冤罪とは、「無実であるのに犯罪者として扱われてしまうこと」です。
『イノセンス 冤罪弁護士』は、一人の若き弁護士が、科学者の協力を得て、意外な実証実験で冤罪事件を解き明かしていくドラマ。
登場人物の名字は、すべて日本各地の温泉地名に由来しているというのもちょっとした楽しみになっています。
また、毎回変わるゲスト俳優が豪華でドラマを盛り上げています。
それではさっそくドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』のキャスト・あらすじ・ネタバレ感想を紹介したいと思います。
『イノセンス 冤罪弁護士』ってどんなドラマ?
冤罪とは…「無実であるのに犯罪者として扱われてしまうこと」
実は…普通に暮らしている一般の人々が冤罪の犠牲になっていることが少なくありません。
このドラマは、一人の若き弁護士が、科学者、ジャーナリスト達の協力を得て、意外な実証実験で、冤罪事件を解き明かして行く、大人も楽しめるヒューマン・リーガル・エンターテインメントです!
出典:『イノセンス 冤罪弁護士』公式ページ
『イノセンス 冤罪弁護士』キャスト/役柄
坂口健太郎 / 役:黒川 拓
- 保駿堂法律事務所に所属する弁護士
- 不可能に近いとされる「冤罪弁護」に積極的に立ち向かい勝利した実績を持っている
- 先入観や思い込みを基にした捜査に対し、その矛盾点を突いていく
- 基本的にいつも金欠
川口春奈 / 役:和倉 楓
- 保駿堂法律事務所に入ってきた新人弁護士
- 手伝いとして拓と共に弁護活動にあたることになり振り回される
- 拓が行う実証が「損得抜きの真実を求めるためのもの」と知ってから、次第に拓を見る目が変化していく
藤木直人 / 役:秋保 恭一郎
- 東央大学理工学部物理学科准教授で、拓の学生時代の先輩
- 他人に興味が無いにも関わらず、拓から依頼がくると犯罪における様々な実証実験を引き受ける
- 肉親にまつわる悲しい過去を持つ
『イノセンス 冤罪弁護士』あらすじ
日本では起訴された事件のほぼ100%が有罪という中で、過去3年間に5回もの無罪判決を勝ち取った実績を持つ弁護士・黒川拓(坂口健太郎)が確実に冤罪事件の真相を究明していきます。
ある理由で彼の働く保駿堂法律事務所に移籍してきた弁護士・和倉楓(川口春奈)は、始めは黒川の危なっかしい行動に憤っていましたが、次第に彼の事件と真摯に向き合う姿勢に理解を示し自ら進んで協力するようになります。
黒川が真相究明にそれほど熱心になる理由は、彼が大学生であった11年前に経験したある事件がきっかけでした。
その事件が原因で父親、黒川真(草刈正雄)とは不仲であり、実家を離れ、事務所の一室を「黒川拓家」とし、そこに寝泊まりしています。
真相究明には、黒川の熱心な調査と鋭いひらめき、そして東央大学の物理学科秋保准教授(藤木直人)の実証実験による協力が不可欠です。
元理系の黒川の意表を突く着眼点と、それを即実験に移行する秋湯教授の精度の高さと手際の良さ、この二人の鮮やかな連係プレイには、毎回爽快感さえ感じます。
【ネタバレ】『イノセンス 冤罪弁護士』感想レビュー
第1話 自宅に放火した容疑で逮捕された男の弁護
拓(坂口健太郎)の元に、依頼者である阿蘇恵美子(中島ひろ子)がやって来ました。
夫の重雄(吉田栄作)が保険金目当てで自宅に放火した容疑で捕まってしまったので助けて欲しいと言うのです。
拓らが重雄に接見すると、警察から虚偽の自白を強要されたということでした。
公判初日、刑事の下呂は重雄の有罪を主張しさらに重雄を挑発すると、重雄は法廷で暴れて裁判官の心証を悪くしてしまうのでした。
それを見た楓(川口春奈)は情状弁護に切り替えることを拓に提案しますが、拓は聞く耳を持ちません。
拓は、物理学科准教授である秋保(藤木直人)の実験施設を訪れ、事件と同じ状況で実験を行うことを依頼します。
すると新事実が発覚するのです。
放火と見られていた火災は、無線機の違法電波によってストーブが出火したことが原因でした。
拓は重雄の無罪を主張して、逆転無罪を勝ち取ります。
重雄と恵美子は拓に感謝し、新たな土地で人生を再スタートすることにしたのでした。
最初から、拓の充分な調査・実証が必要という一貫した姿勢が伺えます。
