東洋医学の元となり、のちに現代では世界遺産となった医書「東医宝鑑」の作成に生涯命をかけて、さらに「心医」と言われ民に敬われた実在の人物ホ・ジュン。
庶子に生まれ、身分の低さに翻弄されながらも、生涯の師匠との出会いがきっかけとなり、ひたむきな努力で医師の道を目指すヒューマンサクセスドラマです。
過去に韓国で放映された『ホジュン〜宮廷医官への道』を14年ぶりにリメイクされたドラマ『ホジュン〜伝説の心医〜』のレビューしていきたいと思います。
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『ホジュン〜伝説の心医〜』主要キャスト
キム・ジュヒョク / 役:ホ・ジュン
- 国境を守る武官の家の庶子
- 自らの立場を知り自暴自得になるが、名医との出会いで医師を目指す
- 決して手を抜かず、周りに翻弄されず、芯が強い努力家
ナムグン・ミン / 役:ユ・ドジ
- 名医ユ・ウィテの息子
- 父とは違い、出世欲が強く、どんな手も使う強さ
- 突然目の前に現れたホジュンを敵視する
パク・ウンビン / 役:イ・ダヘ
- 父の謀反の疑いため、都を追いやられる元高官のお嬢様
- 父の死後、そばで支えてくれたホジュンをいつしか愛するようになる
- 身分が低くなり、悩み苦しむが、生涯ホジュンを支え続ける
パク・チニ / 役:イェジン
- 亡き父が医員だったこともあり、医女を目指す
- 亡き父と親交のあった、ユ・ウィテの養女となる
- ひたむきに医師を目指すホジュンを慕いながら見守り続ける
ペク・ユンシク / 役:ユ・ウィテ
- 金や名誉などは全く関心のない名医
- 息子ドジより、ホジュンに対して厳しく指導する
- 自分の死後は、自らの遺体で医術の役にたってほしいと思っている
【ネタバレ】『ホジュン〜伝説の心医〜』あらすじ・感想
人間味があり親しみやすい「ホジュン」をキム・ジュヒョクが熱演
武官の庶子として生まれ育ち、その現実を知り自問自答していた一人の男が、幼い頃に亡くなった一人の娘、最愛の人ダヒ、そして師匠ユ・ウィテのとの出会いにより、本来持っていた“優しさ・温かさ・賢さ”を発揮し、「心医」を目指すホ・ジュンの生き様が繊細に描かれています。
そのホ・ジュンを演じるのが、映画を中心に大活躍の俳優キム・ジュヒョク。
前作の時代劇『武神』以降、「時代劇に出演する気持ちはない」と話していた彼でしたが、俳優でもある父のキム・ムセンが演じた役でもあり、「演じるのが運命だと思った」と出演に至りました。
子役は幼少期のみで、青年期の頃のホ・ジュンもキム・ジュヒョクが演じているのには少し違和感がありましたが、見事に若さ溢れる不良っぷりも演じ、さらに平民から高官になるまでの変身していく姿は、彼のストイックな演技力が十分に発揮され、見ていて胸が高まりました。
同じ師匠を持つライバルのホ・ジュンとユ・ドジ
韓国ドラマでは、必ず「ライバル」が出現しますが、今作におけるホ・ジュンのライバルは師匠である匠ユ・ウィテの息子ユ・ドジ。
ホ・ジュンを常に敵視する存在となります。
このユ・ドジ役には、コミカルもシリアスもオールマイティに演じる、日本でも大人気のナム・グンミン。
ドラマ内では、父であり師匠であるユ・ウィテが、突然現れたホ・ジュンにばかり期待をかけるのを嫉妬し、金と欲望と出世の道に走ってしまいます。
常にホ・ジュンのことを意識し、ライバルでありながらも、最終的に死罪に相当するほどの過ちを犯したとき、何も言わずに助けられたホ・ジュンに心から謝罪します。
その場面では、お互いにライバルながらも「必要としていた」のがわかり、ここからの2人の関係が今後「東医宝鑑」を編集する際に、多大なる影響力をもたらすのです。
