日本では2015年に公開されたチョン・ウソン主演の『神の一手』。
そのスピンオフ作品となるクォン・サンウ主演の『鬼手』が2020年8月7日に公開されました。
- 囲碁のルールは知らなくてもOK!何なら『神の一手』を見なくても楽しめる
- クォン・サンウの鍛え上げられた肉体が見もの!
- 登場人物のクセが強すぎ&命をかけたギリギリの囲碁バトルから目が離せない!
マルコヤマモト
目次
『鬼手』作品情報
作品名 | 鬼手 |
公開日 | 2020年8月7日 |
上映時間 | 106分 |
監督 | リ・ゴン |
脚本 | ユ・ソンヒョプ |
出演者 | クォン・サンウ キム・ヒウォン キム・ソンギュン ホ・ソンテ ウ・ドファン ウォン・ヒョンジュン |
音楽 | チャン・ヒュジン |
【ネタバレ】『鬼手』あらすじ
姉の復讐のために立ち上がる少年
両親がおらず姉と共に暮らしていた貧しい少年。
プロ棋士の屋敷で雑用として働かせてもらっていたものの、ある日少年は姉がプロ棋士ファン・ドギョンに強姦されているところを目撃してしまいます。
その後そのことがきっかけで姉が自殺し、天涯孤独となった少年はわずかな所持金とともにソウルへと旅立ちます。
不良に襲われて無一文になってしまった少年は、街の碁会所を尋ねては人々に勝負を申し込みました。
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ソウルの碁会所での少年の活躍は一躍話題になりました。
そんな少年にとてつもない囲碁の才能があることを見出した片腕の男ホ・イルド(キム・ソンギュン)にコイントスの結果ついていくことを決めた少年は、山奥にある寺院でイルドによる囲碁の修行を行うことに。
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イルドによる目隠し囲碁などの過酷な修行を経て、少年は自分の頭の中で盤面を描き碁が打てるようになります。
まるで囲碁をするだけの機械になった少年は、イルドとともに賭け碁の世界に飛び込み、罪悪感を感じつつも次第にイルドのイカサマに加担するようになります。
しかし、自らを「釜山の雑草」(ホ・ソンテ)と名乗る男との勝負の際にイカサマが見破られてしまい、イルドは雑草の部下に殺され、少年は雑草から命辛々逃げたものの、再び天涯孤独の身になってしまったのです…。
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成長した少年は修羅の世界へ
それから少年は一人で囲碁の腕を磨き立派に成長しました。
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青年(クォン・サンウ)はイルドが死ぬ前に言い残した人物の元を訪ねます。
賭け碁のサロンを営むトン先生(キム・ヒウォン)と呼ばれるその人物は、自らを「観戦専門」と名乗り、主に賭け碁のマッチメイクを行い、巧みな話術でこの世界で生き残っていました。
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青年は、姉を自殺に追いやったドギョンとの対決の前に2人の棋士との対決を望み、トン先生とともに韓国行脚を始めます。
まず2人は長城の占い師(ウォン・ヒョンジュン)の元へ足を運びました。
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勝負に負けた者は、用意された大きな刃で自らの片腕を切り落とさなければなりません。
占い師はどちらが白か黒かわかりにくいクリアな碁石と、相手の過去を見抜く占い師としての能力を使って青年に挑みますが、自分の運命は占うことができず、青年が勝利を奪います。
次に2人が向かったのは釜山の雑草のところでした。
雑草は自分が勝利をするまで掛け金を倍に吊り上げますが、強くなった青年にどんどん負けゆくばかりで後に引けない状態になってしまいます。
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一度勝負を持ち越しにした雑草は夜に青年を連れ出し、鉄橋の上で猛スピードの電車が近づく中での互いの命を賭けた囲碁の勝負を挑みました。
しかし青年が勝利し、命が惜しくなった雑草は線路から飛び出した末に青年に助けられます。
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しかしその頃、トン先生が何者かに誘拐される事件が起こります。
トン先生を誘拐した相手は、イルドに父親を殺され自分も大火傷を負った青年のウェトリ(ウ・ドファン)でした。
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海辺の工場に青年を呼び出したウェトリは、自分で改造した殺人マシーンの碁盤で勝負を挑みます。
青年が負ければトン先生がアツアツの溶鉱炉にドボン…という展開です。
相手の石を取ったことによる重さで熱い液体が顔に向かって吹き出すように改造された碁盤での勝負にも、青年は見事勝利し、トン先生を救い出します。
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『鬼手』結末
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ドギョンの娘を釜山の雑草に誘拐させ、人質にとります。
娘の命と自分の命と引き換えに、ドギョンは青年との勝負を受けることに。
しかし青年は、ドギョンと戦う前にハンデとして100人のプロ棋士との対戦する試練を自分に課したのです。
勝負当日、白いスーツに身を包んだ青年が会場に現れ、100人のプロ棋士をいとも簡単に倒して行きます。
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100人との戦いを終えてドギョンの前に座った青年はすでにボロボロ。
決定的なミスをしてしまうものの巻き返し、形勢逆転をしてドギョンに勝利したのです。
勝負後、ドギョンが俯瞰して盤を見るとそこには黒い碁石で「死」の文字が描かれていることに気付きます。
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ドギョンは試合終了後、その場で首を吊って死にました。
ドギョンへの復讐を終えた青年は、再び旅に出ることにし、トン先生は囲碁サロンを共同経営するホン・マダムと結婚をすることに。
トン先生が別れ際、青年に名前を尋ねますが青年は答えません。
「ならば今度会ったときはお前のことをこう呼ぶよ」と言って「鬼手」(グィス)と書かれたメモを見せました。
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復讐を終えたグィスはようやく安息を手に入れることができました。
イルドと出会ったときのようにまたコイントスをすると今度は数字の面が出ましたが、結果を見る前にグィスはその場を立ち去りました。
エンディング、イルドと少年時代のグィスが寺院の縁側で魚の形をした風鈴を眺めていました。
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【ネタバレ】『鬼手』感想
『ヒカルの碁』もビックリのまさかの囲碁アクション!
