熱海にあるキンメクリーニングは、店主の金目綿花奈の丁寧な仕事ぶりが評判のお店。金目さん自身も洗濯が大好きで、どんな汚れにも「金目にお任せください!」と真摯に向き合っている。街の人々とも少しずつ交流を重ねていき、大好きな温泉につかりながらも同じく温泉に入りに来た人ともすぐに仲良くなっていく。配達や集荷があれば、自らカバンを抱えて走っていき、笑顔で挨拶。そんな金目さんと金目を慕う人々とのひきこもごもストーリー。
・金目さんの汚れに対する熱意や、決めセリフ「金目にお任せください!」がとても頼もしい。
・町の風景や、お祭り、学校や島の様子など、金目さんを通して熱海の四季が楽しめる。
目次
『綺麗にしてもらえますか。』声優・キャラクター紹介
金目綿花奈/声優:鈴代紗弓
・海辺の街、熱海でクリーニング店「キンメクリーニング」を営む。
・明るく働き者で温泉が大好き。
・2年前からの記憶が一切ない。
石持毬祥/声優:梅田修一朗
・地元の高校生。
・母親の代わりに「キンメクリーニング」に行き、金目さんと出会う。
・何かと金目さんのトラブルに巻き込まれる。
片口那色/声優:稲垣好
・近所の知りたがり小学生。
・母親と訪れた「キンメクリーニング」で仕事大剣をした以来、金目さんを慕っている。
・「キンメクリーニング」のSNS広報担当。
鰙久里留/声優:青山吉能
・石持の同級生。
・守大は双子の弟。
・駆け込んだ電車の中、金目さんと出会う。
<h3>鰙守大/声優:白石兼斗
・石持の同級生であり友達。
・久里留は双子の姉。
・金目さんに出会ってから、憧れのお姉さんとして慕っている。
<h3>安治/声優:水田わさび
・「キンメクリーニング」の店舗の大家さん。
・常連客。一人暮らし。
・働く金目さんを密かに見守っている。
『綺麗にしてもらえますか。』あらすじ・感想
物語の幕開けとなる序盤、見知らぬ土地である熱海にやってきて間もない金目さんが、持ち前の明るさと卓越した技術で「キンメクリーニング」を軌道に乗せていく。熱海の穏やかな風土に溶け込みつつある金目さん、その日常はとにかくクリーニングへの異常な情熱に満ち溢れていた。
ある日、石持毬祥が母親の代わりに持ってきた洗濯物を預かった金目さんは、彼の履き古した革靴の汚れまで気になって磨き上げてしまう。
さらに、ひもの店の孫娘・那色が服に落書きをしてしまったシミを鮮やかに抜き去ったりと、汚れを見ると気になって仕方がない様子。金目さんにとって衣服を綺麗にすることは、その人がその服を着て過ごした「時間」や「思い出」を尊重し、守る行為そのものだった。
しかし、実は金目さん自身は「過去の記憶をすべて失っている」という事実をふとした瞬間に、石持に話し出す。自分が誰かもわからない、唯一身体で覚えていたのがクリーニングの技術だったのだと。他人の思い出を綺麗に整える金目さんが、自分の思い出を持たないという事実が静かに明かされたのだった。
Mai
実際に行ったことがある人ならピンとくる場所もあるのではないでしょうか。
今作はそんな熱海にある小さなクリーニング店がメインのお話。
そのお店の店主である金目さんは、一人でお店を切り盛りしており、自転車や車を使わず、配達は全て自らの足で運ぶスタイルをとっています。
温泉が大好きな金目さんは、日々の仕事終わりに近くの温泉に入りにいっているようで、本当に気持ちよさそうに入浴するシーンは羨ましくなりますね。
そんな金目さんですが、実は2年前からの記憶が無いという事実が明かされ衝撃を受けた人も多い事でしょう。
こがし祭り
様々な出会いを経て、金目さんが熱海の住人として完全に受け入れられ始めた頃、街を挙げた一大イベントである「こがし祭り」の季節がやってきた。仲良くなった小学生の那色に誘われお祭りに参加することを決めた金目さん。
しかしある時、祭りで使う大切な衣装が、保管状況の悪さからカビだらけで汚れてしまっているという大問題が発覚。誰もが今年の祭りを諦めかけたその時、立ち上がったのは金目さんだった。
膨大な量のカビや汚れに対し、気が遠くなるような洗浄作業を金目さんが一人で始めていると、そのひたむきな姿に心を動かされた毬祥や双子の久里留・守大たちも自発的に手伝い始める。夜を徹した皆の団結により、衣装は見違えるほど美しく蘇り、祭りは無事に大成功を収めたのだった。
しかし、熱気のなか、祭りの喧騒と花火の音の刺激によって、金目さんの脳裏に「失われた過去の記憶の断片」がフラッシュバックする。それは楽しげな祭りの風景とは裏腹に、どこか孤独で暗い影を落とす記憶の呼び水だった。
Mai
それにしても街の人々全員が一丸になって盛り上げようとする描写がとてもいいです。
しかし、ここでもトラブル発生ということで、お祭りに使う予定の大事な法被に大量のカビが発生。街の人たちの役に立ちたいとクリーニングを買って出た金目さんも流石ですが、今回から仲良くなった高校生組も一緒にお手伝いするシーンも微笑ましくて良かったですね。
特に石持くんは金目さんとよく顔を合わせるようになっていて、率先して手伝いを申し出る光景に「よく言った」と言いたくなるほどでした。
©はっとりみつる/SQUARE ENIX・「綺麗にしてもらえますか。」製作委員会
金目さんと毬祥くん
