『ジャッジ!』あらすじ・ネタバレ感想!ドジでパッとしない社員が「無茶」を「チャンス」に変える

映画『ジャッジ!』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:U-NEXT

いつも上司から良いように使われてしまう社員の太田喜一郎は“バカ”が付くほど真面目で空回りばかり。

自分のクビがかかった大役という「無茶」を「チャンス」に変えられるのか!?

ポイント
  • 緩急つけてテンポよく進むストーリーに、気付けば釘づけ間違いなし
  • 見た後スッキリする映画を探している人におすすめ
  • ちょっと勇気が欲しい人、なんとなく元気が欲しい人に見て欲しいです

それではさっそく映画『ジャッジ!』をネタバレありでレビューしたいと思います。

『ジャッジ!』作品情報

作品名 ジャッジ!
公開日 2014年1月11日
上映時間 105分
監督 永井聡
脚本 澤本嘉光
出演者 妻夫木聡
北川景子
リリー・フランキー
鈴木京香
豊川悦司
荒川良々
玉山鉄二
玄理(玄里)
田中要次
風間杜夫
でんでん
浜野謙太
伊藤歩
加瀬亮
木村祐一
あがた森魚
松本伊代
志賀廣太郎
柄本時生
福本清三
竹中直人

『ジャッジ!』あらすじ


大手広告代理店に入社して間もない太田喜一郎(妻夫木聡)は、審査員として参加予定の世界一のテレビCMを決定する広告祭に向かう。

夜ごと開催されるパーティーには同伴者がいなければならないことから、同じ職場の大田ひかり(北川景子)も妻として一緒に行くことに。

さまざまな国から集結したクリエイターたちが自分の会社のCMをグランプリにしようと奔走する中、太田もひかりと共に奮闘する。
出典:allcinema

【ネタバレ】『ジャッジ!』感想レビュー

踏んだり蹴ったりの冴えないプランナー・太田喜一郎(妻夫木聡)

きつねの着ぐるみが腰を振って踊る、きつねうどんのCMの撮影現場。

腰と、うどんのコシをかけているらしいそれに対して「工夫しないという工夫だよ」とそれっぽいことを述べるのは広告代理店“現通”の大滝一郎(豊川悦司)。

その着ぐるみの中に入って滑稽なダンスをさせられているのが、本作の主人公・太田喜一郎(妻夫木聡)。

冴えない下っ端プランナー、というのが太田の位置づけです。

完成したきつねうどんのCM映像を披露した会議室で宣伝室長は「この猫、もっと猫らしくして」などと言い、猫じゃなくてきつねだと言っても宣伝室長が黒だと言えば白も黒になる道理で“猫”ということにさせられてしまいます。

太田の上司である大滝は、宣伝室長の言葉を受けて太田に「無茶と書いてチャンスと読め」とめちゃくちゃなことを言って撮り直しに応じさせます。

とは言ってもイチから撮影をし直すわけではなく、映像に差し込む声を「ニャー!」と猫の鳴き声にするだけという無理やりな方向修正。

結果、きつねがニャーと鳴きながら踊るうどんのCM、という意味のわからないものが爆誕しました。

憂さ晴らしに行った合コン相手の女子たちからは「あのCMキラーイ!」と言われ、それを作ったのが太田だとバレると気持ち悪がられ。

女子のトイレ会議で満場一致の“二次会はナシ”決定も知らされず太田は一人、カラオケに。

しかし結局二次会の手筈で運ばれてくる料理や飲み物と、明らかに不審な態度の太田を気味悪がった店員に追い出されてしまいました。

一人でとぼとぼ帰っていると、故郷の友人・蒼山(新井浩文)と偶然会いました。蒼山は太田の元カノ・麻里子(伊藤歩)と一緒でした。

今の職につくとき「CMで皆を幸せにする」と言ったことを覚えていた麻里子が、元気のない太田に「皆を幸せにしてる?」と言いました。

太田は自宅で一人、“逆風は、振り返れば追い風になる”そんなメッセージを乗せた靴のCMを見ました。

太田が一番好きな、昔のCMです。

太田の転機。無茶はチャンスに変えられるのか?

