アニメ『ヒナまつり』は、ギャグ系作品と思われがちですが、単なるギャグアニメではありません。
意外と「泣ける話」も多かったりします。
- 見た目はシュールギャグ
- 軸にあるのは人情話
- 大人が見ても楽しめる
それではさっそく『ヒナまつり』についてレビューしたいと思います。
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目次
『ヒナまつり』作品情報
作品名 | ヒナまつり |
放送年 | 2018年4月〜2018年6月 |
話数 | 全12話 |
原作 | 大武政夫 |
監督 | 及川啓 |
声優 | 田中貴子(ヒナ) 中島ヨシキ(新田 義史) 本渡楓(三嶋 瞳) 野島健児(松谷 翼) 小松未可子(相沢 さよ) 近木裕哉(下田 貴志) 市川太一(中田 ケンゴ) 日笠陽子(桜 詩子) 村川梨衣(アンズ) |
音楽 | 三澤康広 |
主題歌 | オープニング「Distance」 エンディング「鮭とイクラと893と娘」 |
『ヒナまつり』声優・キャラクター紹介
ヒナ(声優:田中貴子)
- 本作の主人公で中学1年生
- 謎の「組織」に所属していた超能力少女その1
- 都市を滅ぼすほどの念動力を使える
- 無表情でずぼらで口数も少ない
アンズ(声優:村川梨衣)
- ヒナを追いかけてきた「組織」の人間
- 超能力少女その2
- 着ている特攻服は暴走族から奪い取ったもの
- 根は素直で優しい
新田 義史(声優:中島ヨシキ)
- 金儲けが上手いインテリヤクザ
- 無理やりヒナの保護者にされてしまった
- 意外と面倒見がいい
三嶋 瞳(声優:本渡楓)
- ヒナのクラスメイトで、ヒナの面倒を見ている
- なにをやらせても器用にこなす
- 頼まれると断れない性格
マオ(声優:小澤亜李)
- 「組織」の超能力少女その3
- 気弱で大人しい性格
- 無人島に転送されサバイバルを行っている
- ヒナとアンズとは面識がある
【ネタバレ】『ヒナまつり』あらすじ・感想
泣ける話が多い
第1話で、主人公・ヒナの保護者となる、新田義史の職業はヤクザです。
二人の出会いは、突如新田の部屋に転送されてきたヒナが、超能力で新田を脅し服などを要求する、というものです。
ギャグテイストで描かれていますが、暴力で人を脅して金を巻き上げるヤクザが、小学生の女の子に同じことをされる、という形はあまり笑えませんでした。
第2話までは似たテイストだったので、『ヒナまつり』とは相性悪そうだなあ、と感じていました。
『第3話 ホームレス生活入門編』を見て、この『ヒナまつり』の見方が大きく変わりました。
ホームレスとなり、空き缶拾いで生計を立てるアンズ。
それを心配した新田からの金銭の施しを、プライドからいったんは拒否するも、自分を仲間に加えてくれたホームレスの人たちのために受け取るアンズ。
格差、お金の残酷さ、助け合わなければ生きていけないから生まれる人との関わりなど、貧困生活だからこそ見えてくるものがあります。
普通は、子供がこんな生活を送っていれば、フィクションだと分かっていてもハラハラしてしまうところです。
ですが、そこはギャグアニメで、かつ超能力という保険があるため、アンズの成長を安心して見守っていられます。
深みとエンタメを融合させた、素晴らしい話ですが、この話だけではなく全12話の半分近くが人情話になっています。
第6話、第7話、第10話など、アンズの話には何度も泣かされましたねぇ…。
アンズの優しさが強く伝わるのは、声をあてられた「村川梨衣」さんの力も大きいと思います。
かわいらしく、儚げで、声を聞くだけで、優しさが伝ってきました。
キャラクターの変化が愛おしい
全てのキャラが物語中で大きく変化しています。
アンズはもちろん、ヒナも新田の出世を祝ってパーティーを企画できるほどになりました。
超能力で脅していた出会いが嘘のようです。
第12話まで見てから第1話を見返すと、変化のための前振りだったのかな、と思えました。
もちろん、ヒナ以外の主要キャラも大きく変化しています。
- 暴力的な少女として登場したのに、ホームレスになって、やさしさに目覚める「アンズ」
- 意に反して、バーテンダーから派遣社員までこなす、スーパー中学生になってしまう「瞳」
- 無人島でのサバイバルをしていたのに、中国拳法の達人になっている「マオ」
むしろ、新田のところで落ち着いているヒナ以外のキャラたちが、予想できない動きをしていて面白いです。
マオに関しては、第1話冒頭が最終話に繋がっています。
そしてそのまま、歌もマオ役の「小澤亜李」さんが歌う、最終話だけのエンディングに突入しました。
メインキャラなのに出番の少ないマオ。
そんなマオのファンのための演出なんでしょうけど、とても面白い演出でした。
サブキャラのくせの強さ
- 子供をヤクザに売った罪の意識から、ホームレスとして生きていく手助けをする「やっさん」
- 店の売り上げのために中学生のバーテンダーを雇って悪びれないすれた店主「詩子(うたこ)」
- 家族のため、出世のため、やらせを断行するTVディレクター「瀬田(せた)」
- ヤクザの兄よりもDQNな、暴力と酒にまみれた妹「新田 美佳(にった みか)」
- ロックとイリュージョンを融合した「ロックージョン」を追求する「アツシ」
もちろんこれらは一部です。
これらのサブキャラたちを見て驚いたのが、非常にくせが強くて、ギャグ要員としても機能するほど面白いのに、現実にいそうだと思わせる演出です。
台詞や服装に、やけに現実感があるんですよね。すごいです。
中学生を利用して稼いでいた詩子。
ところが、利用している対象が有能過ぎて、自分だけじゃなく客までが依存を強め、徐々に自分の居場所を奪われていく。
個人的には、この流れがかなりツボでした。
現実にもありそうで、自分も気を付けようと思えるのに、詩子の自業自得なのでギャグとして笑えてしまいます。素晴らしい構成です。
こういった、キャラクターとそれを活かした話づくりが上手いから、感動的な話もつくれるんでしょうね。
実写ではできない設定
やけに現実感の強いキャラが多いですが、中学生のバーテンダーやホームレスという設定は、おそらく実写ではできないでしょう。
できたとしても、話が重くなりすぎて、激しく見る人を選んでしまいそうです。
『ヒナまつり』は、アニメならではの設定やポップさを使って、現代社会の深い話を表現している名作です。
ただブルーレイなどの、いわゆる円盤の売り上げが悪かったようなので、第2期はないのかもしれません。
特にマオは、第2期があればかなり出番が増えたであろうキャラなので、無念です。
続きは原作で、となる可能性が高いです。もったいないですね。
『ヒナまつり』まとめ
TVアニメ『ヒナまつり』すべての放送局で放送が終了しました。
とても素敵な最終回でしたね。
配信組の皆様は、配信開始までもう少しお待ちくださいね。OSHIMAI#ヒナまつり pic.twitter.com/Bn1uEpVLFy
— TVアニメ『ヒナまつり』公式 (@hinamatsuri4649) 2018年6月24日
以上、ここまで『ヒナまつり』について感想を述べさせていただきました。
- 第3話までは見るべき
- アニメや漫画ならではの設定
- くせが強いのに現実感のあるサブキャラ
- 第2期はないかも
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