毒に侵され、死から逃れられない状況に陥る炭治郎。そんな彼を救ったのは、妹・禰豆子でした。
鬼の血を採取するため、炭治郎は禰豆子におんぶされて妓夫太郎と堕姫の首を探しますが、そこで彼らは、喧嘩する2人の姿を目撃します。
醜い兄と助けられてばかりの妹。そんな2人の過去が明らかに…。
ついに遊廓編最終回。物語が、大きく動き出します。
目次
アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』第10話のあらすじと振り返り
伊之助は心臓を貫かれ、天元の心臓も止まり、善逸は瓦礫の下敷きに…。自分の弱さを責める炭治郎ですが、彼は夢の中で妹・禰豆子に謝らないでと言われ、目を覚まします。
妓夫太郎に鬼になれば妹を助けることが出来るぞと言われる炭治郎ですが、頭突きに乗じて藤の花の成分がついた苦無を彼の足に刺し、ボロボロの身体でまた刃を振います。
心臓を意図的に止め、死んだふりをしていた天元が加勢すると、妓夫太郎の首を2人がかりで狙いに行きます。そしてついに炭治郎が妓夫太郎の首を斬り落とすことに成功するのでした。
そして同じ時、善逸が堕姫と交戦。心臓の位置を意識的に変えて一命をとりとめた伊之助も加勢し、2人は彼女の首を斬り落とすことに成功。2人の鬼の首は遊廓の空を舞うのでした。
これですべてが終わった、炭治郎は顎を貫かれたことで体内にまわる毒の浸食をいかにして遅らせようか考え、呼吸を繰り返します。意識がもうろうとする中、天元がこちらに何かを言っている様子。妓夫太郎の身体から血の刃が現れ、大きな爆発が引き起こされることに気づいた天元が、逃げろと炭治郎に声をかけていたのでした。
【ネタバレあり】アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』第11(最終話)話あらすじと感想
禰豆子の鬼火が鬼殺隊を救う
妓夫太郎の身体が爆発したことで、遊廓は跡形もなく壊れ果ててしまいました。天元が逃げろと言って炭治郎を押し出したことにより、彼は一命をとりとめますが、妓夫太郎の毒に侵され続け、生きる道筋が見いだせずにいました。
しかし、炭治郎が次に目を覚ました時、なぜか毒が消えていたのです。なぜ消えたのかわかりませんでしたが、同じく毒に侵されて死にそうになっていた伊之助が、禰豆子の鬼火に寄り一命をとりとめます。
深手を負った宇随天元は、自身の死を覚悟し、3人の嫁に最後の言葉を残そうとしますが、須磨が号泣し、まきをがそんな彼女に激怒したことで、遺言を言えずにいました。そこに禰豆子がひょっこり現れ、鬼火で天元の毒を解除。火葬するのにはまだ早いと焦る嫁たちでしたが、4人皆で生きながらえたことに胸をなでおろすのでした。
KAMUI
いがみ合う兄と妹。妓夫太郎の過去と堕姫の本当の名前は…
珠世からの依頼で強い鬼の血を採取するよう言われていた炭治郎は、禰豆子に負ぶってもらい、妓夫太郎たちの血を探します。無事採取することに成功すると、妓夫太郎と堕姫の声が聞こえてきました。
相手のミスに文句を言い合う兄・妓夫太郎と妹・堕姫。強いだけが自慢の兄なのになんで負けるのさ、醜くてなんの役にも立たないと堕姫が癇癪を起すと、自分がしりぬぐいをしないと何もできないワガママな妹なんていなければ良かったと妓夫太郎は言おうとします。が、炭治郎がその口を塞ぎます。
本当はそんなこと思っていない。全部嘘だよ。この世でたった2人の兄妹なんだから罵り合っちゃダメだといって制裁している間に、ついに堕姫の顔が風化してしまいました。
「梅!!」と声を出す妓夫太郎。この時彼は、自分の妹の名前は「堕姫」ではなく、「梅」だと思い出すのでした。
羅生門河岸という遊廓の最下層で生まれた妓夫太郎は、体が弱く、醜い声と容貌のせいで石を投げられ、罵詈雑言を浴びせられる日々を過ごしていました。腹が減れば鼠や虫を食べ、客が忘れて帰った鎖鎌で遊んでいた妓夫太郎は、梅が生まれたことでその人生が変わっていきました。
大人がたじろぐほどの美貌を持つ梅が遊女として働くと、妓夫太郎は取り立て屋として働くようになったのです。梅と一緒にいることで自分の醜さが誇らしくなり、人生はいい方向へと進んでいくかと思う妓夫太郎。ですが、梅が客としてやって来た侍の目玉を簪で突いて失明させた報復に生きたまま焼かれ、その亡骸を見てショックを受けます。
