ウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載され、シリーズ累計発行部数400万部を突破した賀来ゆうじ先生の同名作品をアニメ化した『地獄楽』。
画眉丸を探す佐切たちは、天仙の城・”蓬莱”へと足を踏み入れます。
そこに待ち受けていたのは、天仙・牡丹(ムーダン)。
人を実験動物として扱う狂気の笑みが、杠へと向かいました。
その杠を守るべく……仙汰が立ち上がります。
早速、第12話「傘と墨」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『地獄楽』前回第11話のあらすじと振り返り
道士との戦いで瀕死の傷を負った弔兵衛は、人ならざる再生力とともに氣(タオ)に目覚めました。
画眉丸もまた、道士との死闘の中で氣を体得しようと試みます。
そんな中、道士はメイを見て「メイ様」と突如ひざまずき、メイが天仙と同等の存在だということがわかりました。
そこでメイが酷い目に遭っていたことを知った画眉丸は、彼女を連れ戻そうとする道士と戦い、氣を知覚できるようになるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『地獄楽』第12話あらすじ・感想
命の実験場
画眉丸を探して蓬莱まで辿り着いた佐切たち。
そこで遭遇した天仙の牡丹から、これまでの化物たちとは桁違いの「ヤバさ」を感じた杠は、反射的に逃げ出します。
しかし、瞬間移動のように近付いてきた牡丹に捕まってしまい、圧倒的な強さに驚愕しました。
その様子を見ていた佐切は杠を助けようと震えながらも刀を抜き、仙汰は頭部を飛ばされた木人に駆け寄ります。
かろうじて生きていた木人が話す島の言い伝えを、即座に否定した牡丹。
伝説や伝統、宗教形態は島民たちを統べるための嘘であり、「この島は命の実験場」だと語ります。
また、島にやって来た人間で人体実験を行う牡丹は、捕らえた人間をキョウシという操り人形にしていました。
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一方で、質のいい人間は丹にするそうです。
丹という言葉を耳にした佐切たちは、目的の仙薬を思い浮かべますが、牡丹は言い伝えなどと同じく、仙薬も存在しないものだと明かします。
天仙たちは丹を摂取しているものの、普通の人間が飲めば花化するだけ……。
不老不死の研究をしている天仙もいるようですが、成果が出ているわけではないといいます。
一同は絶対に目的が達成されないことを知り、特に佐切は仙薬がないなら画眉丸の願いが叶わないと絶望しました。
そんな中、キョウシに捕らわれていた杠は「忍法・変わり身」を使って抜け出し、油断していた牡丹に攻撃。
頭部と両腕を斬り落とすのでした。
氣の素質
どんな化物でもこれだけやれば死ぬと考えた杠は「命さえありゃ、どうにでもなるから」「最優先は目先の命」と言い、仙薬が実在しないことに絶望する佐切を連れて逃げようとします。
しかし、予想に反して牡丹は再生。
杠から氣の素質を感じた牡丹は、才能があれば房中術か、良質な丹になると考え、彼女を狙います。
すると、「彼女(杠)の生死に関わることなら僕を通してもらわないと」と言って、仙汰が刀を抜きました。
加勢した佐切が牡丹の氣の波動によって倒れる中、仙汰は牡丹の片足を斬り落とします。
その隙を狙って杠が忍術で攻撃を仕掛けると、牡丹は彼女が毒液を飲んで体内で代謝し、粘糸として攻撃手段に変えていることを認識。
それは忍術ではなく、氣の応用だといいます。
そして、氣は感覚であり、衣のようにまとうことで、視覚なしでも多方面からの情報を認知できると語りました。
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牡丹が杠だけに集中しているうちに、木人からヒントをもらった佐切は、画眉丸や陸郎太と対峙した時と同様の呼吸法を用いて刀を構えます。
見事に丹田辺りを斬りつけますが、牡丹は再生してしまいました。
それは氣の総量が足りないからだそうですが、佐切は呼吸法によって一時的に氣を高めることができるようでした。
その力を使ってもう一度斬りつけると、今度は再生しない傷を付けることに成功します。
狂気との戦い
牡丹の発言から氣に属性があること、その属性に相性があることを理解した杠は、牡丹と同じ属性らしい自分よりも、佐切の攻撃が有効だと気付きました。
牡丹の瞬間移動も、杠自身が使う変わり身の術と同じからくりであり、姿を認識できなくさせているだけだといいます。
牡丹は宙に浮き、人間離れした攻撃を繰り出してきますが、杠は何とか地面に引き寄せようと忍術で対抗。
佐切に攻撃させるため、杠と仙汰が協力して牡丹を拘束し、一太刀を浴びせる瞬間を作りました。
そうして呼吸法を用いた佐切は、丹田の辺りを横一文字に斬り裂き、牡丹を行動不能に追い込むのでした。
見事に牡丹を斬った佐切は鼻血を出し、体力ではない何かが削られている感覚、異様な疲労を感じます。
一方、地面に伏して動かなくなった牡丹を見た杠は「化物、神じゃない、なら殺せる」と考えていました。
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何はともあれ、牡丹を倒してひと安心した佐切と仙汰は、いつでも前向きな杠のたくましさに感心します。
仙汰、離脱
佐切は、仙汰が杠に対し、特別な思い入れがあるのではないかと考えます。
実は、仙汰は画家を目指していましたが、生家に山田家へ入門するというしきたりがあったため、夢を諦めた過去がありました。
仕事とはいえ人を殺すことを受け入れられず、人斬りを正当化しようと宗教などの勉強に励んだそうで、皮肉にもその態度が勤勉な姿勢と評価され、段位は上がっていったといいます。
そんな折、このお役目で杠と出会い、役目もお家もどうでもいいと思っていた仙汰の心を見抜かれたのでした。
杠の残酷さや身勝手さをわかっていながらも、その自由さが眩しく、胸が詰まるほど羨ましいのだと涙する仙汰。
執行人として、死罪人に憧れるなど御法度のはずですが、画眉丸に思い入れがある佐切は、仙汰の気持ちに理解を示しました。
その頃、道士を倒して氣を知覚し始めた画眉丸は、自分を二度も助けてくれたメイに恩返しがしたいと言い、「何か頼みがあるなら聞かせてくれ」と問いかけます。
報告に聞いていた人柄とだいぶ違う画眉丸を、付知が注意深く観察する中、画眉丸は鼻血を出して倒れてしまいました。
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一方、牡丹を倒した後、その場に留まっていた佐切たち。
杠は先ほどまではなかったはずの花が咲き誇っているのを見て、「こんなに咲いてたっけ?」と問いかけます。
その瞬間、花の一部が触手のように飛び出し、杠を狙いました。
「杠!」と佐切が叫ぶのが早いか、杠の前に出て盾となったのは仙汰。
杠を庇って攻撃を受けた仙汰は、花化してしまうのでした。
花化した仙汰、そして攻撃してきた植物の正体――いよいよ人型を捨て、巨大な化物と化した牡丹を前に、佐切と杠は絶望します。
化物からの攻撃を避ける間もなく、喰らうしかないのかと諦めた瞬間。
一瞬でその攻撃を退け、二人を守ったのは、士遠でした。
アニメ『地獄楽』第12話まとめ
いかがだったでしょうか。
佐切、杠、仙汰の息の合った共闘に勝機ありかと思いきや、天仙はやはり化物……事態は一変してしまいました。
助太刀に入った士遠、そして一緒に来ているであろうヌルガイは心強いですが、一体どうなるのでしょうか。
画眉丸たちとも合流できないままで、ついに迎える最終回。
次回、第13話も楽しみです。