初めて拓のアシスタントにつき、調査に対しいちいちその意義を問いかける楓に対しても、拓の回答はいつも「わかりません」「やっている、やっていない、どうして決めつけるんですか?ぼくにはわからない」と動じません。
秋保准教授の法廷でのシーンも素敵でした。
火元と思われていた二階からの出火を否定するシーンでは、相手側の専門家の意見をバッサリ切りすてて「そんなものは科学者じゃない!」と豪語しました。
一方で、拓の父が検察庁の長で、検察官に入れ知恵する様子は複雑な親子確執があることが垣間見えました。
第2話 コンビニ強盗の容疑者の弁護
旭川のコンビニエンスストアで強盗事件が発生します。
現金7万円が奪われ、店員は全治2週間の怪我を負いました。
近所に住む飲食店アルバイトの十勝岳雄(山田裕貴)が逮捕され、拓は当番弁護士としてこの事件を担当することになりました。
十勝は10代の頃から窃盗を繰り返して何度も補導されており、十勝は容疑を否認しますが警察からは信じてもらえずに気が立っていました。
接見した黒川と楓は、そんな十勝から弁護拒否をされ追い返されてしまうのでした。
調べていくと事件発生日、十勝がガソリンスタンドに寄っていたことがわかります。
監視カメラの映像に十勝の姿が映っていましたが、事件発生時刻より早い時間帯でアリバイを証明することはできません。
黒川は、ガソリンスタンドの向かいの家にある大きなオブジェに目をつけます。
そして、秋保に監視カメラの映像解析を依頼します。
すると監視カメラの映像が15分遅れていることがわかったのです。
さらにコンビニエンスストアに付いていた十勝の指紋が、事件発生日よりも前のものであることも立証され、無実が証明されたのでした。
容疑者の十勝はこれまでの素行が悪かったり、母子家庭だからという理由で周りの人から心ない言葉を言われたり、強盗したと疑われたりと偏見や決めつけに怒りを覚えていました。
拓の監視役のはずの楓が同じ母子家庭という境遇に共感し、無実を晴らそうと懸命になっていきます。
母親(仙道敦子)の息子を信じる愛情にも救われました。
拓が十勝に「人は変わることができる」と言ってくれたので良かったです。
この回は、拓が日の出オブジェに目を付けたことが功を奏し、防犯カメラよりも重要な証拠となりました。
第3話 13歳の少女の手術中の事故死、その原因を探る
青ヶ島病院に勤務する看護師の白山美紀(青野楓)が拓の元を訪ねて来ました。
病院で13歳の少女の手術中に人工心肺が停止して亡くなるという事故が発生しました。
美紀は、病院側が執刀医の雲仙一彦(平岳大)ひとりに責任を負わせているのが納得できないと言うのです。
雲仙は遺族との話し合いにも参加せず、捜査に非協力的ということで逮捕されてしまいました。
拓が雲仙に病院の内部調査報告書を見せると、嘘の記載ばかりだとわかります。
人工心肺が突然止まったことで起きた事故でしたが、その記述が報告書には一切ありませんでした。
病院を訪れた拓は、手術のあった日に病院内の洗濯機が故障したり、テレビがつかなくなったりしたという情報を入手します。
あることに気づいた黒川は、秋保に実証実験を依頼し、事件の真相が明らかになりました。
手術当日に逆流雷という現象が起きており、それが人工心肺に影響を及ぼしていたのです。
病院には避雷器の設置が義務づけられていますが、青ヶ島病院の避雷器は故障したまま修理を怠っていたのです。
黒川は病院の管理体制の不備が原因で起きた事故であると主張しますが、裁判官からは懲役一年の実刑判決が下されてしまいました。
黒川は無罪を勝ち取れなかったことにショックを受けるのでした。
真実解明に向けて、今回も大掛かりな実験が行われましたが望む判決とはなりませんでした。
拓の表情が本当に辛そうでした。
実刑判決を受けた雲仙医師が、同期で病院を良くしようとしていた友の磐梯医師(山本耕史)に病院改革案を託す姿勢は素晴らしいと思いました。
最後に、拓が給料が出たからと調子に乗って食べ物を大量に摂取し、腹痛で倒れるといったシーンがありました。
拓の自己管理ができていないところに母性本能がくすぐられました。
第4話 食品玩具メーカーの女性の後輩殺害容疑の弁護
拓は玩具メーカーに勤める小笠原奈美(ともさかりえ)の弁護を引き受けることになります。
