映画『HELLO WORLD』あらすじ・ネタバレ感想!未来からきた自分とひとりの女性を守るSFアニメーション

映画『HELLO WORLD』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:『HELLO WORLD』公式ページ

著名なアーティストが楽曲提供したことでも話題となった映画『HELLO WORLD』は、まさに近未来SFアニメーションここに極まれりといった内容でした!

内気な高校生が未来の自分に会って、最愛の人を守るため動き出します。

何かベタじゃない?いや…ベタでいいんです!

ポイント
  • 『ソードアート・オンライン』シリーズの伊藤智彦監督初の長編アニメ映画!
  • 主演声優は『キミスイ』コンビの北村匠海、浜辺美波。声優初挑戦!
  • その他、松坂桃李や福原遥など豪華俳優陣がキャスティング

それではさっそく映画『HELLO WORLD』のあらすじや感想をネタバレありでご紹介したいと思います。

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映画『HELLO WORLD』作品情報

映画『HELLO WORLD』作品情報

出典:映画.com

作品名 HELLO WORLD
公開日 2019年9月20日
上映時間 98分
監督 伊藤智彦
脚本 野崎まど
声優 北村匠海
松坂桃李
浜辺美波
福原遥
寿美菜子
釘宮理恵
子安武人
音楽 2027Sound

【ネタバレ】映画『HELLO WORLD』あらすじ・感想


主人公の男子高校生・直実と未来のナオミ?

物語は2027年、主人公の直実は読書好きな男子高校生なのですが、引っ込み思案で言いたいことも上手く言えず、嫌なことも無条件で引き受けてしまいます

自分を変えようと自己啓発本を購入し実行しようと試みますが上手くいくはずもなく、いつも通りの毎日。

しかし、そんな殺風景な直実の日常が動き出します。

カラスに大事なものを取られて追いかけると、光と衝撃音が…そこに現れた怪しそうな男に戸惑い、直美は思わず逃げ出してします。

ですが、この怪しげな男はことごとく直実の前に現れるのです。

それもそのはず、この男の正体とは10年後の未来から来た直実自身でした。(以下、未来の直実は「ナオミ」表記。)

未来から来たナオミは、衝撃の事実を告げます。この世界は記録の世界?

実は、直実が現実と思っているこの世界は未来から来たナオミの世界にある装置「アルタラ」が記録してある世界だと言います。

直実もクラスメイトもデータの一部で、現実には存在しないと言うナオミ。

すなわち、未来から来たナオミは歴史の教科書に飛び込んできたと。そう考えていただくと見やすくなるのではないでしょうか?

さて、そんな記録の世界に未来から来たナオミは、過去の自分自身(直実)に彼女を作ってやる。と宣言します。

それを聞いた直実は一時は喜ぶのですが、相手を聞くと少し不機嫌に。

そのお相手とは、同じクラスメイトで直実と一緒に図書委員を務める一行瑠璃。

ナオミとは全く正反対の性格をしていて、唯一の共通点といえば読書好きということ。

直実はタイプじゃないとそれとなく未来のナオミに伝えると、「瑠璃は可愛い」と激昂し、自身で確認すると言います。

呆れながら付いていく直実でしたが、次の瞬間言葉を失くします。

あれだけ怒っていたナオミが瑠璃を見ると涙を流していたのです。

さて、ナオミよ。何で泣いているんだい?

ナオミが変えたい記録とは?

