『運び屋』は、クリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』以来、10年ぶりに自身の監督作品で主演を務めた作品です。
90歳にして麻薬の運び屋となった男の実話がベースとなっています。
結論から申し上げると、本作『運び屋』は深くて渋いクリント・イーストウッド晩年の最高傑作だと思いました。
- ストーリー展開はのんきでユニーク!
- キャスティングがおもしろい
- 社会的描写がされていて、メッセージ性もあり
それではさっそく作品紹介とレビューを書いていきますね。
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目次
『運び屋』作品情報
作品名 | 運び屋 |
公開日 | 2019年3月8日 |
上映時間 | 116分 |
監督 | クリント・イーストウッド |
脚本 | ニック・シェンク |
出演者 | クリント・イーストウッド ブラッドリー・クーパー ローレンス・フィッシュバーン マイケル・ペーニャ ダイアン・ウィースト アンディ・ガルシア |
音楽 | アルトゥロ・サンドバル |
『運び屋』主要キャスト
アール・ストーン(クリント・イーストウッド)
- 百合の栽培を仕事とし、仕事一筋で家庭を顧みずにいきてきた90歳の男性。
- 百合の品評会でもグランプリを獲ったり、人から注目されたりするのが好き。
- 性格は温厚で、冗談も言うし、自分の信念を曲げない性格。
コリン・ベイツ捜査官(ブラッドリー・クーパー)
- 真面目な麻薬捜査官。
- 恋人との記念日を忘れるくらい捜査に没頭している。
- 麻薬組織を一網打尽に取り締まろうと奮起している。
主任特別捜査官(ローレンス・フィッシュバーン)
- コリンの上司。
- コリン捜査官が活躍できるように気を使ってくれるよき理解者。
アイリス(アリソン・イーストウッド)
- アールの娘。
- 家庭をかえりみない父アールを憎んでいる。
『運び屋』あらすじ・感想【ネタバレなし】
のんきでユニークな作品。アメリカンジョークも飛び出す!
今までにおけるクリント・イーストウッド監督が手掛けた実話をベースにした映画は、わりと重々しい作品が多かったのですが、今作『運び屋』は一貫して明るくのんびりとしています。
麻薬の運び屋なのに、道中鼻歌を歌って運転したり、食べたいホットドック屋があれば自由気ままに入って食べるし、とても自由!
イーストウッド演じるアールの自由奔放な人柄が伝わってくる良作です。
麻薬組織の人に凄まれても、リップクリームを塗り塗りして知らん顔したりして、観ていてプッと吹き出してしまいます。
途中、アメリカンジョークも飛び出したりして、終始おもしろい作品でした。
キャストが豪華!イーストウッドの娘も出ています
旬のブラッドリー・クーパーやマイケル・ペーニャを脇に固めて、とても豪華なキャスティングです。
名優ぞろいなので、もちろん演技も申し分なし。
そしてクリント・イーストウッドの娘であるアリソンが、劇中でも娘役として出演しており話題になりましたね。
イーストウッドの良い意味での力の抜けた演技や、若くて有望な捜査官を演じたブラッドリー・クーパーもとても良かったです。
人種差別のシーンをちょっと見せたり、社会的描写もあり
アールは白人。しかも退役した元軍人です。
この『運び屋』には、多様な人種が出てきます。
麻薬組織のメキシコ人をタコス野郎と言ったり、道端で立ち往生している黒人をニグロと言ってみたり、人種差別的な発言も出てきます。
ニグロと黒人に言って「今はもう二グロとは言わない。ブラックって言うんだよ。」とアールがたしなめられるシーンも興味深いシーンです。
白人以外のアメリカ人が、今だに冷ややかな目で見られているという現実も見せて、警鐘を鳴らしているのかなと思いました。
また、アールが一貫してネットに否定的な態度を見せますが、これはスマホやネットに頼っている現代人に、大事なのはそればかりではないんだよ、と言うイーストウッドのメッセージも感じることができます。
90歳のアールに人生観を学ぶことができる
アールが麻薬組織のリコに「組織をやめて自分の好きなことをしろ」と言うシーンがあります。
このシーンが私は一番グッときました。
人生は一度きり。
自分の好きなことをしないともったいないじゃないかと言われているようで、とても考えさせられました。
アールは好きな仕事ばかりしてきて、家族に見放されてしまったけど、これで終わってはいけないと家族の絆を取り戻します。
人生好きなことばかりできないし、アールのように仕事ばかりで家族に嫌われてしまうこともあるかもしれないけど、自分次第で取り戻すこともできるんだと教えてもらった気がします。
『運び屋』まとめ
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— The Mule Film (@TheMuleFilm) 2018年12月19日
ここまで『運び屋』を鑑賞した感想と考察を述べてきました。
ハートウォーミングで、人生において大切なものは何かを考えるきっかけになる作品だと思います。
クリント・イーストウッドの渾身の作品をぜひ堪能してみてくださいね。
それでは、最後に本作『運び屋』の要点をまとめます。
- クリント・イーストウッドから私たちへのメッセージ的作品
- ユニークなシーンもたくさんあって楽しい
- ただおもしろいだけじゃなく、深みのある渋い作品
- 人生について考えるきっかけになる
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