池袋シネマ・ロサにてレイトショー上映、村瀬大智監督作品『赤い惑星』と、唯野浩平監督作品『ムチノセカイ』の併映『灰色の街特集 俺たちに明日はナイト』の新しい予告編が解禁されました。
また新たに著名人の方々から各作品にコメントも到着しました。
目次
『灰色の街特集 俺たちに明日はナイト』上映作品『赤い惑星』、『ムチノセカイ』への応援コメント
『赤い惑星』への応援コメント
俳優 井浦新
ヌーベルヴァーグの薫り。
ATGの質感。
逆にそこにはめ込んでしまうのは失礼なのかもしれないけど、あの時代の煌めきを感じてしまうのはなぜだろう。
時空を超えて無意識のうちに継承がなされてるのではないかとワクワクしながら作品を観入っていました。
『赤い惑星』には、村瀬監督の衝動、自由な映画づくりそのものが詰まっている様に感じます。
だから観ていて爽快、無条件に好きだ!という感情が湧き上がってくる。
きっと、いまこの時代にとっては村瀬大智監督はまぎれもなく「新しい波」だ。
こんなにも自由な作品を観せられたら、俳優として、村瀬監督の世界で転がったらどうなるだろうかと、つい夢想してしまう。
映画監督 白石和彌
長周期地震動でずっと揺れているような不穏さが映画全体を覆う。
赤い惑星の中にあるような狂気はもう既に私たちの住む世界にも浸食しているのだろう。
街で赤い旗を見かけたら要注意だ。
村瀬大智という大きな才能の胎動がここにある。
その先をまた見てみたい。
女優 土井志央梨
私は村瀬大智をあまり知らないですが、この映画を見ていると彼に希望を託してみたくなりました。
胸いっぱいの虚しさを燃料にして、私達はこれから、どこへ行こう?
『ムチノセカイ』への応援コメント
映画監督 白石和彌
目的も理由もよくわからない3人の生活が突然ハードボイルドになる。
独特の映像センスと世の中の見方にオリジナルの視座がある。
生き辛く、もがき苦しむ世の中を唯野浩平の映画がいつかぶち壊すかもしれないです。
プロデューサー 椎井友紀子
3人の若者が見つめたこの世のノワール。
それは今までもそしてこれからも背負わねばならない未来の不条理。
巨大な都市に吸い込まれていく大人たちの闇深き背中、ささやかに生活を守る市井の人々の怯えた背中、置き去りにされた橋の下のホームレスの丸まった背中。
その姿は、いつか辿り着く自分達の未来だと感じ、終止符を撃ちたかった3人の若者だが、3人が見つめた不確実な未来は、最後の最後に違っていました…。
映画監督 城定秀夫
我々の隣に存在している並行世界でのリアルが描かれており、そのセカイにおいて彼らが殺したものはいったい何だったのかと考えると、おそろしいです。
『灰色の街特集 俺たちに明日はナイト』開催概要
特集上映タイトル:『灰色の街特集 俺たちに明日はナイト』
上映作品:『赤い惑星』村瀬大智監督、『ムチノセカイ』唯野浩平監督
日時:2020年10月31日(土)〜11月6日(金) 一週間限定レイトショー
※10月31日(土)と11月6日(金)上映後には舞台挨拶、ゲストを招待予定。
場所:池袋シネマ・ロサ(東京都豊島区西池袋 1-37-12 ロサ会館内)
『赤い惑星』作品情報
2019年度の京都造形芸術大学映画学科の卒業生である村瀬大智が三年時に製作した作品です。
メインのキャストに起用されたのは同期生の中山慎悟、宮本伊織、杉原亜実の3名。
それぞれこれからの活躍が期待される役者達です。
監督を務めるのは、2019年度カンヌ国際映画祭Short Film Cournerに初監督作品『忘れてくけど』が選出された村瀬大智。
去年製作した初長編監督作品『ROLL』は2020年度なら国際映画祭NARA-wave(学生映画部門)に選出、観客賞を受賞。
他の部門も含め彼は唯一の日本人受賞者でした。
本作の舞台は「チャッピー」という出どころも正体もわからないウイルスが蔓延し毎日人が少なくなっていく世界。
墓守の仕事を与えられ、来る日も来る日も死体を埋め続けるヒトシのもとに現れた男。
世界が終焉に向かっていくなかで、奇妙な共同生活が始まります。
2年前に製作された本作は、奇しくもウイルスが蔓延した現在の世界と重なります。
監督:村瀬大智
出演:中山慎悟、宮本伊織、杉原亜実
音楽:梅村和史
撮影:原田迪治
照明:廣井駿介
録音:池田沙月
美術:原彩花
助監督:矢部凛
40分/ヨーロッパビスタ/5.1ch/カラー
『赤い惑星』あらすじ
この宇宙のどこかの惑星のどこかの町の小さなお話。
チャッピーという流行病のせいで人々は毎日少なくなっていくある惑星。
その地で墓守のヒトシは毎日墓場で死人のために穴を掘り、赤い旗を立て続けていた。
人里離れた場所で、誰とも干渉せず、誰にも急かされず、ヒトシだけの時間が流れていた。そんなヒトシの前にふらりと現れた「赤いシャツの男」。
嫌がるヒトシを尻目にヒトシの家に棲みついてしまう。
まだ病気になっていない死を待つ人々らの1人、「絵を描く女アカリ」もやがてヒトシの家に棲みつくようになってしまう。
「墓守のヒトシ」と名も知れぬ「赤いシャツの男」、「絵を描く女アカリ」の時間が始まる。
Gallery
『ムチノセカイ』作品概要
2019年度京都造形芸術大学映画学科の卒業生である唯野浩平が二年時に製作した作品です。
メインの男性役に起用されたのは同期生の中山慎悟、松井亮頼、村瀬大智の3名。
それぞれ俳優・監督・芸人の道へ進み、頭角を現しつつあります。
監督は、本作が劇場公開デビューとなる唯野浩平。
2019年にプロデューサーを務めた作品『静謐と夕暮』では、2020年度サンパウロ国際映画祭New Filmmakers Competitionに選出されました。
本作で映し出されるのは、グンというたった1人の男によって変化していく若者たちの日常。
シンゴの抑圧された日常はひずみ、つられるように同居していたアキラも突然入社します。
日常の変化はさらに広がっていき、周りの人の心を侵していき…。
社会の歯車から抜け落ちた若者3人を描く現代悲劇的映画作品。
監督:唯野浩平
出演:中山慎悟、松井亮頼、村瀬大智
音楽:一橋匠蔵
撮影:廣井駿介
照明:嘉正帆奈
録音:國領一輝
美術:上田美穂、植原美月
助監督:関大輔
制作:森山淳也・松本笑佳・塩塚迪香
57分/シネマスコープ/5.1ch/カラー
『ムチノセカイ』あらすじ
フリーターのシンゴとアキラ、そこに転がり込んで居座り続けるグン。
目的がわからずバイトにすがるシンゴ、何かに縛られることなく暮らすグンとアキラ。
3人の生活はシンゴが1人でバイトを続けて生計を立てていました。
ある日アキラが突然就職して、会社の上司・鈴木を家に連れてきて帰ってきます。
不満のある地に足を落ち着かせている自分へ囁いてくるグンの言葉に、シンゴは反発し、鈴木は惹かれてきますが…。
Gallery