ついに阪神特殊製鋼が会社更生を申請することとなりました。
鉄平(向井理)は、大介(中井貴一)が意図的に会社を経営不振に陥れ、それには自分の出生の秘密が関わっているのではないかと詰め寄りますが、大介は激高して反論します。
鉄平は、大介が阪神特殊製鋼への不利益行為を行ったとして、大介を告訴すると宣言。
大介はそれに対しすぐに対策を打ちますが、それはあまりにも非情なものでした。
鉄平は万俵家の敷地内にある自宅を出ることを決意し、寧子(麻生祐未)に出生の真相を尋ねに行きます。
目次
ドラマ『華麗なる一族』前回第10話のあらすじと振り返り
阪神特殊製鋼の財務調査の結果が大介(中井貴一)と三雲頭取(石黒賢)に伝えられました。
経営の立て直しは思った以上に困難であることがわかった上、融資比率がメインの阪神銀行よりも大同銀行の方が上回っていることが判明しました。
これは大介の計略でしたが、阪神特殊製鋼の経理担当である銭高(甲本雅裕)は自分の独断でやったと言い張ります。
三雲頭取は騙されたと怒り、鉄平(向井理)に父と話して打開策を考えるようにきつく言いつけます。
そして、大介は“小が大を食う”合併の最終段階として、佐橋総理大臣(伊武雅刀)会うことでさらに有利な立場を確立していきます。
一方の鉄平は、高炉完成を目前にして阪神特殊製鋼が会社更生法を適用することとなり、絶体絶命の状況に追い込まれてしまったのです。
【ネタバレ】ドラマ『華麗なる一族』第11話あらすじ・感想
倒産へ
阪神特殊製鋼の会社更生法適用が決定し、本社そして阪神銀行は上に下にと大騒ぎとなりました。
大介(中井貴一)や鉄平(向井理)は後処理に追われる毎日を送ります。
銀平(藤ヶ谷太輔)は、大介の合併の計画を知り、これが父の策略であることに勘づいていました。
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鉄平は、大同銀行の三雲頭取(石黒賢)に謝罪に出向きます。
三雲頭取は、謝られたからと言って今回のことを許せるわけではないが、高炉建設の支援をしたことについては間違っていなかったと話します。
このことが何十年後かに必ず日本の特殊製鋼業界の大きな資産になると信じていました。
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父に足を引っ張られた
三雲頭取は運が悪かったと言いますが、鉄平自身は阪神銀行に足を引っ張られたと思っていました。
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夜、鉄平は万俵家の本館で大介を待ちます。
相子(内田有紀)は、鉄平を追い返そうとしますが、鉄平は帰ろうとはしませんでした。
鉄平は、母の寧子(麻生祐未)が心痛で臥せっていると聞き、寧子の部屋を尋ねます。
鉄平の身体を心配する寧子に、鉄平は父とのことで迷惑をかけるかもしれないと、先に謝罪しました。
「もうやめて、親子で争うのは」
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大介は帰宅した時、疲れているからと鉄平と話をするのを避けようとしますが、鉄平が頑としてきかないので、2人は向かい合わせで話をすることになりました。
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父子の会話
「お父さん、僕は騙されませんよ」
鉄平は、大介が、重荷となった阪神特殊製鋼を帝国製鉄へ身売りするために意図的に潰したことを突きつけました。
大介は白を切りますが、鉄平は大介が帝国製鉄側と談合をしていたことを通産省のある筋から聞かされていました。
なおも白を切る大介。
「本当のことを話してください。その意図の中に僕の出生が関わっていたんじゃないですか?」
「黙れ!」
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鉄平は、自分は祖父と母との間に生まれたのではないかと聞こうとしますが、大介は「お前は万俵家の長男だ」と言ってそれ以上話を進めようとはしませんでした。
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告訴宣言
鉄平は、会社が更生を開始するまでは阪神特殊製鋼の専務だとして、大介の好きにはさせないと言います。
なんとしてでも帝国製鉄への身売りを阻止したいのです。
大介は鉄平をなだめ、静養するように言い、後の事は自分に任せろと言い渡しました。
「私も色々と考えているんだ。今後のお前のポストについてもだ」
鉄平はその大介の言葉を鼻で笑います。
「私はあなたを告訴します!」
鉄平は、阪神特殊製鋼の非常勤取締役である大介が、自社への不利益行為を行ったとして、背任で訴えるというのです。
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告訴対策
大介たちはすぐに顧問弁護士を呼び、鉄平の告訴対策について話し合いを始めました。
とにかく、世間に知られないうちに手を打たなければなりません。
弁護士は相手方が告訴を取り下げるようにするべきだと言いました。
それにはまず鉄平と話し合う必要があります。
しかし、今は話し合いが出来る状態ではありません。
大介は、他に手はないかと忍者の芥川(高嶋政伸)に聞きましたが、彼も同じ考えでした。
大介は仕方なく鉄平に会いに行きます。
鉄平は阪神特殊製鋼が自主路線で再建するためには、大介を告訴して吸収合併を阻止しなくてはならないと言います。
大介は告訴取り下げと引き換えに様々な条件を出しますが、鉄平は取り下げは身売りを白紙にすることしかありえないと言いました。
大介は、相手方もあることだからと言って、鉄平に猶予が欲しいと言い、それまで告訴の件は公にはしないで欲しいと鉄平に頼みます。
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大介の計略
もちろん、これは大介の計略でした。
少なくともこれで少しの間はマスコミにバレずに済みます。その間に、大介は弁護士に会社更生の管財人を、帝国製鉄の役員に出来ないかと提案します。
