ドラマ「スナックキズツキ」は、秋の夜長のコーヒータイムにうってつけ!
コーヒーみたいにほろ苦い“サラリーマンの悲哀”に心打たれたと話題の第3話「サトちゃん」。
後輩に先を越されても…もっと若い後輩に舐められ気味でも…28年勤め続けている会社員・サトちゃんこと佐藤悟志(塚地武雅)が、トウコ(原田知世)のお店にやってきます。
トウコが繰り出す“変化球すぎる励まし術”に脱帽…観るとちょっと元気がでてきちゃうから不思議です!
ドラマ『スナックキズツキ』前回第2話のあらすじと振り返り
家具の初期不良問い合わせ電話で粘着クレーマー化しちゃう安達よしみ(平岩紙)。
普段はスーパーの惣菜店で働く女性です。
お客さんや同僚など自己主張の強い人々に圧倒されて損しがちな毎日。
ニコニコすることに疲れ切った安達さんは、もやもや心を引きずってスナックキズツキへ。
トウコママ(原田知世)が作った、爽やか生搾りレモンラッシーと温かいミネストローネで辛い気持ちがほぐれます。
そして安達さん…ママに促されるがまま、ロールピアノの弾き語りで日頃の鬱憤を大熱唱w
最後はママから“安達さん限定・永久ラッシー無料券”をもらい、ちょっとだけお得気分。
心が晴れた安達さんは、ほんの少し前向きになってお店を後にしました。
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しかし、第3話ではさらに上行く驚き楽器が…笑ってハマりそうな感じ、必見です!
【ネタバレあり】ドラマ『スナックキズツキ』第3話あらすじと感想
気の毒な独身息子(塚地武雅)は、老いた母と2人暮らし。
「飯待たずに、先食べててよ!」
帰るなり、遅い帰宅にも夕食を食べずに待つ母(丘みつ子)へ、佐藤悟志(塚地武雅)が幾度となく伝えたであろう言葉を発します。
広告代理店・大雄企画勤務の悟志。
小太り気味ですが、先日受けた健康診断結果は問題なしの男。
母のヨシ子へも健康診断を受けるよう促します。
そこへ、悟志の妹である香保(西田尚美)の息子が、京大に合格したとの連絡。
それを聞いて、母と悟志はそれぞれ5万円ずつのお祝い金をあげようと決めます。
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人物のつながりも楽しめるのがこのドラマの魅力。
母と2人で実家住み、独身の悟志。
「アンタはあげるばっかりで気の毒…」と、彼を見て老いた母は嘆きます。
久しくお祝いされてない下戸な男(塚地武雅)が迷い込んだスナックキズツキ
甥っ子のためにコンビニでご祝儀袋を買いながら、悟志はふと思います。
「最後に“お祝い”もらったの…いつだっけ?」と。
思い起こせば、就職のときから何のお祝いも貰わず生きてきました。
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彼女も後々、登場の予感!
「お祝いしてもらうようなこと何も起こってないな…」ちょっと切なくなります。
そんな悟志が辿り着いたのはスナックキズツキ!
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実は悟志、お酒が飲めないのです。
会社では“サトちゃん”という愛称で呼ばれている悟志。
「誘いたいけどサトちゃん呑めないから…」と、退勤後の呑みニケーションには呼んでもらえず。
お酒のことを考えると、脳裏に一緒に飲みに行けなかったときに感じたもの寂しさが蘇ります。
苦節28年…サラリーマンとして生きてきた男(塚地武雅)が、トウコ(原田知世)とカハヴィタウコ!
悟志はコーヒーを注文。
トウコママ(原田知世)が、豆を挽きハンドドリップで丁寧に淹れた1杯が出されます。
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「うまい!」1口飲んでびっくり!
「カハヴィタウコ…」一緒に飲みはじめたトウコが謎の単語を呟きます。
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日本一、いや世界一珈琲カップの似合う女性…原田知世さん!
