街で最年長のたんばさん(ベンガル)は、皆が彼に相談や愚痴など色んな話を持ちかけてくる人格者として名が通っています。
住民同士のトラブルを収め、泥棒にもお金を渡してしまうような人で不思議と皆たんばさんの言う事に耳を傾けるのです。
家族がいなくなり、住民の立ち退きの片棒を担がされているタツヤ(仲野太賀)が自暴自棄になっていると、たんばさんはある提案をタツヤに持ちかけます。
目次
ドラマ『季節のない街』 前回振り返り
かつ子(三浦透子)の妊娠に気づいた叔母の妙子(広岡由里子)は怒り心頭。
そんなことに気づかずいつものように明るく接するオカベ(渡辺大知)のもとに現れたかつ子は、オカベに忘れられたくないという理由から彼を刺してしまいます。
オカベはかつ子を許し、かつ子もそれを機にオカベに心を開いて話すようになりました。かつ子を襲った伯父は逃げ出しますが、間もなく捕まりました。
【ネタバレあり】ドラマ『季節のない街』第9話 あらすじと感想
たんばさん
街で最年長のたんばさん(ベンガル)の住まいは、街の一番奥にあります。
いつも鍵はかかっておらず、自由に出入りすることが出来るので、彼を頼りにしている住民たちは、相談事や愚痴など何か話がしたい時にはたんばさんに聞いてもらっていました。
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街の中でのトラブルは大抵たんばさんが解決します。不思議と、皆たんばさんの言う事に耳を傾けるのです。
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泥棒が入っても、「月末に年金が入るから」と言って家の中にあるお金を渡してしまい、Hなビデオまでお土産に持たせるたんばさん。
そんなたんばさんはもう70歳を過ぎているので、週に一度行政の人が様子を見に来て、新しい復興公営住宅に移らないかと打診されていましたが、たんばさんはのらりくらりとかわしていました。
近頃、六ちゃん(濱田岳)には変化が起きていました。
あんなに夢中だった電車に代わって、今はショベルカーがキテいるというのです。
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人生詰み
この日、オカベ(渡辺大知)とかつ子(三浦透子)はお揃いコーデで遊園地デートに出かけています。
その頃、家族も出て行き、街の住民の立ち退きの片棒を担がされることになったタツヤ(仲野太賀)は、たんばさんと将棋を打ちながら「何もかも嫌になった」と愚痴をこぼしていました。
「完全に詰んだ。俺の人生」
家族4人でプレハブではない3DKで暮らそうと、奮闘していたタツヤ。
だけど、母が出ていって、彼女はそんなこと望んでいなかったのかもしれないと思っていました。
しかし、ある日公営住宅の内覧会のイベントの手伝いをしている時、母と車いすの兄、妹たちが内覧に来ているのを目撃してしまいました。
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母は自分以外の4人で暮らしたかったのだと悲観するタツヤに、「そんなこと言っちゃいけないよ」と励ますたんばさん。
島さん(藤井隆)の会社でせっかく正社員になれそうなタツヤですが、その仕事はこの街の立ち退き交渉です。
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タツヤの夢だったカフェも、元々作る気などなかったと思われます。
タツヤはこの街と住民が好きだし、自分も含めて皆行くところなんてないのもわかっています。無理やり追い出したくはありません。
自暴自棄になったタツヤは、「今日にでも線路に飛び込む」と言い出しました。
するとたんばさんは「ちょっと待ちなさい」と言って外に出て、紫色の花を持って戻ってきました。
「これはトリカブト。本当に死ぬ気があるならこれが一番」
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タツヤのような立派な青年がなぜ死を選んだのか、周囲は思い知るべきだというのがたんばさんの意見です。
たんばさんは“トリカブト”を刻んで水に漬け、その水をタツヤに渡すと、タツヤはそれを一一気飲みしました。
「なんだろう・・・土臭い」
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タツヤはその時が来るまで横になりました。
さっき、家族や知り合いの話をしていた時にオカベや半助(池松壮亮)の名前が抜けていましたが、彼らには看取られたくないので、まぁいいかと思いました。
タツヤは、これでナニで死んでしまった父ちゃんに会えると思いました。
父ちゃんだけはタツヤに「頑張ってる。偉い」と言ってくれていたのです。そんな父ちゃんは最近夢に出て来て一緒にお酒を飲んだりしていました。
たんばさんは言います。
「それは生きていればこそだね。」
タツヤが生きてる間だけお父さんも生きていられる。
「死んだらさよならだ」
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死にたくない!
タツヤは咄嗟に死にたくない!と思いました。
たんばさんは解毒の仕方を知らないので、とりあえず正露丸を渡してみます。
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タツヤは咄嗟に青年部のグループメールに「助けて!」と送ります。
すると、すぐに半助が駆けつけてきました。そのすぐ後にデートから帰ってきたところのオカベとかつ子も駆けつけます。
「呼ばれたからって来るんじゃねぇ!」
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タツヤは半助が街の人たちのことを立ち退き業者、つまり自分がいる会社『ノーシーズン』に報告していたことを知っています。
「早く報告しろよ。1人死にますって」
半助は、リッチマン親子の段ボールハウスが撤去された時のギャラで炊飯器を買いました。
それをうしろめたくないのかと責めるタツヤ。
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半助はあの時は何も考えておらず、言われた通りにやっていただけなのだと釈明します。
もっと言えば雇用主も何も考えていません。
雇用主の雇用主は島さんです。
実は、かつ子が納品しているマスク業者も、島さんの会社『ノーシーズン』傘下なのです。
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タツヤはしきりに「報告しろ」と言います。だけど、半助は報告する気はありません。
何故なら、金にならないからです。タツヤのことを報告した時は白菜5玉でした。
「それでも俺にとっては大事な友達だからさ」
タツヤはなんだか意識が遠のいてきた気がしました。
半助は、友達を売って白菜もらうだけでは割に合わないと思い、報告を辞めました。
その直後、島さん夫婦が半助の隣に引っ越してきたのです。
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タツヤはなんだか体中が痛くなってきた気がしました。
半助はタツヤにトリカブトを吐き出させようとします。オカベはかつ子に水を持ってきて欲しいと頼みました。
台所に入ったかつ子は、まな板に残っていた花を見て気がつきます。
「これ、ヒヤシンス!」
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タツヤの自殺は未遂に終わりました。
たんばさんの決断
それからしばらくは平和で退屈な日常が続きました。
ある日、たんばさんの元に行政のサポートセンターの人と島さんがやってきました。
2人はたんばさんの立ち退きを説得します。
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実のところ、たんばさんも少し迷っていたのです。出るに出れず、引くに引けない部分があったのを、2人が引かせてくれたと言ってたんばさんはお礼を言いました。
「私の人生はこれで流れが変わるわけだ。ありがとう」
たんばさんは立ち退き同意書に判子を押しました。
その頃、街にショベルカーが入ってきました。
六ちゃんは、本物のショベルカーを息をのんで見つめていました。
ドラマ『季節のない街』 第9話 感想&まとめ
遂に、山が動きました。皆から信頼を集めている不思議なたんばさんが立ち退きを決意したのです。これでだいぶ流れが変わるかもしれません。
タツヤの自殺未遂騒動は悲しくも笑ってしまうシーンでした。仲野太賀さんはお見事ですね!
さて、次回は最終回です。街の人たちがどうやって立ち退きと自分の人生に向き合うのか、最後まで見守りましょう!