奈美は、会社の後輩・姫島理沙(入山法子)殺害の容疑をかけられていました。
理沙の死因は溺死ですが、遺体の肺から大量の砂が出たことから奈美が疑われたのです。
裁判初日、奈美の上司である鶴見(村上新悟)が、証人尋問で奈美からストーカー被害に遭っていたと証言します。
鶴見は理沙と自分の関係を疑い、その嫉妬心から理沙を殺したのではないかと発言しました。
奈美は拓に隠していたことを話し始めます。
奈美は理沙に嫉妬している自分が嫌になり、理沙と距離を置くために最後の旅行に誘ったと言うのです。
そこで理沙との友情の証であるペンダントを海に投げ捨てたと聞いた拓はペンダントを探し出します。
ペンダントが発見され、真実が明らかになります。
理沙は奈美が捨てたペンダントを必死で探し出している時に溺れてしまったのです。
理沙の手にペンダントでできた傷があったことにより、明らかになりました。
また、秋保の実験で逆潜流に巻き込まれて理沙は亡くなったことも証明され、拓は無罪を勝ち取ることができました。
奈美はいつのまにか自分より仕事もプライベートも充実している理沙へ嫉妬心を持ってしまいます。
理沙が事故で亡くなり疑いをかけられた奈美は、自分が嫉妬から理沙の事故のきっかけを作ってしまったと感じていたため、一度も「殺していない」と言っていません。
拓が「やってないんですよね」というと初めて、「信じてくれるんですか」と泣きながら呟いたのが印象的でした。
今回は海が現場で、拓がいきなり服のまま海に潜るという行動には驚きました。
秋保のアドバイスでかなり大掛かりな検証実験をしていて、見ごたえがありました。
海からの帰りに、急に実家に寄るという予想外の展開もありました。
食事中の会話から、やはり父親とは何か壁があるように感じました。
第5話 フェンシング部のエースが心停止、その顧問を弁護
開南高校フェンシング部の顧問・高松洋介(豊原功補)が弁護士事務所を訪れました。
エースの藤里瞬(清水尋也)が練習中に心停止で倒れ、業務上過失傷害で在宅起訴が決定したので助けて欲しいと言います。
拓がフェンシング部に話を聞きに行くと、部員の田代(柾木玲弥)が法廷で証言してもよいと申し出てきました。
しかし、田代は高松が体罰を行っていたと証言したのです。
さらに藤里に対して暴行する映像も持っていました。
拓は、その動画に疑問を感じ、藤里が心停止を起こしたタイミングも気になっていました。
そこで秋保に協力を依頼し実験を行ったところ、真実が明らかになりました。
科学部の森吉(木村風太)が、藤里本人に頼まれて剣に心停止を起こすような細工をしていたのです。
藤里は高松の指導にプレッシャーを感じていましたが、親も高松もフェンシングを辞めることを許してくれず、もう死ぬしかないと考えるようになります。
そして田代の発案でこの計画を立てたのでした。
藤里は自分のしたことを後悔していました。
拓は「生きて償って立ち直ってください」と藤里に告げます。
さらに報道陣に「批判ではなく、ありのまま正確にこの事件を伝えて欲しい」と頭を下げるのでした。
高校生たちがしたことは許されることではありませんが、窮地に立たされていたことを思うとやりきれなくなります。
生徒と教師の心のズレから起こってしまった事件です。
また、藤里は才能はあるのにオリンピックを目指すほど打ち込みたいわけではなく、田代は才能はそこまでないのにフェンシングへの意気込みが強いという違いも事件の引き金になっています。
第5話では、同時に楓のかつての職場である法律事務所で、楓も経験したパワハラ問題が起こります。
楓が元の事務所を辞めた理由も明らかになります。
彼女は元上司からセクハラを受け、抵抗して上司を殴ったところ、その上司は地位があったためセクハラは揉み消され、楓の行動が問題視されてしまったのです。
このため、保駿堂法律事務所に移籍してきました。拓は楓を心配する様子を見せました。
第6話 樽前物産の社長の息子が友人を射殺した容疑を弁護
樽前物産の社長の息子である裕也(須賀健太)が、大学時代の友人・彰を射殺した罪で逮捕されました。
しかし、裕也はその日は一日中部屋でベースをしていたと犯行を否認します。
