「少年ジャンプ+」にて連載中の人気推理マンガをアニメ化した『鴨乃橋ロンの禁断推理』。
類稀な才能を持ちながら探偵資格を剝奪されてしまった天才探偵・鴨乃橋ロンと、ピュアでマヌケで真っ直ぐな警視庁捜査一課の刑事・一色都々丸(トト)がタッグを組み、さまざまな難事件を解決していくミステリー作品です。
連続殺人事件の合同捜査のため、超敏腕刑事・翡翠臣疾が捜査一課へやって来ます。
翡翠と張り合う雨宮は、あえて役に立たないトトを貸し出しますが、トトの存在は翡翠の視界にすら入っていませんでした。
新たな死体発見現場にコンサルタントとして現れたロンは、切れ者の翡翠にライバル心を燃やします。
早速、第5話「ハンドコレクター殺人事件」をレビューしていきます。
目次
アニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』新たな登場人物・キャスト
翡翠臣疾/CV.福山潤
・殺人事件の検挙数で全国No.1を誇る超敏腕刑事
・未来の警視総監と噂され、駆け出しの頃から知っている雨宮にとってはライバル的な存在
・鋭い洞察力から「慧眼のカワセミ」の通り名を持つ
アニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』前回第4話のあらすじと振り返り
温泉旅館で宿泊客の女性が死体となって発見されます。
何者かによる殺人と考えられ、ロンは早速、宿泊客たちの証言を聞きながら推理を始めました。
シュピッツはロンの探偵行為の証拠を掴むチャンスを密かに喜びますが、表向きはトトが動き、一時容疑者となった雨宮もトトに捜査を一任します。
やがて、トトとロンにより、犯人は被害女性の夫だと暴かれ、事件は終結しました。
一件落着と思った矢先、ロンがシュピッツに拉致(?)されます。
自らの正体を明かしたシュピッツは、ロンに謎解きを依頼したい事件があり、今回の任務に就いたことを明かしました。
ロンに願いを聞き入れてもらうため、信頼関係を得ようと決めたシュピッツは、今後トトとロンの捜査に協力してくれることになります。
【ネタバレあり】アニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』第5話あらすじ・感想
”慧眼のカワセミ”現る
連続殺人事件の合同捜査のため、超敏腕刑事・翡翠臣疾(CV.福山潤)が捜査一課へやって来ます。
現れるなり他の刑事たちの衣服の乱れや身だしなみをチェックし始めた翡翠は、ピンセットひとつでそのすべてを整えていき、場の空気をピリッとさせていました。
駆け出しの頃から翡翠と知り合いの雨宮は、互いに警視総監を目指していることもあり、彼とはライバル的な関係性。
そのため、あえて役に立たないトトを貸し出しますが、冴えないトトは翡翠の視界にすら入っていませんでした。
そんな翡翠は部下であり相棒の山根(CV.林大地)のことを心底信頼しているようで、ふくよかで柔和な雰囲気の山根からも、翡翠への忠誠心が感じられました。
――東京中央美術館。
新たな死体が発見されたのは、美術館に彫像を運んできたトラックの荷台の中。
そこに積まれていたのは、彫像でなく男性の死体だったのです。
これまでの事件と同様に、死体の両手が切り取られていました。
現場でも翡翠の視界に入れてもらえないトトのもとに現れたのは、「手に関するあらゆる事件のコンサルタント」を名乗るロンでした。
翡翠は半端な民間人の介入は迷惑だとしながら、ロンが手に装着していたカモノハシのパペットを見て、カモノハシの嘴は硬そうに思えるが実際にはゴムのように柔らかいと言います。
翡翠がピンセットで嘴部分をつつくと、そこは正しくラバー素材で出来ていたため、ロンは少し認められました。
ロンも翡翠の切れ者具合に感心しますが、トトから「殺人事件検挙数全国1位」の敏腕刑事だと聞き、ライバル心を剥き出しにします。
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ハンドコレクター殺人事件
ロンとトトは、山根から事件の概要を教えてもらいます。
この連続殺人の最大の特徴は、犯人が遺体の手首を切断して持ち去ることでした。
実は、翡翠と山根はすでに犯人の男と接触しており、夜の廃倉庫へ追い詰めていました。
男は犯行を認めたものの翡翠に体当たりして逃亡したため、翡翠と山根は二手に分かれて挟み打ちをしようと追いかけます。
しかし、一度は山根が取り押さえ手錠をかけたものの、隙を突かれて再度逃げられてしまったのでした。
悔しそうに話す翡翠と山根に、顔が割れているなら逮捕も遠くないのではと声を掛けるトト。
すると翡翠は顔を顰め、彼らが追い詰めた犯人こそ、トラックの荷台で見つかった死体の男だというのです。
犯人だと思っていた男の死体が見つかったことで、捜査は振り出しに戻りました。
ロンは死体に近付くと、胸を一突きされて殺されたのであろう男の格好が季節外れの薄着であることに注目します。
さらに、切り落とされた手首付近に小さなタトゥーを発見しました。
木の枝か、昆布かと、何のモチーフなのかわからずに首を傾げるロン。
