観終わった後に「愛は最強」というキャッチがやっぱり心に響く。
アカデミー賞にも複数部門ノミネート、日本では公開したての『ジョジョ・ラビット』を鑑賞してきました。
新世代の映画界を担う存在でもあるタイカ・ワイティティ監督が世界中に届けたかったメッセージとは?
- アカデミー賞で多数部門ノミネート!注目の作品
- 監督を始めとする生き生きとしたキャラクターたちが素晴らしい!
- タイカ・ワイティティ監督が世界に伝えたかったメッセージとは?
ぜひ多くの人に観てほしい、2020年大注目作品『ジョジョ・ラビット』ネタバレなし感想です。
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目次
『ジョジョ・ラビット』の作品情報
作品名 | ジョジョ・ラビット |
公開日 | 2020年1月17日 |
上映時間 | 109分 |
監督 | タイカ・ワイティティ |
脚本 | タイカ・ワイティティ |
出演者 | ローマン・グリフィン・デイヴィス トーマシン・マッケンジー スカーレット・ヨハンソン タイカ・ワイティティ サム・ロックウェル アーチー・イェーツ レベル・ウィルソン スティーブン・マーチャント アルフィー・アレン |
音楽 | マイケル・ジアッチーノ |
『ジョジョ・ラビット』主要キャスト
監督のタイカ・ワイティティが自らアドルフ・ヒトラー役を演じるなど何かと豪華で話題なキャスト陣!
第2次世界大戦、ナチスを題材にしたシニカルなコメディを彩る『ジョジョ・ラビット』の素敵なキャラクターたちを紹介します。
ローマン・グリフィン・デイヴィス / 役:ジョジョ
- 今作の主人公である10歳の少年
- ナチス主催の青少年集団「ヒトラー・ユーゲント」のキャンプ参加で緊張している
- 訓練中にウサギを殺せなかったため「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名を付けられてしまう
- 屋根裏に隠れているユダヤ人少女のエルサと交流を深めていくことで価値観が変わっていく
マルコヤマモト
トーマシン・マッケンジー / 役:エルサ
- ジョジョの家の屋根裏に匿われているユダヤ人の少女
- 反ナチ運動をしている「ネイサン」という婚約者がいる
- 持ち前の絵心をいかして弟のようなジョジョとの交流を深めていく
スカーレット・ヨハンソン / 役:ロージー
- ジョジョを育てるシングルマザー
- 戦時中でもオシャレやダンスを楽しんだりと陽気な性格
- 危険を覚悟でユダヤ人の少女エルサを屋根裏に匿っている
マルコヤマモト
タイカ・ワイティティ / 役:アドルフ・ヒトラー
- ナチス・ドイツを率いる総統だが、今作ではジョジョの空想上の友達として登場する
- 弱気になるジョジョを叱咤激励したり優しく諭したりする
- エルサと次第に仲良くなるジョジョに対し「エルサの言うことの反対を進め」とアドバイス
マルコヤマモト
サム・ロックウェル / 役:クレンツェンドルフ大尉
- 「ヒトラー・ユーゲント」でジョジョたちの世話を務める義眼の大尉。通称「キャプテンK」
- 訓練中にジョジョが怪我を負ってしまったため、事務職に降格させられてしまう
- ナチス党員でありながらも「ドイツが戦争で負ける」と確信しているアウトローな部分もある
- 部下のフィンケルと常に行動を共にしている
スティーブン・マーチャント / 役:ディエルツ大尉
- ナチス・ドイツの秘密警察「ゲシュタポ」の一員。
- 反ナチ勢力やユダヤ人についての密告を受けては丹念に調べ上げる
- 「とある理由」があってジョジョの家に訪ねてくる
アーチー・イェーツ / 役:ヨーキー
