「ロミオとジュリエット」を演じる授業で、誰もが驚くほど完璧なティボルトを演じ切ったさらさ。しかし、演技を観た安道からかけられた言葉は「そのままじゃトップになれない」と残酷なものでした。
安道の言葉に落ち込むさらさでしたが、夏休みを迎えたために愛とともにさらさの実家に帰省することに。そんなさらさの実家には、ある人がいて……。
目次
アニメ『かげきしょうじょ!!』前回第6話あらすじと振り返り
座学が中心の演劇の授業に不満を募らせたさらさたちは、安道に表現力を磨くためにも実践的な授業を希望します。
後日、安道は職員会議にさらさたちの希望を投げかけたところ、特別な指導はできないものの、「4人チームで2週間後にロミオとジュリエットを披露、評価を行う」といった形で許可が得られたと告げます。
生徒たちがくじ引きでチームを決めたところ、E班はさらさ、薫、千夏、愛というメンバーに。さらにじゃんけんで配役をしたE班は、薫がロミオ、愛がジュリエット、さらさがティボルト、千夏が乳母に決定しました。
ロミオとジュリエットを観劇した帰り道で披露したのが嘘のように、セリフがたどたどしいさらさ、台本の漢字が読めない愛と問題は山積みでしたが、E班はなんとか当日の発表を成功させます。それぞれの評価を行う安道は、さらさに「そのままじゃトップにはなれない」と言い切るのでした。
アニメ『かげきしょうじょ!!』第7話あらすじ・ネタバレ感想
初めての友達との帰省イベント
夏休みを迎えた紅華歌劇音楽学校は、多くの生徒が帰省をすることに。愛は寮に残るつもりでしたが、さらさからお誘いを受けてさらさの実家に遊びに行くことになりました。
田中泉
ポーカーフェイスな愛ですが、セリフひとつひとつから喜びをかみしめているのがわかります。
東京へ向かう道中、浮かない顔のさらさ。その原因は、「ロミオとジュリエット」を授業で披露したときに安道からかけられた「そのままじゃトップになれない」という言葉でした。さらさを元気付けたい愛は、恋バナを振るも会話が続きません。
安道が指摘したのは、さらさの演じるティボルトは冬組・里美星演じるティボルトのコピーでしかないことでした。
常に最高の舞台を見せる紅華歌劇団ですが、求められるのは既存のスターのトレースではありません。
さらさは見た演技をコピーできる力はあっても、「渡辺さらさの個性」を出すことはできていません。
言葉自体は残酷なものの、的確な評価をする安道について話していたさらさと愛は、新幹線の前の座席が冬組のトップスター、里美星と城花るりだったことに驚きます。
ふたりは東京での打ち合わせに向かう途中でした。
現在は冬組男役トップスターの星は、もともとは娘役志望だったものの、在学中に身長が伸びたために娘役を諦めざるを得なかったといいます。
「娘役じゃなきゃ辞める」とまで考えていた星を励ましたのは、他でもない安道でした。
ふたりが安道のことを「ファントム」と呼ぶのに疑問を持っていたさらさ。
その理由を知らないさらさにふたりは、「かつて安道は日本屈指の人気俳優だったこと」「当たり役がオペラ座の怪人のファントムだったこと」を教えてくれました。
そんな安道は、舞台の本番中に奈落に落ちて大怪我をしたため、引退。
自身が舞台に立てずとも、何かしらの形で舞台に携わろうと講師になったのではないかと星は話すのでした。
田中泉
さらさの実家に到着した愛とさらさ。愛が健じいちゃんへ挨拶をしていると、仲良しな近所のひとたちがさらさの帰省を知り、続々と集まってきます。
賑やかな人たちも去り、さらさはおばあちゃんへのお墓参りのため少し外出してくる、と言います。
2階にあがった愛は、さらさの彼氏である暁也と鉢合わせすることに。初めてできた友達の彼氏を前に、どんな関係性が聞き出そうとする愛に暁也は「日本舞踊の先生が一緒」と返すのでした。
さらさが踏んだ歌舞伎の初舞台
幼少期の暁也から見たさらさは、2歳年下の明るい女の子でした。ある日、歌舞伎の舞台に上がるはずだった子役が、暁也を除いて全員インフルエンザにかかってしまい、暁也ひとりで舞台に立つことになりました。
ひとりではできないと不安になる暁也でしたが、偶然楽屋に顔を出しに来たさらさにも出てもらうことに。
緊張のなか、暁也はさらさの祖母からもらった匂い袋のお守りと、さらさを導くという責任感から立派に舞台をやり遂げます。
田中泉
さらさが舞台に立てたのはそんな背景によるものですが、さらさにとって大きな出来事となったようですね。
舞台に立った後、暁也は「さらさは煌三郎が外で作った子なんじゃないか」「男の子だったら継がせられたのに」と話している大人たちの噂を耳にします。
それを半ば確信犯で歌鷗の妻で煌三郎の義母でもあった幸恵に話してしまったことで、さらさは「何があっても歌舞伎役者にはなれない」と叱られてしまうのでした。
これがきっかけで健じいちゃんは激怒、さらさは歌舞伎との縁を切ることになります。
その年の夏、さらさの祖母が亡くなったときも、暁也たちは参列を許されませんでした。
目指すものがわかっているなら、進むだけ
暁也は、遅れてしまったさらさへの誕生日プレゼントとして、さらさの大好きな床キンのフィギュアと、自らが立つ歌舞伎の舞台のチケットを手渡します。
さらさは歌舞伎が禁止されていると伝えますが、暁也は健じいちゃんへの許可はもらっていました。
SNSで自分の演技が模倣にしか過ぎないことへの悩みを書き込んでいたさらさに対し、暁也は「歌舞伎は型を伝承するのが基本だけどそれだけじゃない」と言います。時代に合った良さを付け加えたり、新しい脚本を作ったりと、伝統を守りながらチャレンジしていると、新たな視点を知ったさらさ。愛は、そんなさらさに「歌舞伎に連れて行ってほしい」と頼みます。
田中泉
たしかに、リアルでもさまざまなアニメや映画を題材にした歌舞伎が作られたりと、暁也の言葉通り年々進化を続けていますね。
歌舞伎を観たさらさの目に涙が浮かんでいたことに気がつく愛。
その涙は懐かしさなのか何なのか。
しかし、愛はただ、来たことを後悔していなければいいと願います。
田中泉
なれないことはわかっていても、そう声をかけるおばあちゃんの優しさが素敵ですね。
神戸に帰る日、暁也はさらさに「目指すものがわかっているなら進むだけだよ」と話しますのでした。
『かげきしょうじょ!!』第7話のネタバレ感想・まとめ
紅華に憧れて入学を決めたさらさには、歌舞伎に関する悲しい過去がありました。
これまで模倣でしかなかったさらさの演技でしたが、今回は今も進化を続ける歌舞伎の姿と「進むだけ」という暁也の一言から、新たな一歩を予感させるエピソードでした。
果たしてさらさは自分なりの演技ができるのでしょうか。