路銀を稼ぐため、雨竜川で砂金を採ろうと考えた杉本達。そこで彼らは、砂金掘り師の松田平太と出会います。川では何人もの砂金堀り師がヒグマの犠牲になっていると松田平太は語りますが、幾度もクマを狩ってきたアシリパは違和感を覚えます。
人を殺す熊“ウェンカムイ”の話をアイヌから聞いた平太はこれにひどく怯えるのですが、その熊の正体とは…。そして松田平太という男の正体は…。
目次
アニメ『ゴールデンカムイ』第43話のあらすじと振り返り
樺太・大泊に降り立った第七師団と鶴見中尉は、ついに金塊の手がかりをもつアシリパと対面。アシリパを杉本から引き離し、金塊が見つかるまで月寒の倉庫に彼女を閉じ込めようと考え、いつものように甘い嘘で騙すのかと誰もが思うも、鶴見中尉は、ウイルクによく似た青い瞳を目にしただけで髄液がとまらず、本音を口にするようになっていました。
鶴見中尉の考える未来にアイヌはいない。そう判断した、鶴見中尉に暗号について話すことを辞め、杉本と共に逃亡。なんとかして北海道へ向かう連絡船に乗り込むのでした。
白石とヴァシリと合流したアシリパたちは第七師団の手から逃れ、宗谷地方のアイヌの舟に載せてもらい無事に帰還。共に金塊を約束したアシリパは杉本が自分を危険な目に遭わせないよう置いていくと判断しないよう、暗号について語りません。杉本自身も、アシリパが言うべきだと思ったときに言ってくれればいいといい、探り合うことはしません。
杉本達が無事北海道へと戻った数日後には、尾形も1人、第七師団のふりをして船に乗り込み、樺太を離れるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『ゴールデンカムイ』第44話あらすじと感想
砂金堀り師・松田平太
北海道へと戻り、宗谷地方のアイヌコタンで世話になった杉本達は、砂金で1日50円を稼ぎだし、大儲けした者がいると聞いて砂金堀を決意。雨竜川へと向かいます。
足を滑らせて崖から落ちそうになっている男が家族に助けを求めると、その声を聞いた杉本達が彼を救助。その男こそが、砂金掘り師・松田平太でした。
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彼に教えられて砂金を掘るも、寒さで苦戦。50円もの砂金を採って大儲けした男の噂は嘘かと思い始める白石達でしたが、その男はこの松田平太でした。
彼が採取したのは、雨竜川でたくさん採れ、砂金と共にとれる「砂白金」
本来、砂金に混ざっていれば嫌われますが、今では万年筆を作るために高く買い取る人が出てきたのです。その価値は砂金と同じ。今まで捨てられていた砂白金採取は第2のゴールドラッシュだと、平太に言われ、杉本と白石は目を輝かせます。
熊を狩るよりも稼げるならと考える2人に対し、そうやって誰もが砂金を採るから北海道の皮が汚れるようになったのだとアシリパは言います。が、2人は聞く耳など持ちません。
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気配はない。が、ウェンカムイは何年もうろついている
ウェンカムイの気配を感じた平太はクマがいると声を上げますが、足跡も見つからないうえに熊が何年も前から近くをうろついてると言われ、アシリパは平太が嘘をついていると考えます。
そんな中、杉本達は熊の姿を確認。平太やヴァシリがウェンカムイに食べられないようにするため、杉本と白石は2人を守ろうと動き出します。
ウェンカムイが出たと言われて恐怖に顔をゆがめる平太は、4人の連れを探して駆け回り、「嵩ニイ」と呼ぶ兄がクマに襲われ、食べられているところを目にしてしまいます。そして、彼の妻とも思われる「ノリ子」も、平太の目の前で顔を引き裂かれてしまうのでした。
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クマから逃げようと走り出す平太は杉本と合流。連れがみんなクマに食べられたと話す平太は、次は自分の番だから逃げてほしいと杉本達に訴えかけます。が、杉本は彼が誰の話をしているのかいまいちわかりませんでした。
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倒木に腰かけてスケッチをするヴァシリを見つけた白石は、彼を保護しようとしますが、彼の絵を見てギョッとします。そこに描かれていたのは、上半身を脱いだ平太の姿でした。
ノリ子に自分を綺麗に描いてと言われてペンを走らせていたと思いきや、ヴァシリが描いていたのは平太の姿。そして、平太の体には刺青が記されていたのです。
平太が背負っていたヒグマの毛皮を見た杉本はクマと勘違い。そして、平太の周りをうろつき、砂金掘り師を襲っているウェンカムイとか彼の中にだけ存在しているのではないかとアシリパは考えます。そして次の瞬間、ヒグマの毛皮をかぶった平太は、突然杉本に襲い掛かるのでした。
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松田平太の正体
キラウシに対し、松田平太という妙な囚人がいたと、菊田は酒を傾けながら話します。自分小中に別の人間が何人もいると語る平太は、網走監獄の中でも色っぽい女のような声色を出すようになったり、したことがあったというのです。いつも外にウェンカムイという人喰いクマが自分の周りをうろついていて、周りの人間を1人ずつ襲い、最後は自分が襲われ、ウェンカムイに乗っ取られ、人間を押そうと体がバラバラになっていつもの自分に戻る。ウェンカムイは自分を脱獄させようと悪だくみをしているのだと、菊田は平太から聞いた言葉を話しました。
くだらない与太話だと思うが、彼が死刑囚となったのは、ヒグマの毛皮をかぶって人を襲い、その肉を食い荒らしていたことが原因。脱走した平太は、今もどこかでウェンカムイに怯えながら、人を襲っているのだろうと、菊池は考えるのでした。
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金塊は人を狂わせ、松田平太はウェンカムイに願ったがゆえに…
ヒグマ男と呼ばれた松田平太。杉本はこれに必死に抵抗をします。そしてもみあいの結果、平太は毒矢を首に受けて行き倒れることとなりました。
砂金を採ってお金に変えても家族がすべて使ってしまう、そんな家族に嫌気をさしていた平太は、昔アイヌから聞きかじったウェンカムイの話を思い出し、彼らに痛い目を見させたいと思ったことがありました。しかし、いつしか自分がウェンカムイに体を乗っ取られるようになり、平太は自らの手で家族を惨殺。いつかは自分も殺されるだろうと怯えていた彼は、毒矢を受けて死にゆくことで、ついにウェンカムイに願った罰を受けられるのだろうと、安堵の表情を浮かべるのでした。
ウェンカムイに憑りつかれるのは、好かれてしまった証拠であり、罪人だからではない。アイヌはきちんと伝えるべきだとアシリパは考えます。そして杉本は、人を狂わせる金塊の力に改めて思い知らされるのでした。
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そして白石は、死にゆく平太の亡骸を抱き上げ、死なないでと訴え、次はどこを掘ればいいのかと問いかけるのでした。
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アニメ『ゴールデンカムイ』第44話まとめ
何も知らずに見ているだけだと違和感がないのですよ。でももう一度見返すと、杉本達は平太の妄想の人々と一切会話をしていないんですよ。完全にやられました。
今までの囚人とはまるで毛色が違う上、すごく不気味と言える回だったと思われます。そりゃ、石田彰さんの怪演も光るわけです。
土方陣営、鶴見陣営から刺青を集めようと考えていた杉本たちでしたが、ここにきてまさかの刺青人皮というのもまた大きなきっかけになりそうな予感。まだまだここからどうなっていくのかが楽しみです。