牛山や土方に毒を飲ませるという運試しの勝負をけしかけ、彼らを仮死状態にしてきた関谷。そんな彼を捕まえるべく、門倉たちは動き出します。
一方その頃、いじめられる1人の少年は意識朦朧で彷徨う牛山に救われ、これを子分とします。ここに、怪人オベンチョが誕生し、一波乱巻き起こります。
目次
アニメ『ゴールデンカムイ』第37話のあらすじと振り返り
樺太で無事アシリパと再会を果たした杉本は、国境を越えてロシア領をあとにしたのですが、杉本が味噌を調達している間に白石が狙撃されてしまいます。尾形の仕業かと思い、杉本は殺意を持って狙撃手の背後を取り、仕留めようとしました。しかし、相手は尾形ではなくロシア兵でした。ロシア皇帝を殺したキロランケや尾形を探し、今まで一緒に行動をしていた杉本達を狙ったのですが、すでにその二人はいないと聞き、彼はそれ以上銃を向けることはありませんでした。それからも静かに後をついてくるものの、本当に尾形を狙っていたのかという疑問が生じます。
その頃、北海道阿寒湖では、土方と牛山と連絡が途絶えたことで不安を覚える長倉のために、門倉がキラウシと共に捜索に出向きます。刺青囚人の1人、毒薬に詳しい関谷輪一郎と対峙した牛山と土方は、毒を使った彼のギャンブルに巻き込まれて身動きが取れない状況になっており、氷の上でスケートを滑るアイヌの少年がそれを見たと証言を得たものの、門倉はあまり理解することはありませんでした。氷上に置かれた繭に疑問を抱いていると知らない男からワカサギをもらったとキラウシが合流。ワカサギの中には、関谷が毒を飲ませたものも混ざっており、運悪く食べてしまえばそこで死亡。関谷はこのギャンブルを楽しもうとしていたのですが、あろうことか門倉はすべった拍子にワカサギを手放してしまいます。結果、毒を飲んだワカサギは、彼らの口に入ることなく、湖の下へと落ちていったのでした。
土方達が探すは刺青を入れた囚人の1人である関谷輪一郎。一体どんな男なのでしょうか。
【ネタバレあり】アニメ『ゴールデンカムイ』第38話あらすじと感想
怪人オベンチョ参上
阿寒湖の氷上でゲロリを履いてスケートをしていた少年・チヨタロウは、同世代の子供たちにいじめられていました。無理矢理まりもを食べさせられかけたり、木に吊るされたりとひどい目に遭っていると、朝顔の毒で意識がもうろうとする牛山に救われます。親戚からもらった干した桃に無意識につられた牛山は、チヨタロウのいうことを聞くことに。名前を問われ「オベンチョ」と名乗ったことにより、牛山は「怪人オベンチョ」として、チヨタロウの子分になるのでした。
KAMUI
怪人オベンチョと共に楽しい日々を過ごしていたチヨタロウ。町の子供たちも牛山の姿にたじろぎ、手も足も出すことはありません。1人の子供がまりもを投げつけるも、優越感に浸るチヨタロウはこれを無視。しかし、彼の意に反し、意識のない牛山は子供たちを吹っ飛ばしてしまいます。チヨタロウが桃をあげて落ち着いたものの、これは怪人というよりも兵器と思うようになり、牛山を葬ろうとします。
湖底から温泉が沸き上がる阿寒湖では冬でも湯壺が出来ます。チヨタロウはその湯壺に干した桃を投げ込み、怪人オベンチョに取って来いと命令します。見事な3回転半ジャンプを決めた牛山はそのまま湖の中に飛び込んでいくのでした。
KAMUI
長倉から呆れられる門倉は、関谷を追いかけ湖へ
土方、牛山の捜索に出ていた門倉でしたが、手掛かりが見つからずに宿でのんびりとしていると、彼の元に刀が一振り届きました。それは永倉のもので、「たぬきは役に立たない」と言っておいていったものでした。関谷から脅迫状が届いたことで動き出した永倉でしたが、焦った門倉が一刻も早くこの問題を解決しようと動き出します。
刺青と土方の交換を持ち掛けてきた関谷。彼の性格上、人質を殺してしまうということはないと門倉は考えます。しかし、この取引が失敗すれば土方の死は免れません。そこで門倉は、キラウシと結託して策を講じます。
関谷が提示した取引場所へと辿り着いた門倉は、武器など余計なものは持ってきていないか確認するため、服を全部脱ぐよう指示されます。キラウシから借りたマキリを尻に挟んで隠し持つも、関谷はこれに気づきません。
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囚人の刺青の皮を持ってきていないことを知ると、関谷は黒いコートで隠していたゲロリを使い、滑って逃亡。一番遠い湖畔へと走っていきます。門倉は彼を必死に追いかけますが、これは彼の作戦です。追いかける方向にキラウシをすでに待機させているので、これで挟み撃ちにしようと門倉は考えたのです。
