映画『獣道』あらすじ・ネタバレ感想!伊藤沙莉×須賀健太主演!実話を下敷きにしたR15の拗らせ青春コメディ!

映画『獣道』あらすじ・ネタバレ感想!伊藤沙莉×須賀健太主演!実話を下敷きにしたR15+の拗らせ青春コメディ!

出典:U-NEXT

親の愛情を受けずに育った少女が、居場所を求めながら生きていくさまを描いた『獣道』。

地方都市特有の人間関係、それぞれの居場所、愛とは何か。

出会った日から、一途に少女を思い続ける少年の目線も交えて描かれる物語。

ポイント
  • 監督、脚本は『ミッドナイトスワン』『全裸監督』の内田英治
  • 女優としてはもちろん『映像研には手を出すな!』などで声優としても活躍している伊藤沙莉の主演作品
  • ダブル主演の須賀健太は子役時代から現在まで俳優として映画、ドラマにとどまらず舞台『ハイキュー!!』でも主演を務め演技の幅が広い!

それでは、『獣道』をネタバレありでレビューします。

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映画『獣道』作品情報

『獣道』

(C)third window films

作品名 獣道
公開日 2017年7月15日
上映時間 94分
監督 内田英治
脚本 内田英治
出演者 伊藤沙莉
須賀健太
アントニー
吉村界人
韓英恵
冨手麻妙
松本花奈
川上奈々美
毎熊克也
マシュー・チョジック
矢部太郎
でんでん
広田レオナ
近藤芳正
日高七海
根矢涼香
大島葉子
松井薫平
水澤紳吾
森本のぶ
篠原篤
川籠石駿平
音楽 小野川浩幸

【ネタバレ】映画『獣道』あらすじ


愛を知らずに育った少女、愛衣物語の舞台は、とある地方都市。

公衆トイレの壁に携帯番号と一緒に書かれた「セックスしたい人電話ください 洋子」という落書きを見た高2男子3人は、その番号に電話してみます。

ほどなくして“洋子”として現れたのは志摩愛衣(伊藤沙莉)と作間亮太(須賀健太)、そして不良の北川堅太(アントニー)と三重野佑二(吉村界人)たち。

「デリバリーヘルス洋子に電話したんだから1人5万用意しろ」と言われ、男子高校生たちは震えあがりました。

『獣道』

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幼い頃の愛衣は、幸せを夢見る普通の女の子だった…というのは表向きだけで、重度の宗教マニアで新興宗教にのめりこんでいた母親(広田レオナ)の気を引くために、カッターで足を傷つけたりする立派なメンヘラ小学生でした。

母の宇宙との交信妨害の末に愛衣は1人、富士山麓にある教団の施設に預けられることになります。

それから7年、アナンダと名付けられた愛衣は信者たちに崇められ可愛がられながら過ごしました。

しかし、教団での穏やかな日々は教祖ラヴィの逮捕という形で終わりを告げます。

愛衣が自宅に戻ると母は7年ぶりの再会に何も言わず、妙な占いや謎の絵画に手を出していました。

保護された愛衣は初めて中学校に通うことになります。

「私の名前はアナンダ。好きなものは神様です」

登校初日にそんなことを言った教室にいたのが、亮太です。

亮太は暴走族の書き込みを見て堅太と佑二のワナにはまり、5万円を脅し取られそうになったのですが、その場で1人を殴って根性を認められたことから堅太たちの仲間になりました。

愛衣が知った“家族の愛”

亮太が次に愛衣に会ったのは3年後のことでした。

金髪に派手なセットアップでタバコを吸っていた愛衣は、宗教ジャンキーの母親のもとを離れ、彼氏・ハルキの家族と暮らしていました。

ハルキの弟は彼女と昼間からシンナーで気持ち良くなっており、ヤクザにしか見えない兄はキャバ嬢にしか見えない彼女と人目を気にせずイチャついていて、ハルキの母親は14歳で長男を生んだ苦労人で生活保護のために受け取ったお金をすべてギャンブルにつぎ込む気合の入ったギャンブラーでした。