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『麻雀放浪記』や『カイジ』シリーズと、『燃えよドラゴン』と『ヒカルの碁』をごった煮にしたような盛りだくさんの内容。
今すぐ漫画化するべきではないでしょうか!?
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もちろん囲碁のルールをわかっていたらより面白いと思いますが、ルール以前にバトルの方法がヤバイすぎて笑ってしまうくらいです。
ちなみに囲碁のでは盤の上で自分の陣地をより多く獲得した者が勝ちとなります。
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「どっちが勝ったんだ!?」とトン先生が言うとおり、透き通った石なので一見、どっちが勝ったか全然わかりません。
でも、よく見ると黒と白にきちんと色分けされているんですよね、あんなに美しい碁石は初めて見ました。
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線路上でのチキンレースも、ウェトリとの突然の『コマンドー』を彷彿させる戦いに発展するシーンもプロ棋士100人斬りも面白くて、何なら囲碁バトルをもっと見ていたかったほどですよ…!だってグィスが強すぎるんですもの…!
2020年でデビュー20周年を迎えたクォン・サンウの本気をビシビシ感じました!
正直囲碁にアクションや筋肉って要る?と思う人も少なくないと思いますが、フィジカルが強くないとメンタルも強くなれないぞ!ということをグィスが身を以て教えてくれたように思いました。
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『神の一手』に登場する鬼手が主人公のスピンオフ
チョン・ウソンが主演を務めたクライム・サスペンス『神の一手』。
兄の頼みで一度だけ賭け碁の試合に参加したチョン・ウソン演じるプロ棋士のテソクが兄を殺された挙句、兄殺しの濡れ衣を着せられて投獄されてしまうというところからスタートする物語です。
テソクが投獄された際、隣の廊にいた人物を相手に壁に盤を描き、囲碁の腕を磨きました。
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『神の一手』では一切姿を現さない鬼手を主人公にしたのが、映画『鬼手』というわけです。
『鬼手』で主演を務めたのは、デビュー20周年を迎える俳優クォン・サンウ。
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また、グィスに戦いを挑む悪役たちにも個性豊かなキャラクターが勢揃いしました。
殺された父親の復讐のためにグィスに戦いを仕掛けてきた青年・ウェトリを演じた、ウ・ドファンにも注目が集まっています。
今作でもその端正な顔立ちからは想像できないような過激なキャラクターや、クォン・サンウと対等に渡り合えるアクションを披露。
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『鬼手』の中ではコミカル担当で、殺伐とした世界の中での唯一の癒しキャラであるトン先生。
界隈からは「糞先生」とありえない名前で呼ばれているどこか憎めないキャラクターを演じているのは韓国の演劇・映画界で活躍しているキム・ヒウォン。
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『鬼手』は『神の一手』のスピンオフと称されているものの、『神の一手』を見ていなくても楽しめる作品ですのでご安心を!
SNSでのみんなの感想・評判
『鬼手』を観た。キャラの立った敵、キレのある格闘アクション、そして、負ければ恐ろしい目にあう常軌を逸した囲碁対局。おかしな映画ではあるけど、もし偶然にも多感な時期に観ていたら、すぐさま囲碁と筋トレを始めてしまいそうな魅力がある。バトル漫画を忠実に実写化したかのような完成度だった。 pic.twitter.com/4DlrCAE3qm
— へっくん (@hekkuso) August 8, 2020
今日はシネマート新宿で韓国産囲碁ノワールアクション(としか言いようがない)『鬼手』を鑑賞。囲碁!アクション!変な囲碁!アクション!もっと変な囲碁!また変な囲碁!アクション!すげえ変な囲碁から間髪入れずにアクション!みたいなオモシロ数珠繋ぎを堪能。プロットは完全にクンフー映画! pic.twitter.com/c6HnBSceSe
— 楠野一郎(プロペラ犬) (@kusunopropeller) August 8, 2020
『#鬼手』観ました
最愛の姉を死に追いやられた少年・グィス。
父から伝授された囲碁で地獄を生き抜き、復讐に燃える🔥
『神の一手』スピンオフ作品!碁と暴力のバイオレンス・ノワール再来です👊
前作同様、濃ゆい登場人物達に心躍ります!
異様な対局の数々、残忍で激しいアクションを堪能しました🙌 pic.twitter.com/QqJaSvPLpd— コヤンイ (@koreakazoku) August 8, 2020
『鬼手』は、囲碁、バトルアクション、任侠映画、カンフー映画などその手の作品が好きな人にはたまらない作品でしょう!
マルコヤマモト
変な囲碁勝負だけではなく、合間に挟まれるアクションも本格的!
最近人気の?トイレでのバトルもしっかり脚本に盛り込まれていて通好み。
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『鬼手』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
マルコヤマモト
- 少年漫画のバトルを連想させる奇想天外な囲碁勝負にハラハラが止まらない!
- 囲碁をバイオレンス・ノワールに昇華させてしまった物凄い作品
- クォン・サンウのデビュー20周年!成長し続ける彼に期待!
マルコヤマモト
不安に思う方はバトル漫画を見ているような感覚で鑑賞すると、意外と楽しんで見れますよ!
とはいえ囲碁をアクション・ノワールに昇華させてしまうという、韓国映画の相変わらずの凄さには頭が上がりません。
最後のイルドの言葉「対局も世の中も心の目で見極める」は、今の私たちにも必要なメッセージだと感じました。
マルコヤマモト