ウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載され、シリーズ累計発行部数400万部を突破した賀来ゆうじ先生の同名作品をアニメ化した『地獄楽』。
妻と会う……その思いが画眉丸を島の中心へと向かわせます。
佐切たちを村に置いていき、たった一人の身で辿り着いたのは、巨大な人工の建築物。
その門の前で、画眉丸は天仙とで出会ってしまい……。
早速、第9話「神と人」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『地獄楽』前回第8話のあらすじと振り返り
かつて「クズ」と呼ばれていた典坐は、士遠に拾われ山田浅右衛門の道場へ。
やがて成長し、守りたい存在ができた矢先、天仙と交戦。
恩師の士遠と、生きてほしいと願ったヌルガイを、自らの命をもって逃がします。
士遠は大切な弟子を失い、必ず落とし前はつけると誓うのでした。
【ネタバレあり】アニメ『地獄楽』第9話あらすじ・感想
島の中心部へ……
村の書物などを調べていた仙汰ですが、解くべき謎が多すぎてオーバーヒート寸前。
頭を冷やすために風呂に入ると、見張り中に眠ってしまいました。
仙汰と見張りを務めていた画眉丸は、皆が寝静まった夜中に、一人で島の中心へ向かいます。
謎解きを待っている時間はないと考えての単独行動でした。
中心部へ向かう途中、木人と同族のようにも見える、人が拝んでいるような姿をした樹木が集まった土地がありました。
霧も濃く不気味ですが、進むほかありません。
やがて画眉丸が辿り着いたのは、巨大な人工建造物でした。
その門の前に立ち、本物の神仙郷だと聞いていた場所が人工物だったことに驚きを隠せません。
すると、背後に謎の女性――朱槿が現れます。
人の形をしているものの人間とは別の気配を感じ、その人物こそ件の天仙だと勘付きました。
一方の朱槿は典坐たちと戦って戻ってきたところだったためか、「なんで僕の時ばっかり……」と面倒そうな態度を見せます。
人間を見つけたら、捕まえなければならないからです。
そんなことを知る由もない画眉丸は、「人間を仙薬にするためか?」と尋ねました。
瞬間、朱槿は画眉丸に襲いかかり、画眉丸も瞬時に対抗します。
朱槿の再生能力の高さに衝撃を受けつつ、画眉丸は火法師を駆使して、朱槿を丸焼きにしました。
黒焦げのまま復活した朱槿は男性体へと変身しており、何度攻撃しても動き回る画眉丸に、「お前は人間なのか?」と問いかけるのでした。
urara
画眉丸vs朱槿
「お前みたいなのはここ数百年で初めてだ」と、画眉丸の頑丈さを評する朱槿。
画眉丸はただ「仙薬はどこだ」と尋ねながら、攻撃を受ければ自らも攻撃を仕掛け、いつものように攻略法を探っていました。
その最中、ある一撃に手応えを感じた画眉丸は、一体どの部分に手応えを覚えたのか必死に考えます。
確かに朱槿にとって痛い一撃だったようで、その影響か男性体から女性体へと変化しました。
それは朱槿の逆鱗に触れたらしく、「お前ムカつく、死ね」というセリフを吐くと、波動砲のような攻撃を仕掛けてきます。
画眉丸はそれをもろに受けると、見かけからは想像のつかない強い力を感じ、それがメイから受けたのと同様のものだと思い出していました。
一方的な攻撃を受け続けた画眉丸は、血まみれになりながら反撃を始めます。
再生するなら、それを上回るスピードで破壊する……画眉丸の考え通り朱槿はボロボロの姿で地面に倒れました。
しかし、やがて不気味に笑い出し、巨大な花の化物へと姿を変えます。
そして、謎の電撃を放つと、ついに画眉丸は倒れ、起き上がれなくなりました。
ここまでの無理が祟ったと自覚した画眉丸は、まるで悪夢を見ているようだと思います。
気付けば、白んだ世界の中で目を覚まし、そこには妻がいました。
妻との優しい時間に、これまでのことが悪夢だったのか、今見ている世界が夢なのか、曖昧になっていきます。