樽前物産が事務所と顧問契約をしていることから、拓が裕也の弁護をすることになりました。
拓と楓は、話を聞くために樽前家を訪れます。
すると使用人の有珠田(吹越満)も、裕也は一日中部屋にいたと証言します。
しかし、近所にベースの音を聞いた者はいませんでした。
そんな中、事務所に彰の母親と名乗る女性(山下容莉枝)がやってきて、裕也の弁護を辞めて欲しいと言います。
彰は裕也が女性を暴行したことをネタに金を要求したことが原因で殺されたと主張します。
しかし、彰の母親は事件以来寝たきりになっており、女性は別人であることがわかりました。
その頃、穂香(趣里)の息子・晴斗が何者かに誘拐され、事務所に脅迫メールが届きます。
拓たちは事務所にやってきた女性の犯行では?と疑っていました。
裕也の裁判当日、秋保の実験で事件当日は工事の音によってベースの音がかき消されていたことが判明し、その結果、裕也が自宅にいたことが証明され無罪となりました。
さらに彰を殺害したのが有珠田であることも判明します。
有珠田は、彰と裕也に暴行されて自殺した女性の父親であり、二人に復讐するために使用人になっていたのでした。
そして、彰の母親と名乗っていたのは被害女性の母親だったのです。
裕也は冤罪でしたが、法で裁かれるべき人物であることは間違いありません。
有朱田の「ベースの音が聞こえなかったのは、娘が復讐を後押ししてくれているのかと思った」という言葉にやりきれない気持ちになりました。
拓は冤罪という事実を証明する一方で、暴行事件が司法できちんと裁かれなかったことに対して「申し訳なかった」と頭を下げています。
第7話 資産家殺害の容疑の妻を弁護するが、妻が犯人という真実
拓は資産家である乗鞍権三郎(団時朗)の妻・満里奈(川島海荷)の弁護を引き受けることになりました。
乗鞍は練炭による一酸化炭素中毒で亡くなり、満里奈自身も中毒症状で病院に搬送されました。
しかし、乗鞍から満里奈の服用している睡眠薬が検出されたことや、事前に練炭を購入したことから、満里奈は殺人容疑で逮捕されたのです。
満里奈は練炭を焚いている間に窓から抜け出し、乗鞍が死んでから部屋に戻ったのでは?と疑われていましたが、庭の防犯用のセンサーライトが反応していなかったため拓はこれを否定します。
勝訴が見えていましたが、拓は満里奈が殺人を犯した可能性を疑います。
満里奈の家族は乗鞍の投資詐欺被害者で、15年前に練炭一家心中をしており、生き残った娘が満里奈であることがわかります。
拓は、秋保の指導の元、乗鞍の自宅を借りて命がけの実証実験を行います。
その結果、周到に準備された計画的な殺人であることがわかったのです。
満里奈は殺人を認めましたが、無罪を要求します。
それはできないと言うと、満里奈は拓を解任しました。
しかし、最終弁論で満里奈は自分が殺したと自白します。
さらに拓にもう一度弁護をして欲しいと言うのでした。
満里奈の計画殺人は狂気的でした。
弟の入院費用のためとはいえ、自分の一家の敵と結婚して、しかも命をかけて夫を殺すとはすごすぎます。
拓は「満里奈が救われるには真実を明らかにするしかない」と決心しました。
満里奈の有罪を証明し、弁護人を解任されてしまいますが、結果的に心を深く閉ざしていた満里奈の気持ちをほぐすことになりました。
「また弁護してくれる?」と頼んだ時の満里奈の笑顔はさわやかでした。
第8話 社宅殺人事件で死刑判を受けた男の再審請求
拓は、テレビ局の報道ディレクター聡子(市川実日子)から、「イトエ電機社宅殺人事件」で死刑判決を受けた式根大充(片岡鶴太郎)の冤罪を晴らして欲しいと頼まれました。
これは、イトエ電機の社宅のクリスマスパーティーでシャンパンに毒物が混入され6人が亡くなった事件です。
聡子は、式根に癌が見つかったことで、式根が生きている間に冤罪を晴らしたいと拓を頼ったのでした。
しかし、式根も一人娘の玲子(星野真里)も、再審請求は望んでいませんでした。
拓は事件を蒸し返すことが本当に本人たちのためなのか悩みます。
そんな中、式根が獄中で倒れ、さらに拘禁反応が出てしまいます。
また、以前に聡子に書いた手紙に再審請求への同意があったことを知り、事件を調べ出します。
拓や楓が資料を再検証すると、真実が明らかになりました。
