皇帝・夏高峻が烏妃・柳寿雪の元を訪れることが噂になると、彼の幼馴染であり、鴛鴦宮の妃・雲花娘(うんかじょう)もが夜明宮へとやってきます。
ふたりの関係を確かめに来たという花娘ですが、本当は身に着ける花笛が鳴らない理由を調べてほしいと依頼をします。
花娘には亡き恋人がおり、彼の魂が自分の元にやって来た時に笛が鳴るはずなのですが、紐解いていくと奇怪な出来事が関係していて…
目次
アニメ『後宮の烏』第2話のあらすじと振り返り
翡翠の耳飾りの持ち主を探るため、班鶯女(はんおうじょ)の女官・蘇紅翹(そこうぎょう)が何か知っていると踏んだ寿雪。舌を切られた紅翹は、筆談にて事の真相を寿雪達に話し始めます。三の妃を殺したのも、班鶯女を死に追いやったのも、すべては皇太后がけしかけたもの。さらに、彼女が大事にしていた耳飾りは、故郷に残した恋人・郭晧(かくこう)が持っていると聞き、寿雪たちは彼の元を訪れます。班鶯女が三の妃を殺し、首を吊って死んだという話しを信じられない郭晧は、後宮に潜り込み真実を探っていたことが明らかになり、寿雪が班鶯女を呼び出すことが出来ると聞くと、彼は彼女に会いたいと言い出します。幽鬼となった班鶯女に声は届きません。ですが、高峻が持つもう一つの耳飾りを郭晧が受け取ったことで、彼女の魂は元の美妃に戻り、楽土へと消えていったのでした。
彼女を失った悲しみに嘆くも、無事浄土へ見送った郭晧は、後宮に潜り込んだ際に、皇帝を暗殺する計画を話しているものの存在がいることを進言。それは皇太后の手の物であり、彼女にが差し向けた女官たちの荷物の中から班鶯女や高峻の母を殺した毒と同じものが見つかったことで、高峻はついに皇太后の首を刎ねます。全てが終わったことで空っぽになってしまった高峻は、今になって母を見棄てた過去を嘆きます。欒一族の証である銀髪を高峻に見られてしまった寿雪も、自分は母を見殺しにしてしまったと、同じ気持ちを味わいます。そんななか、高峻は寿雪に妻にならないかと進言。答えを聞く前に高峻はそこで眠ってしまいました。
【ネタバレあり】アニメ『後宮の烏』第3話あらすじと感想
寿雪と高峻の仲が気になる幼馴染・花娘
高峻の幼馴染であり、二の妃・雲花娘(うんかじょう)は、彼と寿雪の中を探りに夜明宮に足を運びます。高峻が来てからというもの、人の出入りが多くなってうんざりだという寿雪ですが、花娘からみたら高峻が変わったのは彼女の影響だと断定します。
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夜になり、花娘は寿雪に頼みごとをするため、再び夜明宮を訪れます。死んだ者の魂が自分の元にやって来たときに音が鳴る「花笛」を差し出し、どうして鳴らないのかと尋ねます。本来ならば、花笛は軒先に吊るすもの。ですが彼女は、亡き恋人の訪れを待ちわびることから、帯から下げて持ち歩いていました。
亡き恋人の名前は欧玄有(おうげんゆう)彼が楽土へと渡っていれば寿雪はその魂を呼び出すことが出来ます。しかし、彼女の術をもっても欧玄有を呼び出すことはできませんでした。これは、彼が楽土へと行っていない証拠。何らかの事情で魂が彷徨っているか、生きている可能性があると寿雪は考えました。
欧玄有は3年前、赴任先で月下翁が教祖をする「月真教」の暴動に巻き込まれて死亡したと高峻の口から語られます。もっと彼のことを知ろうとする寿雪は、改めて花娘の元へと足を運びます。温かくて柔らかい、湯冷ましのような人だと語る彼女は、その魂は迷子になっているのかもと切ない目で言います。
そして彼女は幼いころから高峻を見ているからこそ、最近は寿雪と関り表情が豊かになったと語ります。高峻には丁藍という腹心の宦官がいたものの、むごい殺されかたをしてしまい、それから感情を表に出さなくなったのだと花娘は語ります。そして、陛下の前でその名を出していけないと寿雪は言われます。
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突如失せモノ探しを依頼された寿雪は、謎の魂魄と対峙する
