ウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載され、シリーズ累計発行部数400万部を突破した賀来ゆうじ先生の同名作品をアニメ化した『地獄楽』。
神仙郷は、異形の化物どもが潜む地獄の釜の底でした。
見たこともない醜悪な生物に、恐怖と謎が画眉丸と佐切を襲います。
窮地の中、死罪人の杠が二人に手を差し伸べました。
それは慈悲か、それとも……。
早速、第4話「地獄と極楽」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『地獄楽』前回第3話のあらすじと振り返り
不老不死の仙薬が眠るとされる島・”神仙郷”の地を踏む画眉丸と佐切。
人面蝶が舞い、美しい花に満ちた不気味な景色が二人を迎えます。
仙薬を探す画眉丸たちの前に立ちはだかったのは、目的を同じとするはずの死罪人でした。
仙薬を手に入れるため、死罪人同士の殺し合い、騙し合いが始まり、山田浅ェ門にも命の危機が……。
そんな中、画眉丸と佐切の相互理解が深まった矢先、島内には人面蝶をはじめとする不気味な蟲や謎の生物、奇妙な巨人たちが現れます。
山田浅ェ門付知とともに行動する死罪人の民谷巌鉄斎は、人面蝶に腕を刺され身の危険を感じ、自身の腕を斬り落としました。
【ネタバレあり】アニメ『地獄楽』第4話あらすじ・感想
危険な島
「剣龍」と呼ばれる民谷巌鉄斎は、とある藩主と酒を飲んだ際に「さすがに本物の龍は斬れない」と笑われ、屋敷の門扉にあった龍を斬り、藩主の腰を抜かして死罪人となりました。
そんな男を担当する執行人・山田浅ェ門付知は解剖の類に長けた存在であり、巌鉄斎に陰気だといわれます。
しかし付知は、解剖は医学を発展させる崇高な使命だと力強く言い返しました。
一方の巌鉄斎は、付知から確かな刀の腕と殺気を感じ取ったのでした。
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巌鉄斎と付知が毒蟲や巨人に遭遇する頃、画眉丸と佐切も奇妙な化物たちと対峙していました。
得体の知れない敵に思わず佐切が息を飲むと、画眉丸は「離れてろ」と呟きます。
地獄か極楽か
奇妙な化物と対峙した画眉丸は、ここは危険だと正しく察します。
どんな拷問を受けても死ななかった画眉丸が大怪我を負った姿を見て、佐切も少なからず動揺していました。
その矢先、二人の周囲を取り囲む化物、巨人の数が増え、画眉丸は巨人に飛びついては次々に忍法火法師を繰り出し、首を落としていきます。
その様子を呆然と見ていた佐切は、数刻前までとはすべてが違ってしまった世界に、とてもこの世の光景ではないと思うのでした。
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気付けば佐切の足元は蟲に囲まれており、目の前には長い腕を振りかざす巨人が迫っていました。
他の化物と戦闘しつつも佐切の危険を察した画眉丸は、余計なものは気にするな、と思いながらも、佐切の「それは弱さじゃない」という言葉や、妻の「情を貫くのが真の武勇」という言葉を思い出します。
そして、気が付けば佐切を救っていました。
さらに、そんな二人を救ったのは、死んだと思われていた死罪人の杠、担当の執行人・山田浅ェ門仙汰(CV.山下大輝)、山田浅ェ門源嗣(CV.ボルケーノ太田)の三人でした。
共闘の誘い
そこらじゅうに倒れている化物を見た杠は、画眉丸を「さすが”がらんどう”!」と褒め、自分は同業の忍者だと名乗ります。
現状が腑に落ちていない画眉丸でしたが、助けてもらったら「ありがとう」を伝えるという妻からの教えを思い出し、渋々「助けてくれてありがとう」と告げました。
杠は画眉丸に近寄ると、身体をすり寄せ、「何でも言うこと聞くから私を守って」と懇願しつつ、共闘の誘いをかけますが、それはくノ一の専売特許たる色仕掛け。
同業である画眉丸が見抜けないはずもなく、杠の腕を捻って締め上げるのでした。
痛がる杠を放してやると、彼女は「やらないよりやって後悔するのが人生」だと言い、共闘の誘い自体は本当だと告げました。
一方、佐切は何故ひとりの死罪人に浅ェ門が二人もついているのか問います。
どうやら源嗣が担当していた死罪人・牧耶が杠に騙されて殺されたらしく、杠を危険視したために行動をともにしているようです。
しかし、実際には色仕掛けに引っかかったのだと、画眉丸と佐切は察していました。
お互い何時裏切ってもいい、死ぬまで利用し合おうと提案した杠は、画眉丸に戦力を期待する代わりに、情報を差し出すと言います。
牧耶を使って危険因子である人面蝶の特性を調べたり、化物たちの姿、島内にある石像から感じられる宗教性を考えたりと、人体実験を厭わない杠、知恵を持つ仙汰のコンビは、確かに情報を持っていそうでした。
死にたくない理由や、牧耶を殺した方法……それらを問う画眉丸に、杠は「気になる? 他人の命とか?……死ぬよ? そんなんじゃ」と答えます。
画眉丸は一拍置いて、「協力ではなく共闘と言うなら」と行動をともにすることを認めました。
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その頃、佐切は島に着いてから何かを成しただろうかと考え込んでいました。
そして、自分は無力だと思いながら意識を失い、その場に倒れてしまいます。
その兄弟は……
山田家入門一ヶ月という早さで代行免許を得た山田浅ェ門桐馬(CV.小野賢章)は、死罪人・亜左弔兵衛の弟でした。
捕縛された兄を助けるために山田家に潜入し、無罪放免となる方法――今回の神仙郷行きの話を見つけてきたのです。
赤穂浪士の子供であった二人は、両親を失ってからというもの、兄弟二人だけで生きてきました。
野盗に襲われた時でも機転を効かせて、気付けば相手の懐に入り、その場を支配しているような兄・弔兵衛のことを、すぐに状況を飲み込み適応していく「変化の天才」だと慕う桐馬。
いつでも自分を導いてくれた弔兵衛を追ってきた桐馬もまた、適者生存のもと強く生き抜いてきました。
そんな二人は、神仙郷で化物に囲まれてもなお、臨機応変に敵と対峙します。
やがて、自分たちを取り囲む巨人たちが「殺しは罪です」と話しかけてきたことに気付き、桐馬は「本物の神仏?」と驚き、目を見開きました。
――ここは極楽ではなく地獄……罪人に仏罰を下すための……。
呆然とする桐馬と背中を預け合う弔兵衛は、「うるせぇんだよ、罪罪罪ってよぉ!」と顔を上げ、次々に化物を倒していきました。
こんな化物がいるなら、仙薬の話も信用できそうだと考えた弔兵衛は、仙薬を見つけて二人で飲もうといいます。
自分たちの生き方に、死にすら口出しできないように、と。
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アニメ『地獄楽』第4話まとめ
いかがだったでしょうか。
死罪人や執行人、それぞれが思いや葛藤を抱えて生き抜こうとする神仙郷……人間同士の戦いだけでなく、vs化物の構図が増えてきました。
バトルシーンの激しさ、軽やかさ、力強さの描写に臨場感があり、化物たちのデザインも原作の雰囲気を纏いつつ、色が付いたことで奇妙さが増しているように思います。
ここは地獄か極楽か……恐ろしくもワクワクする展開に、まだまだ期待が高まりますね。
次回、第5話も楽しみです。