夜になって各々がシンナーをキメてはセックスするのを見た亮太は、愛衣と自分には“愛”が必要なんだと確信しました。

『獣道』

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ある日、ハルキのもとに西高のマナミが、チカという女の子を連れて乗り込んできました。

チカはハルキの元カノですが、チカとしては別れたつもりはなく、地方都市特有の人間関係により愛衣がハルキをたぶらかしたということにされてしまいます。

当のハルキは騒ぎのあと、タバコを買いに行くと出て行ったきり戻って来ませんでした。

愛衣がマナミたちに拉致られて、土に埋められていたところに亮太たちが助けにやってきます。

愛衣は自力で土から出てきて、あてもなく道を歩いていました。

するといつかハルキのところにやってきた少女・夕夏(松本花奈)が、親の運転する車で通りがかり「これから家族でピクニックに行くんだ。一緒に行かない?」と愛衣を連れて行くのです。

街では毎日誰かが壊れ、誰かが救われていく

夕夏の家、三田家は愛衣の新しい居場所になりました。

愛衣はいつしか、夕夏より本物の娘のようになっていきます。

父の誕生日には働いたお金でネクタイを買ってプレゼントし、父と母の結婚記念日には頑張って料理を作って振る舞うのを見て夕夏は嫉妬し、愛衣を家から追い出そうと決心しました。

夕夏は愛衣が夜遅くに何の仕事をしているのか後をつけていき、キャバクラに勤務しているのをつきとめ、それを父に暴露したことで愛衣は三田家から追い出されてしまいます。

そして再び姿を消した愛衣と亮太が久し振りに再会した時、デリヘル嬢になっていた愛衣は変わり果てた姿をしていました。

亮太は「ここにいたら駄目になるから一緒に東京に行こう」と言いましたが、生き方が違うんだと拒否されてしまいます。

佑二が売られた喧嘩に負け、舐められているという噂が広まり荒れ果てていた頃、堅太は湖で水中撮影をしていた向島玲花(韓英恵)に惹かれていました。

街では毎日誰かが壊れ、誰かが救われていく。

亮太がそんな風に思っていた頃、堅太たちの元締め的存在のヤクザ・喜田久弥(でんでん)が手下を使って堅太を潰し、佑二に連れてこさせた玲花に覚せい剤を打って手下たちに犯させました。

それぞれの居場所

佑二が喜田の子分としてヤクザになった頃、堅太は喜田が1人の時を狙って殴り殺しました。

何も知らず道を歩いていた亮太はなぜか喜田の車に乗った佑二に声をかけられ、富士山の見えるところまで連れて行かれます。

一緒に街を出ようと言う佑二をよそに車のトランクを開けると、そこには喜田の死体が入っていました。

亮太はゴルフクラブで佑二を殴って、歩いて帰ります。

堅太は廃人になってしまった玲花の代わりに湖に潜って写真を撮り、話しかけても無反応な玲花に寄り添っていました。

その頃の愛衣はというと、東京で居場所を見つけていました。

刑務所から出所した教祖ラヴィと再会し、再びアナンダという名前を手に入れてAV嬢として多くの人を救っていたのです。

東京の大学に通っていた亮太は、愛衣に会うためにサイン会に行きました。

わずかな時間で近況を伝えて帰ろうとした時、愛衣が「私も、私もね、ずっと」と声をかけてきました。

亮太は「言っておきたいことがあるの。私はあなたとは違う。私は孤独じゃない、孤高なの」と意味不明なことを言ってきた挙句に、教室から飛び出して先生に追いかけられていた愛衣とのファーストコンタクトを思い出していました。

【ネタバレ】映画『獣道』感想

伊藤沙莉の魅力

vito

ヤクザ的なものが絡む映画はバイオレンスな描写が多いから苦手とする私が、どうして『獣道』を見たのかというと、伊藤沙莉が出ている作品を見たかったからという衝動だけによるものだったりします。

初めて認識したのはドラマ『獣になれない私たち』で割と最近なんですけど、アニメの『映像研には手を出すな!』の主役の声を演じているのを見てその多才ぶりに一気に惹かれたんですよね。