韓国時代劇にはかかせない!?ホ・ジュンを支える愉快な仲間たち
韓国時代劇には、必ず主役を支える愉快で心温かい仲間たちの存在が不可欠です。
ベテランながらも脇役設定の名俳優さん方々。
時代劇にはよく見かけ、「あ!この方、観たことある!」って方が必ずいるはず(?)です。
このドラマでも、ホ・ジュンを支える仲間としてヤンテ(ヨ・ホミン)、イルソおじさん(パク・チョルミン)、オグン兄さん(チョン・ウンピョ)など、さまざまな個性的キャラで、ひと時のユーモアのある時間を観てる人たちにも与えてくれています。
政治派閥に翻弄されず、医師としての志を貫いたホ・ジュン
このドラマの時代背景は、韓国時代劇ではよく取り上げられている第14代国王宣祖から第15代国王・光海君の時代。
ドラマ内でも出てきますが、倭国が朝鮮出兵をする“壬辰倭乱(日本では文禄の役)”が起こったり、「東人派や西人派」など派閥の争いもあり、決して安定した時代とは言えない状況でした。
ですが、ホ・ジュンは御医(王様専属の医官)になっても、高官の最高地位についても、決して翻弄されることもなく「心医」を貫きました。
そして、それを貫くために高官となったホ・ジュンには、いろいろ苦悩があった模様が『ホジュン〜伝説の心医〜』ではとてもよく描かれているのです。
突然ホ・ジュンが「遺作」となってしまったキム・ジュヒョク
今作は、2013年の作品ですが、この作品の後にホ・ジュンを演じたキム・ジュヒョクは、とあるバラエティ番組に2年間出演します。
その後、多数の映画に出演し、2017年には自身初の映画賞を受賞するなど、バラエティ出演をきっかけに、さらに老若男女に愛される役者として成長を遂げていました。
そんな映画賞受賞の2日後、突然の交通事故で帰らぬ人に。
まだまだこれからという時の突然の死は、韓国でも日本でも多大なるショックな事件となりました。
日本での彼の有名作品と言えば、『ホジュン〜伝説の心医〜』であり、劇中の「ソフトな声と優しい表情に癒された」というファンが多くいました。
まだ、ご覧になられていない方には、ぜひ!彼の魅力とストイックな演技を観て頂きたいです。
『ホジュン〜伝説の心医〜』まとめ
韓国時代劇の医療系ドラマは、どのドラマでも主人公がかなり辛く、ハラハラ感が半端ないのですが、この状況がハマってしまう要因のひとつ。
ホ・ジュンもそうなのですが、とにかく韓国時代劇の実在した人物を描くサクセスストーリーは、本当に感慨深くなり、何も手につかないほどハマッてしまいます。
最後、ホ・ジュンが最愛の妻ダヒの懐の中で倒れて亡くなるシーンがあるのですが、今や亡きキム・ジュヒョクの亡くなった姿とかぶせてしまい、最後の最後に胸が痛くなってしまいます。
ホ・ジュンとキム・ジュヒョクを重ねてみると、
- 自分に厳しく、人に優しいところ
- 信念をしっかり持ち、ストイックに自分を追い込むところ
などが、本当に似ていて、ホ・ジュンを演じるには、キム・ジュヒョクは適任だったと思いました。
数多くのドラマでも取り上げられている「時代背景」と、その登場人物を比べながら『ホジュン〜伝説の心医〜』をご覧になるのもおもしろいです。
現代医学よりもはるかに何もない、鍼と薬草などで治療していた時代に、「心医」としてどのように登りつめていったのか!?
見どころ満載、そして感動の『ホジュン〜伝説の心医〜』。
まだご覧になっていない方はぜひ!おすすめの作品です。
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