『ハンターキラー 潜航せよ』あらすじ・ネタバレ感想!バージニア級の大型潜水艦がついに映画化デビュー

出典:『ハンターキラー 潜航せよ』公式ページ

「潜水艦モノに外れなし」の名言通り!

年配男性も大いに楽しめるミリタリーアクション映画となっています。

ポイント
  • 「潜水艦モノに外れなし」は今回も正しかった!バージニア級潜水艦が、ついに映画デビュー。
  • ジェラルド・バトラーに任せておけば、世界はやっぱり大丈夫。
  • 脇役も豪華、キャラ立ちもバッチリ。殺伐しすぎないスリルとアクション、そして胸アツ展開が待っている、昔ながらのエンターテイメントムービー。

それではさっそく『ハンターキラー 潜航せよ』のレビューをしたいと思います。

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『ハンターキラー 潜航せよ』作品情報

『ハンターキラー 潜航せよ』

(C) 2018 Hunter Killer Productions, Inc.

作品名 ハンターキラー 潜航せよ
公開日 2019年4月12日
上映時間 122分
監督 ドノヴァン・マーシュ
脚本 アーン・シュミット
ジェイミー・モス
原作 ドン・キース
ジョージ・ウォレス『Firing Point』
出演者 ジェラルド・バトラー
ゲイリー・オールドマン
コモン
ゼイン・ホルツ
キャロライン・グッドール
アレクサンドル・ディアチェンコ
ミカエル・ニクビスト
イリア・ヴォロック
トビー・スティーブンス
リンダ・カーデリーニ
マイケル・トルッコ
音楽 トレヴァー・モリス

【ネタバレ】『ハンターキラー 潜航せよ』あらすじ・感想


バージニア級原子力潜水艦が映画デビュー!潜水艦モノはしばらくの休止期間を終え、新時代に突入。

「潜水艦モノに外れなし」とはよく言ったもので、今までもいくつもの作品が作られてきましたが、総じて評価が高いものが多いです。

古くは『深く静かに潜航せよ』『眼下の敵』など、名作として今も愛される作品から、『Uボート』『U-571』『レッド・オクトーバーを追え!』『クリムゾン・タイド』などなど。

私がトム・クランシー原作のジャック・ライアンシリーズが大好きなのは、『レッド・オクトーバーを追え!』が子供心にも本当に面白かったからです。

深海の閉ざされた空間ならではの極限の緊迫感、主に艦長同士の腹の読み合いという知的な戦術合戦、濃密なクルー同士の人間ドラマ。

潜水艦ものには、面白くて当然とも言える要素が、たっぷり詰まっていました。

しかし21世紀になってから、一時期のように潜水艦を題材にした映画は作られていません。

現実の最新鋭の潜水艦のテクノロジーに、映像技術が追い付かない、とのこと。

確かに最近の潜水艦は、最新技術の塊。もちろん各国がすべてを公表するわけはないのですが、技術の進歩は目覚ましく、昔のように映画を作るのは難しいのでしょう。

しかし本作『ハンターキラー 潜航せよ』は、アメリカ海軍と国防総省の全面協力で製作され、何と原作も元アメリカ海軍潜水艦艦長が書いた小説。

そしてバージニア級潜水艦がついに映画デビュー、となれば見逃せません。でも製作は、イギリスなんですけどね。

バージニア級潜水艦とは、アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦です。

今も年に1隻、この後2隻ずつ調達して、最終的には30隻ほどの導入が予定されているそうです。

艦名はすべてアメリカの州名がつけられていて、2004年に一番艦が就役しています。一番艦の艦名はバージニア。

前級のシーウルフ級が、最高レベルの性能を求めて開発されたため、高価すぎて量産不可能とされ、建造は3隻で終了。

その後、冷戦終結に伴う予算削減もあり、シーウルフ級の前級ロサンゼルス級より小さい船体で、若干能力を低下させた潜水艦を作る予定でした。

しかし、陸上攻撃能力の向上、SEAL部隊の輸送能力を付与したことなどで、結局静粛性はシーウルフ級、その他の能力もロサンゼルス級以上のものになり、価格は高騰、調達力は落ちてしまったのがバージニア級なのです。

原子力潜水艦を運用しているのは、世界でも六カ国。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、インド。

なかでも、やはりアメリカ海軍の実力が群を抜いています。

自国から離れた海での航海を目的とするなら、半永久的に潜航で出来る原子力潜水艦が必要。

海水を蒸発させ真水を作り、電気分解をして酸素も作れます。そのため、乗員が快適な環境で長期間生活することも可能なんですね。

『ハンターキラー 潜航せよ』に登場する潜水艦は、USSアーカンソー。

現実にはまだ就任前の艦番号になります。今年の3月にニュージャージーが就任し、この後アイオワ、マサチューセッツ、アイダホと控えているので、アーカンソーが就任するのはまだ何年か先のことですね。

主演のジェラルド・バトラーや、ドノヴァン・マーシュ監督は撮影前にパールハーバーへ行き、バージニア級原子力潜水艦に乗船して海に出たそうです。

また、パールハーバーに着岸している原子力潜水艦で、2日間だけ撮影もさせてもらったとのこと。

『ハンターキラー 潜航せよ』は、今までの映画に比べて、ずっとリアルなセットで撮影されているので、潜水艦の内部に注目しても楽しめます。

もっとも撮影用のセットなので、少し大きめに作られているそうですが。

エンドロールの潜水艦イメージビデオのような映像も、大海原と潜水艦の美しいシルエットが堪能できるので、ぜひそこまでの鑑賞を推奨します。

ところで原作では、ロサンゼルス級の攻撃型原子力潜水艦だったと、映画鑑賞後に知りました。

ニューヨーク証券取引所のシステム改ざんや、マフィアも絡んでくるらしく、原作も読んでみたくなっちゃいました。

頼りになる男No.1ジェラルド・バトラーは、海の底でも貫禄充分!