- 「ヒトラー・ユーゲント」に参加するジョジョの大親友
- ジョジョの偏った世界観に丸みを付けてくれる見た目も愛嬌ある男の子
マルコヤマモト
【ネタバレ】『ジョジョ・ラビット』あらすじ・感想
あだ名は「ジョジョ・ラビット」
ドイツのフォルケンハイムという街に住む10歳の少年ジョジョは「ヒトラー・ユーゲント」のキャンプに参加するため緊張していました。
しかし、緊張し、弱気になるジョジョを励ます存在がいました。
ナチス・ドイツの総統アドルフ・ヒトラーです。
アドルフはジョジョの空想上の友達として登場しては、ジョジョを叱咤激励したりアドバイスを与えたりします。
ジョジョとアドルフは互いを親友同士であると思っていました。
ヒトラー・ユーゲントのキャンプにて先輩に目をつけられたジョジョは、訓練中にウサギを殺すように命令されます。
ウサギを殺すことができなかったジョジョは「ジョジョ・ラビット」と不名誉なあだ名をつけられてしまうのでした。
しかし、アドルフが「ウサギは賢い動物だ。ウサギになれ。」と励ますと、躍起になったジョジョはクレンツェンドルフ大尉から投てき訓練で使用する手榴弾を奪い、投げますが失敗。
顔と足に大怪我を負ってしまいます。
屋根裏部屋の少女
怪我が回復してきたジョジョはヒトラー・ユーゲントで、事務職に降格したクレンツェンドルフ大尉のもとで奉仕活動を続けます。
ジョジョがポスターを張りに出かける広場には、ナチスに捕らえられた反ナチの活動者の首吊死体がさらされていました。
ジョジョの家庭は父親が戦場に出たまま、母のロージーがシングルマザーとしてジョジョと暮らしています。
ジョジョにはインゲという姉がいましたが、病気で亡くなりました。
ジョジョは母親の仕事中、家の屋根裏から物音が聞こえることに気づきます。
母親の寝室に隠し扉を発見し、おそるおそる中に入ると1人の少女が隠れていました。
少女はナチスの敵であるユダヤ人で、母のロージーが危険を犯しながらも匿っていたのです。
「なんでユダヤ人が家に?」とジョジョとアドルフはパニックに陥りますが、ユダヤ人のすべてを話すことを条件に少女エルサの滞在を認めます。
ある日ロージーの留守中、ジョジョの家にナチス・ドイツの秘密国家警察「ゲシュタポ」のディエルツ大尉が訪ねてきます。
「エルサの存在がバレる…!」と気が気でないジョジョでしたが、エルサが姉のインゲになりますましその場をしのぎます。
ジョジョとエルサはお互いを知ることで次第に距離を縮め、姉弟のような関係になっていくどころか、ジョジョはエルサに恋心を抱き始めます。
しかし、ゲシュタポが本当にジョジョの家を訪れた理由は…。
マルコヤマモト
『ジョジョ・ラビット』感想と解説【ネタバレなし】
『ジョジョ・ラビット』の時代背景や映画に登場する用語をカンタン解説
映画を理解する上で、その国やその時代の背景を知っておくとより一層楽しめます。
今作『ジョジョ・ラビット』の舞台は第2次世界大戦後期のドイツ。
大戦中にドイツを支配していた「ナチス・ドイツ」「アドルフ・ヒトラー」といえば誰もが知っている存在ですよね?
でも「では彼らが実際に何をしていたか?」「なぜユダヤ人を消滅させようとしていたのか?」ということには知識がまだまだ知らない人がいると思います。
マルコヤマモト
- アドルフ・ヒトラー、国家社会主義ドイツ労働党に独裁されていた時のドイツの呼び名
- 世の中の人種の中でアーリア人が1番偉いとし、ユダヤ人や障害を持つ人、同性愛者などの迫害につながった
- 第2次世界大戦の末期、戦況が悪化しヒトラーは自殺。連合国に敗北し滅亡した
- 鉤十字の国旗がトレードマーク
ユダヤ人迫害や強制労働については映画『ライフ・イズ・ビューティフル』でも描かれていますよね!