それでも画眉丸は、これが夢だったとしても妻と話せたことを嬉しく思い、心配そうにする彼女に告げました。
「ごめん……もしかしたら、帰れないかも」
――次に意識を取り戻した時、画眉丸は朱槿に捕まり、今にも殺されそうになっていました。
しかし、ただでは死ねないのが石隠れの里の忍。
死を悟れば、反射的に相討ちを狙うよう作られていたのです。
残された力で朱槿を燃やし尽くそうと、無意識に忍術を使う画眉丸。
とどめを刺される寸前で画眉丸を助けたのは、メイでした。
urara
天仙たちの定例会
画眉丸が姿を消し、大慌ての仙汰と半ば呆れ気味な佐切。
メイの姿もなく、彼女が画眉丸を追っていったのではないかと心配する木人は、協力者がほしいと言います。
天仙が住まうという蓬莱へ向かうことになり、杠は天仙が何者なのか尋ねます。
すると木人は、天仙は7人いると語り出しました。
その頃、蓬莱にて7人の天仙が集っていました。
同じ容貌、同じ声音を持つ雌雄同体の天仙たちですが、性格や好みはそれぞれのようで、ちょっとした言い合いも日常茶飯事な様子……。
そんな彼らをまとめるのが、蓮/普賢上帝(CV.諏訪部順一、甲斐田裕子)。
自分たち7人を家族と称した、その長たる存在です。
彼らが定例会と呼ぶその場で話されていたのは、島に上陸してきた人間たちが今までとは違い「人数は少ないが、個体が獰猛」で危険視するに足りるということでした。
画眉丸との戦いで「氣(タオ)を使いすぎた」らしい朱槿は、枯れ木のような老人の姿になっており、菊花にそのことを責められています。
そこまでしてもなお、士遠やヌルガイ、画眉丸を逃がしているからです。
一方の菊花は、遭遇した弔兵衛と桐馬を瀕死の状態で穴に落としたと言い、今頃は花になっているだろうと報告します。
しかし、蓮は今回の人間たちを「甘く見るな」と告げました。
そして、壺に入った液体を7杯注ぐと、天仙たちは一息に飲み干します。
老人のようにシワシワになっていた朱槿は途端に若返り、険しい表情を浮かべるのでした。
urara
蓬莱と人面樹
仙道を極め神になった仙人が7つに分裂し、それぞれの役割を持ってこの島を統べている――それが天仙だと言いますが、あくまで言い伝えだと話す木人。
村が栄えていたのは1000年前まで……そこに住んでいたのは長寿で信仰深い人間たち、木人も元々はそのうちの一人だったそうです。
長寿といえどもいつかは死に至り、死に至る前に樹化するのが、その村の人間たちでした。
画眉丸が見た人面樹はまさにそれらだったのです。
佐切たちも同じ場所に辿り着くと、木人は自分もそろそろ樹化するのだといいます。
人面樹の中には、木人の家族もいました。
娘は、親よりも早く幼くして樹化したそうです。
自然と蓬莱の麓に集まり、座禅で拝むような姿で樹化する……そうすることによって死後の魂が蓬莱へ行けると信じられていました。
そして、天仙は蓬莱に入れる者を選別する神であり、決して逆らってはいけないのだと。
佐切は一連の話を聞き、勝手に出て行った画眉丸の無事を祈らざるをえませんでした。
一方その頃、メイに助けられた画眉丸は、彼女とともに蓬莱の麓で倒れていました。
そして、朱槿との戦いを思い起こし、「神ではなく化物ならば、必ず殺す手段がある」と奮起します。
urara
しかし、天仙と戦うには一人ではなく二人、三人、あるいはもっと人数がいると考え、佐切や杠、仙汰の姿を思い浮かべていました。
そんな画眉丸に声を掛けてきたのは、巌鉄斎と付知でした。
アニメ『地獄楽』第9話まとめ
いかがだったでしょうか。
画眉丸と朱槿の壮絶な戦い、メイの助けと仙薬の実在、気になることは絶えない中、天仙たちが一同に集うという見どころたっぷりの第9話でした。
弔兵衛と桐馬、士遠とヌルガイの無事が判明し、ラストシーンでは久しぶりに巌鉄斎と付知も登場。
いよいよ死罪人と執行人たちも合流、共闘していくことが増えていきそうですね。
次回、第10話も楽しみです。