さて、現通の大きな取引先であるちくわ屋の息子(浜野謙太)が作った駄作CMが、テレビCMの世界一を決めるサンタモニカ広告祭に出されることになります。

入賞させなければスポンサーから手を引くと言われ、担当している大滝は、この厄介すぎる案件を太田に押し付ける事にしました。

広告祭の審査員に自分の代わりに行ってくれと言うのです。

理由は単純明快、お互いの名前です。

オオタキ イチロウ と、オオタ キイチロウ。

名字と名前を一繋ぎに並べてしまえば同一人物のようなもの。

無茶すぎる提案に太田は拒否します。

しかし外国では名前の方が先だと言っても、そもそも顔だって違うと言っても聞き入れてもらえず。

国際広告祭に参加することさえ初めての太田は、途方に暮れて広告祭に詳しいという鏡さん(リリー・フランキー)のいる居室を訪ねます。

なにか審査に使えそうな英会話を教えてもらいに行くも教えてもらったのは簡単なフレーズをいくつかと、あとはペン回し、そして「最高のごちそうにありつく英会話」という本を渡されるだけでした。

にっちもさっちもいかない太田は、同僚で同じ苗字で上司たちからは“優秀な方のオオタ”と言われている大田ひかり(北川景子)を頼りました。

旅費をすべて出すから名字が同じという理由で夫婦として行ってくれと頼み込みます。

それというのも、鏡さんから「一人で行ったらゲイだと思われる」とニヤニヤしながら言われたからでした。

しかしひかりは断ります。

くだらないお願いよりも、無類のギャンブル好きなひかりはこれから始まる競馬のレースの方が大事なのです。

そこで太田は「あっちにはカジノがある!ベガスまで飛行機で一時間!」と最高のカードを切って口説き落としました。

いざサンタモニカ広告祭へ!

嫌々ながらに同行してくれたひかりを連れて太田は広告祭に出向きます。

そこには世界各国のクリエイターたちが集い、華やかな審査会が催されて舞い上がる太田でしたが現地についてから「ちくわのCMが入賞しなければ会社をクビになる」という衝撃の事実を知らされます。

なんとかして他の審査員たちの印象に残りたい太田は鏡さんから渡された、うる星やつらのヒロイン“ラムちゃん”が全面にプリントされたTシャツを着て、最初の挨拶で「自分はオオタキじゃない、オタクだ」と言います。

掴みはオッケーでしたが、日本からもう一人ライバル代理店“白風堂”のトップクリエイター・木沢はるか(鈴木京香)が参加していました。

世界でも業界でも一目置かれている木沢は、自らが手がけたトヨタのCMを出品していました。

まずは審査員を半数ずつにグループ分けしての予選会が始まります。

太田と木沢は別のグループに振り分けられました。

太田のグループにはブラジルの審査員でカタコトの日本語が喋れるカルロス(荒川良々)やオネエ口調のタイの審査員ソムサック、CMを入賞させて病気の娘の治療費にあてたいオーストラリアの審査員アレックスなど個性的な面々が揃っていました。

太田が持ち込んだちくわのCMは、当然のように予選落ちでした。

首が決まったと落胆する太田に、広告祭の審査委員長であるジャック(ジェームズ・バーンズ)が声をかけました。

「広告祭では順位なんて作るもので、受け入れるものじゃない」そう言うジャックに対して、腑に落ちない太田。

他の審査員に口利きをして票を集めるのは、何か違うと思ってしまうのです。

そんな太田はジャックから、どんなCMが好きなのかと問われ、よく一人で見ている靴のCMが好きだと答えました。

その会話の側を通り過ぎる人物がいました。木沢でした。

広告祭の服審査員長であるギルの策略によって、木沢の手掛けたTOYOTAのCMも予選落ちにされてしまったのです。

太田は木沢のあとを追い、ヤケ酒に付き合いました。酔った木沢からCMの入ったディスクをもらって見た太田は、最終審査の前にある復活審査で木沢の作品を推薦するように他の審査員に交渉しました。

太田の姿勢に感銘を受けた審査員からの推薦でちくわのCMも復活審査を通り、最終審査に残ることとなりました。

審査員を、審査する!

運命の最終審査の席で、太田はちくわのCMの推薦演説を申し出ます。

広告祭において自社CMを推薦することは、すなわち失格を意味します。

太田はそれをわかっていて、自分の首を守ることよりも純粋に誰かを感動させられるCMが入賞されるべきだと判断したのです。

審査員長、副委員長の思惑や審査員たちに蔓延っている不正に気付いていた太田は、自分の知りうるつたない英会話と鏡さんから渡された「最高のごちそうにありつく英会話」のフレーズを用いてスピーチします。

美味しいものを食べたら、美味しいと言う。そんな風に、自分が本当に好きなものを好きだと言おうと呼びかけたのです。

そして大賞はTOYOTAのCMに決まり、サンタモニカ広告祭は幕を閉じました。

クビが決まってしまった太田でしたが、どこか晴れやかな表情でパーティーに参加していました。

すると大滝から電話がかかってきます。

ちくわのCMは入賞を逃しましたが、きつねうどんが世界中で大流行しているというのです。

グループで審査した予選の際に他の審査員から色々と質問され、そのなかで“どうしてきつねがニャーニャー言っているのか”と聞かれたときに“ニャーニャーとは、死ぬほどおいしいという意味だ”と答えたことがきっかけとなり各国でバズっているのでした。

