東日本大震災から10年。
この場所には今も亡き人への想いが届く。
漂流ポストとは「手紙を書くことで心に閉じ込められた悲しみが少しでも和らぎ、新たな一歩を踏み出す助けになるなら」という想いから、被災地である岩手県陸前高田市の山奥に建てられた郵便ポスト。
当初は東日本大震災で亡くなった人への想いを受け止める為のポストでしたが、今では病気や事故など、震災に限らず亡くなってしまった最愛の人に向けた想いを手紙に綴り、届ける場所になりました。
震災から9年以上経った現在も多くの手紙が届き、その数は500通を超え、手紙は同じ境遇の人々にシェアされ心の復興を助けています。
2011年3月12日に仕事で岩手を訪れる予定だった清水健斗監督は、自分が1週間前に訪れた場所が津波に流されてしまう様子をニュースで見て、他人事とは思えず、長期ボランティアに参加。
そこで直に見聞きした被災者の想いを風化させないためニュースで知った“漂流ポスト”を舞台に、心の復興の映画を製作しました。
この度、特報、場面写真及び、震災で親友を亡くしたことを未だ受け入れられていない主人公を演じた雪中梨世と実在する漂流ポストの管理人役を演じた永倉大輔よりコメントが届きました。
『漂流ポスト』特報、場面写真解禁!
本作の趣旨に賛同した漂流ポストの管理人・赤川勇治の全面協力により、実際に漂流ポストのあるガーデンカフェ森の小舎での撮影を敢行。
東日本大震災で親友の恭子を亡くした主人公・園美役の雪中梨世が実際に漂流ポストに届いた手紙を初めて読んでいるところを撮影したドキュメンタリー映像を本編で使うなど、リアリティを大切に制作されました。
園美の中学時代の親友・恭子役の神岡実希、園美の中学時代役の中尾百合音は、本人たちの実際の親友に宛てた手紙を書くというオーディションを経て大抜擢。
その他、大人になった園美に漂流ポストの存在を教える彼氏・和也役で藤公太、漂流ポストの管理人・赤川役で永倉大輔が出演します。
本作は、「ニース国際映画祭 最優秀外国語短編映画グランプリ」、「ロンドン国際映画祭 外国語長編作品部門最優秀助演女優賞(神岡実希)」、「ロサンゼルス・インディペンデント映画祭 最優秀外国語短編映画」、「テキサスのプレスプレイ映画祭 最優秀短編映画及び最優秀監督」を受賞し、満を持して3月5日よりアップリンク渋谷にて公開が決定しました!
Gallery
『漂流ポスト』キャストコメント
雪中梨世(園美役)コメント
3年前に海を渡ったこの作品が震災から10年という節目の年に帰ってきてくれた事、そして皆さんに見ていただける機会が再びできたこと、嬉しく思います。
撮影当時、私自身も大切な家族を亡くしたばかりで演じさせて頂いた園子と重なる部分があり、このやり場のない想いはどう表現すればいいのかと不安な中で撮影に入りました。
撮影は、実際に『漂流ポスト』のある「ガーデンカフェ森の小舎」で行ったのですが、そこで流れる穏やかな時間と、赤川さんの包み込むような優しい笑顔に不思議と涙が止まらなくなったのを覚えています。
「向き合う事は、大切な人へ想いを馳せる事。」
1人でも多くの方々にこのバトンが繋がっていく事を願っています。
永倉大輔(赤川役)コメント
私が漂流ポストの存在を知ったのは、撮影に入る数日前のある記事でした。
ポストを設置した赤川さんの想いは「最愛の人を亡くした方の心を少しでも癒し、一歩前に踏み出して貰いたい。」と願うもの。
私が赤川役を演じるうえで先ず大切にしたいと考えた事は、赤川さんと同じ想いで役を演じる事でした。
そして、苦しさを背負って訪れる人達を赤川という役はどう受け止め接するのかと考えましたが、実際に赤川さんとお会いしたらとても穏やかで自然体な方だったのでありのままで役を作ろうと決めました。
クランクインの当日、撮影前に赤川さんが「読んでみませんか。」と手紙が保管されている小屋に案内してくれて、私は数通の手紙を手に取り読ませていただき奥歯を噛み締める思いで後の撮影に挑んだ事を覚えています。
『漂流ポスト』という映画は企画した監督、スタッフ、俳優達が赤川さんと同じ想いでいたいと心に誓って作られた作品だと思っております。
『漂流ポスト』作品情報
出演:雪中梨世、神岡実希、中尾百合、音藤公太、永倉大輔
監督・脚本・編集・プロデュース:清水健斗
撮影監督:辻健司
録音:田原勲
メイク:大上あづさ
制服:下山さつき
音楽:伊藤明日香
撮影協力:赤川勇治、漂流ポスト3.11
配給:アルミード
/日本/カラー/30分/シネスコ/ステレオ
公式サイト:https://www.hyouryupost-driftingpost.com/
公式ツイッター:@hyouryupost
公式Facebook:hyouryupost.filmhyouryupost.film
あらすじ
東日本大震災で親友の恭子を亡くした園美は、心のどこかで死を受け入れられず日々を過ごしていました。
ある日、学生時代に恭子と埋めたタイムカプセルが見つかります。
中には『将来のお互い』に宛てた手紙が入っていました…。
蘇る美しい思い出と罪悪感。
過去と向き合う中、震災で亡くなった大切な人へ届けたい言葉・伝えることができなかった想いを綴った手紙が届く【漂流ポスト】の存在を知った園美は、心の復興を遂げることができるのか…?
『漂流ポスト』は2021年3月5日よりアップリンク渋谷にて公開!
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