『フッド:ザ・ビギニング』は、新しいロビン・フッド誕生を描いた王道のエンターテイメント作品。
タロン・エジャトンのアクションをばっちり堪能できる一作になっています。
- 今回のロビンはまるで少年マンガの主人公。新しいスタイルの「ロビン・フッド」です。
- ビギニングという日本版タイトル通り、ロビン・フッド誕生の物語です。
- タロン・エジャトンのアクションは、今回も「素晴らしい」の一言。ジェイミー・フォックスの存在感もさすがです。
それではさっそく映画『フッド:ザ・ビギニング』をネタバレありでレビューしたいと思います。
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目次
『フッド:ザ・ビギニング』作品情報
作品名 | フッド:ザ・ビギニング |
公開日 | 2019年10月18日 |
上映時間 | 116分 |
監督 | オットー・バサースト |
脚本 | ベン・チャンドラー デヴィッド・ジェイムズ・ケリー |
出演者 | タロン・エジャトン ジェイミー・フォックス ベン・メンデルソーン イヴ・ヒューソン |
音楽 | ジョセフ・トラパニーズ |
【ネタバレ】『フッド:ザ・ビギニング』あらすじ・感想
そもそもロビン・フッドとは、どんな人物?
ロビン・フッドは実在した歴史上の人物というよりは、何人かの伝承が合わさって一人の人物として形作られたという見方が正しい中世イングランドの伝説の人物。
今まで何度も映画、ドラマ、アニメなどメディア化されてきたロビン・フッドの物語ですが、19世紀以降のイメージは固定されています。
緑色の服を着た弓の名手で、シャーウッドの森(イギリスのノッティンガム)に住む、アウトロー集団のリーダーで義賊。
あだ名は大股のロビン(ロビン・ロングスレイド)やロクスレイのロビン。
恋人の名前はマリアン、ロビンの片腕的存在の大男はジョン。
敵役はノッティンガムの代官や、イングランド王のジョン。
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そして主人公のロビン・フッドを演じた俳優は、名優がずらりと名を連ねています。
1976年の『ロビンとマリアン』ではショーン・コネリーがロビンを、マリアンはオードリー・ヘップバーンが演じました。
1991年にはケビン・コスナー版『ロビン・フッド』が公開され、この時はイングランド王リチャードを演じたのがショーン・コネリーでした。
モーガン・フリーマンやクリスチャン・スレーター、アラン・リックマンも出演し、主題歌はアカデミー賞にもノミネートされました。
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しかし、映画の内容は何回観ても飽きないエンターテイメントとして充分に楽しめます。
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今までの冒険活劇ものとは一線を引き、歴史大作映画とでも言えそうな内容で、スケールが大きく戦闘シーンも迫力があります。
さすがリドリー・スコット。まさかマグナカルタ(世界史で習いましたよね)を絡めてくるとは。
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マリアンはケイト・ブランシェットが、ジョン王はオスカー・アイザックが演じ、マーク・ストロングやウィリアム・ハートといった名優ががっちり脇を固め、『007』や『ミッション:インポッシブル』ですっかりお馴染みレア・セドゥも出演しています。
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このラッセル・クロウ版の『ロビン・フッド』もまさに『フッド:ザ・ビギニング』と言える内容なので、タロン・エジャトン版と比べて観るのも面白いかもしれませんね。
新しいロビン・フッドの物語は、少年マンガが好きならきっと楽しめるはず!
