映画:『呪餐 悪魔の奴隷』あらすじ・感想!ジャカルタ産の禍々しいオカルトホラーとは?

Copyright (C) 2022 Rapi Films 呪餐 悪魔の奴隷

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近年、アジアのホラー映画が話題を集めています。洋ホラーとは違ったジメジメした恐怖が魅力となっていますが、2023年2月17日(金)より公開される映画『呪餐 悪魔の奴隷』もオカルト要素を取り入れた”ジャカルタ産ホラー”となっています。

ポイント
・今、アジア産ホラーがアツい!その魅力に迫る
・作中の3分の2に映り込んでくる遺体が怖すぎ問題
・ヒロインの弟が笑顔で見せる絶望フェイス

それでは『呪餐 悪魔の奴隷』をネタバレなしでレビューします。

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『呪餐 悪魔の奴隷』あらすじ【ネタバレなし】


無数に並べられた謎の遺体

1955年4月17日。西ジャワ州レンバン。ひとりの新聞記者が警察とともに、不気味な建物まで連行される。そこには、墓地から掘り起こされた無数の死体が奇妙な姿勢で並べられていた。

惨たらしい様子を見た記者は、警察に事件として取り上げるべきだと訴える。しかし、アジア・アフリカ首脳会議を明日に控える中、警察は事件にできないと話す。おまけに死体は誰かが運んだのではなく、ひとりでに歩いたような痕跡まであった。

そこで警察は、記者に事件を広めるよう頼み込む。記者は単身、この事件の調査に乗り出すがーー。

悲劇を乗り越えた家族にさらなる悲劇の予感

時は流れ1984年4月15日。工場で働くリ二は優秀さを買われ、諦めていた大学へ通うチャンスをつかみ取る。

4年前に母と祖母を亡くし、末弟のイアンも行方不明のままジャカルタの北部にある高層アパートに越してきたリ二とその家族。無口でつかみどころのない父、ちょっと冴えない長男トニー、いたずら好きの次男ボンディと4人で暮らしていた。リニは彼らを置いて大学に通うことへ迷いもあったが、今の住まいとなっているアパートを去る決意をする。

しかしジャカルタでは数年にわたって2,000人も殺している連続殺人犯が未だ捕まっておらず、リ二がアパートを後にする前日には前代未聞の嵐が迫っていた。

リ二の出発前にアパートで大勢が死ぬ事故が発生…

1984年4月16日。嵐が来る直前、リニたちの暮らすアパートで事故が起きる。大勢の住人を乗せたエレベーターが落下し、乗員はリニの父を除く全員が死亡。父も重傷を負ってしまう。

さらに嵐が上陸したことでアパートは浸水。遺体を埋葬することはおろか、リニたちは避難すらできなくなってしまう。

助けを呼ぶことも、逃げることもできなくなったリニたち。生き残っているものたちは、アパートで起きる数々の怪現象と、想像を絶する秘密に直面することとなるーー。

『呪餐 悪魔の奴隷』感想

Copyright (C) 2022 Rapi Films 呪餐 悪魔の奴隷

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今、アジア産ホラーがアツい!その魅力に迫る

昨今、アジア発のホラー映画が日本でも話題を集めています。例えば、タイ東北部の村で受け継がれてきた祈祷師一族を襲う恐怖を描いた映画『女神の継承』(21)は韓国映画『哭声 コクソン』(16)の監督で知られるナ・ホンジンが原案・製作を務めて注目を集めました。

台湾で製作された、謎の感染症によって人々が凶暴化した地獄を描いた映画『哭悲(こくひ)/THE SADNESS』(21)も、残酷描写が容赦なさ過ぎて観客にトラウマを植え付けています。同じ台湾映画では、Netflixオリジナルとして『呪詛』(22)も人気を集め、Netflix内のランキングで常に上位を獲得しているほどでした。

今回の『呪餐 悪魔の奴隷』もナンバリングこそされていませんが、実は2017年に公開された『悪魔の奴隷』の続編となっています。インドネシアで640万人を動員するなど、人気を集めた作品が満を持して日本上陸となりました。

そもそもアジアホラーは洋ホラーと違い、その国ならではの宗教観や村の伝説など、狭い世界観で地続きになっている呪いや伝承をベースにしている作品が多いです。それゆえ、日本人にも馴染みある価値観や世界観によって、恐怖を身近に感じることができます。

また、洋ホラーは最終的に「主人公 VS 諸悪の根源」が描かれることが多い中で、アジアホラーはこの枠にとらわれない結末や展開も見どころであります。

『呪餐 悪魔の奴隷』もオカルト要素をふんだんに取り入れており「怖いけどこの恐怖の正体を知りたい!」という気持ちから、ついつい最後まで見てしまうタイプの構成となっています。

作中のほとんどで映り込む遺体が怖すぎ

『呪餐 悪魔の奴隷』の怖い点は、これでもか!というくらい遺体が映像に映りこんでいる点です。アパートの事故で大勢の死人が出てしまい、嵐によって遺体が埋葬できずに一晩を過ごすという展開によって、作中3分の2は必ずどこかに遺体が映っています…。

当然ホラー映画の遺体なので、何もしないで横たわっているはずもなく…。アパートは停電して終始暗いので、いつ遺体が何をしでかすかわからない恐怖がずーっと続きます。筆者はジャンプスケア(突然大きな音やビックリする映像を出して観客を驚かす演出)が死ぬほど苦手なので、映画の半分は薄目を開けて見ている状態でした…汗

アパートという限定的な空間ですが、遺体というギミックを駆使して観客を怖がらせ続けるので「そんな罰当たりなことして大丈夫なのか…」という、謎の心配まで沸き起こります。いろいろ不安になりました。

ヒロインの弟が見せる絶望フェイスがじわる

基本的にじめじめした恐怖演出がずっと続くので、笑える要素など皆無に等しいのですが、唯一面白かったのがリニの弟トニーの絶望フェイスです。それも怪現象に直面した時ではなく、ヤンキーの住人や先生(神父様的なポジションの人)からの無茶な頼みを断れず、困り果てて絶望しながら苦笑いする様子がじわります。

トニーはアパートで起きた事故のあと、先生に身寄りのない遺体の部屋を見回りするよう言われたり、ヤンキーから別の部屋にある道具を取ってきてほしいと頼まれたりします。断ればいいものの、パッとしない性格が災いして、結局マッチの火だけを頼りに遺体の見回りをしているのです(嫌すぎる…)

人の頼みを断れないトニーの苦笑いは、明かりに照らされて絶望感マシマシなので、鑑賞の際ぜひ注目してほしいポイントです。ホラー映画ではあまり見られない良い表情をしていました。

『呪餐 悪魔の奴隷』あらすじ・感想まとめ

要点まとめ
・昨今のアジアホラーの勢いに乗れるか注目
・遺体ギミックが怖いし、罰が当たらないか不安になる
・NOと言えることの大切さも知れる絶望フェイス

以上、ここまで『呪餐 悪魔の奴隷』をレビューしてきました。

筆者は前作『悪魔の奴隷』を未見の状態で鑑賞しましたが、ところどころで前作で起きた事件について言及している場面などが気になりました。

ヤマダマイ

2022年1月時点ではAmazon Prime VideoやHuluにて前作の視聴が可能です。今作が気になる方はまず前作をチェックしてみるのもオススメ!
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