審査員長のジャックは太田に対して、この広告祭でのトップクリエイターは君だと言いました。

CMは入賞を逃しても、こうして立派にひとつのカルチャーを作ったのだから、と。

そして連日ずっとそばで見守ってきたひかりは、いつしか太田に好意を寄せており、本当の夫婦に…とまではいきませんがひとまず恋人同士となったのでした。

『ジャッジ!』のざっくりとした感想を。

最高にCOOLでイカした映画!!…何それダッサイ感想だな。

わたしの語彙力たるや。

それはそれとして、この作品、いちいちオシャレで恰好良い。設定も含めて。特にそれを感じるのは、最終審査会のあたりからかなと思います。

これは太田の物語であり、ジャックの物語でもあり。※個人の感想です

ジャック方面のことはあらすじでは割愛しましたが、この記事を読んでいる人に全編通して見て「そういうことかぁ!」ってなってもらいたいです。

軸になるエピソードも去ることながら、ちくわのCMが復活審査を通った時に太田がひかりを食事に誘ったレストランでの場面がお気に入りです。
太田がね、ちくわを覗いてジャックにあることを言うんですよ。

それが後のジャックに影響を与えるんです。

ほら気になるでしょ?見てください。ほらほら。

チョイ役だけど新井浩文が出ちゃってるから地上波ではおそらくもう見られないと思うので…VODで是非☆(笑)

気軽に見られるというか、笑いと切なさと爽快感のある作品だなぁと思うので時間と機会があれば本当に見て欲しい。

良いものを良いと言う、当たり前のことが出来ない不正の蔓延した審査会に一石を投じた太田と、その周りにいた人たちのあったかい気持ちに誰しも何か感じるものがあるんじゃないかな、と思います。

人の心に人は動かされるんだなぁっていうことに気付かされる作品というか。

例えフィクションの世界であれ、この作り話を作ったのもまた人ですからね。

それを見る人の心が動かされる事も当然ながらにありうるわけです。

終わり方も好きだなぁ。ひかりの「あたし、凄い賭けに出ちゃったかな?!」からのラーラララーラー♪ララララーラー♪(アイデンティティ/サカナクション)

マジでクセになる。

ちなみにこれ映画が始まって初っ端でも流れるんですけど、そこの入り方で「あ、これおしゃれなやつだ」ってわかります。

見ていて楽しい小ネタの数々

小ネタっていうかもう太田の勤めてる広告代理店が“現通”っていうのがもう既に。かの有名な会社を連想させますよね。

エースコックとかTOYOTAとか丸井とか、実在する企業が出てくるのも面白いです。

フィクションなんだけど自分のいる世界に近いところにあると感じさせてくれるような。

ちなみに“白風堂”の木沢が作ったものとして流れるCMは、実際に博報堂プロダクツが制作した企業広告だったりします。

しかもカンヌ国際広告祭のフィルム部門銀賞とかとってる作品だったりもします。確かによく出来てる。

きつねうどんのCMとちくわのCMは映画オリジナルらしいですけど(笑)

あとは小ネタではないけど出てくる演者の癖の強さも面白ポイントかな。

現通社員で営業部長というポジションの、太田の上司は田中要次だし。

太田の先輩は加瀬亮だし。経理の松本さんは松本伊代だし。

あとはちくわ堂社長のバカ息子が浜野謙太だったのが個人的にウケました。

似てる人かと思ったら浜野謙太だった。

名前だけ見てもピンとこない方のために言うとムジカ・ピッコリーノに出てる人です!って言っても伝わらない界隈の方のために言うとSAKEROCKのメンバーだったり在日ファンクのメンバーだったりする人です。

伝わらないかな…朝ドラとか大河も出てるんですけどね。

大河ドラマ二作連続の同一役名で出演とかいう地味に何か凄いこと起こしてる人なんですよ。

ちなみに伊藤博文役です。

ハマケンの説明の後だと霞んじゃうけど、ひかりの男友達・竜也は玉山鉄二です。

この人こういう、ヒロインに片思いしてる役が合いますよね…かわいそかわいい…。

顔がよくてスマートな役どころなのにね…でも私も竜也じゃなくて太田を選ぶね…。

『ジャッジ!』まとめ

以上、ここまで映画『ジャッジ!』についてネタバレありで紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 単純明快だけど凝ってる映画が好きな人にはハマると思います
  • しんどくない程度に心を揺さぶられたい時、スカッとしたい時に見て欲しい作品
  • いいものはいい、好きなものは好き。それでいいんだって思える良作
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