かつて自分を捨てた母親から「潰れたがんもどき」と評されたかつ子(三浦透子)。
街の住民にもちょっと下に見られながら黙々と内職をして伯母夫婦を養っています。
かつ子のことが好きなオカベ(渡辺大知)は彼女の誕生日プレゼントを買いに半助(池松壮亮)たちを誘いますが、半助はそこで元カノと遭遇し・・・。
そしてある日、かつ子の伯母(広岡由里子)が入院することになり、その間かつ子は酒癖の悪い伯父・京太(岩松了)と2人暮らしをすることになりますが・・・。
目次
ドラマ『季節のない街』 前回振り返り
廃品置き場の自動車の中で暮らすリッチマン(又吉直樹)親子。
父と中学生にしては大人びた子供(大沢一菜)はいつも「理想の家」について語り合いながら空き缶回収などの日課をこなしていました。
一方、タツヤ(仲野太賀)は街のカフェ建設に向けて奔走中。ようやくその住民説明会の日取りが決まったある日、リッチマンの子供は食中毒になり苦しみます。しかし、父親も住民たちもなす術がなく、子供は死んでしまい、リッチマンも街を出て行きました。
【ネタバレあり】ドラマ『季節のない街』第7話 あらすじと感想
潰れたがんもどき
3年越しに大好きなかつ子(三浦透子)の誕生日が10月だと知ったオカベ(渡辺大知)は、彼女のために誕生日プレゼントを買おうと決めます。
「やっぱり服かな?」
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半助(池松壮亮)は、オカベが成功するパターンがイメージできなければ、そもそもかつ子がどんなキャラクターかもわかりません。
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かつ子は黙々と一緒に住む伯母夫婦の面倒を見ています。
ずっとそうやって暮らしているのかというと、「ちょっとニュアンスが違う」と増田益夫(増子直純)が焼酎片手に話します。
かつ子は元々、ナニの直後は母親と2人で暮らしていました。
ところがある日、母親がどこかの社長と再婚して娘を置き去りにしていったのです。
入れ替わりに伯母夫婦が来てかつ子と一緒に住み始めました。
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伯父の京太(岩松了)は元は教師でしたが、酒癖が悪すぎてクビになり、それ以来無職で酒ばかり飲んでいます。
収入はかつ子の内職と、社長夫人となった母親からの送金のみということです。
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京介は悪びれもせずこんなことを話し始めます。
まだかつ子が学生の頃京介はもう少し仕送りを増やして欲しいと社長夫人に直談判したことがありました。
すると、社長夫人は香水の匂いをぷんぷんさせて、街に車で乗りつけて来たといいます。
そして、久しぶりに見たかつ子の顔を見てこう言い放ちました。
「やだぁ、まるで潰れたがんもどきね」
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次の日からかつ子は陰で「がんもどき」と呼ばれるようになりました。
そして社長夫人のことについては、街の住民は誰も悪く言う人はいませんでした。それどころか、彼女に対して憧れと羨望のまなざしで見ていたのです。
実写版貧乏
半助はそんな住民たちの気持ちが理解できません。
たんばさんはそれを説明できると言います。
皆が社長夫人に反感を持たないのは、皆と彼女が同類だからです。
社長夫人はその同類から出た成功者で、自分が彼女のようにならないとは限らないのです。
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もちろんかつ子も同類です。
誰よりも早く起きて頼まれもしないのに隣の家の前まで掃き、黙々と不織布マスクを折る毎日。
オカベは「誰にも邪魔にはならない良い子」と評しますが、たんばさんに言わせれば、まさにそこが問題だということです。
働けど楽にならない暮らし。かつ子はそんな生活を具現化したような存在なのです。
「実写版貧乏というのかな。だから憎いんだ」
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ある日、かつ子の伯母(広岡由里子)が3週間ほど入院することになりました。
その間かつ子は飲んだくれの伯父と2人きりで暮らすことに。
かつ子がいつものように黙々と不織布マスクにアイロンをかけていると、酔った伯父の京介が、かつ子に対し、もう少し「女女した女なら、もっと楽に稼げるのに」と堂々とセクハラ発言をしてきました。
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背広とマスク
オカベは半助とタツヤ(仲野太賀)を誘ってかつ子へのプレゼントを買いに街へ繰り出しました。
半助とタツヤはホームレスの一件以来なんとなく気まずくなっています。
タツヤは半助がスパイのようなことをしていたことを知っています。
そして今のタツヤの上司・島さん(藤井隆)は半助の雇用主ともつながっています。
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オカベは半助にレディースの服を着せてあれこれ悩んでいます。
その時声をかけてくれた店員がいました。彼女の顔を見た半助はビックリ。
なんと、半助が街に来るまで付き合っていた元カノ・永田(佐津川愛美)だったのです。
一方、かつ子は仕事をしている間いつの間にか眠ってしまっていました。
ふと目を覚ますと、京介が自分の上に覆いかぶさっているではありませんか。
京介は「目をつぶれ!」と言いました。かつ子は思い切り一発京介を殴りましたが、彼の力にはかないませんでした。
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タツヤは島さんから「正社員ならスーツを着ろ」と言われたので、満を持してスーツを仕立てました。
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ご機嫌で家に帰ると、母親が「兄がもうすぐ退院できそうだ」と報告してきました。
しかし、兄は恐らく車いす生活を余儀なくされると思われます。この家では狭いと思うと話し出すと、タツヤはコンプレックスを爆発させてしまいます。
それがきっかけでまた母親と口論になってしまいました。妹と弟は居心地悪そうにしていますが、タツヤは自分を止められませんでした。
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3週間後、かつ子の伯母が退院してきました。
それからかつ子はますます忙しくなりました。伯母はさらに1か月の静養を命じられ、かつ子は毎日内職の合間に病人食を作り、薬も取りに行かなくてはいけません。
ある日、オカベの働くコンビニに珍しくかつ子がやってきました。
オカベは嬉しくなっていつものように一方的に話をします。かつ子は何も言わず家の方向へ歩き出しました。
半助はその後ろ姿を見て、いつもより背中が丸まっているなと思いました。
タツヤのスーツも完成しました。
それを家族に見せようと意気揚々と家に戻ったタツヤ。
しかし、ドアを開けると家の中はもぬけの殻でした。ホワイトボードには一言「ごめんね」と書かれていました。
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さらに、かつ子の伯母が怒り心頭でかつ子と共に銭湯から帰ってきました。
何故なら、かつ子が妊娠していることがわかったからです。
ドラマ『季節のない街』 第7話 感想&まとめ
前回のリッチマン親子の話から、街の雰囲気がだいぶ重いものになってきました。
オカベは能天気ですが、半助はタツヤとギクシャクしているし、かつ子やタツヤの周囲では大変なことが起きています。
それにしても伯父の京介・・・なんてことしてくれるんでしょうね。サイアクです。
でも、かつ子はオカベを頼っているようです。なんとか助けてあげてほしいものです。
次回は『がんもどき 後編』になります!