2021年6月1日に公開された映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』。
月刊ガンガンJOKERにて連載中の人気コミックを原作としたテレビドラマ『賭ケグルイ』をオリジナルストーリーで映画化した劇場版の第2弾です。
ギャンブルの強さで生徒の階級が決まる“私立百花王学園”を舞台に、主人公・蛇喰夢子に迫る新たな刺客とのバトルを描きます。
全校生徒を巻き込んだバトル「生徒代表指名選挙」を終え、日常を取り戻したかのように見えた百花王学園で、権力を握る生徒会が圧倒的存在感を放つ蛇喰夢子を危険視する中、生徒会への上納金を支払えない“家畜”の人数の増加、さらには家畜たちによる生徒会役員への公式戦ギャンブルが横行し、学園内は異様なムードに。
そこへ2年前にある事件を起こして学園を追われた男・視鬼神真玄が舞い戻り、夢子に迫ります。
主演の浜辺美波をはじめ、森川葵や高杉真宙、池田エライザなどお馴染みのキャストが顔を揃える中、共感覚という特殊能力を持つ最凶のギャンブラー・視鬼神役にジャニーズWESTの藤井流星がキャスティングされ、狂気の演技を披露しました。
今回はそんな映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』をネタバレありでご紹介したいと思います。
目次
映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』作品情報
作品名 | 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット |
公開日 | 2021年6月1日 |
上映時間 | 119分 |
監督 | 英勉 |
脚本 | 高野水登 英勉 |
原作 | 河本ほむら 尚村透 |
出演者 | 浜辺美波 高杉真宙 松田るか 岡本夏美 柳美稀 松村沙友理 小野寺晃良 池田エライザ 中村ゆりか 三戸なつめ 矢本悠馬 森川葵 藤井流星 中川大志 伊織もえ |
音楽 | 未知瑠 |
▼前作の記事はこちら▼
映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』キャスト・登場人物
浜辺美波 / 蛇喰夢子
お淑やかな外見からは想像できない“賭け狂い”・蛇喰夢子を演じているのは、浜辺美波。
2011年、第7回東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞し、翌12年に三池崇史の『逆転裁判』で長編映画に初出演。
その後、テレビドラマ『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』やNHK連続テレビ小説『まれ』で話題を集め、連続ドラマ初主演を果たした『咲 Saki』、北村匠海とともに主演を務めた映画『君の膵臓をたべたい』などに出演し、一躍注目の若手女優となりました。
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高杉真宙 / 鈴井涼太
モブ扱いされる頼りない夢子の親友・鈴井涼太を演じているのは、高杉真宙。
2009年、舞台『エブリ リトル シング’09』で俳優デビューし、2011年には『カルテット!』で映画初主演。
2013年に放送された特撮ドラマ『仮面ライダー鎧武 ガイム』にて仮面ライダー龍玄を演じたことで注目を集め、テレビドラマ『35歳の高校生』や『明日もきっと、おいしいご飯 銀のスプーン』、映画『渇き。』など多くの話題作に出演しています。
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森川葵 / 早乙女芽亜里
抜群の勝負強さを持つJKギャンブラー・早乙女芽亜里を演じているのは、森川葵。
2010年、ファッション誌「Seventeen」の専属モデルとしてキャリアをスタートさせ、翌11年には映画『LOVEToRAIN』で女優デビュー。
その後、映画『渇き。』や菅田将暉とともに主演を務めた『チョコリエッタ』、テレビドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』など話題作への出演を続けながら、トーク番組『A-Studio』では8代目アシスタントを務めるなど、幅広く活躍しています。
