『ハイスコアガール 第1期』あらすじ・ネタバレ感想!格ゲーマーは落ちないわけがない青春アニメ

『ハイスコアガール 第1期』あらすじ・ネタバレ感想!格ゲーマーは落ちないわけがない青春アニメ

出典:Netflix

1990年代、対戦型格闘ゲームブームを舞台にしたゲーム大好き・矢口春雄と、彼がライバル視する女の子・大野晶、そして矢口に想いを寄せ続ける日高小春が織りなすラブコメ作品『ハイスコアガール 第1期』。

原作は2013年「このマンガがすごい!」オトコ編2位を受賞し、プロの格闘ゲーマーもコメントを寄せ、福岡で開催された「EVO Japan 2019」ともコラボを果たしました。

この『ハイスコアガール 第1期』を見て、格闘ゲームを始めたという声も聞きます。

また、ストリートファイターやサムライスピリッツ、ヴァンパイアハンターやヴァーチャ・ファイターなど、格闘ゲームにのめりこんだ経験のある人、また、何かに夢中になっている人に惹かれていきながらも、その想いに気づいてもらえないもどかしさ、青春時代の恋愛漫画としても、とっても楽しめるものです。

ポイント
  • 格闘ゲームを中心に、ゲームセンターの歴史が描かれているといっても過言ではない
  • 無口なお嬢様、大野晶がいろんな意味で強すぎる
  • ゲームバカの矢口を中心に、ゲームに恋にと、闘いは常に真剣に盛り上がる!

eスポーツが流行語大賞にノミネートされる今、この熱量に触れてみても損はないでしょう!

むしろ、主人公の春雄に影響され、何かに夢中になりたいと思うこともできそうです。

『ハイスコアガール 第2期』の記事はもうアップされていますが、『ハイスコアガール 第1期』も振り返っておきましょう。

『ハイスコアガール 第1期』声優・キャラクター紹介

天﨑滉平 / 役:矢口春雄

  • 部類のゲーム好き男子で、格闘ゲームや横スクロールアクションを好む。「豪指のハルオ」、「豪指の矢口」を自称する。
  • ゲームのことで頭がいっぱいなので、恋には無頓着。教師や周りの生徒から見下されて馬鹿にされるほどに勉強も運動もできないが、ゲームの腕前こそ誇れるので気にしない。
  • 大野晶に大敗して以来、彼女を倒すために格闘ゲームをし続けるが、満足に勝てた試しがない。大野は永遠のライバルで、同じ高校に行こうとまでしたが受験に失敗。次第に大野への想いを再認識し始める。
  • 高校生編になると、同じ学校の日高小春と一緒に格ゲーの腕を磨くが、交際を賭けた格ゲー3本勝負をかけられ、これが「負けられない闘い」となる。
  • 格ゲーで脳内ができているせいか、使用キャラのガイルを始めとした格ゲーキャラと対話することが多々ある。中でもガイルは「ガイルさん」と呼ぶ。

鈴代紗弓 / 役:大野晶

  • 運動も勉強も格闘ゲームもできるお嬢様。大野家指南役の徹底的な指導のおかげで武道をたしなみ、喧嘩もものすごく強い。弱点があるとすればホラー。
  • 無口な女の子で、滅多に言葉を発しないが、睨んだり殴ったり、息づかいなどのオノマトペで意思表示をする。中でも、春雄の服の袖んでの意思表示はいじらしい。
  • 大野家にふさわしい女性になるため、ゲームは禁止。家にもゲーム機はなく、ゲームセンターに出向いていると海外へ留学。帰国後はより厳しくゲームを禁止される上、春雄との交流も立たされ、心を閉ざして孤独になる。
  • 見た目に寄らずパワータイプキャラ使い。ボタンが動かないなどの劣悪な状況でも対応して諦めることはない。
  • 春雄とゲームを楽しむうちに、恋心が芽生えていく。口にせずとも、春雄にもらった玩具の指輪を首から下げて大事にしている。また春雄が日高と一緒にいるところを目にすると嫉妬せずにはいられない。

