ウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載され、シリーズ累計発行部数400万部を突破した賀来ゆうじ先生の同名作品をアニメ化した『地獄楽』。
”備前の大巨人(だいだらぼっち)・陸郎太”と闘う画眉丸と佐切。
生と死の狭間で、佐切は己が進むべき道を見出そうとします。
討つべき敵を前に、佐切の刀と画眉丸の技――二つが重なり……。
早速、第6話「心と理」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『地獄楽』前回第5話のあらすじと振り返り
毒に倒れた佐切を待っていたのは、兄弟子・源嗣からの「女は帰れ」という言葉でした。
侍と女――相反する生き方に苦悩する佐切。
自分の生き方は自分で決めたいと本心を伝えた矢先、死罪人の陸郎太が現れ、襲われた源嗣は致命傷を負いました。
【ネタバレあり】アニメ『地獄楽』第6話あらすじ・感想
”備前の大巨人(だいだらぼっち)”
陸郎太(CV.田所陽向/幼少期:知桐京子)の攻撃を受けた源嗣は吹き飛ばされ、脇腹が抉れていました。
慌てて駆け寄った佐切に「逃げろ」と告げる源嗣は、もはや瀕死状態。
動揺する佐切の背後に忍び寄る陸郎太を退けたのは、飛び蹴りを喰らわせた画眉丸でした。
強烈な蹴りを受けてもノーダメージの陸郎太を、”備前の大巨人(だいだらぼっち)”と呼ばれている死罪人だと知った画眉丸は、戦闘のために陸郎太の力を見極めようとします。
その力は予想以上であり、辺りに生えている木を投げつけてくるほどの怪力に驚かされました。
画眉丸は近くの木の上に避難していた杠に協力を求めますが、杠の言っていた「共闘」とは、画眉丸たちが戦闘、杠たちが情報提供という、偏ったものでした。
杠に戦う気がないとわかると、改めて一人で立ち向かいます。
そこで、陸郎太の巨大な手に触れれば即死だと感じ取りました。
遠隔の忍術で対抗する画眉丸でしたが、陸郎太はあまりにも頑丈で、なかなか攻撃が通りません。
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共闘
佐切は源嗣の手当てを続けていましたが、源嗣本人は自分の最期を感じ取っていました。
そして、佐切のことを不思議だといい、先ほどまで男のように啖呵を切っていたのに、今は女の慈愛を感じると零します。
瀕死の兄弟子を前に涙を流す佐切は男も女も関係ないと告げ、源嗣は佐切の生き方をようやく理解し、「中道」と評すのでした。
さらに、自分だけでなく、衛善も殺したであろう陸郎太を斬るよう、自らの刀を託します。
その頃、画眉丸は忍法・「火法師」をする隙を見計らっていましたが、一人では厳しいことを実感していました。
せめて二人がかりなら……と思っていると、陸郎太が呻き声を上げます。
背後から忍び寄った佐切が、陸郎太の片手の小指を斬り落としていたのです。
――人体の構造を知り、その間隙を縫う。
首斬り稼業の山田浅ェ門だからこそ成せる技でした。
「手を貸してくれ」「手を貸してください」
画眉丸と佐切の声が重なり、陸郎太を討つための共闘が始まります。
一方、杠によって木に留められていた仙汰は、仲間――源嗣の手当てに行きたいと零します。
すると杠は、「とっくに手遅れだし……アンタ、そんなタマじゃないでしょ?」と返しました。
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心と理
佐切に小指を斬り落とされようが、大きなダメージにはなっていない様子の陸郎太。
やはり首を斬り落とすしかないと思い知った画眉丸と佐切は、首斬り処刑の時と同じように、陸郎太の首の位置が下がるよう――項垂れた姿勢になるよう、動き始めます。
体躯に似合わぬ俊敏さに苦戦していると、陸郎太は空腹で腹を鳴らし、大声で泣き叫びました。