涙の理由。それは、2人で行った花火大会の際に瑠璃が落雷の事故に巻き込まれ、意識不明の重体になる未来があったのです。

その証拠に、ナオミ世界の瑠璃も未だ脳死状態になっていると言います。

ナオミはその記録を変えるためこの世界にやってきたと告白。目的がわかりました。

ナオミの表情と言葉から真剣さを感じ心が動いた直実は、瑠璃を彼女にするため未来から来たナオミを先生と呼んで一緒に行動を開始するのでした。

そして、瑠璃を落雷から守るためにナオミ先生からある手袋を渡されます。

神の手グッドデザインという手袋は、イメージしたものを作り出すというとんでもない能力を持っていますが、そんな簡単に扱える代物ではありません。

物を作り出すためには繊細なイメージが必要とのことで、直実は必死に修行を始めます。

物語はそんな修行シーンと平行して、直実が少しずつ瑠璃と親しくなるシーンが描かれていきます。

あの引っ込み思案の直実がどうやって?そう、直実にはナオミ先生がついています。

先生が持ってきた過去の記録ノートに従い、指令をこなし、2人の仲はどんどん仲良くなっていくのです。

そして物語は、2人がもっと仲良くなるためのイベント「古本市」へ進んでいきます。

まさかの中止!?ピンチの古本市

古本市が間近に迫っている中、図書委員たちが集めた古本が不注意によって燃えてしまうというアクシデントが起こってしまいます。

必死に集めたのに中止になってしまうのか?しかも、燃えた本の中には瑠璃の祖父が大事にしていた本も…。

彼女の辛そうな顔を見た直実は、ナオミ先生に相談するも、先生いわく2人の仲をもっと良くするためには必要なことと言います。

納得できない直実は先生の指示を無視し、日夜修行していた神の手を使って燃えた本たちを再現しようとします。

これを見ていた先生は仕方ないと言いながら助け舟を出し、一夜で本を修復するのでした。

直実の努力もあり古本市は大成功します!しかし、直実は徹夜明けで疲れて一日中寝てしまっていました。

夕方に目が覚めると、夕日が差し込む一室で2人は良いムードになり、直実はその勢いで瑠璃に告白します。

しかし、初恋かよっ!と言いたくなる様なぎこちなさ。

対する瑠璃も少し顔を赤らめながら返事をします。

2人とも恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になるのですが、このシーンはやはりアニメだからこそできる表現だ!という感じで、2人の感情が真摯に伝わりました。

そして運命の日へ

無事に付き合うことになった直実と瑠璃。

物語は、落雷の事故当日に進んでいきます!