石持毬祥(いしもち きゅうしょう)は、普段母が経営する実家の民宿旅館「いしもち」を手伝っており、一見するとクールで冷めたイマドキの高校生。
最初は、お節介で距離感の近い金目さんに戸惑いを見せていた毬祥だが、金目さんの裏表のない優しさと、時折見せる「記憶を持たないがゆえの孤独感」に気づいてからは、そっと支える存在へと変わっていく。
キンメクリーニングが突然休みになった際、心配する街の人々に頼まれて、すぐに店の中を覗き込もうとしたりと、金目さんへの感情は徐々に大きくなっていた。
一方で、金目さんも頼もしい男の子である毬祥くんへ、徐々に好意を持つようになっていく。学生カバンをなかなか持ってこない毬祥を気にしたり、自分の寝坊によりお店が開いておらず心配をかけた時に、心配して様子を見に来てくれたりと、少しずつ関りが深くなっていく。
Mai
最初は高校生らしく大人の女性である金目さんに初々しい反応を見せていましたが、徐々に金目さんの意外な一面を見てしまったり、お祭りに参加した金目さんを楽しませようとしてくれたりと、少しずつ男らしく成長していっています。
最終的に金目さんと毬祥くんとの関係性がどうなっていくのか、とても気になりますが、金目さんが記憶喪失だということを最初に明かされた存在だったり、真摯に仕事に向き合う金目さんを陰ながらサポートしたりと、益々精神的に成長していく毬祥くん自身も楽しみになってきます。
金目さんの過去
これまで築いてきた温かい日常に影を落とすように、金目さんが恐れていた「過去の現実」が少しずつ身の回りに侵入してくる日々が増えてきていた。
台風による突然の停電の夜、普段の明るい笑顔が嘘のように、金目さんは暗闇のなかで激しく怯える。偶然にもキンメクリーニングにきていた毬祥。風が収まるまでじっとすることにした二人だったが、光を失った部屋で、金目さんの口から語られたのは「自分が何者でもなくなってしまう恐怖」だった。
しかし毬祥は、そんな金目さんの様子に戸惑いながらもそっと傍に寄り添うことで、金目さんは台風と共に徐々に落ち着きを取り戻していくのだった。
そんな中、衣服の汚れとしては「トップクラスの手強さ」を持つ、古い思い出の詰まった品が持ち込まれる。
それは、キンメクリーニング店の家の中に存在していた床下収納の中にしまわれていたものだった。
大家である安へ当時の話を聞くも、業者がしまい込んだことしかわからず、元の持ち主は判明しなかった。
それでも金目さんは、いつか持ち主が受け取りに来るかもしれないと、心を込めて綺麗にしていくのだった。
Mai
所々でフラッシュバックする光景の中にいるのは、確かに金目さんですが、金目さん自身にその記憶はありません。
このシーズンでは最後まで金目さんの過去ははっきりとはしませんが、それでも誇りをもってクリーニング店を営んでいる金目さんには、このまま街の人たちといつまでも仲良く過ごしていってほしいと思ってしまいます。
けれど、すでに街の人々に慕われている金目さんなら心配ないかもしれませんね。
金目さんの未来
過去の記憶の輪郭が見え、元いた場所へ戻るべきか、このまま熱海に留まるべきかという最大の選択を迫られた金目さん。熱海でキンメクリーニングを開業して2年が経とうとする節目と共に、決断の時が迫っていた。
過去の記憶の全貌が仄めかされ、元いた場所へ戻る選択肢もあり得るなかで、金目さんは、お世話になった常連客への感謝を込めて「2周年感謝フェア」を企画することに。
ポップを作ったり、新しいサービスを考えたりするその姿には、もう過去の幻影に怯える影はなく、金目さんは失われた過去にすがりつくのではなく、この2年間で熱海の人々と紡いできた「新しい思い出」と「現在の絆」を信じることを選んだのだった。
記憶は戻らなくても、この街を愛し愛され、必要とされているという事実は変わらないと、今日もいつものように「金目にお任せください!」と街中を走り回るのだった。
Mai
本人に自覚がなくても、金目さんのいるキンメクリーニングが街の人たちにはなくてはならない存在になっているでしょうし、金目さん自身ももう熱海の街の住人として認識されている様子がわかる最高のシーンでした。
まだ2年、されどもう2年。月日の経過はあっという間ですが、どんな時でも金目さんの決めセリフが聞こえてきそうなまさに大団円で。物語は一旦終わりを迎えます。

©はっとりみつる/SQUARE ENIX・「綺麗にしてもらえますか。」製作委員会
『綺麗にしてもらえますか。』キャラ/声優・あらすじ・ネタバレ感想まとめ
・クリーニングに対する深い知識と、細かい作業の描写が勉強になり面白い。
・熱海の風景描写がとても綺麗で、直接訪れたくなること間違いなし。
実際にある地域のお話というのは、見ている方は楽しいですが、作っている方は正確さを追求しなくてはならない部分があったりと大変そうな印象があります。
ですが、この作品は街の風景もさることながら、クリーニングの仕事内容についてもとても丁寧な描写がされており、身近な汚れに対する豆知識のような情報を得ることもできたりと、実用性もある楽しい内容となっています。
その一方で主人公の金目さんが2年前からの記憶がない人物だったりと、ふとした孤独感や不安感などの描写もあり、色々な感情で引き込まれる作品となっておりますので、皆さん是非ご覧ください!

