レベル・ウィルソン主演の『ロマンティックじゃない?』は、ラブコメ映画あるあるのすべてを体験するナタリーを描いた爆笑コメディ。
パッとしない日々の生活にいじけ気味の主人公が迷い込んだのは、イケメンにモテモテ、何もかもがキラキラと輝くラブコメ映画の世界。
現実離れしたパーフェクトすぎるハチャメチャな周囲に、腹をくくって冷めた目でハッピー・エンドにこぎつけようとするナタリーを、好感度抜群のレベル・ウィルソンがチャーミングに演じております。
大キライなラブコメだけど、お作法通りに結末に向かえれば、こんな悪夢のような世界からおさらば出来るはず!と、悪戦苦闘する展開が、楽しい作品です。
・なにもかもがキラキラなのに悪夢
・盛りまくるラブコメ映画あるある
・気づいていなかっただけ
それでは『ロマンティックじゃない?』をレビューします。
目次
【ネタバレ】『ロマンティックじゃない?』あらすじ・感想
ちょっと残念な現実
ニューヨークで建築家として働くナタリー(レベル・ウィルソン)の毎日は、ちょっと灰色。
大好きな仕事なのに、人にノーと言わないがために同僚には雑用を押し付けられ、貧乏くじをひいてばかりです。
せっかくの建築プランのプレゼン会議でもイケメンのクライアントのブレイク(リアム・ヘムズワース)にまで、コーヒーの買い出しを頼まれる始末。
そんな周囲の身勝手さに閉口するナタリーを励ますのは、同僚のジョシュ(アダム・ディヴァイン)と、職場なのにいつも席でラブコメ映画を見る、ちょっとユルいアシスタントのホイットニー(ベティ・ギルピン)のふたりです。
ナタリーは、職場でちやほやされたいわけじゃないけれど、透明人間扱いされるのもキツイと、ラブコメ映画に癒しを求めるホイットニーに、現実は映画のようにはいかないとぼやくのでした。
まさかのキラキラな世界
ある日、仕事帰りの電車で強盗に遭ったナタリー。病院で目覚めると、そこはこれまでと違うキラキラした世界でした。
ハンサムすぎる医師に、ラベンダーのような香りの町、偶然に出会ったブレイクにくどかれ、安アパートのはずの家は広くなり、豪華にグレードアップして高級品だらけ。
職場ではスター建築家扱いをされるようになり、仲がいいはずのホイットニーとは宿敵のような関係になっているではありませんか。
ナタリーが、何が何だかわからないと悪態をつこうとすると、どこからともなくピーと音がなり、悪い言葉もうかうかつかえないのです。
ナタリーは自分がどうやら、ラブコメ映画の世界に迷いこんだと気づくのでした。
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寝起きでもフルメイク、誰もがスタイリッシュで、意味なくドラマチックな音楽が流れ、フラッシュモブまで始まるし、こんな世界なんか悪夢、しかも「家族向映画PG13だしーーー!」と叫ぶレベルを映す引きのシーンには、くすっと笑ってしまいます。
ラブコメ映画のお作法通り
迷い込んだラブコメ映画の世界で、ナタリーは誰からもちやほやされ、居心地が悪いとあせって脱出することばかり考えます。
ついには、ラブコメの世界なのだから、誰かと恋に落ちてハッピー・エンドを迎えればいいと、安易にイケメンのブレイクを意中の相手と決めて、この世界のお作法にのっかることにします。
ところが赤いドレスを身に着けて夢のようなデート、雨の中のキス、ブレイクに愛していると告白されて、ヒロイン役から解放されるとか思いきや、何も起こりません。
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恋する相手がちがうのかも…と本当に気になる相手、同僚のジョッシュへの恋心と向き合うことにしたナタリー。ブレイクやホイットニーは、現実世界とちがう人物像なのに、ジョシュだけは、このキラキラの世界でも変わらず同じ。
ところがそのジョシュは、会って間もないヨガ親善大使で水着モデルのイザベラ(プリヤンカー・チョープラー)と、電撃結婚をすることになり、ナタリーは心中穏やかでありません。
これは、まさに恋人を取り戻すラブコメ映画の王道の展開なのに、ジョシュが気になるあまり、そのド定番に自分が踏み入れていることすら気づかず、ナタリーは右往左往するのでした。
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自分を大事にすること
勢いだけでイザベラと結婚に急ぐジョシュを心配するナタリーですが、ラブコメ映画の世界に慣れてきてもジョシュへの想いを伝えることができません。
それではいけないと、クライマックスにふさわしく、どこからとも流れてくる音楽をバックにナタリーはジョシュのいる教会へと走るのでした。
そしてジョシュと向き合い筋書き通りに、告白しようとしたそのとき、ふとこれまで状況や周囲の気持ちばかり尊重するばかりで、自分に正直に生きてこなかったと気づいたナタリー。「私は自分をなによりも愛している!」と口にして、やっと元いた現実世界への帰還を果たすのでした。
『ロマンティックじゃない?』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『ロマンティックじゃない?』をレビューしてきました。
・ラブコメ映画あるあるを逆手にとった楽しい作品
・現実に戻ってからのナタリーの変化が心地いい
・自分の気持ちと向き合うことを忘れないで
ラブコメ映画なんか大嫌い
ナタリーが全否定するラブコメ映画の世界には、終始ドラマチックに音楽が流れ、ヒロインはいつだってフルメイクで完璧、おしゃれな洋服選びだけのシーンが登場する前提。
ヒロインの同僚は必ず宿敵だし、どんなことがあっても支える友人の登場は必須、クライマックスで走るときは絶対にスローモーション、主人公の心の吐露はボイスオーバーとして、どこからともなく聞こえてくると、ラブコメ映画のお約束をナタリーがぼやきながら解説します。
視聴者の私たちも、そのナタリーのラブコメあるあるをベースラインとしてセットされて、それが効果的に働きます。
そしてエンディングではラブコメ映画定番の展開を逆手に、レベル・ウィルソンが悪態をつきながら、笑えるシーンを披露、ハッピー・エンドへと導いてくれるのです。
歌って踊るベタなエンディング
ナタリーが、ジョシュに告白をするのに教会に乗り込んで行ったはいいけど、最後の最後に「あれ?なんか違うな?」と、自分にとって何が重要かと気づくシーンがコメディならでは展開です。
視聴者もあれ?告白しないの?とハシゴをはずされた気持ちになりますが、ナタリーのいじけていた自分と決別!なるほど、そう来たかと笑みがもれます。
自分に自信を持つこと、自分を愛しむことで、それまでみえていた景色が変わって見える…世界がバラ色にみえるか、灰色にみえるかは自分の気持ち次第。
そして作品は、思考と言動、行動にやっと調和がとれて、喜びを全開にしたナタリーが、ラブコメ映画にふさわしい弾けたダンスを披露するベタなシーンで、終わるのです。
蔵商店
イマイチ、パッとしなかったナタリーが、ちょっとした気づきで、生き生きした女性へと変貌を遂げる軽快な展開が、楽しい作品です。
是非、ご覧ください。
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