あとマクドナルドのCMが可愛い。

それでもっとちゃんと他のお芝居を見たいなぁと思って手にしたわけです。

vito

『獣道』の愛衣は、なんかすごくハマり役だなぁと思いました。

田舎のヤンキーみたいな雰囲気あるし、かと思えば純粋無垢みたいな不思議な空気もあるし。

教団の施設にいた頃も、ハルキと一緒に暮らしていた頃も、三田家にいた頃も、デリヘル嬢になっていた頃も、AV嬢として生きる場所を見つけた頃も愛衣は愛衣で、見た目とか雰囲気がどう変わろうとずっと愛されたい子で、そんなどこかちょっと儚くてでも一貫した芯のあるところが、私の抱いている伊藤沙莉のイメージと合っていたんでしょうね。

見終わってからふわっと頭に浮かぶのは、どれも白っぽい服を着ている愛衣ばっかりだったりします。

インパクトあるのは派手なセットアップなんですけど、それよりも印象に残っているのは教団に預けられている時とか、AV嬢としてサイン会してるところの柔らかい表情で笑っている愛衣ばっかり。

vito

きっと、居場所が実家以外のどこだった時も愛衣はそれなりに満たされていたんだろうし、居心地もよかったんだろうけど、教祖が側にいる時が一番心からの安らぎを得ていたからそういう風に見えたのかな。思い込みだよって言われたらそれまでなんですけど。

どう考えてもしんどい人生で描き方によっては重すぎる話になりそうなのに、カラッとした作品に感じるのは監督と伊藤沙莉によるものが大きいんじゃないかなと思います。

もっと色んな役どころを見てみたいなぁ。

あと主題歌としてエンドロールとともに流れる、餓鬼レンジャーwith伊藤沙莉の「Miss Pen Pen」っていう曲も可愛いです。


vito

一番最後がめっちゃ可愛いので『獣道』を見る人はぜひ最後の最後まで楽しんでください。

全体的な感想など

なんかろくにあらすじも頭に入れず、“実話をもとにした”みたいなところだけが頭にある状態で見始めたので、勝手にダブル主演の2人を軸にそういう子がいるんだよ的なことかな?みたいなふんわりした考えだったんですけど。

vito

新興宗教とか富士山麓にある教団の施設とか出てきて、「え、そういうこと?いいの?」と思ったりしました(笑)ゴリゴリのノンフィクション的な意味合いじゃなくて、ってことだったようです。

暴力的な場面もあるし胸糞悪い描写もあるけどカラっとしているのは最後に少し救いがあるからっていうのと、ラストシーンが爽やかだからなのかなぁ。

あと個人的には堅太を演じているアントニーが良かったです。

湖の場面で玲花と出会って、その時駄目にした機材の弁償代を少しあとに渡すんですよ。

『獣道』

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そのあたりから、この2人くっつくんだろうなぁという気はするんです。

それで喜田に堅太が潰されて、玲花がひどいことをされている辺りで私は「これだからこっち方面の(※ヤクザが絡むような)物語は嫌なんだよ!」と思ってたんですけど(笑)

vito

死んじゃったのかなと思っていた堅太は生きてるし喜田に復讐までするし、玲花の側にいるしで私としては救われた気持ちになりました。

でもやっぱりちょっと暴力的なのは苦手だな。

フィクションだとはわかっていても、怖いとか悲しいとか重い気持ちを結構ずっと引きずってしまうから、楽しめないんですよね。

どうしてなんだろう。

vito

ちなみに本筋からは外れますが、“見たは見たけど、もう見ない!と思った作品”としては『悪の教典』『闇金ウシジマくん』『殺し屋1』などがあります。このあたりが苦手で私に共感するような人でも、『獣道』は楽しんで見られる…かもしれないと思ったので書いておきますね。

映画『獣道』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

『獣道』

(C)third window films

以上、ここまで『獣道』をレビューしてきました。

要点まとめ
  • 設定に癖のある、笑えるだけじゃないコメディを探している人におすすめです
  • 親から愛されずに育った少女のドロドロした人生と、側で一途に思い続けていた少年の対比が切なくて儚い作品
  • 餓鬼レンジャーwith伊藤沙莉の主題歌「Miss Pen Pen」も可愛くてクセになる!
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