毒物の瓶を捨てたのは式根ではなく、事件で父親を亡くした榛名由美(酒井美紀)でした。
由美の父親の家庭内暴力に悩んだ母親が、父親を殺害するために毒物を混入したのでした。
さらに由美は母親に頼まれて、何も知らずに瓶を捨てていたのでした。
由美は法廷で全てを証言しましたが、無罪となる明らかな証拠にはならないと再審請求は棄却されてしまうのでした。
式根が冤罪と分かり、それを証明しても再審請求が却下されたのには、法の厚い壁を感じました。
さすがの拓にも死刑判決を覆すことはできませんでした。
由美の母親が生きていたらと思うと歯がゆいです。
最後に式根と玲子の親子が和解できたのが救いでした。
第9話 11年前の事件と酷似した事件の真相
黒川が引きずる11年前の事件と酷似した女性殺人事件が発生します。
被疑者である富士田順平(坂本真)は容疑を否認したため、拓は富士田の弁護を担当することになりました。
富士田が逮捕されたのは、被害女性の学生証が自宅にあったからですが、富士田は学生証は公園で偶然拾ったと言います。
拓は、富士田がこのことをSNSに投稿していることに違和感を覚え、警察が強引に富士田を起訴に持ち込んだと考えていました。
その頃、秋保は黒川真(草刈正雄)から、検察庁直轄の科学捜査機関の主要メンバーになって欲しいと打診され、秋保の心は揺れ動くのでした。
そんな中、新たな遺体が見つかり、富士田が再逮捕されてしまいます。
秋保の実験の結果、死亡推定時期にズレがあり、富士田が逮捕中に殺害されていたことがわかります。
しかし、検察はそれはただの仮説であると否定するのでした。
聡子から真犯人につながる情報を入手した楓は、拓を探していました。
拓を見つけた時、拓の命を狙おうとしている人物の存在に気付き、拓を庇います。
そして拓の身代わりになって、刺されてしまうのでした。
裁判の過程で、拓が引きずる事件の詳細が明らかになります。
被害者は東央大学生・秋保彩花。秋保の妹です。
彩花は複数回腹部を刺されたあと、首に勾玉のような傷がつけられて殺害されていました。
裁判の検事は拓の父・黒川真、弁護士は保駿堂法律事務所の所長・別府の兄の別府秀治でした。
加害者とされたのが、拓の幼馴染みで大学の先輩・浅間大輔(鈴之助)でした。
彼は彩花と交際しており、殺害に用いられたとされる衣服や凶器が彼の身の回りから発見されたこと、殺害現場となった廃墟に事前に行っていたことが決め手となりました。
浅間は無罪を主張しましたが、無期懲役が下され、後に自殺しています。
さらに、弁護士の別府秀治も世間からバッシングを受け、心労がたたり亡くなったのでした。
拓は浅間の無罪を信じていて、真犯人を見つけ彼の無実を証明しようとしていたのです。
ドラマは大詰めになってきました。
第10話(最終回)11年前の事件の真相にたどり着く!
神津一成(武田真治)が自首して来ました。
神津は、富士田が逮捕された事件の被害者女性の大学の職員でした。
気になった拓は神津と接見すると、神津は11年前の事件も今回の2件の事件も自分の犯行だと自白します。
拓は、11年前の事件の担当刑事から話を聞くと、殺害現場の遺留品に煙草の吸殻があったと言いますが、提出された証拠品の中にありませんでした。
そこで、拓は11年前の事件の再審請求と証拠品の開示請求を行いますが、再審請求の棄却と吸殻の証拠品はないという通知が届きました。
父親の真に問い詰めると、煙草の証拠について「知らなかった」と答えるのでした。
拓は、吸殻が検察ではなく警察に保管されていると確信します。
警察署から吸殻を入手し、秋保にDNA鑑定を依頼すると、神津のDNAと一致しました。
そして裁判の日、神津は3件の殺人の犯行を認めます。
神津は痴漢冤罪で人生をメチャクチャにされた過去があり、日本の警察や検察の問題点を浮き彫りにするために犯行に及んでいたのです。
無事に裁判が終わりましたが、被害者たちが帰ってこない現実を前に、拓は無力を感じるのでした。
しかし、秋保から「少なくとも自分は救われた」と言われ、前を向いて歩んでいこうと決意するのでした。
拓と真のわだかまりも、この事件の真相とともになくなりました。
真が自分の非を素直に認めたのは立派でした。
神津役を演じた武田真治の狂気溢れる演技が神がかっていて、最終回を盛り上げました。