしか登場しなかったのですが、それで終わるとは思えません。青燕の話は終わったものの、まだ何かあるのではないかと考えてしまいます。
また、烏妃、燕夫人というように、どうも高峻の周りの者には「鳥」が関連しているものが多い気がします。烏漣娘娘も一応鳥の姿をしていますし、高峻の好きなモノも鳥。これが何か大きな意味を成すのでは?と感じ始めています。
苦しむ烏妃、これからどうなっていくのでしょう。