『聖なる鹿殺し』あらすじ・ネタバレ感想!不気味で怖いはずなのに目を奪われる最高作

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・セイクリット・ディア』

(C)2017 EP Sacred Deer Limited, Channel Four Television Corporation, New Sparta Films Limited

映画『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、一言で紹介すると本当に不気味で怖い!

特に、『ダンケルク』で一躍有名になったバリー・コーガンの演技が恐ろしいです。

観終わったあとの余韻がたまりません。

ポイント
  • 第70回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞の力強いストーリー
  • とにかくキャストがすごい!豪華!
  • 鍵となるマーティン役のバリー・コーガンの演技と顔力によって極上の仕上がりに!
  • 終始不気味で息つく暇なし

それではさっそく『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』の作品情報・キャスト紹介・あらすじ・感想を書いていきたいと思います。

▼動画の無料視聴はこちら▼

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・セイクリット・ディア』作品情報

作品名 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
公開日 2018年3月3日
上映時間 121分
監督 ヨルゴス・ランティモス
脚本 ヨルゴス・ランティモス
エフティミス・フィリップ
出演者 コリン・ファレル
ニコール・キッドマン
バリー・コーガン
ラフィー・キャシディ
アリシア・シルヴァーストーン
ビル・キャンプ

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・セイクリット・ディア』重要キャスト

スティーブン(コリン・ファレル)

  • 心臓外科医。アナ、キム、ボブとともに幸せに暮らしている。
  • マーティンの父親を手術中のミスによって殺してしまう。
  • その罪の意識からマーティンのことを気にかけ、プレゼントをしたり食事を食べさせたりしている。

アナ(ニコール・キッドマン)

  • スティーブンの妻。眼科医。
  • 良妻賢母で、息子のボブを溺愛している。

マーティン(バリー・コーガン)

  • 父親をスティーブンに殺されてから、スティーブンの家族の中にどんどん入り込んでいく。
  • キムと体の関係を持ったり、スティーブンのことを付け回したり、かなり不気味な存在。

キム(ラフィー・キャシディ)

  • スティーブンとアナの娘。
  • 少しませていて、マーティンに心を奪われていく。

ボブ(サニー・スリッチ)

  • スティーブンとアナの息子。
  • アナの愛情を一身に受けている。
  • 長髪を気に入っていて、スティーブンに髪を切れと言われても切らない。

【ネタバレ】『聖なる鹿殺し キリング・オブ・セイクリット・ディア』あらすじ・感想


キャスティングの秀逸さが光る!

コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、バリー・コーガンといった名俳優で固めた豪華な作品です。

コリン・ファレルは、少し頼りない父親の雰囲気をうまく表現しているし、ニコール・キッドマンはいつまでも美しい。

セレブ夫婦の感じがとても似合う二人です。

キャストの中でも特に光っていたのが、何と言ってもバリー・コーガンでしょう。

バリー・コーガンはアイルランド出身の俳優。

『ダンケルク』で、負傷した兵士を助ける青年の役で一躍ヒットしました。

今回の役は、一家を呪う少年の役。

ちょっと特徴のある顔をしているバリー・コーガンは適役でした。

ただのイケメンのアメリカ俳優が演じたとしたら、本作『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、カンヌ国際映画祭での受賞はなかったのではないでしょうか。

こういっては誤解を生むかもしれませんが、バリーの顔は今回のマーティン役においては、恐ろしくぴったり過ぎます。

何を考えているのかよくわからないような冷淡な表情や、ニヤついた表情が頭から離れないほど強力でした。

この『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』で、バリーは注目や喝采を浴びたと言います。

絶妙なカメラワークが怖さを倍増させる!

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、とても面白いカメラワークになっています。

まず、心臓手術中の心臓のどアップから映画は始まります。

かなり衝撃的だし、この最初の何分間かで、もう気持ちは作品に持っていかれます。

作品内でのカメラワークは独特で、第三者目線で引きで撮っていたり、かと思えばかなりのアップ目で撮っていたりと、そのカメラワークにもかなりの意味が込められているように感じます。

特に注目して欲しいところはアップで、引きはマーティン(バリー・コーガン)がどこかで見ているといった、マーティン目線で撮っていたのではないかと思いました。

音響効果も怖さを増す!

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアでは、音響もかなり凝られています。

無音があったり、大音量のオーケストラが流れたりと、この作品の怖さを増し増しにしていると思います。

マーティンのナポリタンを食べる時の音とかも、とても嫌な気持ちになるようにとられていて、すごく効果的でしたね。

映画には、やはり音も大事なんですね。

全体的に不気味な心理スリラー!

この『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、エウリピデスの「アウリスのイピゲネイア」というギリシャ神話の物語のひとつが基になっています。

狩猟の女神とされるアルテミスの大切な鹿を殺してしまったことで、逆鱗に触れた英雄のアガメムノーンは、怒りを鎮めるために生贄として娘のイピゲネイアを選び、そのままイピゲネイアは死を迎える、といった内容です。

まさに『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、マーティンの怒りを鎮めるために、スティーブンの家族の誰か一人を差し出せといった内容なのです。

つまり『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、「因果応報」がテーマなのですね!

中盤からマーティンの呪い(?)は加速し、キムとボブの足が動かなくなったり、食欲をなくしたり、目から血が出たりとホラー的でとても恐ろしいです。

クライマックスで追い詰められたスティーブンは、ソファにアナとキム、ボブを座らせて、目隠しをし、ぐるぐる回りながらロシアンルーレット風に猟銃を放ち、ボブが当たって死んでしまいます。

もうこの展開からして、恐ろし過ぎますね。

この世にあるかないかわからない呪いに追い詰められて、家族を殺してしまうんですよ。

それほど、スティーブンは精神的に病んでしまったのでしょうね。

ラストはダイナーで残った3人の家族を見つめながら、マーティンがポテトを食べるシーンで終わります。

もうこの終わり方が最高でしたね。

キムはマーティンを見て微笑み、そのまま3人はダイナーを出て行ってしまいます。

マーティンは満足したのでしょうか、ボブがいないのを見て。

鳥肌ものですが、印象深すぎて、当初観た時の感想は、また最高の映画を観てしまった!と思いました。

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・セイクリット・ディア』まとめ

ぜひ、バリー・コーガンの言語化しづらい秀逸な演技を観てください。

以上、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』について感想を述べました。

要点まとめ
  • キャスティングが秀逸すぎて忘れられない作品になる
  • おもしろいカメラワークと音響で恐怖増大!
  • 「因果応報」をテーマにしたお話で、とにかくマーティンが不気味
  • マーティンの怖さがトラウマ的!

▼動画の無料視聴はこちら▼