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池田エライザ / 桃喰綺羅莉
絶対的なカリスマ性で学園に君臨する生徒会長・桃喰綺羅莉を演じているのは、池田エライザ。
2009年、ファッション誌「nicola」の専属モデルとしてキャリアをスタートさせ、2011年には映画『高校デビュー』で女優デビュー。
2015年の『映画 みんな!エスパーだよ!』ではオーディションでヒロイン役を勝ち取り、映画初主演を果たした『一礼して、キス』や『ルームロンダリング』、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』などへの出演を経て、2019年には『夏、至るころ』で監督にも挑戦しています。
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藤井流星 / 視鬼神真玄
2年前に学園を追われた最凶最悪の侵略者・視鬼神真玄を演じているのは、藤井流星。
2014年、ジャニーズWESTのメンバーとしてCDデビューし、同年にはテレビドラマ『アゲイン!!』で初主演。
その後、『ようこそ、わが家へ』や『レンタル救世主』、『正しいロックバンドの作り方』などに出演し、俳優として活動の幅を広げています。
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【ネタバレ】映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』あらすじ・感想
漂う異様な空気
ギャンブルの強さで生徒の階級が決まる“私立百花王学園”。
学園内で絶対的な権力を持つ生徒会に対する上納金の額が少ない生徒は“家畜”と呼ばれ、奴隷のような扱いを受けますが、一度だけ“公式戦”と呼ばれる青天井のギャンブルを生徒会役員に挑むことができます。
生徒会役員の西洞院百合子(岡本夏美)と夢見弖ユメミ(松村沙友理)は、家畜にカテゴライズされる大勢の生徒から公式戦を挑まれる日々を繰り返していました。
生徒会長・桃喰綺羅莉(池田エライザ)に忠誠を誓う書記の五十嵐清華(中村ゆりか)は、毎日のように続く公式戦によって疲弊した西洞院や夢見弖の姿を見て、生徒会の権威が失墜していくことを危惧し始めます。
そんな中、五十嵐は転校生である蛇喰夢子(浜辺美波)が生徒会役員を立て続けに破ったことが大きな原因だと感じており、夢子を潰すため、綺羅莉の許可もなくある人物を学園に呼び寄せていました。
その人物、視鬼神真玄(藤井流星)は、2年前に生徒の半数を家畜にしたことで学園を混沌とさせ、停学処分を受けていた男でした。
選挙管理委員であり、いつも飄々と中立の立場を守っている黄泉月るな(三戸なつめ)でさえ、視鬼神の来訪に警戒を強めます。
綺羅莉は視鬼神vs夢子の構図を認め、夢子だけでなく、夢子と行動をともにする早乙女芽亜里(森川葵)や皇伊月(松田るか)をも潰すように指示し、その勝利と引き換えに復学を約束しました。
一方、夢子や芽亜里のクラスメイトである鈴井涼太(高杉真宙)は、芽亜里が“生徒代表指名選挙”で大金を手にしたのち、そのほとんどを失って途方に暮れている姿を目にします。
そんなタイミングで皇からとあるギャンブルを持ちかけられた芽亜里は、鈴井の制止を振り払い、勝負の場へと向かいました。
そこで待っていた視鬼神は、勝てば1,000万円を得ることができ、負ければ200万円を失うという勝負を提案。
芽亜里は家畜の生徒とこの勝負を行うことになります。
ギャンブルの内容は芽亜里が得意な“ダイススタッキング”を用いたものだったこともあり、優勢を保ったまま進行していきました。
しかし、相手の生徒は負けた場合、視鬼神の手で校舎から突き落とされることが判明し、芽亜里は当初の約束通り、皇に負け金の200万円を負担させて勝負を降りようとします。
ところが、すでに視鬼神に負けて全財産を奪われていた皇は、そもそも資金など持っておらず、視鬼神に利用されていたのです。
つまり、元々この勝負は200万の借金を背負って家畜になるか、相手の生徒を見捨てるかの2択でしかありませんでした。
結局、芽亜里は目の前の対戦相手を見捨てることができず、家畜にされてしまいました。