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大介は、取引先や関連会社に安心感を与えるために、製鉄業の事業内容を熟知している人物が最適だと地裁に働きかけさせました。
「私に考えがある」
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その夜、鉄平は久しぶりに親子三人で食事をし、妻の早苗(笹本玲奈)に父を告訴したことを告げ、息子の太郎を連れ実家に帰るように伝えます。
こうなった以上は、父から与えられたこの家にいるわけにはいかないという鉄平に、早苗は家を出て行くのはいいが、別れて生活するのは絶対に嫌だと反対しました。
「家族は離れちゃダメです」
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この家は夫婦仲が悪くなくて良かったです。
最後の一日
その後、阪神特殊製鋼に管財人である帝国製鉄の役員がやってきました。
そして、社員の前で阪神特殊製鋼の旧役員は立ち去るようにと告げました。
鉄平たちは涙ぐむ社員たちに頭を下げ、部屋を出て行きました。
そして鉄平が専務室で片付けをしているところに管財人がやってきます。
「あの告訴状は管財人である私が取り下げました」
告訴は、鉄平個人としてではなく、阪神特殊製鋼の専務としてなされました。
それを逆手にとって、役員ではなくなった今取り下げることが出来てしまったのです。
「騙された!」
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涙の建設現場
鉄平は、無念の涙を流す社員に見送られ、最後に1人で高炉建設現場に向かいました。
すると、唯一会社に残る一ノ瀬工場長(加藤雅也)が鉄平に並びます。
「無念です。専務と一緒に高炉が稼働するところを見届けたかった!」
鉄平は、高炉建設は間違っていたのだろうかと工場長に問います。
工場長は、決して間違っていなかったと信じていると言いました。
「あとを頼みます」
「阪神特殊製鋼の煙は決して絶やしません!」
2人はその場で別れました。
工場長が振り返った時、鉄平は背中を向けて静かに号泣していました。
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四々彦の決意
工場長の息子である四々彦(工藤阿須加)は、専務がいなくなり、帝国製鉄の傘下に入った会社では鉄への情熱は注げないと、会社を辞める決意をします。
そしてアメリカで鉄の仕事に就こうと思うと二子(つぎこ 松本穂香)に告げました。
二子は寂しげな表情になりますが、四々彦が鉄への夢は諦めないことを知って応援することにしました。
しかし、四々彦はアメリカで仕事を見つけたら二子を迎えに行きたいと言います。
「僕と一緒に鉄の夢を追いかけて欲しいんです!」
二子は泣きながら四々彦の手を握り返しました。
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長男ゆえの厳しさ
銀平は、息子に対してどこまでも冷酷になれる父と、その父を告訴する兄、どちらのことも理解できません。
ただ、一つ気になっていることがあります。
「どうしてそんなに兄さんに冷たいんですか?」
銀平は昔から気になっていたことを、大介に尋ねます。
「鉄平は長男だからだ」
大介は、それだけ返しました。
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その頃、綿貫専務は他の役員に対し合併後も今のポストを保証すると、クーデターに賛同するように説得し、連判状をしたためていました。
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出生の真実
鉄平一家の引っ越しの日。
鉄平は寧子の部屋を尋ねます。
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「僕は本当に万俵大介の長男なんでしょうか?」
単刀直入に尋ねる息子に、戸惑う寧子。
「あなたは私の子です。私が産んだ子です!」
しかし、鉄平が聞きたいのは、父親が誰かということです。
「許しておくれ・・・」
寧子は泣くばかりでした。
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鉄平はそのまま大介の元へ行き、完敗を認めます。
「最後までだまし討ちなさったんですね」
大介は、「私にも守るものがある」とだけ返しました。
別れの時
三子(福本莉子)は鉄平が出てくのを泣いて嫌がりました。
二子は、どんなことがあっても鉄を捨てず、いつか阪神特殊製鋼を取り戻して欲しいと訴えます。
銀平は、とうとう力になれなかったことを謝りました。
「落ち着いたらまた一緒に飲もう」
鉄平は、銀平を抱きしめました。
そして、涙を堪えながら万俵家を後にしました。
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大介は、鉄平によく似た先代の肖像画を眺め薄っすらと笑みを浮かべます。
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後日、大介は東京で大蔵省銀行局の春田局長(飯田基祐)と会い、合併への許可を求めます。
春田局長は、上位の大同銀行の動向を気にしていましたが、そこに綿貫専務が現れ、これ以上日銀支配を続けるわけには行かないと、連判状を差し出します。
「何卒、ご認可いただきますようにお願い申し上げます」
ドラマ『華麗なる一族』 第11話 感想&まとめ
とうとう鉄平が失脚してしまいました。
そして、両親によって自分が大介の子ではないと確信させられ、鉄平は失意のどん底にいます。
妻や兄弟、つる乃家の女将など、親以外の人とは上手く行っている鉄平ですが、やはり親との関係は大きいものです。
あまりにも気の毒でなりません。
息子が失脚し、家を出て行ったというのに、自分の父に勝ったと酔いしれる大介には正直ゾッとしました。
次回、運命の最終回です。万俵家の人達の行く末はどうなるのでしょうか?
絶対に見逃せません!