広瀬ゆうき / 役:日高小春

  • 日高商店の娘。ゲームに興味はなかったものの、春雄が店の前にあるゲームに夢中になっている姿を見て、次第に興味を持っていく。そして春雄にも惹かれていく。
  • バレンタインのチョコレートに手編みの手袋、女子としてのアプローチをしても春雄に届かず四苦八苦。嫌いになりたいのに嫌いに慣れず、時には春雄と結婚を意識することもある。
  • 春雄が追いかける「あいつ」が気になり、それが大野という女の子だとわかると、自分もゲームを始め、春雄の第2のライバルになる。
  • 春雄も認めるゲーマーになっても想いは届かず。ついには交際をかけて格ゲー3本勝負を挑む
  • 地下ゲーセンの面々にまで実力を認められるほどの腕前になる。

【ネタバレ】『ハイスコアガール 第1期』あらすじ・感想

町内で一番「ストⅡ」が上手いのは自分でなくてはいけないのに…女の子に大敗する豪指のハルオ

勉強も運動もできず、クラスメイトどころか先生からも蔑まれる矢口春雄の聖域はゲームセンター。

当時1プレイ50円でプレイを始めれば、負け知らずの強者であった春雄は、自身を「豪指のハルオ」または「豪指の矢口」と呼んでいます。

そんな最中、向いの対戦台にクラスメイトの女子、大野晶がやってくるとコテンパンにされてしまうのです。

負けたくない気持ちのハルオは卑劣な戦法を使い何とか勝利を収めることができても、怒った大野にリアルに殴られノックアウトすることもありました。

クラスでは優等生でお嬢様の大野晶がゲームセンターに行くイメージなどないのですが、春雄だけがその大野の裏の顔を知っている状況。

それゆえに、ゲーム機のある所で遭遇することが多々あるのですが、気づけば大野が春雄を追いかける形になっていきます。

また大野は、格闘ゲームだけではなく、春雄同様に横スクロールゲームも得意で、駄菓子屋のゲームコーナーにあった「ファイナルファイト」では、体力をギリギリのところまで減らし、そこからスコアを挙げるためのアイテムを錬金し、高得点を目指す遊びをしていました。

そんな大野はまさに「ハイスコアガール」

大野に負けたくない一心で、春雄はよりゲームにのめり込んでいくのでした。

友達との遊園地イベントを攻略しつつ、大野と春雄は遊園地内のゲーセンを堪能。

家が厳しくなると家を飛び出し2人で隣町まで遠征。

KAMUI

しかし、第3話でお別れ。

クラスメイトと遊園地に行けば、2人はみんなから離れてゲームセンター巡りで楽しい時間を過ごします。

普段の生活で遊ぶ時間がない大野としては貴重な時間です。

しかし指導係の業田萌美は、大野家の令嬢としてふさわしい女性にするためにと、冬休みになると大野からゲームの一切を取り上げました。

もともと自宅にゲーム機はなく、春雄が風邪を引いた時、お見舞いと称してゲームをしに行ったりもした大野。

友人との交流も学校の中だけで十分と言われると、大野は終業式に真っ直ぐに家に帰らず、春雄とゲームをしたいと訴えます。

そこで春雄は、隣町のゲームセンターに遠征。

その甲斐もあり、冬休みの間大野は習い事に精を出し、プラスの効果をもたらすのです。

冬休みが終わり、また大野と春雄のゲームの日々がやってくると思いきや、ここで大野が海外に留学。

春雄は、もう一緒にゲームができないとショックを受けます。

クラスメイト全員が大野にお別れのプレゼントを渡す中、春雄だけが何も買ってこず、クラスメイトからまたも誹謗中傷の嵐です。

しかし、このまま別れていいわけがないと思った春雄は、飛行機に乗る寸前の大野を捕まえ隣町のゲームセンターでやったガシャポンで当たったおもちゃの指輪を大野にプレゼントします。

100円程度の指輪のオモチャでも、大野にとっては大事な宝物になること請け合いです。

これから格闘ゲームはまだまだたくさん出てくる。お前が日本に帰ってきた時のために強くなると約束する春雄の言葉を聞き、常に無口だった大野が叫ぶように泣きわめくのですが…もうここが泣けます。

KAMUI

行きたくない、春雄ともっとゲームをしていたいという気持ちがよくわかります。そのおかげで、春雄の顔には、大野の爪痕がしっかりと(笑)

