ウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載され、シリーズ累計発行部数400万部を突破した賀来ゆうじ先生の同名作品をアニメ化した『地獄楽』。
毒に倒れた佐切を待っていたのは、兄弟子・源嗣からの「女は帰れ」という言葉でした。
侍と女――相反する生き方に苦悩する佐切。
その頃、浅ェ門の典坐は死罪人のヌルガイとともに島から脱出すべく船を出しますが……。
早速、第5話「侍と女」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『地獄楽』前回第4話のあらすじと振り返り
神仙郷は、異形の化物どもが潜む地獄の釜の底でした。
見たこともない醜悪な生物に、恐怖と謎が画眉丸と佐切を襲います。
窮地に追いやられるものの、死罪人の杠が二人に手を差し伸べました。
それぞれの思惑が交錯する中、一同は行動をともにするようになります。
【ネタバレあり】アニメ『地獄楽』第5話あらすじ・感想
悪趣味の曼荼羅
――なぜ、そんな目で見るのですか。
佐切は幼少の頃から自分に向けられていた、父の目を思い出していました。
ハッと目を覚ますと兄弟子の源嗣がおり、自身が蝶の鱗粉の毒気にやられて気を失っていたことを聞かされます。
周囲に化物や蟲の気配はないと言われ、寝かされていた樹洞から外へ出てみると、画眉丸、杠、仙汰が集まっていました。
佐切が眠っている間、食糧探しとともに周辺の様子を調べたらしい画眉丸は、仙薬らしきものは見当たらなかったといいます。
しかし、花と化した役人たちと同じような植物をいくつか見つけたようで、島の植物が元人間である可能性を示唆しました。
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博識な仙汰は、島中に設置されている石像から道教や仏教に近い宗教観を感じられるといい、出現した化物の造形も同じように考えられるといいます。
加えて佐切は化物を斬った時の感覚から、化物たちが生物ではあるものの、内臓や生殖器を有していないことに気付いていました。
それについて仙汰も、宗教的ではあるが細部は大ざっぱで、恐ろしいが間抜けだと評します。
そして、そんな化物やこの島を「出来損ないの神様」「悪趣味の曼荼羅」のようだと表現するのでした。
出来損ないならば神ではないと悪い顔をする画眉丸に、杠は「ここが本物のあの世じゃなければ」と笑いました。
舟の墓場
日暮れを感じていた佐切は、島に着いてから一日も経っていないことを痛感。
そこへ源嗣が現れ、「舟で本土に帰れ」と告げます。
侍である前に女であり、山田家の娘である佐切が、ここで命を落とすのは得策ではないと考えているようです。
さらに、先の戦闘で自分の刀を失い、ありあわせの刀を身に付けた佐切を実力不足だと思い、「女の限界だ」と言い切りました。
佐切が俯いていると、仙汰がやって来ます。
仙汰は、そもそも派遣されたほとんどが帰還しない島のため、舟を出すことも叶わないのではないかと危惧してたのです。
一方その頃、実際に舟を出して島から離れようとしていた者たち――執行人の山田浅ェ門典坐(CV.小林裕介)と死罪人のヌルガイは、近海で幕府の船を発見していました。
しかし、すぐにそれらが座礁した舟の群れであることに気付き、島から帰還しなかった人々が乗っていたものだと気付きます。
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ヌルガイの過去
たくさんの座礁船の中、イカやタコのような触手を持った巨大な化物を目にした典坐とヌルガイ。
典坐が海中から襲ってくるそれに果敢に立ち向かおうとすると、ヌルガイは野生の生き物は刀の光や敵対心に敏感なのだと教え、非難しました。
しかし典坐は、ヌルガイに何を言われても「難しいことはわからねえんすよ!」と返し、ただ今を生き抜こうと刀を振ります。
そんな中、ヌルガイは自身の過去を思い出していました。
山の民――サンカであるヌルガイは、山で出会った侍たちに善意で自身の居住地を教えてしまい、仲間たちを根絶やしにされました。