しかし、穴の開いた水面から意識を取り戻した牛山が突如浮上。すでに朝顔の毒から覚めている牛山は関谷を見つけて激怒。マズいと思った関谷はUターンし、門倉を避けて逃げて行ってしまいました。
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精力剤と言われて朝顔の毒を飲んだ牛山は関谷への苛立ちが収まり切りません。が、そんな彼のスーツの中から繭がまた一つ出てきました。近くには養蚕農家があり、冬の間は稼働していないことから、関谷の寝床はそこではないかと突き止めるのでした。
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娘が死んだその時から、神はいるのかと問い続けた関谷の最期
農場へと戻って来た関谷は、牛山の毒の耐性の強さに驚き、土方はどうかと見に行こうとします。ここで門倉が到着し、居場所を案内させようとしますが、関谷から一つ賭けを持ち掛けられてしまいました。
蚕の中がオスかメスかを見分ける機会に丸薬を詰めた繭を乗せた関谷は、この中から一つ飲めと門倉に言います。対角線上にある繭の中に入っている丸薬には毒がないことから、門倉が一つ選び、その向こう側に位置する丸薬を関谷が飲むというギャンブル。これで関谷は門倉の運を試そうとするのです。関谷が毒を飲めば、死ぬまでの間に土方の居場所を伝え、門倉が飲めば関谷が土方を開放する、このルールにのっとって、門倉は丸薬を選びました。
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自身は運がないと考える門倉がトリカブトの入った丸薬を飲んで苦しみだすと、関谷はどうして自分はこんなことをし始めたのかと、身の上話を始めました。娘とふたりで歩いていたハズなのに、何かの爆発に巻き込まれたという関谷。自分は軽傷だったものの、気づけば娘の頭と足の一部が吹き飛んでいたのです。この時彼は、どうして娘が選ばれ、自分じゃないのかと考えたそうな…それから彼は神とは本当に存在するのか、と考えるようになり、他人の天運を測るようになったのです。
約束通り土方を掘り起こす門倉。土方にはまだ利用価値がありそうだと考えながらも掘り起こします。すると、突然土方が起き上がってきては門倉の首を掴み、近くにあった刃物で彼の耳を削ぎ落しました。
若い頃に薬売りをしていた土方は、河豚毒を飲んだ後、意識が亡くなる前にそこにあったトリカブトも飲み込んでいました。二つの毒はそれぞれの効果を抑える作用があることをしりこれを実行した土方は、この時代を生きるのには運だけでは弱い。度胸と経験が運命を引き寄せたと言います。
苦しむ門倉は、そこに転がる丸薬の中から適当なものを飲み込み、あがきだします。すると運よく彼は河豚毒を飲み込みました。土方同様毒の効果が消え去ったことにより、彼も死なずに済んだのです。
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やはり神はいた、ようやく自分は神から裁かれたのだと思い死に至る関谷のそばで、自分は現世にしか興味はないと土方は言い残すのでした。
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その頃、町ではチヨタロウが怪人オベンチョを失い悲しみに暮れていました。いじめっ子たちとすれ違うことが合っても彼は逃げずに睨みつけます。いじめっ子たちは怯えてどこかへと去っていくのですが、それはチヨタロウに怯えたのではンク、背後にうろつく牛山に怯えただけなのでした。
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アニメ『ゴールデンカムイ』第38話まとめ
今回は杉本・アシリパというロシアの面々は出て来ず、土方サイドのお話をキッチリやった感じでした。それにしても面白かったです。牛山さんが子供によって怪人オベンチョと呼ばれ、干した桃に食らいつきながら彼の言うことを聞いて行く姿とか、門倉さんの運の強さとか…。何よりも土方さんが強すぎましたね。
毒を飲んだくらいでは死なない。というか、残った丸薬の中からトリカブトを引き当てて飲んでしまうその強さ。きっと見分けはつかないのでしょうが、少しでも可能性があるならやる、あがくというその姿勢はすごく魅力的でした。
これでまた刺青囚人の皮が一つ土方サイドに手に入ったわけですが、アイヌの財宝の行方は如何に!?
次週も楽しみです。