玄有の魂の行方を知るため、寿雪は月真教の教祖・月下翁についてさらに詳しく知ろうとします。月下翁は失せモノ探しや変化の術を使ったり、時には別人のように見えると言われた面妖な人だと言います。前王朝の皇族だという話しも、衛青の口から語られます。
その日の夜、花娘の侍女から来てほしいと言われ、寿雪は九九を連れて急ぎます。高俊から下賜された壺が紛失し、宮女も1人行方不明になったため、力を貸してほしいというのです。人型の木に、女官の名前を書き、残された髪を巻いて烏にし、彼女の行方を追います。渦中の人である葉倩城(ようせんじょう)が見つかると、その手には無くなった壺がありました。
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自身は欒冰月(らんひょうげつ)だと語る倩城は寿雪とは血が呼び合うと口にします。そして、壺の中には欧玄有を封じられていることを告げ、彼の魂を渡す代わりに自分の頼みごとを聞いてほしいと言います。もしもできなければ侍女を殺すといって、刀を自分につきつけます。隠れていた温螢が彼女に石を投げ、その刃物が手元から離れると、寿雪は蓮の花を投げ、壺から魂を開放させます。そして、葉倩城の体から出てきた欒冰月は寿雪に対し、「なぜおまえは後宮に閉じこもることに甘んじているのか」と言って消えていきました。
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烏妃は訪ねてくるものに情をかけてはいけない
玄有の魂を簪に変えて花娘に渡すと、彼女は、彼の魂が湯冷ましのように温かいと涙を流します。そして間もなく魂は外へ。そしてついに花笛が静かに音を鳴らすのでした。
玄有の魂を楽土へ導いてくれたお礼として、花娘は寿雪に綺麗な衣をプレゼントします。いらないと言えば捨てて構わないと言われしまい、寿雪は困り果ててしまいます。高峻にもこれを話せば、貰っておけばいいといわれた上で、今度は彼から簪をもらってしまいます。
本来、皇帝が崩御すれば妃は後宮から追い出され、別の者の妻にならなくてはいけません。しかし、恋人のことを忘れられない花娘の想いを汲み取り、高峻は彼女を妃として置いていると話します。そんな花娘の話し相手になるのは良いのでは?と彼は寿雪に言いますが、彼女は浮かない顔をします。
烏妃は本来、他の妃の茶飲み話をするものではない。母を失い、人買いに代われて苦しい日々を過ごしていた時、先代の烏妃に救われた寿雪。新しい名前を与えられ、読み書きや呪術を教えてくれた彼女の言葉を守りたいと言います。それは「烏妃を訪ねてくるものに情をかけてはならない」という教えです。冷静な判断を失ってしまうからだと説明する寿雪ですが、優しいからそう思わないといけないかもしれないと高峻に言われ、頬を染めてしまいます。
皇帝と烏妃は相容れない存在。だからこそもうここに来るなと、寿雪は高峻に言い放つのでした。
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その日の夜、高峻はとあるものに連絡を取ってほしいと衛青に言います。烏妃のことをもっと知るために…
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アニメ『後宮の烏』第3話まとめ
1話完結の「花笛」でしたが、30分とは思えないほどきれいなまとまり方をしていたように思います。そして、すでに死んでいる欒一族は今も後宮に彷徨っているようですね。この男が今後何か問題を引き起こす、そんな予感がします。そして、頑なに人とのつながりを拒む寿雪ですが、その割には九九たちを追い出すことはしないんですよね。彼女の中にも明らかな変化は起きている者の、先代の言葉だけは守りたいと思う烏妃。
烏妃とは天女であり、これを閉じ込めるために夜明宮は作られたと第1話で語られていましたが、次週はもっと詳しく語られることになりそうです。どんなお話しが出てくるのか楽しみです。