マルコヤマモト
当時はナチス・ドイツの手から逃れるために、エルサやアンネのように壁の中の隠し部屋や屋根裏に暮らすユダヤ人がたくさんいたそうです。
見つかると強制労働施設へ連れて行かれ、最後は毒ガスで殺されてしまいます。
- ナチスドイツ時代の秘密国家警察
- 密告政策と弾圧政策を併用しナチス反対者への徹底的弾圧を行った
- ナチス独裁政権の「最も野蛮な暴力組織」として恐れられた
今作でジョジョの家にやってきては許可もなく家宅捜索を始めるディエルツ大尉率いる集団がゲシュタポ。
マルコヤマモト
強制収容所の運営・管理にも携わっていた組織のようです。
- 劇中でジョジョが参加するキャンプでヒトラーに仕える少年兵を育てるためのもの
- 法律で10~18歳の青少年が参加することが義務付けられいた
- 劇中ではビラを貼ったり召集令状を配ったり、武器製造のための鉄くず集めなどの仕事も子どもたちに課せられていた
ナチス・ドイツでは幼い頃から「ヒトラーに仕える」ことと、ヒトラーが崇高な存在であるという意識を植え付けさせていました。
マルコヤマモト
また当時、自分たちより下等な人種であると思い込ませるように、ユダヤ人に対する間違った知識を与えられていたことも事実です。
なので映画ではユダヤ人には角が生えている、魚と交尾をする、コウモリのように逆さまになって寝るなどありえないような表現が飛び出します。
映画の中ではジョジョもヒトラーを崇拝する典型的なナチスの少年として描かれています。
当時の子どもたちは本当にその教えを信じていたようですね。
ジョジョ・ラビット、フィンケルが敢えてピンクの下向きの▽をつけてる。
ナチスが同性愛者も迫害して強制収容していたことは有名ですが、その時男性同性愛者に義務付けられた識別胸章でした。ナチがやったことを一つ一つ皮肉ってる映画ですけど、これもそのひとつ。https://t.co/YYMkFR9VSk pic.twitter.com/ax6RVxz4tB— Teatro dell’asino (@robasuke2015) January 19, 2020
マルコヤマモト
タイカ・ワイティティが10歳のジョジョの目を通した第2次世界大戦を描く
タイカ・ワイティティ監督はニュージーランド出身の映画監督で、父方はマオリ系、母方はロシア系ユダヤ人の家庭に生まれました。
今までのシリーズ作品の雰囲気をガラリと変えたことがかえって大好評だった『マイティ・ソー バトルロイヤル』が大ヒット。
次世代を担う映画界の才能として不可欠なのがタイカ・ワイティティ監督です。
今回彼が『ジョジョ・ラビット』で描きたかったのは「10歳の少年の目を通した第2次世界大戦」。
今までの史実を忠実に再現するより、冒険を選んだタイカ・ワイティティ監督。
ナチス・ドイツの世界観や戦争映画の重苦しい雰囲気を一新、まさかのコメディタッチに仕上げてくれました。
しかし、コメディタッチに描きながらも「戦争の残酷さを後世に残すことが大事である」というメッセージは欠かしていません。
純粋な10歳の少年ジョジョの目を通して見た「戦争」「ナチス・ドイツ」「ユダヤ人迫害」。
マルコヤマモト
映画『ジョジョ・ラビット』鑑賞後の感想口コミ
『ジョジョ・ラビット』鑑賞後の口コミをSNSで集めてみました!
