同じ夢を持ってレッスンに励むクラスメイトたちの中、ひとり孤立する愛。
その背景には、辛く悲しい過去がありました。
一方で天真爛漫で誰とも仲良くなれるさらさは、愛と友達になることはできるのでしょうか。
愛の隠された過去が明らかになる第3話は、クライマックスである事件も起きることとなります。
目次
アニメ『かげきしょうじょ!!』前回第2話あらすじと振り返り
授業初日、さらさたちは指導役である、1年先輩の本科生たちとペアを組むことになります。
ラテン系美女のリサから「男役のトップになれるわけがない」と冷たく言われたさらさは、思わず涙してしまいますが、「校庭にある桜の下に立つとトップになれない」というジンクスに負けないと決意をあらたにします。
授業で紅華の舞台を見学した日、さらさはうっかり舞台の方に出てしまいます。
その舞台の1番前、「銀鏡」は歌劇団トップしか立つことを許されていない神聖な場所に立つという夢を誰もが再認識するのでした。
ひとり寂しく昼休みを過ごす愛
昼休みにさらさが紗和や薫たちとお弁当を食べている一方、愛はひとりきりで昼食を食べていました。
そんな愛を見かねて声をかけてきた太一は、さらさと仲良くするようアドバイスします。
しかし、愛はさらさの持ち前の明るさに少々うんざりしている様子。あれやこれやと文句をつける愛を見た太一は、「これまでは人に興味を持つことがなかった」と愛の変化に驚きます。
田中泉
それにしても「うだるようなうざさ」「無理やり視界に入ってくるから目障り」は多少言い過ぎな気もしますが……
昼休み後、愛を見つけたさらさはいつものように話しかけます。
そんなさらさに愛は冷たく「友達じゃない」「誰とも仲良くなる気なんてない」と突き放すのでした。
誰にも本当の気持ちを言えない、愛の過去
幼少期から「かわいい」と言われることが珍しくもないと自覚していた愛。
映画女優の娘として生まれ、父親が誰かもわからないような家庭環境だったものの、母からの「可愛い子は我慢が大事」という教えを守って明るく振る舞っていました。
そんなある日、愛は母から「新しいお父さん」として知らない男性を紹介されます。
じっと見つめられたり、お風呂上がりに待ち構えられたりと嫌な予感を察していた愛は、いつものように「気のせい」だと我慢していました。
母が撮影のために1週間不在にすることになり、愛は家に帰りたくないと思うようになります。
男性から夕食を食べようと誘われるも、断って自室に戻ろうとした愛は「仲良しの証」として、男性から無理やりキスをされてしまいます。
気持ち悪いと泣きながら吐き、自室に戻った愛は母に電話をかけますが、「自意識過剰」だと真面目に取り合ってもらえません。
そのとき、愛は母が自分よりも仕事の方が大事だということを自覚します。さらに、自分が幸せそうに振る舞っていたのは、隙を見せれば陰口を叩かれるためでした。
自ら髪をはさみで切り、眠れない夜を過ごした愛は、叔父の太一に助けられます。
愛はただ一言、「自分の部屋に鍵をつけてほしい」と振り絞るような声で願うのでした。
そんな愛に太一は部屋の鍵と一緒に、自分の家の鍵を渡します。それ以降、愛は表情が乏しくなり、太一を除いて男性に対する恐怖心を抱くこととなるのでした。
田中泉
そんな愛は、アイドルグループのプロデューサーから「女の子だけのグループ」というスカウトを受け、拠点が太一の住んでいる秋葉原であること、男性が周りにいないことから二つ返事で加入。
しかし、女の子だけのグループのターゲットが男性である点に気づかず、男性と触れ合わざるを得ない握手会で「気持ち悪い」と言ってしまい、強制的に卒業となった過去がありました。
男性恐怖症の愛に起こった事件
さらさたちがタップダンスの授業を受けていると、彩子が講師から太ったと指摘されます。
彩子は合格したことから気が抜けてしまい、つい食べ過ぎてしまったと反省しますが、講師は「ファンに女性が多い以上、変化に厳しい」「手の届かない美しさが紅華の魅力」と厳しい言葉を投げかけます。
田中泉
ロッカールームでは周りも自己管理の無さを指摘し、彩子はひとり泣き出してしまいます。
「何も食べない」と自暴自棄になる彩子に、寮母さんに相談しようと声をかけるさらさ。愛はそんなさらさを冷たく見ているのでした。
ひとりで愛が帰っていると、神戸まで追いかけてきたかつてのファンに遭遇。慌てて学園に逃げ帰ってきた愛に、さらさは「一緒に帰ろう」と誘います。
田中泉
ふたりの前に再び姿を見せたかつてのファンは、愛に話があると主張しますが、愛は怖がるばかり。
荷物も置いて逃げ出した愛を背中に隠し、さらさは「か弱い女の子の後をつけてどうしようっていうんですか」と立ちはだかります。
『かげきしょうじょ!!』第3話のまとめ
愛が男性恐怖症になった背景には、母の愛人から受けた性的虐待がありました。
アイドルグループを卒業した直接のきっかけである男性が追いかけてくるという事件は、愛に過去を思い出させるほどのトラウマでしかありません。さらさは、果たして愛を守ることはできるのでしょうか。