映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』あらすじ・ネタバレ感想!インド発!暴走牛対1000人の狂人の戦いを描く恐怖の牛追いスリラー

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』

出典:『ジャッリカットゥ 牛の怒り』公式ページ

インドの鬼才と呼ばれるリジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ監督がメガホンを取った『ジャッリカットゥ 牛の怒り』が、2021年7月17日より公開開始!

怒り狂う暴走牛と牛を追う1000人の村人たちが戦いを繰り広げる、インド発のパニック・スリラーです。

アカデミー賞の国際長編映画賞インド代表に選出され、インド国内外で高い評価を得ており、『ミッドサマー』のアリ・アスター監督も自身のツイッターで今作を絶賛

マルコヤマモト

夏にぴったりのアドレナリン放出しまくり映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』について、ネタバレありでレビューします。

映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』作品情報

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』

(C)2019 Jallikattu

作品名 ジャッリカットゥ 牛の怒り
公開日 2021年7月17日
上映時間 91分
監督 リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ
脚本 S・ハリーシュ
出演者 チャンバン・ビノード・ジョーズ

アントニ・バルギース

サーブモーン・アブドゥサマド

ジャーファル・イドゥッキ

シャーンティ・バーラクリシュナン

音楽 プランシャーント・ピッライ

映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』あらすじ【ネタバレ】


村をあげての大騒動!逃げた水牛を捕まえろ!

南インド・ケーララ州のジャングルの中にあるとある農村。

肉屋に勤める冴えない男・アントニ(アントニ・バルギース)が水牛を屠畜しようとすると、命の危機を感じた水牛は怒り狂って脱走。

夕飯の材料や婚礼の宴会のために水牛の肉を手に入れようと肉屋に群がっていた人々が逃げた牛を見つけて追うも、あまりの凶暴さに太刀打ちできないまま水牛は再び逃走を始めます。

暴れ牛は商店や銀行を破壊し、教会のタピオカ畑を踏み荒らす!

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』

(C)2019 Jallikattu

牛を逃してしまったアントニは、この一件で愛想を尽かされてしまったソフィ(シャーンティ・バーラクリシュナン)を再び振り向かせるために、自分の手で水牛を捕まえようと奮闘します。

いつの間にか警察・教会・隣の村のならず者達も参加し、村中が大パニックに陥りますが牛は捕まらず…。

そんななか、密売が原因で村を追放されたクッタッチャン(サーブモーン・アブドゥサマド)が呼び戻されますが、実はソフィをめぐっていがみ合い、自分の罪を密告したアントニのことを恨んでいました。

牛は見つからないまま再び夜を迎え、やがて牛追い騒動は人間達の醜い争いへと発展していきます…。

映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』感想【ネタバレ】

90分怒号が飛び交いっぱなし!驚きのインド映画

世間一般や私の中のこれまでのインド映画のイメージは、「3時間越え」「美男美女の恋」「歌とダンス」「よくわからないけどすごいCG」でしたが、『ジャッリカットゥ 牛の怒り』はそれをまるっきり覆す、驚きの内容でした。

マルコヤマモト

まず、3時間越えは当たり前のインド映画で上映時間はわずか91分!

ダンス、歌、美女なんか皆無で、出てくるのは漢!漢!漢!たまに牛、そして再び漢!漢!たまに女性と老人、そして牛、数多くの漢。

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』

(C)2019 Jallikattu

そして最初から最後まで何かわからないけれど、とにかく怒号が飛び交いまくり。

正直みんな怒っているし、誰も止める人やまとめる人も現れないし、常に怒っている姿を見ていることに飽きるくらいに怒っています。

マルコヤマモト

やばいやばい。こういう状況になったらもう怪我をするので客観的に観るしかない。誰かに感情移入しようにも誰が誰だか分からないし、物語のスピードが早すぎる!

気づけばあいつが死んでいる、気づけばあいつが怪我している、でもあいつは誰だ?と気にしている暇もなく怒涛のスピード感で物語が進んでいきます

唯一あるドラマといえば、アントニに因縁があるクッタッチャンが「本当はお前を始末しに来たんだぜ〜」と暗闇で打ち明け、2人が対決するシーンくらい。

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』

(C)2019 Jallikattu

男達の牛追いはもはやその目的を失い、「誰が1番に牛を捕まえるか」を競う意地とプライドをかけた欲望まみれたの戦いへと変化。

そしてもはや誰が何に対して怒っているのかもわからず、最後は誰が誰かも分からない超もみくちゃドロドロになりながら壮絶なエンディングに。

マルコヤマモト

わかった…!本当に怒っているのは牛じゃない!人間じゃないか!と気付かされ、笑ってしまいました。

パワーあふれるインド発・怒れる牛映画!

タイトルにもなっている「ジャッリカットゥ」は、インドのタミル・ナードゥ州に伝わる2000年以上にわたる歴史を持つ儀式。

牛を群衆の中に放ち、牛の背中にあるコブに参加者が両手で捕まり続けることを競いますが、非常に危険を伴うということ。

この競技の存在とルールを知ったとき、ラストシーンの群衆が牛に群がり人の山を作っていく行動こそが儀式そのもので、恐ろしさの中に変な神々しさすら感じました。

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』

(C)2019 Jallikattu

ジャッリカットゥ 牛の怒り』に参加したエキストラは2000人とも言われ、圧倒的な数のモブの存在が恐怖をさらに掻き立てます。

狂気の祭り的な要素と常軌を逸した人間達、謎の神々しさという点では、今作を絶賛しているアリ・アスター監督の『ミッドサマー』に通じるものあると思いました。

今作もまた『ミッドサマー』のキャッチフレーズを借りた、インド発「フェスティバル・スリラー」と言っても良いでしょう。

また、インドでもキリスト教徒は普通に牛を食べることなど、宗教によって異なる文化についても知ることができました。

マルコヤマモト

この撮影現場、泥だらけになるだろうけど絶対に楽しい!たった一頭の水牛のためにがむしゃらになる男達が少しだけ羨ましくなりました

SNSでのみんなの感想・評判

マルコヤマモト

その筋の人ならば絶対好きですよね、はい、私も大好きです。

牛追いワイルドスピード」とも「徒歩版マッドマックス」とも言われている『ジャッリカットゥ 牛の怒り』ですが、それらの映画を期待していくと少々肩透かしを喰らうかもしれません。

ただ怒っている男達の様子をずっと見せられる前半は少々退屈に感じるかも知れませんが、それを越えれば夢のようなご褒美タイムが待っています。

キリスト教の黙示録が冒頭とラストに引用されており、考察し甲斐があるのかないのかも全くの謎ですが、終わり方は超カッコいいです!

マルコヤマモト

私はインドカレー屋で激辛のビーフカレーを食べて帰りました。すまんな、村の男達よ。

映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

インド映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』について、ネタバレありでレビューしました!

マルコヤマモト

新型コロナウィルスの影響で忘れていましたが、今作を見て今年が丑年であることを思い出しました。まさに丑年にぴったりの映画ですね。

暑い夏ですがこれまたお祭りなどなく、日頃の鬱憤が溜まっている人も多いと思います。

そんな方はぜひ映画館で、熱狂の牛追いまつり「ジャッリカットゥ」に参加してみてはいかがでしょうか?

マルコヤマモト

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』を鑑賞すれば、きっとギラギラとエネルギーに満ちて家路につけるはずです!