誰も助けてくれない、自分達を助けてくれる人間なんていなかった…。妓夫太郎が梅を抱え、雪の中を彷徨っているその時です。1人の鬼が彼の前に現れ、無惨に選ばれれば鬼となることが出来るといわれ、妓夫太郎はこれを受け入れたのです。
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何度生まれ変わっても
鬼になったことに後悔はないと語る妓夫太郎。しかし、梅のことだけが心残りだと彼は語ります。梅がもっとまっとうな店で働いていれば、普通の家に生まれていたら…と、妓夫太郎は考えてしまいます。自分が育てたために、奪われる前に奪えという教えに従い、妹は目玉を突いてしまったのだと思うと、彼の中には後悔が生まれるのです。
暗闇の中に辿り着いた妓夫太郎。目の前には昔の姿の梅がいました。自分はこれから地獄に向かうからついてくるなと言って彼女を突っぱねます。死ぬ前に醜いと言ったことに腹を立てたのかと思って謝る梅。自分のせいで負けたと認めたくなかったからだと吐露すると、彼女は兄の背に乗り、離れたくないと泣きわめきます。
「離れない!!絶対離れないから!ずっと一緒にいるんだから!何回生まれ変わってもアタシはお兄ちゃんの妹になる絶対に!!アタシを嫌わないで!!叱らないで!!1人にしないで!」といって騒ぐ梅。
ずっと昔、2人なら最強なんだ、ずっと一緒だ、絶対離れない、もう何も怖くないだろうと梅に約束をしたことを思い出した妓夫太郎は、彼女を負ぶったまま、業火の海の中に消えていくのでした。
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2人は仲直りできただろうかと、消えていった妓夫太郎のカケラを見つめて呟く炭治郎。すると禰豆子が力強く、コクリと頷くのでした。
天元引退。そして事態は大きく動き出す
事態が収束したその時、蛇柱・伊黒小芭内が駆け付けると、上弦の陸をよくやったと声をかけます。しかし、上から目線な上、片目片腕を失ってこれからどうするのだと問い詰めます。前線で戦うことはもうできないと判断した天元は引退を宣言しますが、伊黒はこれを許しません。
煉獄の後釜も折らず、天元までもが引退すれば鬼殺隊の力がますます弱まってしまうと言われますが、若手が育っているから問題ないと聞かされます。そこで伊黒は、炭治郎がこの戦いで生き残ったと知り、目を丸くするのでした。
100年もの間変わらなかった上弦の鬼。その1人が倒されたことは運命が大きく変わると、産屋敷耀哉は血を吐きながらも喜びます。一族の御点である無惨は自分の代で倒すと言い切るその頃、上弦の参・猗窩座が無限城に呼ばれ、上弦の鬼狩りが死んだと察するのでした。
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アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』まとめ
遊廓編。ド派手でした。アクションシーンは劇場版に負けないクオリティですし、アニメオリジナルの演出に気づくとかなりワクワクしました。
しかもここで終わらず、次の物語となる刀鍛冶の里編のアニメ化の告知も出してくれることから、鬼滅ファンの心を掴んで離さない作りをしているなと思えます。
天元様の引退は非常に悲しいですが、煉獄さんのように死して心に残る人ではなく、これからも炭治郎達を鼓舞する存在になってくれるので嬉しいです。
堕姫と妓夫太郎が鬼になったのも、時代や環境のせいで仕方がなかったなぁと思うところもあります。嫌なことをされたら自分も嫌なことをし返すというのは妓夫太郎の教育。それは間違っていないと思うも、梅も同じ運命を辿る結果になったことで、後悔が生まれました。妓夫太郎の梅への愛情がふんだんに感じられる瞬間でした。
しかも、梅が侍の目を突いた簪は、遊廓編スタートするときに実はチラッと映っていたのですよね。ああ、あの簪にはそんな意味が…見返すと色々な伏線を回収できるので、またじっくりと見て新しい発見をしていきたいものです。
遊廓編、大変面白かったです!次の刀鍛冶の里辺も勿論楽しみです!