視鬼神という男
芽亜里と皇に勝利したことを生徒会へ報告した視鬼神がいよいよ夢子を潰すと宣言する頃、家畜となった芽亜里は体育祭の準備という肉体労働が待ち受ける“開拓地”へ送られようとしていました。
鈴井は芽亜里を助けようと夢子に相談しますが、夢子はギャンブラーとしての芽亜里がそれを望まないと考え、断固拒否します。
その一方で、綺羅莉からの招待状を受け、賭場へと向かうのでした。
そこで待っていた視鬼神は、全財産である30億円を賭け金としたうえで、夢子は「二度とギャンブルをしないこと」、視鬼神は「学園を去ること」を条件に、特殊なルールの“テキサスホールデムポーカー”で戦うことを提案します。
さっそく始まったギャンブル。
生徒会も見守る中、夢子は視鬼神の行動に違和感を覚えながらも、得意のブラフで勝負を有利にしていきます。
そして、狂気じみた視鬼神を「用意周到な人間」だと評した夢子は、西洞院や夢見弖を疲弊させようと家畜である生徒たちに資金を渡し、わざと公式戦に挑ませたのではないかと推察しました。
すべては視鬼神自身が学園へ舞い戻るために。
その時、校舎内で爆発が発生。
この爆発も視鬼神が準備したものだと見抜いた夢子は、今まさに進行しているギャンブルの中で完成させたペアが爆発する場所を表していると推理します。
つまり、視鬼神の目的はギャンブルで勝つことではなく、ペアを完成させると誰かが死ぬかもしれないというリスクを夢子に背負わせ、芽亜里の時のように降参させることなのです。
生徒たちは大パニック。
夢子は使われていない教室など被害が少ない場所が爆発するようにペアを作っていき、視鬼神を追い込んでいきます。
勝負は終盤戦。
夢子が有利な状態で進んでいき、今は誰もいないであろう体育準備倉庫が爆発するペアを用意した夢子は、手持ちのチップをすべてベットしました。
すると、視鬼神は夢子にある映像を見せます。
そこに映っていたのは、開拓地へ送られた芽亜里が体育祭の準備のために倉庫へと向かっている様子でした。
リアルタイムなその映像を見た夢子は、視鬼神の思惑通り降参するしかありませんでした。
生死をかけたギャンブル
宣言通り夢子を潰したことで復学を認められた視鬼神は、生徒会長の座を明け渡すように要求します。
反対する五十嵐とは逆に、結果として視鬼神の手のひらの上で踊らされていた西洞院と夢見弖は強く反対することができません。
そこで視鬼神に勝負を挑もうとした五十嵐を制止するため、綺羅莉は自ら生徒会長の座を譲りました。
視鬼神は、自身が会長になった暁には上納金の最低額を1億円まで引き上げ、水準を満たさない生徒を皆一律で家畜にすると公表します。
その頃、鈴井は大好きなギャンブルができなくなり傷心状態であろう夢子を気にかけますが、当の本人は体育祭が近付いていることに気を取られていました。
体育祭のことを考えると憂鬱になってしまう夢子は、準備に携わっている芽亜里に手紙を書き、会場の破壊を依頼しようとします。
一方、生徒会長交代の式典を経て新会長となった視鬼神は、その権力を持って綺羅莉を家畜に落としました。
すると、そこへやって来た芽亜里が新たに生徒会長となった視鬼神に公式戦を挑み、自分の代理として夢子を戦わせると宣言します。
公式戦はあらゆるルールが許されるので、夢子が賭場に出ることも問題ありませんでした。
同時に綺羅莉も公式戦を挑むと、視鬼神はペアで行う“指名ロシアンルーレット”を提案します。
夢子と鈴井、綺羅莉と五十嵐、視鬼神と生志摩妄(柳美稀)という3組が顔を合わせ、実弾を使ったロシアンルーレットが始まりました。
撃つ人、撃たれる人、装弾数はカードによって決まります。
撃たれる人に指名された時に弾が込められていなかった場合は大きな勝ち点を得られるルールになっていましたが、視鬼神は自分が撃たれる人に指名された時にだけ部下であるディーラーに偽の弾を込めさせることで勝ち点を獲得していき、勝負を有利に進めていきました。
さらに、視鬼神はディーラーに指示し、撃たれる人を夢子、撃つ人を鈴井にすることで降参させようとしますが、鈴井は夢子の言葉を受けて覚悟を決め、半数が実弾である銃を撃ち切ります。
その後、視鬼神は撃たれる人も撃つ人も綺羅莉になるよう操作しますが、6発中4発が実弾であるにもかかわらず、綺羅莉は自分に向けて2回引き金を引きました。
そして、2年前に視鬼神を停学にした理由を告げます。