鼓膜をつんざく大きな声に一同が耳を塞ぐ中、隙をつかれた画眉丸が地面に圧し付けられ、気絶寸前にまで追い込まれます。
流血し、意識がハッキリしない画眉丸の前に出た佐切は、陸郎太を素早い剣技でいなしました。
「情をもって力とし、理を持って見失わず……」
源嗣に評されたような「中道」の心で刀を握った佐切は、まさしく覚醒していました。
やがて足元を崩された陸郎太が座り込んだのを見ると、杠は「すごーい」と零します。
兄弟子の仙汰や源嗣は、佐切は段位こそ高くないものの、心と理が一致した時に発揮する力は一流以上だと知っていました。
その技量は、かつて画眉丸も感じ取ったもの……画眉丸は自分の見極めが間違っていなかったことを再確認します。
そのうえで考えた「過激」な戦法が、周囲の木々を火法師で燃やして山火事を起こし、陸郎太を一酸化炭素中毒にさせることでした。
様々な忍術に火法師を絡める画眉丸を見て、杠は彼の目論みに気付き、仙汰を連れて逃げ出します。
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仙人の影
画眉丸の戦略通り、煙を吸った陸郎太はついに地面に伏せ、頭を下げました。
刀を向けられていることに気付くと抵抗しますが、画眉丸が必死に抑え込みます。
佐切が集中して刀を構える姿は、陸郎太の目にもしっかりと映っていました。
――幼少期の陸郎太は、あまりにも大きく、あまりにも頑丈に育ってしまい、常に空腹に悩まされていました。
やがて、その怪力で身の周りのものを壊し、自らの両親や周囲の人々まで殺してしまいます。
お腹が空いていただけ、遊びたかっただけ……。
そんな陸郎太の心と体の飢えは、死によって解放されました。
最期に涙を流した陸郎太の頭を膝に抱え、佐切は「怖がらせたのね、ごめんなさい」と謝罪の言葉を口にします。
そして、「死せる者、等しく安らかであるように」と呟き、その場を立ち去りました。
火に囲まれた源嗣を見て、仲間を弔うこともできない島だと再認識しながら……。
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火の上がる方向へ集まっていく化物たちの姿を見つけた画眉丸と佐切は、手がかりを探すべく、化物たちが来た方向を目指して進みます。
すると、先に進んでいた杠と仙汰を発見。
二人が見下ろしていたのは、村のような集落でした。
仙汰は、この島が本当の神仙郷ならば、ここに仙人が住んでいるのでしょうかと呟きます。
その頃、弔兵衛は倒した化物の血を飲み、空腹を誤魔化していました。
桐馬はそんな兄に苦笑しながら、仙汰同様に仙人の存在の可能性を考えます。
その後、弔兵衛が物音に気付いたため、二人は音の方向へ進みました。
すると、そこには桃のような瑞々しい果実を共有しながらキスをする、二人の女性の姿が……。
驚いて目を見開く弔兵衛と桐馬に気付き、二人の女性はギロリと視線を寄越すのでした。
アニメ『地獄楽』第6話まとめ
いかがだったでしょうか。
陸郎太を討つため、画眉丸と佐切がお互いに手を貸すよう声を掛けるカットがアツかったですね。
佐切は兄弟子たちの死に悲しみを覚えながらも、中道という信念を確かにし、まさしく覚醒といった様子。
陸郎太に対しても慈愛の精神を持つ、強い優しさも垣間見せました。
一方、公式Twitter上で陸郎太のプロフィールが明かされると、「8歳」という年齢設定に驚かされた人々によるツイートが続出!
ヌルガイ役の小市眞琴さんも引用リツイートで「8ちゃい…」とコメントしており、キャストも思わず反応してしまうほどの衝撃だったことがわかります。
また、ラストシーンでは新たなキャラクターが登場し、陸郎太とは違った角度からの衝撃を残しました。
弔兵衛と桐馬が遭遇した二人組は、一体何者なのでしょうか?
次回、第7話も楽しみです。