幼さゆえに自分たちがまつろわぬ民だと自覚しておらず、命を狙われる存在だと思っていなかったのです。
ほかの集落も知っている可能性から、一人だけ生かされた状態で捕らわれたヌルガイは、自分のせいで皆殺しにされたのだと己を責めていました。
そうして死罪人となったヌルガイのもとにやって来た典坐は、ヌルガイのような無実の少年を処刑することに疑問を持ち、今回のお役目に推薦したのです。
ヌルガイはサンカの血を途絶えさせないように生きるべきなのか、村の皆に償うため死ぬべきなのか、ずっと悩んでいました。
その悩みは、こうして化物に追われている今も続いています。
典坐とヌルガイが逃げた先で見つけたのは、花化した期聖の姿でした。
ギリギリ言葉を発するくらいの状態ではありましたが、二人の目の前で化物に真っ二つにされてしまいます。
衝撃的な場面に動揺したヌルガイは、生きる気力を失ってしまいました。
そんなヌルガイを助けながら、村の皆や掟ではなく「君自身が死にたいかどうか」を教えてくれと告げる典坐。
ヌルガイはハッとして涙を零し、「死にたくなんかないよ、山に帰りたい」と呟きます。
すると典坐は、「何が何でも生き延びろ!」と叫びました。
その後、二人はどうにか舟の墓場から逃げ出しますが、島へ戻ってきてしまいます。
島の周りの海流がそのようになっていることがわかり、本土へ帰るには外へ抜け出す海流を探さなければなりません。
ひとまず血まみれになった身体を洗おうと二人で衣服を脱いだ時、典坐はあることに気付きます。
ヌルガイは少年ではなく、少女でした。
あっけらかんとした様子で「女だぞ」と言い、裸を晒しても平然としているヌルガイに、うろたえる典坐。
一方のヌルガイは、典坐の男気に惚れたと伝え、無事に帰れたら婿に来てほしいと笑うのでした。
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侍と女
その頃、舟で本土へ帰れるのか危惧していた仙汰は、理由はともかく帰れるならば帰ったほうがいい場所だと佐切に告げます。
しかし、いざ画眉丸を抑えなくてはならなくなった時に、佐切にいてほしいという思いもあると言いました。
仙汰は画眉丸の様子を見て、最初の印象と今現在の印象が違うと感じており、その変化には佐切が関係しているのではないかと考えていたのです。
その晩、皆が休息を取る中、見張り役をしていた画眉丸のもとへ向かった佐切は、画眉丸が倒れた自分を心配してくれていたことを知ります。
そして、佐切とのやり取りを経て「妻と生きると決めたんだ」と覚悟を新たにしたことも知り、その心境の変化に驚かされました。
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翌朝、源嗣に「帰れ」と言われていた佐切は、「帰りません」とハッキリ告げます。
源嗣は、佐切には「山田の子をなす」という生き方があるといいますが、佐切本人にとってはそう思われること自体、堪え難いことでした。
実の父からも女としての生き方を期待されているとわかっていた佐切は、それでも刀を手に生きてきました。
武士として生きれば身内に落胆され、山田家の娘として生きれば外から蔑まれる……そんな自分の人生だからこそ、自分自身で決めたかったのです。
「それはきっと男も女も、あるいは立場も関係なく、誰もが持つ人として当然の感情ではないでしょうか」
膝を付き頭を下げて述べる佐切に、源嗣は「それは侍の生き方ではない」と告げ、刀を抜きます。
すると、振り抜いた刀はいつの間にか佐切に奪われており、源嗣は激昂寸前。
その時、佐切はハッとして源嗣の後ろを指差します。
そこには陸郎太が立っており、源嗣は背後を振り向いた瞬間、脇腹を抉られてしまいました。
アニメ『地獄楽』第5話まとめ
いかがだったでしょうか。
少年だと思われていたヌルガイが実は少女だったことが判明し、佐切、杠、ヌルガイという三人の女性陣の生き方がピックアップされたような第5話でした。
次々と浅ェ門が死亡していき、全体としての生き残りも減ってきた中、単独行動していた死罪人・陸郎太が佐切の目の前に現れます。
島の化物級にやばそうな陸郎太との戦闘は、一体どうなるのでしょうか。
次回、第6話も楽しみです。