タロン・エジャトンが童顔だからか、今までのロビンに比べると、どうしても色々と若いなあと思ってしまうのが今回のロビンの特徴の一つかもしれません。
しかし、まだ年若く見える青年が十字軍遠征に徴兵され、戦地で友人を亡くし、戦場での理不尽な仕打ちを目の当たりにし、味方に傷付けられ、4年振りに帰国してみれば自分は死んだことにされ、領地も財産も接収されていて、しかも恋人マリアン(イヴ・ヒューソン)には他の男がいたのです。
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ところがそんな失意のロビンの前に現れたのは、敵兵だったション(ジェイミー・フォックス)。
実の息子を救おうとしてくれたロビンに恩を感じ、イングランドまで追って来ていたのです。
ジョンと再会したロビンは昼は若き領主として腐敗した教会とノッティンガム州長官の不正を暴こうと情報を集めながら、夜は彼らが領民から搾取する不当な税金を盗んでは領民たちに還元するようになります。
そして、フードで顔を隠していることから、やがてロビンは「フッド」と呼ばれ、領民の心を掴んでいきます。
もちろん長官たちはフッドを捕らえようと必死になり、ロビンが提案したこともあり、フッドは賞金首のお尋ね者に。
ロビンは元恋人のマリアンたちと一緒に、確たる不正の証拠を手に入れるべく画策しますが…。
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ラストは多くの人が知っている、いつもの「ロビン・フッド」の物語につながるよう、シャーウッドの森に向かうところでジ・エンド。
タイトルのビギニング通り、まさに義賊「フッド」始まりの物語になっています。
とにかくテンポが良く、さくさくと話が進んでいきます。
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そして、アクションシーンがなかなかの出来栄えです。
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しかし、一本の矢にフォーカスされた弓の使い方に関しては、リドリー・スコット監督の見せ方の巧みさに一票。
「アーチェリーのアクション」として見ると『キングスマン』なみのキレキレさもあるので、タロン・エジャトンに一票といった感じ。
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そんなキレキレアクションで敵を倒すことになるロビンを鍛えるのが、元敵兵のジョンというのも面白いところ。
左手首から先を失ったジョンですが、まさに少年マンガの主人公を鍛える師匠役そのものなんです。
主人公の導き役を演じるジェイミー・フォックスは、強く厳しく、物語の中でも際立つ存在感のジョンにぴったりでした。
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ちなみにタロン・エジャトン、二ヶ月特訓をしてノースタントで演じたらしいです。すごすぎる。
少年漫画が大好きな人には本作『フッド:ザ・ビギニング』は刺さると思いますよ!
バディものとしての面が、かなり色濃くなってもいるので。
くりす
正統派の冒険活劇ものに、渋いアクセントを加えてくれています。
『フッド:ザ・ビギニング』は歴史ものとしての見応えの代わりに、ノリの良さに振り切ったポップコーンムービー
『フッド・ザ・ビギニング』は歴史もの、史実を基にした作品とは一味違います。
現代社会の問題を盛り込み、権力者の腐敗を市民が立ち上がって正そうとする革命の物語であり、冒険活劇なのです。
CGではなく、大がかりなセットで撮影されていて、かなり華美なシーンも出てきます。
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この辺りで、時代や歴史との整合性はあえて無視されているのかなとわかります。
歴史の勉強にはならない代わりに、歴史の授業が苦手だった人でもスッと物語に入っていける作品なので、本当に気軽に手を付けやすい作りです。
くりす
ただ「時代劇」にそこそこの重厚さを求める方には、軽すぎる作品と思われてしまう危険性はあります。
革命のカタルシスがあまり感じられなかったのも、ノリが軽いからとも言えますし。
なので、イギリスの時代もの映画としてではなく、中世ヨーローッパ風ファンタジーのアクションもの。
そう思って鑑賞するのが、間違いなく正解。
『フッド・ザ・ビギニング』は、痛快アクションエンターテイメントなのです。
くりす
続編を意識したラストですが、これはおそらく製作されないでしょう。
キャストは大変魅力的だったので、彼らを観るだけでも充分なのですが、やはり物語に深みがなかったからかイマイチ評価が良くなく。
続きがあれば『フィフティ・シェイズ』シリーズのジェイミー・ドーナンの悪役振りが見られたのに…とそこだけはちょっと残念です。
『フッド:ザ・ビギニング』まとめ
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🔥ジョン「うまく領主を演じろよ」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄🏹ロビン「俺は元々 領主だ」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄#裏の顔は盗賊#信頼と友情で結ばれるふたり#フッドザビギニング pic.twitter.com/fndYukiAnn— 映画『フッド:ザ・ビギニング』 (@HoodMovieJP) November 3, 2019
以上、ここまで映画『フッド:ザ・ビギニング』についてネタバレありで紹介させていただきました。
- タロン・エジャトンが好きなら必見。アクション良し、顔良し、演技良し。タロンくんを観るだけで満足できます。
- いつの時代も、女性は強くて何ともたくましい。マリアン(イヴ・ヒューソン)、怖いwウィルを可哀想となった人は絶対いるはず!
- 脚本が少し弱いので、そこは残念。しかしキャストは文句なし。
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