“ナニ”と呼ばれる大災害から12年。今なお残る仮設住宅に猫のトラと共にやってきた“半ズボンの半助”こと田中新助(池松壮亮)は、ミッキー(鶴見辰吾)という怪しげな男の指示で、そこに住む人たちの暮らしぶりを報告するという仕事を請け負います。
“街”で半助が最初に会ったのは、自称市電の運転手・六ちゃん(濱田岳)。六ちゃんは母親のくに子(片桐はいり)に街の外には出るなと言われていましたが、ある日六ちゃんは少女から頼まれ、街の外に出ることに・・・。
そのことが思わぬトラブルを招いてしまいます。
目次
ドラマ『季節のない街』 見どころ
昨年夏にディズニープラスで配信され話題となった『季節のない街』が地上波で放送されます。
前クールのTBSドラマ『不適切にもほどがある!』でも話題の宮藤官九郎さんが企画・監督・脚本を手掛け、“クドカン作品の最高傑作”とも呼び声が高い今作。
原作は山本周五郎氏の小説『季節のない街』。70年代に黒澤明監督が『どですかでん』のタイトルで映画化したことでも知られる普及の名作です。
仮設住宅の“街”を舞台に、個性豊かな住民たちが繰り広げるクスっと笑えてちょっぴり泣ける青春群像エンターテインメントとなっています。
【ネタバレあり】ドラマ『季節のない街』第1話 あらすじと感想
仮設住宅
“ナニ”と呼ばれる大災害から12年。
田中新助(池松壮亮)は、猫のトラと共に今なお残る仮設住宅にやってきました。
新助は、ミッキー(鶴見辰吾)という怪しげな男から、この街の人々の暮らしぶりを報告するという仕事を請け負っていました。
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街には見るからに個性的な人々が暮らしています。
すると、どこからともなく「どですかでん、どですかでん」と電車の走る音が聞こえます。
しかし、この辺りは電車など走っていません。
実は、それは自称・市電の運転手、電車バカの六ちゃん(濱田岳)が見えない電車を運転する音だったのです。
六ちゃんは、新助が“線路”の上に立っているのが気に食わない様子で、「この半ズボンめ!」と怒っています。
「お前なんか半ズボンの半助だ!!」
六ちゃんはそう言い捨て、走り去って行きました。
新助改め半助が唖然としていると、ミッキーから「何か変わったことない?」とメッセージが来たので「電車が走っていた」と見たままを報告すると、電子マネーが1万円振り込まれました。
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六ちゃんはお母さんのくに子(片桐はいり)と2人暮らし。
くに子はお惣菜屋さんを営んでいて、せっせと揚げ物をしています。
しかし、その揚げ物を半助の猫・トラが地面に落としてしまいます。
半助は謝りますが、電子マネーしか持っていないのでお金を払えません。
でも、くに子は何も言わず、家の中に入ってしまいました。
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半助がおなかを空かせながら六ちゃんについての報告書をまとめていると、青年部を名乗るタツヤ(仲野太賀)と、街の外にある『リカーショップオカベ』で働くオカベ(渡辺大知)が、食べ物を持って半助の家にやってきました。
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この仮設住宅には、一応被災者しか住んではいけないことになっています。
今さら入居してきた半助に、タツヤは少し疑いの目を持っていました。
でも、半助は審査を通過しています。家は全壊、母は亡くなり、他の家族は行方不明だと話すと、タツヤもオカベもそれ以上は何も言いませんでした。
街の外
六ちゃんは朝、欠かさず架空の電車の点検をしています。
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すると、毛布にくるまった小学生ぐらいの女の子が、自転車がパンクしてしまったので、電車に乗せて欲しいと六ちゃんに頼んできました。
六ちゃんは少し迷いましたが、女の子をおぶって街の門まで来ました。
しかし、六ちゃんはお母さんから「1人で街の外には行ってはダメ」と言われています。
立ち止まって考えていると、女の子は「一人じゃないけど・・・」と言います。
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六ちゃんは思い切って外に出て、電車を走らせました。
「どですかでん!どですかでん!」
しばらく行くと、踏切に差し掛かりました。
女の子は「ここでいい」と言って六ちゃんから降り、線路の向こうまで歩いていきました。
その直後、遮断機が下りて、特急や在来線など何本かの電車が六ちゃんの目の前を通過します。
六ちゃんは圧倒されたかのように、その場に立ち尽くしていました。
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街に帰ってから、六ちゃんはトラに本物の電車を見たことを報告しました。
「どうってことなかったな」
強いて言えば、ブレーキの音がうるさかったので、油を差す必要があると、六ちゃんは思いました。
誘拐疑惑
その日の夕方、街にサイレンの音が鳴り響きます。
半助が何事かと外に出てみると、六ちゃんが警察官に取り押さえられています。
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なんと、六ちゃんは少女誘拐と強制わいせつの疑いをかけられていました。
六ちゃんが女の子をおぶっている姿がドライブレコーダーにバッチリ映ってしまっています。
しかし、街の人たちは「六ちゃんは街の中にいた」と口々に訴えます。
半助も周囲から同意を求められたので、前に記録しておいた六ちゃんの詳細な行動をツラツラと述べると、少しだけ引いている住民と警察官たち。
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するとそこに、女の子が父親と共に現れました。
昨日の夜、女の子は塾をさぼってしまったために家に帰りづらく、街で夜を明かしたというのです。
女の子は六ちゃんに頼んで駅まで送ってもらったと証言しました。
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くに子は半助に感謝し、アジフライをこれでもかとくれました。
そして「これからも六ちゃんのことを見ててね」と言いました。
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青年部の夢
夜になり、青年部の2人がお酒を持って半助を誘いに来ました。
よくよく聞けば、青年部はタツヤとオカベの2人しかいないと言います。
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青年部では何をするのかと半助が聞くと、タツヤたちにはやりたいことがあると言います。
「俺たち青年部は、ここにカフェを作る!」
思いもよらない答えが返ってきたので、半助は思わず笑ってしまいます。
街にカフェなど必要があると思えないからです。
タツヤはサロンでもなんでも、呼び方は何でもいいと言います。
「ここにないものを作りたい」
食って寝る以外の何か、泣いたり笑ったり皆が楽しめるようなそんな場所を作りたいと熱く語るタツヤ。
「俺、そういうのいいや」
半助はにべもなく断りました。
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部屋に戻った半助は一枚の写真を机に飾ります。
そこには漁師の格好をした半助と、家族が映っていました。
船でたなびく大漁旗は、仮設住宅のある廃校の校舎にかかっているものでした。
ドラマ『季節のない街』 第1話 感想&まとめ
今作は宮藤官九郎さんが張り切って製作した作品と聞き、去年の夏からずっと気になっていたので、地上波放送は嬉しく、ありがたい限りです!
そして、皆さん腕利きの俳優さんばかりなので、とても見ごたえがあります!
半助は、本当に“ナニ”の被災者のようですが、何故今頃この街にやってきたのでしょうか?
第1話から個性的なキャラクターが目白押しで、これからどんな人が出てくるのかとても楽しみです。