さて、映画『ハンターキラー 潜航せよ』のざっくりあらすじは、

ロシアで軍事クーデターが勃発し、世界に第3次世界大戦の危機が訪れる。世界の命運は攻撃型原子力潜水艦アーカンソーと、4人のSEALsに託された!

というもの。

しかし、どこか安心して観ていられるのは、アーカンソーの艦長を、ジェラルド・バトラーが演じているからです。

ジェリーが艦長な時点で、絶対的安心感を覚えてしまう訳です。

私の中でジェリーと言えば、『エンド・オブ・ホワイトハウス』『エンド・オブ・キングダム』のマイク・バニングと、『300<スリー ハンドレッド>』のレオニダス王のイメージが強すぎてですね。

特にマイク・バニングさんの、大統領を守るためなら何でもするけどそれが何か?な無双振りが大好きで、マシンガンで狙われようが、乗ってるヘリを墜落させられようが、いつも何とか乗り切っちゃう姿に慣れちゃったんですよ。

ジェリー主役の『ジオストーム』も、宇宙でどんなことが起きようと「でも死なないもんね」と、最後までのんびり構えてたくらいです。

おかげで危機が訪れても、艦長と一緒に司令室にいる士官たちは大丈夫だな、と安心する代わりに、救難艇の若いクルーやロシア大統領のSP、SEALsの隊員が死ぬんじゃないかと、そちらばかりが気になってハラハラして仕方なく。

そして彼らがお亡くなりになると、ああやっぱり…と心の中で合掌してしまいました。若い子たちは無事で本当に良かった。

クライマックスは、さすがに予測できませんでしたが、結果グラス艦長の運と勘、一応人柄のおかげで、世界大戦の危機は免れます。

船乗り同士の熱い信頼もたまりません。銃を持たなくても、ジェリーの頼れる男っぷりは半端ない。

しかしジェリー。『オペラ座の怪人』の時には、大味アクション映画の主役がぴったりになるとは、思ってもみませんでしたよ。

次回作も期待してます。

小さな役までキャラ立ちバッチリ。ミカエル・ニクヴィストの最期の演技を目に焼き付けよう。

同じく大好き俳優ゲイリー・オールドマンの役は、開戦やむなしな統合参謀本部議長ドネガン。

でも正直、ゲイリーでなくとも良かったよね、と言うくらいの役で、そこは少し不満。

せっかくのゲイリーなんだから、もっと複雑な役でぜひ!といういちファンの身勝手な感想です。

そんなドネガンより慎重な立場に立つコモン演じるフィスク海軍少将と、リンダ・カーデリーニ演じるNSAの職員も、いい味出してました。

もっと活躍振りを見たかった。2人の信頼感も熱いです。

他にもいい味出し過ぎなのは、SEALsの4人。トビー・スティーブンス演じたビル・ビーマン隊長、かっこよすぎ。

新人くんの見せ場も、これまたかっこよすぎ。やはり特殊部隊の活躍は、胸アツです。

そして今回、正直主役のジェリーより美味しい役を演じた、ミカエル・ニクヴィスト。

本作が遺作となってしまったのが、本当に残念です。ミレニアム・シリーズ好きだったなあ。

演じたのはロシアの潜水艦艦長、アンドロポフ役。困った時のアンドロポフ艦長というくらい、役に立ちまくりです。

しかしロシア軍人で味方を殺したかも知れない相手を、それでも助けたのは、ジェリー演じるグラス艦長で。

2人の艦長の間に流れる互いへの信頼や共感、男同士の熱い友情。最高です。

アンドロポフ艦長を助けていたからこそ、その後の危機を乗り切っていける展開も、できすぎと言えなくもないですが、それでも充分にハラハラドキドキできること間違いなし。

アーカンソーを追うロシアの駆逐艦の乗組員が、アンドロポフ艦長が鍛え上げた軍人たちで、そこからの展開はご都合主義と言われようとも最高でした。

2人の艦長のお別れのシーンもいいし、グラス艦長とSEALs隊長のラストの会話もいい。これこそ男のロマンですよ。こういうのを見たかった!

それからグラス艦長の部下も、しっかりキャラ立ちしています。副長は女性ウケが間違いなしな真面目なイケメン、副長補佐と艦長の会話もよし。

嫌なキャラなど一人もいない、まさにストレスフリー。悪役も、わかりやすく悪役です。これもいい。

『ハンターキラー 潜航せよ』は、待っている家族や恋人の姿を、まったく登場させないところも新鮮で良かったですね。

唯一、SEALsの新人くんの恋人の写真が1シーン映るくらい。なので、最後までダレるシーンもなく、緊張感を維持できます。

しかしどうせなら、1シーズン24話。無理なら13話くらいのドラマで、たっぷり見たかったです。

2時間じゃあ短いぞ、もっと見せて!

『ハンターキラー 潜航せよ』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

以上、ここまで映画『ハンターキラー 潜航せよ』について感想を述べさせていただきました。

要点まとめ
  • 最新鋭の潜水艦が気になる人は、大画面で堪能すべし!駆逐艦急旋回の迫力も楽しめます。
  • 潜水艦モノとジェラルド・バトラーのアクション映画に、大外れはなし。
  • ミカエル・ニクヴィストが亡くなったのが、今更ながら寂しいです。

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