「つまらないから」と。
禁断の戦いの末
勝負は終盤を迎え、徐々に勝ち目を失っていた視鬼神は特殊カードを使い、撃つ人を視鬼神、夢子、綺羅莉にします。
そして、撃たれる人にも視鬼神を指名させました。
偽の弾を使用しているために勝利を確信していた視鬼神は、余裕の表情を浮かべます。
そんな視鬼神に近寄った夢子は、偽の弾の装填に気付いていること、そして芽亜里の協力で1発だけ実弾にすり替えたことを告げました。
実は、夢子は綺羅莉から招待状を受け取った時、2年前に視鬼神が停学になった際に綺羅莉へ渡した銃弾も一緒に受け取っていたのです。
夢子はその銃弾を芽亜里に託していました。
狂気じみているものの、その狂気が本物ではない視鬼神は、4分の1が実弾だと知ってあからさまに狼狽えますが、夢子に身体を掴まれ、綺羅莉の目の前に出されます。
綺羅莉が引き金を引くと、激しい銃声とともに実弾が発射されましたが、視鬼神は咄嗟に銃口から避けました。
その姿を見た綺羅莉は「つまらない」と吐き捨てるのでした。
こうして敗北した視鬼神は学園を去り、夢子と芽亜里、そして鈴井は、無事に日常を取り戻します。
その一方で、視鬼神の思惑にまんまとハマってしまった西洞院と夢見弖を生徒会は開拓地送りにし、綺羅莉は百喰一族を学園に招きます。
綺羅莉から再び招待状を受け取った夢子は、指定された場所へと向かいました。
そして、そこにいた百喰一族の面々を見ると、期待を滲ませた笑顔を浮かべるのでした。
ギャンブラーたちの狂気
人気コミックを原作としたテレビドラマシリーズの映画化、その劇場版第2弾となった『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』。
第1弾と同じくオリジナルストーリーということで、主人公・蛇喰夢子の敵もオリジナルキャラクターとなりました。
その敵である男=最凶のギャンブラーと謳われる視鬼神真玄は、共感覚という特殊能力の持ち主。
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というのも、本作は原作軸での最大の好敵手ともいえる生徒会長・桃喰綺羅莉と夢子たちの共闘が見られるドリームマッチのような展開となっており、わかりやすい悪役である視鬼神を追い詰めていく様は非常に痛快だったといえます。
このようにファンが見ていて気持ちの良い共闘、そして心理戦が見られる状況へ導くには、視鬼神の特殊能力を最強のものにするよりも、視鬼神の本来の人間性や弱点にスポットを当てていくほうが効果的だったのかもしれません。
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特別にメイキング映像も解禁📸#藤井流星 さんの入り込む瞬間、
そして撮り終えた瞬間の表情に注目👀⚡️監督からも👍サインが❗️#賭ケグルイ #絶体絶命ロシアンルーレット https://t.co/AYZRgodHvY pic.twitter.com/zfCHcIkhJv
— 映画&ドラマ『賭ケグルイ』 (@kakegurui_jp) June 7, 2021
主演の浜辺美波をはじめ、高杉真宙や森川葵、池田エライザなど注目の若手キャスト陣がそれぞれに演じる狂気。
ただイカれているわけではない、ユーモアがあって、観ている人々に痛快さをもたらす狂気。
urara
映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』キャスト・あらすじ・ネタバレ感想まとめ
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🐱今週末は….❗️
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🦁#賭ケグルイ #絶体絶命ロシアンルーレット ❗️
\\ついに❗️公開後初の週末です🎥
是非、今週末は映画館でお楽しみください♦️ pic.twitter.com/DGCc38V9uW— 映画&ドラマ『賭ケグルイ』 (@kakegurui_jp) June 3, 2021
いかがだったでしょうか。
映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』は、2021年6月1日より公開中。
ぜひご覧ください。