春雄にしがみついた大野が、家の人たちから無理やり引き離された結果です。

KAMUI

約3話の春雄と大野の思い出の回想はとても長く感じました。

中学編突入。ゲームに夢中になる矢口春雄に惹かれる女子、日高小春

第3話までは小学6年生だった矢口春雄も、受験を控えた中学2年生になるわけですが相変わらずゲーム三昧です。

周りにいる友人に多少の変化はありますが、学校後はゲームをするためゲームセンターに行き、生活指導の先生に見つからないようにゲームを楽しみ、癇癪を起した対戦相手とのゲームセンター内乱闘も当たり前です。

KAMUI

そう、これがあのころのゲームセンター…みたいです。不良のたまり場と言われた場所は、今から見たら馬鹿馬鹿しいことばかりで面白かったと聞きます。正直、羨ましい。

そんな矢口春雄をずっとそばで見ている女の子が登場!

その子こそが日高小春です。

特別何か熱中できるものがなかった日高にとって、春雄のゲーム熱は目を見張るものがありました。

自身の家にゲームコーナーが設けられると、春雄は吹雪の中でもやりに来たのでそれが嬉しかったみたいです。

むしろ吹雪の日には誰も来ないから、ゲームの中のスコアをすべて自分の名前で埋め尽くしてやろうという魂胆なのですが、そんなの日高には考えられないこと。

ゲームをしているところを見ていたいと言う日高ですが、ゲームは自分でやって悩んで、クリアするのが面白いからという春雄。

「どうしても前に進めなくて困った時は言え。俺が手本を見せてやる」

と、頼もしいことを言われ、気づけば日高は春雄に夢中になっていくのです。

相変わらず学校での評価は低い春雄は、周りなど気にせず結局ゲームに夢中なので、その恋心に気づくこともありません。

新しいゲームを手に入れたと日高が言えば、一緒にやろうと言うと思うでしょう。

「貸してくれ」

KAMUI

日高のプラント違い…怒る!

クリスマス会に行かなかった2人がお互いにプレゼント交換をしたところも面白いのです。

日高は手編みの手袋を挙げるのですが、春雄から持ったものはゲーム雑誌「ゲーメスト」。

KAMUI

他の人が貰っていたらどんなことになったでしょうね…。にしても、懐かしい雑誌タイトルです。

『ハイスコアガール 第1期』はとにかくゲーマーを湧かせてくれます。

日高に大野の影を重ねていると、嫉妬心爆発の大野が帰国

日高をゲームセンターに連れて行けば、彼女は偶然にも大野が使っていたキャラを選択し、ガチャ操作であるにも関わらず難しいコマンドを決めて勝利していきます。

すると、大野に味わされた苦渋の日々が春雄の中によみがえり、また一層格闘ゲームに夢中になるのです。

そんな中学生活を満喫している途中に、別のクラスに大野が転入生として戻ってきました。

やっと一緒にまたゲームができると喜ぶ春雄ですが、その春雄が日高と楽しそうにしているところを何度も目撃していることから大野の嫉妬心が爆発します。

思い出のゲーム「ストリートファイター」をやろうとすれば、大野は対戦台から離れ、「ファイナルファイト」で協力プレイをしようとすれば、春雄の足を踏んずけたり回復アイテムをわざと取らせないなどの嫌がらせを始めます。