そんなロンに、山根は「鳥」だと教えます。
手錠をかけた時に見えたので覚えていると語る山根に、ロンは「なるほど……」と呟きました。
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虚偽の報告
手に付けていたパペットが抜けなくなってしまったロン。
トトがロンに言われて一生懸命引っ張っていると、パペットが取れた拍子に勢いよく転んでしまいます。
その先には翡翠と山根がいましたが、華麗に避けた翡翠に対して、山根はぶつかってきたトトを受け止めるかたちになり、一緒に倒れてしまいました。
実は、この一連の流れはロンによって仕組まれたものでした。
突然倒れ込んできたトトを避けられるほど反射神経や運動神経の良い翡翠が、犯人の男に体当たりされて取り逃がしてしまうなんてことが起き得るのか、試したかったのです。
翡翠は実際に犯人を取り逃がしたのは山根であり、彼を庇って自分が逃がしたことにしたと白状しました。
それは、スーツの袖のボタンが取れていることに気付かないほど普段と違う様子だった山根に対し、フォローできていなかった自分への戒めでもあったようです。
翡翠の独白を聞いたロンは「また袖のボタンが一つ取れているよ」と山根に告げました。
すると、山根は酷く焦った様子で取り乱し、トトとぶつかった時に取れたのかと慌てて地面を探し始めます。
ロンはカモノハシのパペットを差し出すと、今カモノハシの目の役割を果たしているボタンこそ、山根のスーツのボタンだと明かしました。
山根を揶揄ったようにも見える行動でしたが、山根は怒ることもなく「今度はあった」と安堵の表情を浮かべます。
そんな山根の姿から何かを察したロンは、前髪をピンッと指で弾いてから言いました。
「大事なものは、なくした時にやっと気付く」
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山根の秘密
ロンはスマホを取り出し、トトに通話画面を見せます。
スピーカーから聞こえてきたのは、「トトト~」と呼ぶ声。
トトのことをそう呼ぶのは、シュピッツしかいませんでした。
シュピッツはロンの依頼で死体の男について調べていたのです。
男の名前は武者小路みのる、48歳のフリーター。
シュピッツは武者小路の自宅に忍び込み、その異常性を目撃していました。
部屋は手に注目したポスターやオブジェに溢れており、「手への執着」がよくわかります。
そして、冷蔵庫の中にはこれまでの被害者の両手首が並んでいました。
ロンはトトを連れ出すと事件の真相を伝え、トトは翡翠たちのもとへ戻ると、推理を披露することになります。
状況から考えて、ハンドコレクター殺人事件の犯人を模倣した、もう一人の犯人がいることになります。
しかし、ここで注目したのは、武者小路が他殺されたのではないということでした。
……武者小路は逃走後、自殺したのです。
刃物で心臓を一突きして自殺した武者小路の上着の袖には返り血が付着していたため、何者かが他殺に見えるよう上着を脱がせて隠したと考えられます。
それが、死体が薄着の状態で見つかった理由でした。
その場合、武者小路は翡翠と山根が追い込んだ廃工場で死んだことになります。
そう、この事件の模倣犯は、一度は武者小路を取り押さえたとされていた山根でした。
夜の廃倉庫は視界が悪く、手首の小さなタトゥーなど見逃してしまいそうです。
しかし、山根は一瞬にして鳥だと判別していました。
それは手首を切断した際に見ていたからこそわかることでした。
山根がこういった行動を起こしたのは、「手錠をなくした」という背景があったから……。
厳しい翡翠にそのことを伝えられなかった山根は、犯人に手錠をかけたあとに逃げられたということにすれば、手錠を紛失したことを隠蔽できると思い付いてしまったのです。
品行方正な翡翠の経歴に傷をつけてしまったと土下座する山根。
翡翠が山根を優秀な部下として信頼していたからこそ起きてしまった事件に、翡翠だけでなく、ロンやトトも苦しい表情を浮かべます。
連行されていく山根に声を掛けた翡翠は、山根の警察官としての再起は難しいとしながらも、「隣を空けて待っている」と告げました。
さらに、山根を見送ったあと、ロンとトトに「コンビが警察官同士である必要はないんだ。 お前たちが二人で謎を解いたようにな」と言います。
そして、山根がいたから翡翠が捜査に集中できたように、ロンが全力を発揮するにはトトが必要なのだろうと見抜きました。
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アニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』第5話まとめ
いかがだったでしょうか。
雨宮にとっても、ロンにとっても、ライバル心を燃やす相手である翡翠の登場。
彼は一見厳しく思えますが、人のことをよく見ており、実は人情味のある切れ者だということがわかります。
猟奇的な殺人事件は悲しい結末を迎えてしまいましたが、ロンとトトが解決に導き、翡翠にとっても次のステップに繋がる出来事となりました。
次回、第6話も楽しみです。