フィンランド語で“コーヒータイム”って意味。
続けて、トウコはフィンランドを旅した時に飲んだうまい珈琲の話をします。
「実は、海外に行った事なくて…旅行はもっぱら国内。」
トウコの旅バナを聞いた悟志は、羨ましそうにします。
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電車について話しはじめた彼は、まるで水を得た魚のよう…28年前に訪れた大分県の夜明駅で夜なべして夜明けを見ようとした時の話を懐かしそうに話します。
「28年…会社に入って、それぐらい経つ。俺、そんなに長く会社に…」
遠い記憶を辿るうちにふと現代に引き戻され、流れてしまった年月の長さに気がつきます。
クリエイティブな年下後輩(小関裕太)に、気疲れの日々。
ふいに、悟志が会社員として歩んできた日々が思い起こされます。
後輩が自分の上司になり、昇進した際にお祝いの言葉をかけた夜…
あの日に感じたうら悲しい気持ちが湧いてきます。
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「後輩には先を越され、もっと年下の奴は…」
言葉と共に浮かんできたのは、昇進した後輩よりも年下の後輩・瀧井潤(小関裕太)。
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次の第4話の主人公は彼、瀧井くんなのです!
ポスターデザインなどを担当している瀧井。
スーツ姿のザ・サラリーマン的な悟志とは対称的に、カーディガンを羽織ってラフな出で立ちで働くスタイル。
年の離れた瀧井に仕事を頼むとき、下手に出て気を遣いまくりな悟志。
目すら合わせない瀧井…悟志は「瀧井に仕事できない奴と思われている」と感じています。
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現代の働き人たちの厳しい現実がここに。
エア旅行からのエアギター!“エア三昧”で寂しき男(塚地武雅)をアツく癒す!!
「28年か、人生の半分はサラリーマンやってるんだ。これからも…」
物憂げな表情を浮かべる悟志の心中を察するかのように、トウコが誘います。
「今から一緒にフィンランド行く?」と、トウコが出したのはタブレット端末!
コーヒーをすすりながらストリートビューを辿って、2人で束の間のエア旅行。
「フィンランドはどこをどうとっても絵になる~」と嬉し気に話すトウコ。
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ベールに包まれたトウコのバックボーンが少し覗けたような気がした貴重なシーン。
「エア旅行イイ!」とすっかりハマった悟志。
「エアっていえばさ。フィンランドってエアギターが有名でね?」
トウコはそう切り出すと、ラジカセで激しめの音楽を流しだします。
恥ずかしさに躊躇する悟志にエアギターを渡し、ノリノリで弾きまくるトウコ。
「ある!ある!言いたいこと~!」と煽るトウコ。
すると、乗せられた悟志が“クリエイティブな後輩の瀧井”に言えない本音を叫びはじめます。
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圧巻のエアギターで、人生について叫ぶくだりは胸に響きました。
“一匹狼”のワードで微笑んだトウコ(原田知世)、意味深なラスト!
「人生の成功って?…それじゃまるで、商売みたいじゃねーか!!」
汗だくで魂の叫びを終えた悟志に、トウコは言います。
「コーヒー、もう1杯どう?」
おかわりをして心地よい疲れと共に店を出た悟志に、トウコが忘れ物を届けにきます。
「あんたのだろ?」と渡されたそれは、エアーのギター。
受け取った悟志は大事そうに肩に抱えて帰っていきました。
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気さくに話しかけてくる出入りの酒店・こぐま屋の上田健一(浜野謙太)と会話するトウコママ。
最近、バイトリーダーに昇格した健一でしたが…後輩が辞めてしまったため、リーダー卒業となってしまったらしい。
「また孤独な一匹狼っす!」と強がる健一の言葉がトウコの耳に残ったのでした。
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ドラマ『スナックキズツキ』の次回に期待するもの
秒単位で変わる時代の中、28年同じ会社で勤めあげることは並大抵のことじゃない。
誇るべき男の泥臭くもかっこいい生き様を見させてもらえた気がして、静かにアツくなりました。
第4話はクリエイティブいじりされていた瀧井潤(小関裕太)の回。
一見、リア充っぽい彼がどんな“傷み”を抱えているのか…気になります。