大野がどうして怒っているのか、春雄にはわかるわけもなく、修学旅行の時期が来ました。

春雄は途中下車をしてしまい、それを追いかけて来た日高と2人でゲーセンを巡りながら京都を目指すという特殊なイベントを発生。

春雄と一緒にいたい日高としては悪くないのですが、これを知った大野はまたも無言で苛立ちます。

大野との時間をもっと…。春雄がゲームを封印して高校受験に挑む

そんな2人の想いなど知らずゲームという青春にのめり込む春雄は、修学旅行先の自由行動を抜け、格ゲーの大会に出場。

これに大野も参加するとわかれば俄然やる気が出るわけです。

大会の場であればもう逃げられない、やっと決着が付けられると思った春雄は、なんとかして決勝戦へと駒を進めるのでした。

そして春雄は、ついに決勝戦で大野と闘い、勝利することができて満足気だったのですが、ここで驚きの結果が。

大野の対戦台は、前に操作をしていた選手が台パン(=ゲーム筐体を叩く行為)をしたことで、ボタンが利かなくなっていたのです。

大野にハンデを与えられての勝利だったことを知った春雄は、急に悔しくなり自分の今までの努力は何だったんだと大野に問い詰めます。

すでに眼中にないのかということはなく、むしろ大野は、春雄とゲームをする時間をこれからも作っていきたいと望むのです。

そこで春雄は一大決心。

ゲームを封印し、大野が受験する高校に合格するための勉強を始め、誰もが驚きます。

KAMUI

全ては大野との時間を作るため。生粋のゲーマーは目的を決めると、それに向かって突き進んでいくことができるんです!ということがよくわかります。

しかし、結局受験には失敗。

春雄は日高と同じ高校へ進学することになったわけですが、しばらくは落ち込みっぱなしです。

一方日高も、自分よりも大野の背中ばかり追いかける春雄に苛立ちを覚えます。

ここから静かに、女同士の闘いも始まっていくのです。

ゲームも恋愛も禁止と言われた大野はどんどん箱入りに。そして春雄は、日高との格ゲー勝負が始まる

春雄が受験勉強に必死になっている時、日高は着々と春雄と並ぶため、格ゲーの腕を磨いていたのです。

気づけば春雄も驚く腕前でした。

これで肩を並べてゲームができると喜びたいところですが、春雄の気持ちが大野に向いていることに気づいている日高は、春雄に格ゲー3本勝負を挑みます。

それに日高が勝てば、付き合うという条件まで出るのですがここでやっと春雄が恋愛対象として、大野や日高と向き合うことになるのです。

KAMUI

やっとか!という具合です。

結局春雄は、大野との時間を守るため、対戦の申し出を受け入れることに…。

これもなかなかいい勝負となりました。

そして大野は大野で大変な事態。

こっそりとゲームセンターに行くことをやめない大野は、萌美から出ることさえ禁止、春雄と会うことも禁止。

大野の運転手のじいやがこっそりとポータブルのゲーム機を与えていたことで運転手役を下ろされたりと踏んだり蹴ったり。

その上、萌美は春雄の家にまで言って、大野と接触することを辞めるように言うのです。

KAMUI

ここまでやるか?といいたくなるレベルですが、萌美が春雄を散々貶し始めると、母、矢口なみえも黙ってはいません。優しい口調で息子を守る母の姿は素晴らしかったです。いつもはもっと面白いんですが…。

確かに春雄は、成績が悪いですが、間違った育て方はしていないと、母が胸を張っていうところは必見です。

そう、ゲームは「悪」じゃないんです。

萌美に厳しくされたおかげで、大野は萌美の授業をすっぽかし、閉じこもってしまいますし、日高はより腕を磨くため、猛者の集まる地下ゲーセンでの練習を始めたりと、『ハイスコアガール 第1期』だけでも楽しくて仕方がありません。

KAMUI

シナリオもさることながら、時代を感じさせるゲームやネタが豊富すぎる!ゲームという青春の物語なわけですが、出てくるゲームタイトルは実際にあるものばかりです。「ストリートファイターシリーズ」の各タイトルや初の3D格闘ゲーム「バーチャファイター」、他にも「餓狼伝説」、「ヴァンパイアハンター」、今年13年ぶりに新作をリリースした「サムライスピリッツ」など、プレイしていた人間からすると懐かしい!と言いたくなるタイトルが勢ぞろいです。

それゆえに、原作は著作権問題などが起きたことがありましたが、これはいわば格ゲーの歴史も描いているのです。

そして、所々に謎の発言があるのですが、これはゲーム雑誌「ゲーメスト」の誤植に関するものらしいです。

KAMUI

当時は手書きの原稿を、ゲームの知識がない人が打ち込んでいったおかげで、あらゆる誤植が生まれ、読者が湧いたとか。

そんな歴史もまるっと面白く収めてくれている、それが『ハイスコアガール』です。

『ハイスコアガール 第1期』まとめ


以上、ここまで『ハイスコアガール 第1期』に関してまとめてきました。

要点まとめ
  • 青春時代をゲーセンで過ごした人、ゲームにのめり込んでいる人なら絶対楽しめる作品
  • ゲームの読み合いは得意でも、女心が読めずに滅多打ちにあうところも必見
  • 男でも女でも、ゲーマーの見せる意地と覚悟が良く描かれていて面白い!
※『ハイスコアガール 第2期』次回第16話も続けて読みたい方はこちら

『ハイスコアガール』第16話(第2期1話)ネタバレ感想!大野がゲームセンターに目覚めるまでの話