ウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載され、シリーズ累計発行部数400万部を突破した賀来ゆうじ先生の同名作品をアニメ化した『地獄楽』。
メイの助けによって窮地を脱した画眉丸は、巌鉄斎、付知と共闘の約束を交わしました。
天仙を討つ術を探す一行に、メイは天仙の力の源――”氣(タオ)”を教えます。
その氣を操る異形の道士が、画眉丸たちに襲いかかり……。
早速、第10話「陰と陽」をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『地獄楽』前回第9話のあらすじと振り返り
妻と会う……その思いが画眉丸を島の中心へと向かわせます。
佐切たちを村に置いていき、たった一人の身で辿り着いたのは、巨大な人工の建築物。
その門の前で、画眉丸は天仙とで出会ってしまい、1対1の激しい戦闘へ突入。
窮地に追いやられた画眉丸を救ったのは、メイの不思議な力でした。
【ネタバレあり】アニメ『地獄楽』第10話あらすじ・感想
新たな共闘関係
メイに助けられ窮地を脱した画眉丸は、巌鉄斎と付知に遭遇。
弱っている画眉丸と、片手を失っている巌鉄斎は、互いの強さを認めつつ、相手がどう出るか牽制し合っていました。
そこで付知は、今は争うことよりも情報収集が必要だとして、情報の共有を求めます。
画眉丸は、自分はもう「”がらんの画眉丸”ではない」と考え、二人の前で頭を下げると、共闘関係を結ばないかと持ち掛けました。
それは先の戦いで、天仙に単独で討ち勝つことは不可能だと体感したばかりだったこと、巌鉄斎と付知の強さを感じ取っていたことからの行動でした。
巌鉄斎は、一時前までの敵意を消し、頭を下げる画眉丸に落胆する様子を見せましたが、付知はまず持っている情報を明かすよう促します。
画眉丸が知る天仙や蓬莱についての情報を伝えると、二人は想像もしなかった内容に驚愕し、激しく食いついてきました。
そして、画眉丸が無罪になるためなら手段は問わないという一方で、巌鉄斎は無罪が目的ではないと言います。
彼の目的は「不老不死」――それも言葉通りの身体的な意味ではなく、歴史に名を刻むということでした。
だからこそ、より強い相手と戦い、自己研鑚し、天下にとどろく偉業を成すことが巌鉄斎の行動指針となっています。
付知も、「不死の生体には興味がある」ということで、無事に共闘関係は成立しました。
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ふと気が付くと、倒れていたメイが起き上がっていました。
幼さは残しているものの、短い時間の中で成長した姿のメイに、画眉丸は驚かされます。
”氣(タオ)”の存在
メイは幼女から少女の姿に成長しただけでなく、言葉も発するようになっていました。
画眉丸の名を呼ぶ彼女に、「(メイも)天仙様と同類なのか」と問いかけます。
一方、木人ととも行動していた佐切たちも、新たなフェーズに入っていました。
仙汰が「ここが本物の神仙郷だというのは無理がある」と語り始めたからです。
特定の時代、文化が表層的に混じっているだけの島の構造や信仰は、新興宗教のような歪さがあるといいます。
そう考えると、島に入った外部の人間が帰ってこなかったり、花化した人間だけ戻ってきたのも、人為的なものに感じられました。
その頃、画眉丸はメイから天仙たちが操る”氣(タオ)”の存在について知らされます。
しかし、言葉の少ないメイの説明では「タオ、心、強い、弱い」など単語のみになるため、詳細がわかりませんでした。
”氣”については、佐切たちも木人から聞いていました。
”氣”は万物を流転する力のことだと言いますが、島の独特な信仰に基づくものであるため、彼らの表現で説明を受けても理解が深まりません。
杠は「説明上手でイケメンな先生いないもんかね」と不満を零すのでした。
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先生と教え子
ヌルガイは士遠から剣を教わろうとしますが、士遠は頑なに拒んでいました。
そこには、もう目の前で若者が死ぬところを見たくないという思いが強くあり、「先生」と呼ばれることすら、自分は何も与えていないからと拒否します。
そんな士遠に、ヌルガイは涙を流しながら、典坐の仇を討つと誓ったじゃないかと言いました。
典坐の死の悲しみを共有する二人は、やがて師弟関係になっていきます。
「この世のものにはすべて固有の波がある」と語り出した士遠は、波を利用すれば感覚だけでなく身体能力も向上すると説明しました。
タイミングが良いのか悪いのか、士遠とヌルガイの周囲に化物たちが集まってきます。
士遠はこれまでに説明したことを実演するかのように化物を斬っていき、ヌルガイも教わったことを実践しながら戦闘へ挑むのでした。
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道士の出現
画眉丸たちのもとにも化物たちが集まって来ていました。
戦い方は戦いの中で覚えればいいと豪語する巌鉄斎は、「そのタオって力を教えてくれ、お嬢!」と言いながらメイを肩に乗せます。
その頃、桃花と牡丹(CV.諏訪部順一、甲斐田裕子)は睦み合いながら、花化した人間が壁に蔓延る穴について話していました。
仙薬の素にするためには、生きたまま穴に落とさないといけないと牡丹は言います。
一度落ちてしまえば、内壁に蔓延る花化した人間たちが逃がさないように出来ているそうです。
ところが、弔兵衛は桐馬を背負って穴の底から這い上がり、見事脱出していました。
ただ突き進んでいく弔兵衛に、「(天仙は)勢いでどうにかなる相手じゃない」と進言する桐馬。
しかし、弔兵衛は天仙と対峙した経験から、下半身から再生していたこと、とりわけ股間やへそ辺りが弱点であろうことを見抜いていました。
無意識に状況整理と対策を練ることができていた弔兵衛に桐馬が感心したその時、二人の前に何者かが現れます。
道士を名乗る彼らは天仙たちの弟子だそうで、天仙の身の回りの世話などをしているそうです。
ほかの化物たち――竈神(そうしん)とは違い、姿形は人間に近く知性もあり、話し合いを持ち掛けてきました。
偵察に来ただけだと語る道士に迷わず襲いかかった弔兵衛を見て、道士は竈神たちを呼び寄せます。
弔兵衛が桐馬に竈神を任せると、桐馬は瞬時に竈神を斬っていきました。
一方、道士は弔兵衛と対峙すると、「タオの流れを見れば一目瞭然だ」と分析を開始。
弔兵衛が相当弱っていることを見抜き、一撃で地面に沈めてしまいました。
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アニメ『地獄楽』第10話まとめ
いかがだったでしょうか。
”氣(タオ)”の存在が明かされ、いよいよ死罪人と執行人たちのバトルから、死罪人・執行人たちと天仙のバトルに進んでいきそうです。
士遠や佐切ら浅右衛門が知覚する波のような感覚、画眉丸の忍術や、弔兵衛の不死身のような力は、”氣”と限りなく同等のもののように思えます。
これから”氣”を扱った熾烈な戦いが始まりそうで、ドキドキ、ワクワク、ハラハラしますね。
短期間で成長したメイの正体も気になりますが……!
次回、第11話も楽しみです。