『ジョジョ・ラビット』初日初回。嗚咽のように号泣。
「大人の女って何?」
「嬉しいときも悲しいときもシャンパンを飲むこと。恐れずに人を信じること。」
素晴らしいスカーレット・ヨハンソンの名台詞に更に泣く。もうホントみんなに絶対見てほしいと思える作品!!!猛プッシュ。 pic.twitter.com/bOkweeA1Xs— maplecat_eve (@maplecat_eve) January 17, 2020
「ジョジョ・ラビット」みた。3分で恋に落ち次の5分で本作の思想にくすくす笑いながら共感し2人と一緒に冒険に繰り出す。ある瞬間から嗚咽の音漏れ堪え続ける数十分の後、映画にしかあぁ映画にしか表現できない希望に包まれエンドロール。あーだめだ溢れる。今日はもう映画みない。5段階評価で5000兆! pic.twitter.com/3nB7SwkkuC
— つむじ風(操行ゼロ) (@stmt) January 18, 2020
全くの私見ですが、『#ジョジョ・ラビット』はナチスを批判したり嘲笑ったりするための映画ではないと思います。ネガティブではなくポジティブ。つまり、過去の過ち(ナチス、第二次大戦)を未来への希望で上書きするような作品。だから、戦争映画ではなく《平和映画》だと、私は敢えて呼んでいます。 pic.twitter.com/RbB0zpCVEv
— じぇれ@映画垢 (@kasa919JI) January 18, 2020
マルコヤマモト
『ジョジョ・ラビット』感想①:子供を正しく導くのは大人である
「愛は最強」が『ジョジョ・ラビット』のキャッチであり、そのことを痛感する作品でした。
ジョジョはナチス・ドイツを崇拝する少年でしたが、ユダヤ人の少女エルサとの出会いや母親のロージー、キャプテンKなど周りの大人達に受けた愛で価値観を変えていきます。
母親のロージーは特にジョジョのことを心配して「憎しみは何も産まない。愛こそが最強」と説くのですが、ジョジョがそれに気づいたときにはもう遅かった…という展開には涙が止まりませんでした。
⠀⠀ ╭━━━━━╮
⠀ ⠀ #愛は最強❣
⠀ ⠀ ╰━━V━━╯
⠀ ⠀ 🐰🏵ゴールデングローブ賞ノミネート!
ローマンくん ✖ スカヨハ が、
👩👦息ぴったりの親子を好演!!⠀ 💖愛とユーモアがたっぷり!
✌🏻『#ジョジョ・ラビット』
\🎬 本編映像 解禁 ✨/ pic.twitter.com/p1OBIW22jr— FOXサーチライト・ピクチャーズ (@foxsearchlightj) December 18, 2019
これからもきっと難しい時代はあるだろうけれど、ロージーやキャプテンKのように、周りの大人達が子どもたちを正しく導いてあげなければいけない。
マルコヤマモト
まだまだ10歳の少年のジョジョ。
子どもたちが戦争に参加するなんて、あってはいけないことです。
『ジョジョ・ラビット』感想②:全てのキャラクターがイキイキしている
今作はナチス・ドイツ側の物語でもあるのですが、全てのキャラクターが愛すべき存在です。
タイカ・ワイティティ監督演じるヒトラーはじめ、本来ならば悪であるはずのキャラクターまでが何故か愛嬌たっぷりで、愛らしいという不思議な作品でした。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』でもそうだったように、タイカ・ワイティティはキャラクターを活かす手腕を持っているということがわかりますね!
何度も言いますが、戦争があった、残酷な歴史が合ったという事実は忘れてはいけません。
戦争映画とはいえ、基本はコメディタッチで明るい作品です。
マルコヤマモト
ウサギを模したピースサインも、やっぱり「平和」の「PEACE」だと思っています。
愛が最強、平和が1番!暗くなりがちな戦争映画ですが、タイカ・ワイティティ監督の魔法でユーモアたっぷりに仕上がりました。
『ジョジョ・ラビット』必見です!
『ジョジョ・ラビット』まとめ:やっぱり愛が最強!
以上、ここまで映画『ジョジョ・ラビット』について書いてきました。
- 魅力的なキャラクター陣とテンポ良く進む物語で最後まで飽きさせない!
- ワイティティ印のユーモアたっぷり「平和」推進映画!
- 年齢制限なし!子供と一緒に観て「戦争」について考えよう
マルコヤマモト
映画の中であんなに楽しそうに演じているタイカ・ワイティティ監督。
映画制作者が作中で楽しそうにしている姿を見ると「きっと良い現場」ということが想像できます。
だからこそ『ジョジョ・ラビット』は良い作品に仕上がったのでしょう。
マルコヤマモト
やはり、大人である私たちが「LOVE & PEACE」と「戦争の残酷さ」を次の世代に語り継がなければならないのです!