当日、現場に行かなければ事故に遭うこともない!というわけで、花火大会に誘わず瑠璃の家付近を見回る直実。

これで落雷回避か?と思われたのですが、ここで狐のお面を被った不気味な集団が現れました。

狐面と呼ばれる集団は、アルタラの防衛システムのひとつで記録の改変などが起こった際に修正する役割を担う存在。

直実はここぞとばかりに狐面へ抵抗しますが、数が多い狐面は直実の抵抗をあざ笑うかの様に瑠璃と直実を花火大会の会場へ連れていきます。

ここから本作のカラーがガラッと変わっていきます。直実がナオミ先生と修行した成果も見られて非常に熱くなる戦闘シーンでした。

花火大会の会場へ来てしまった瑠璃と直実。周りにはものすごい量の狐面がおり、とても逃げられる状況ではありません。

運命の落雷まであと数秒となった時、ナオミ先生が直実に向かって「お前ならできる!」とエールを送ります。

その言葉を受け勇気を奮い立たせた直実が神の手で作り出したのは、なんとブラックホールでした。

結果、見事に瑠璃を救うことに成功した直実ですが、ここでさらなる衝撃の展開が起こります。

裏切り、そして絶望へ。

突如として空から光が放たれ、その光は瑠璃を包みさらっていきます。

何が起こったかわからない直実が呆然としていると、ナオミ先生が真実を話します。

実は、先生が未来の瑠璃を救うには瑠璃の記録が必要だったために、記録の世界の直実を利用していたのです。

そして、直実の世界にいる瑠璃はもう帰ってこないと告げ、先生は元の世界(=未来)へと帰って行きます。

先生に神の手の能力も取られた直実は、ただ1人で悲しく叫ぶのでした。

10年後の世界にて、瑠璃は無事に目を覚まします。

10年間ずっと起きなかった彼女が無事に目を覚まし、泣き出すナオミ先生。

一方、直実の世界では瑠璃がいなくなり、アルタラのシステムにエラーが起き、直実の世界が少しずつ壊れていきます。

直実は必死に逃げるのですが、崩壊する世界に逃げ場所は無く巻き込まれてしまうのでした。

なぜ、こんなことが起きているのか?その答えは10年後にありました。

10年後のアルタラの管理者は、直実の世界をリセットしようとするのでした。

10年後のアルタラ管理メンバーには先生の姿もあります。ここで先生の10年間の歩みが語られます。

ナオミ先生の10年間の歩み

落雷事故により、全てに絶望していたナオミ先生は大学の講義でアルタラの可能性と今回の計画を思いつきます。

必死に勉強し、無事アルタラ管理メンバーに入った先生は今回の計画の実験を始めます。

瑠璃のために、何としてもアルタラ世界へ行こうとする先生の実験は危険を伴いました。

実験の後遺症により彼の片足は動かない状態に、背中にはアザが。

自身に危険が及んでも瑠璃を助けたいという想いが実を結び、彼はアルタラ世界へ入り込み直実と会うことができたのでした。

直実が気がつくと、そこは全くわけのわからない世界が広がっており「自分が死んでしまったのではないか?」と考えます。

その時どこかから「あなたは死んでいない」という声が聞こえます。

声の主は、先生と会うきっかけになったカラスでした。

カラスは「瑠璃を救いたいか?」と聞き、直実の答えはもちろんイエスです。

それを聞いたカラスは直実の手にくっつくと、見慣れた神の手になるのでした。

さて、全てが解決し、病室で会話をするナオミ先生と瑠璃。

しかし、精神は別世界にいる瑠璃は、目の前にいるナオミと自分が愛した直実に違和感を感じていきます。

そして瑠璃は、ナオミにハッキリとあなたは私の知ってる直実じゃないと言い放つのです。

突然の拒絶にびっくりするナオミの目の前に、狐面が現れました。

ここでナオミが現実世界と思っていた10年後の世界も、アルタラによって記録された世界と明かされます。

狐面たちは、この世界ではエラーとなる瑠璃を排除しようとします。

絶体絶命と思われた時、そこに現れたのは…?

直実が10年後に?

直実が10年の時を超えやってきました。起こり得るはずのない現実に呆然とするナオミ。

直実は神の手を使って狐面を蹴散らすと、ナオミの頬を一発殴ります。

そこから直実は瑠璃を病室から連れ出し、カラスの導き通りに狐面から逃げます!

この逃避行のシーンでは、神の手の能力をフル活用されます。

交差点に『進撃の巨人』で出てくるような壁を作ったり、逃げるために歩道橋の長さを変えたり…そんなこと修行でやってましたっけ?と思わず疑問に思うようなシーンもありましたが、CGアニメーションの特性を活かしきったダイナミックな仕上がりになっています!必見です!

しかし、狐面の猛追は留まることを知りません。

追い詰められ、絶体絶命のピンチを迎える2人のもとにナオミが運転する車がやってきます。

ナオミは、過去の直実に殴られ、瑠璃の笑顔をもう一度見たかったという目的を思い出したのでした。

そして、瑠璃の笑顔を守るため、2人を元の世界に戻すという決断をし、再び師匠と弟子の関係へと戻ったのです。

元の世界へ戻るための場所へたどり着いた3人は、まず瑠璃を戻すために直実が神の手で元の世界へ続くゲートを作っていきます。

その間、瑠璃はナオミと何気なく会話をしている中で、瑠璃と直実が過去に会話をしていたことをナオミが話し、そこで瑠璃は「この人も直実なんだ」確信し「愛してくれてありがとうございます」とお礼を言うのでした。

ナオミは元の世界へ戻る彼女の後ろ姿を見て、泣きながら、そしてゆっくりと確認するように「瑠璃。僕は、ずっと君が好きだったんだ」と言い、彼女はゲートへと消えていくのでした。

あとは、直実がゲートをくぐるだけですが、ここで狐面によってゲートが壊されてしまいます。

直実という記録のエラーを許さない狐面は合体し、巨大な化け物の姿になって直実とナオミを攻撃し始めます。

そこで、ナオミは直実か自分のどちらかが消えれば解決することを教えますが、直実はそれに納得できず、強引に狐面を倒そうとしています。

しかし、力及ばず狐面の魔の手が!直実が気づくと、狐面の攻撃は当たってません。なんとナオミが盾となって守ってくれたのでした。

ナオミは自分が犠牲となり、2人の幸せを願いながら消えていきます。

最後の直実とナオミの会話は、やはり2人が師弟のような間柄であって、仲が良かったことを改めて伝えてくれるシーンでした。

『HELLOW WORLD』

直実が気がつくと、隣りで「元の世界へ戻ったの?」と聞く瑠璃に、直実は「ここは新しい世界なんだよ」と告げ、物語は幕を閉じます。

ここでやっとタイトルの意味が観客に伝わるようになっています!オシャレな終わり方だなと感じました。

全体的に感じたのは、人は行動によって何かを変えることができるというのを全面に押し出した物語なんだと思いました。

直実もナオミも行動することによって、例え敵を世界に回しても瑠璃を守ろうとしました。

何かに打ちのめされた時、諦めずに彼らを思い出して動いていきましょう!

映画『HELLO WORLD』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

以上、ここまで映画『HELLO WORLD』について紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 『ソードアート・オンライン』伊藤友彦監督初のオリジナル長編!
  • 豪華俳優陣が声優に挑戦!
  • ダイナミックなCGアニメ

声優初挑戦の北村匠海さんもキャラとベストマッチしてて好印象です!

松坂桃李さんのやれやれ系の演技も浸れるので、松坂桃李ファンはぜひ見に行ってください!

2019年は本当にアニメ映画が豊作な年だなと思います。

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